前回からの続きで、和歌山県和歌山市和歌浦のお参り・観光を紹介します。
「関西の日光」とも呼ばれる紀州東照宮の次は、和歌浦天満宮。
この二つの神社は300mくらいしか離れていません。
参拝記
和歌浦天満宮の最寄り駅は、紀三井寺(きみいでら)駅なのですが、徒歩で行くには少し遠いので、公共交通機関で行く場合、JR和歌山駅または南海和歌山市駅で電車を下車し、和歌浦口行きのバスに乗車し、和歌浦口で下車します。
車で行く方は、無料の駐車場があります。
和歌浦のマップは「otent」が見やすいのでご覧ください。
こちらが和歌浦天満宮。
台風接近の影響で相変わらず雨がシトシト降っていたため、夫と娘には車内で待っていてもらい、私一人だけでお参りすることに。 (息子はマリーナシティ、ポルトヨーロッパ(遊園地)で遊んだ後、祖父母らと実家に帰った)
一人お参り・・・大好きです。
「一人ならでは」の、自分の内側を見つめる時間や、神社の神聖な空気と自然が濃く見える感覚が好きなのです。
だれかとおしゃべりしながらお参りするのではなく、一人でお参りすると、心の清清しさが違います。
すぐ近くの【紀州東照宮】と同じく、和歌浦天満宮も山の上にあるため、階段をのぼります。
段数は紀州東照宮よりも少ない50段で、男坂と呼ばれています。
左側に少し緩やかな女坂がありますので、階段がこわい方は左から上がってください。
楼門は重要文化財指定で、一間楼門としては最大規模。
手水舎。
神社の手水舎は龍が多いですが、天満宮は牛です。
天満宮の御祭神である菅原道真公が生まれたのが丑年とか、亡くなったのが丑の月の丑の日だったとか、いろいろ説があるそうで、天神様は牛と関わりが深いからでしょうか。
前拝殿。
この後ろにある本殿は重要文化財で、御祭神は朝廷を祟ったといわれる悲劇の貴族・学者・政治家であり、学問の神様である菅原道真公。
(以下、ちょっと簡単に説明)
菅原道真公は平安時代の貴族・学者・漢詩人・政治家で大変優秀な方でした。
そのため、宇多天皇に気に入られ右大臣になりましたが、左大臣・藤原時平たちに失脚させられ、福岡県の大宰府へ追いやられます。
都を去らなくてはならなくなった道真が詠んだ歌は有名。
「東風(こち)吹かば にほひ(におい)をこせよ 梅花(うめのはな) 主(あるじ)なしとて 春を忘るな」
(東の風が吹く春になったら、梅の木よ、香り高い花をつけるのだよ。主人の私がいなくなっても、春の訪れを忘れないでおくれ・・・)
大宰府へ向かう途中、海上の風波を避けるため停泊したのが、なんと和歌浦!
和歌浦に来ていたとはしらなかった!
敷物がなかったため、漁師さんは船の艫綱を敷物(円座)にして迎えたそうです。
道真公は、神社が鎮座する天神山から和歌の浦を望み、2首の歌を詠みました。
「老を積む身は浮き船に誘はれて遠ざかり行く和歌の浦波」
「見ざりつる古しべまでも悔しきは和歌吹上の浦の曙」
九州の大宰府での暮らしは、貧しくて寂しいもので、菅原道真公は病に倒れて亡くなります。
大宰府に追いやられて、二年後の死去でした・・・。
その後、不思議なことに、菅原道真の追放に加わった貴族達が、雷に打たれたり病に倒れたりして、続々と死んでいきます。
藤原時平は39歳で病死、醍醐天皇の息子の保明親王も亡くなり、朝廷の清涼殿に雷が落ちて複数の要人が死傷しました。
醍醐天皇も体を壊し、三ヵ月後に亡くなります。
朝廷は「これは道真のたたりだ」と思い、盛大な供養を行いました。
このことから菅原道真公は雷神様、天神様と言われるようになりました。
その後、村上天皇の康保年間(964 – 968年)に参議橘直幹が大宰府から帰京する途中に和歌浦へ立ち寄り、この地に神殿を建て道真の神霊を勧進して祀ったのが始まりだそうで、和歌浦天満宮は、大宰府天満宮、北野天満宮とともに日本の三菅廟と言われているそうです。
菅原道真公を御祭神とする「天満宮」「天神社」は、全国に1万2000社あり、総本宮が京都にある北野天満宮です。
余談ですが、菅原道真、崇徳天皇(すとくてんのう)、平将門(たいらのまさかど)は「日本三大怨霊」と言われています。
案内文にあるように、和歌浦天満宮は末社に多賀神社本殿、天照皇太神宮豊受大神宮本殿があり(ともに重要文化財)、お参りをしたかったのですが神社の方に「お参りは17時までです。防犯センサーが反応してしまうので」と声をかけられ、戻ることに。
和歌浦天満宮楼門から見た和歌浦。
現在、家がたくさん立ち並んでいますが、湿地帯だった昔はさぞかし美しかったでしょうね。
降りてから気づいたのですが、参拝時間は午前7時から午後5時までと看板に書いていました。
それ以外の時間に敷地へ入った場合、防犯センサーが鳴って通報されるそうですので、気をつけてくださいね。
ギリギリ参拝できて良かったです。(16:57に鳥居をくぐっていた)
前記事の紀州東照宮で、「輪になってお参りをしているグループがいて気になったので、本殿・拝殿・唐門が参拝できる注意書きを見落とした」と書きましたが、あの時本殿に入っていたら、和歌浦天満宮へのお参りはできませんでした。
怪我の功名というやつですかね?
次は、玉津島(たまつしま)神社を取り上げます。
紀州東照宮の駐車場係員さんに「今日は玉津島神社で観月短歌祭をやってるから行ってみたらどう?」と教えていただいたからでした。
前回からの続きで、和歌山県和歌山市和歌浦のお参り・観光を紹介します。 今回取り上げるのは、玉津島(たまつしま)神社で、すぐ隣には塩釜(しおがま)神社もあります。 前回の【和歌浦天満宮】からは600m離れており、徒歩で移動すると8[…]
(この参拝記は2016年です)
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→→【黒潮市場、和歌山館】 マリーナシティで遊んだら、土産選び、食事、マグロ解体ショー
→→「北野天満宮」の記事はこちら・・・天神社、天満宮の総本社。京都にあります。
→→関西の日光「紀州東照宮」の記事はこちら・・すぐ近くです。
交通アクセス
JR和歌山駅または南海和歌山市駅で電車を下車し、和歌浦口行きのバスに乗車します。
電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。
おりるバス停は和歌浦口か権現前。権現前バス停が一番近いのですが運賃が高く乗車時間も長くなるので、850m、10分ほど歩く必要がありますが和歌浦口で降りるのをおススメします。JR和歌山駅から25系統のバスに乗り和歌浦口で降りた場合、運賃は310円、乗車時間16分。
・和歌山バス運賃・路線検索
車で行く場合、参拝者専用無料駐車場があります。
近くの宿泊施設
和歌の浦 木村屋。