【高野山 金剛峰寺(こんごうぶじ)】 全国に3,600もある、高野山真言宗のお寺の総本山。秀吉の甥である豊臣秀次 自刃の間がある

前回の続きで和歌山県の高野山(世界遺産)について書きます。

【高野山の総門「大門」】【壇上伽藍(だんじょうがらん)】と書いて、今日取り上げるのは、全国に3,600もある高野山真言宗のお寺の総本山である「金剛峰寺(こんごうぶじ)」です。

参拝記

真言宗の総本山「高野山真言宗 金剛峰寺(こんごうぶじ)」の最寄り駅は高野山駅です。

 

 

高野山の観光は、高野山駅から車で6分にある総門の「大門(だいもん)」からです。

 

 

今日紹介する「総本山金剛峰寺」へ行くには、高野山駅から南海りんかんバス奥の院行きか大門行きのバスに乗り、千手院橋か金剛峰寺前で下車します。

 

 

金剛峰寺(こんごうぶじ)、正門。

名前の由来は、「金剛峯楼閣瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくゆがゆぎきょう)」というお経です。

もともと「金剛峰寺」とは高野山の総称でした。

 

1593年に豊臣秀吉が亡き母「追善」のために建立した青厳寺と、興山寺 (廃寺)の2つの寺院が合併したもので、明治初年に金剛峰寺と改称されました。

全国3600もある高野山真言宗のお寺の総本山です。

真言宗には、高野山真言宗など18の宗派に分かれます。

 

 

 

正門のアップ。


正門は金剛峰寺の中で一番古い建造物で、1593年に再建されたものです。
昔はこの門を正面から出入りできるのは天皇・皇族、高野山の重職だけだったそうです。

 

 

金剛峰寺主殿。1893年に再興されたもの。
東西30間、南北35間の大建築で、屋根は檜皮葺(ひわだぶき)。

屋根の上に二つ乗っているのは、天水桶(てんすいおけ)と言い、雨水を溜めるものです。火災が起こったときに燃え広がるのを防ぐ役目をしています。

 

 

この主殿の柳の間は、豊臣秀次(豊臣秀吉の姉である瑞竜院日秀の長男。つまり、秀吉の甥自刃の間として有名だそうです。

(豊臣秀次 ウィキペディアより)

秀吉が天下人になると、羽柴姓に復氏して、名も秀次と改名。豊臣姓も下賜された。鶴松が没して世継ぎがいなくなったことから、改めて秀吉の養嗣子とされ、文禄の役の開始前に関白の職を譲られ、家督を相続した。

ところがその後になって秀吉に嫡子秀頼が誕生して、理由は諸説あるものの、秀次は強制的に出家させられて高野山青巌寺に蟄居となった後に切腹となった。秀次の首は三条河原で晒し首とされ、その際に眷族も尽く処刑された。

 

 

秀次の運命を変えた秀頼ですが、なんと秀吉が57歳の時の子なんですね。

豊臣秀吉には正室のほか、たくさんの側室がいましたが、子宝に恵まれませんでした。

そのため、秀吉57歳の時に生まれた秀頼は、秀吉の子供ではなく、淀殿と、その乳兄弟であった大野治長との間にできた子とする説もあるそうです。

この大野治長は、九度山に蟄居していた真田信繁(幸村)を、大阪の陣に誘った人なのだそうです。

 

秀頼の父かもしれない大野治長は、大坂の陣で、自分の切腹を条件に、秀頼と淀殿の助命を願いましたが叶わず、秀頼とともに大阪城で自害したのだそうです。

 

うーん・・・、秀頼の父は誰だったんでしょうね。やっぱり大野治長なのでしょうか。

 

 

それにしても、秀次、28歳で死に追いやられるとは、悲しい運命ですね・・・。

→→【日牟礼八幡宮(ひむれはちまんぐう)】の記事はこちら・・・滋賀県。秀次が築いた八幡城のふもとにある。近江八幡の発展は、秀次の功績が大きい。

 

 

豊臣秀吉ファンはこちらの記事もどうぞ。

 

 

主殿のアップ。
天皇家の紋「十六八重表菊」があります。
歴代天皇の位牌や高野山真言宗管長の位牌をまつっているそうです。

 

 

鐘楼(しょうろう)。
金剛峯寺の前身である、青巌寺の鐘楼です。
県指定文化財。

 

私達は外から見るだけで中に入りませんでしたが、拝観料は大人500円、小学生200円です。8:30~17:00(入場は16:30まで)。

中に入ると見られる「蟠龍庭」(2,340m2)は日本最大の石庭だそうです。

日本最大の石庭、ぜひ見たかったなぁ・・・。

行かれる方は、ぜひご覧になってくださいね。

 

 

 

次は弘法大師空海が眠る聖地「奥の院」を取り上げます。

お墓だらけのエリアなので、写真が少ないです。(なんだか撮っちゃいけない気がしたので、撮っていない)

次の記事はこちら

ずっと和歌山県の高野山観光について書いてきましたが、今回の記事が最後です。 参拝記 真言宗の総本山「高野山真言宗 金剛峰寺(こんごうぶじ)」の最寄り駅は高野山駅です。     高野山[…]

 

(この参拝記は2007年です)

関連記事

→→【比叡山と高野山、最澄と空海】 比叡山延暦寺紹介の前に、簡単に説明

 

和歌山県で弘法大師空海と関連のある記事です。

→→高野山①大門の記事はこちら

→→高野山②壇上伽藍(だんじょうがらん)の記事はこちら

→→高野山③総本山金剛峰寺(こんごうぶじ)

→→高野山④奥の院

→→慈尊院。空海の母と関わりの深い寺で、乳房型の絵馬がある・・・九度山町。

→→丹生官省符神社・・・九度山町。空海創建の社。

→→丹生都比売神社・・・かつらぎ町。丹生都比売神を祀る神社の総本社で、水神・水銀鉱床の神。

→→生石高原。ススキの名所で、弘法大師空海が護摩修行をした笠石がある。 

交通アクセス

公共交通機関で行く場合、南海高野線の極楽橋駅から南海高野山ケーブルに乗車し、終点の高野山駅で下車します。
遠方から行く場合、 新幹線利用ならば新大阪駅で下車→南海なんば駅→特急こうやに乗車。
飛行機利用なら、関西国際空港で降りて、南海電鉄に乗車し、なんば駅→特急こうや。

電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。

高野山駅からは、南海りんかんバスに乗車します。総本山金剛峰寺へ行くには、奥の院行きか大門行きのバスに乗り、千手院橋か金剛峰寺前で下車します。
南海りんかんバス路線図、時刻、運賃

フリー切符

南海電鉄の「高野山・世界遺産きっぷ」が便利です。
高野山駅までの電車割引往復乗車券と高野山内バス2日フリー乗車券がセットになったお得なきっぷで、2日間有効。
拝観料2割引、指定お土産屋さんで1割引などの特典があります。
南海電車お得な切符

バスのフリー切符のみ欲しい方は、高野山内バス一日乗り放題でご覧ください。大人830円、小児420円。

近くの宿泊施設

宿坊 桜池院。壇上伽藍のすぐ近く。

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