【北野天満宮】 天満宮・天神社の総本宮。学問の神様で三大怨霊の菅原道真を祀る

引き続き、京都の紹介です。

参拝記

「天満宮」「天神社」は、全国に1万2000社あり、北野天満宮はその総本宮です。

梅がとても美しいので、2~3月に訪れるのをオススメします。

社務所前の樹齢120年の桜は、新種の「北野桜」といって、咲き始めは白く、やがてピンク色に変化していく特殊な桜だそうです。

 

また、学問の神様である菅原道真をご祭神としているので、受験生の参拝で賑わいます。(私は大阪天満宮へ受験祈願に行きました。懐かしい~)

 

菅原道真をウィキペディアで調べたら、面白いことが書いてありました。

余呉湖(滋賀県長浜市)の羽衣伝説では「天女と地元の桐畑太夫の間に生まれた子が菅原道真であり、近くの菅山寺で勉学に励んだ」と伝わる。

 

羽衣伝説、天女伝説って、いろんなところにあるんですね。

有名なのは、静岡の三保の松原の天女伝説でしょうか。

真偽は定かではないとして、生まれが伝説っぽいのは、偉人・聖人の特徴ですね。
(お釈迦様は母親のわきの下から生まれたとか、イエスキリストは処女懐胎だとか、日蓮聖人が生まれた日は海に蓮の花が咲いて鯛が飛び跳ねていたとか・・・いろいろあります)

 

 

祭神である菅原道真は、代々学者の家系に生まれました。
この家系もおもしろいのです。

おじいさん(菅原清公)は、私達の現代社会にも影響を与えた人らしいです。

 

何かと言うと、「名づけ」。

それまで和風だった人名のつけ方を、唐風に改めたそうです。

男の子の名前を一文字訓読み・二文字訓読みにし、女性の名前で「○子」という形式にする・・・といった具合に。

徹(とおる)、忠弘(ただひろ)、正子(まさこ)とかでしょうかね。

千年以上前からできていた名づけなんですね~。

 

 

ハイ、話を菅原道真に戻しますが、ものすごい速さで試験をパスしたり、おじいさんの私塾を主催して、たくさんの学者を育てたりもした超秀才だったそうです。

頭が良いだけじゃなく、素晴らしい詩人で、漢詩や、和歌もお上手!

 

やがて宇多天皇に気に入られ、右大臣になります。

右大臣はとっても重要な役職なのです!

朝廷の最高機関、太政官の職のひとつで、太政大臣→左大臣→右大臣→内大臣→大納言→中納言→参議→少納言となります。

上から三番目!

定員一名!

 

さぞかしモテたでしょうね! 子供の数は20数人とも言われていますが、実際の数は不明らしいです。

 

順風満帆に見えた菅原道真ですが、左大臣・藤原時平たちが福岡県の大宰府へ追いやろうと陰謀をめぐらせ、醍醐天皇は立腹し、菅原道真を京から遠い大宰府へと送ることにしました。

 

都を去らなくてはならなくなった道真は、歌をよみ、屋敷の紅梅の枝に結んだそうです。

 

 

東風(こち)吹かば にほひ(におい)をこせよ 梅花(うめのはな)
主(あるじ)なしとて 春を忘るな

(東の風が吹く春になったら、梅の木よ、香り高い花をつけるのだよ。主人の私がいなくなっても、春の訪れを忘れないでおくれ・・・)

 

 

ああ・・・なんて悲しい・・・

 

 

大宰府での暮らしは貧しく寂しいもので、病に倒れ、57歳で亡くなりました。

大宰府に追いやられて、二年後の死去でした。

 

 

その後、不思議なことに、菅原道真の追放に加わった貴族達が、雷に打たれたり病に倒れたりして、続々と死んでいきます。

藤原時平は39歳で病死、醍醐天皇の息子の保明親王も亡くなり、朝廷の清涼殿に雷が落ちて複数の要人が死傷しました。

醍醐天皇も体を壊し、亡くなります。

 

朝廷は「これは道真のたたりだ」と思い、盛大な供養を行いました。

 

このことから菅原道真は雷神様、天神様と言われるようになったそうです。

 

 

ちなみに、菅原道真、崇徳天皇、平将門は「日本三大怨霊」とも呼ばれています。

→→【「怨霊になった天皇」を読んだ】 人を恨んではいけない。「和の文化」は、世界に誇れる日本の心・・・日本最大の怨霊「崇徳天皇(すとくてんのう)」について書きました。→→【神田明神】 皇居(江戸城)の鬼門(北東)を守護している江戸総鎮守。平将門の祟りとは・・・東京都の神田明神は、平将門を祀っています。処刑され、はねられた将門の首は、叫びながら空を飛んだらしい。

 

 

 

 

北野天満宮について、ウィキペディアには面白いことが書いてありました。

延喜3年(903年)、菅原道真が無実の罪で配流された大宰府で没した後、都では落雷などの災害が相次いだ。

これが道真の祟りだとする噂が広まり、御霊信仰と結びついて恐れられた。

そこで、没後20年目、朝廷は道真の左遷を撤回して官位を復し、正二位を贈った。

天慶5年(942年)、右京七条に住む多治比文子(たじひのあやこ)という少女に託宣(神が人にのり移ったり夢に現れたりして意思を告げること。神託)があり、5年後にも近江国の神官の幼児である太郎丸に同様の託宣があった。

それに基づいて天暦元年6月9日(947年)、現在地の北野の地に朝廷によって道真を祀る社殿が造営された。

後に藤原師輔(時平の甥であるが、父の忠平が菅原氏と縁戚であったと言われる)が自分の屋敷の建物を寄贈して、壮大な社殿に作り直されたと言う。

 

うーむ・・・・と、思わずうなってしまいますね。

 

歴史、おもしろいですね。

 

 

人間ドラマ、濃いですね・・・。

 

 

三光門。重要文化財だそうです。

 

 


 

 

 

社殿(国宝)は人が多く撮れなかったので、フリー素材の写真を貼っておきます。 (出典:タキザワあやこさん、写真AC

 

 

境内にはたくさんの梅の木が植えられていました。

 

菅原道真が愛したのは梅でしたね・・・。

 

 

私達は梅苑には入らなかったのですが、1500本も植えられていたら、さぞかし良いにおいがするでしょうね。

 

北野天満宮のお守りは「梅」の模様が入っています。

 

大宰府左遷が決まり、梅に詠んだ歌・・・あまりにも寂しくて涙が出ますね・・・。

 

 


天満宮には牛が多いです。

 

道真公は845年の乙牛6月25日丑の刻の誕生で、丑を大切にしたと言われているそうです。

903年2月25日に亡くなり、葬送の途中に柩車の牛が臥して動かず、「道真公の御霊が自ら鎮まる場所を定められた」として、その地に御廟所を造ったのが、現在の太宰府天満宮の正殿にあたるそうです。

 

誕生から死まで、丑が関係していたんですね。

 

撫でたら一度だけ願うが叶う「一願成就のお牛さん」が境内にあるそうなので、ぜひ、現地で探してくださいね。

 

 

 

 

天神様、来年の春たくさんの笑顔が見られるように、受験生に力を授けてくださいね。

 

受験生、がんばれ!

 

 

次は、伏見稲荷大社を紹介します。

 

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交通アクセス

京都市内は、バスが大変便利です。

京都駅から京都市営バス「50か101:京都駅-北野天満宮」に乗車し、北野天満宮で下車。乗車時間29分。

車で行く場合、参拝専用の駐車場があるそうです(25日は縁日のため停められません)。

フリー切符

京都市バス一日乗車券はこちら・・・大人一日600円で、京都市バスと京都バスが乗り放題。一日でバスに3回以上乗車する人は、お得です。

京都市交通局HP お得な切符一覧・・・バス一日乗車券の他、バスと地下鉄のフリー切符(1日・2日)もあります。

京都のバス、鉄道の乗り換えは「歩くまち京都」でご覧ください。・・・京都市内はバスが細かいです。上手に乗り換えてください。大型連休は道路が非常に混んでバスが遅れるので、鉄道を利用するのもオススメ。

料金について

参拝するだけならお金はかかりません。
4月~9月は5時~18時まで、10月~3月は5時30分~17時30分まで、門が開いているそうです。

宝物殿に入る場合、大人300円、中高生250円、子ども150円です
開館時間は9時から16時。

梅苑(1500本)に入る場合、茶菓子つきで大人700円、こども350円です。
開苑時間は10時から16時で、梅の開花時期(2月初旬~3月下旬くらい)の限定開苑です。

11月初旬から12月上旬は、もみじ苑(250本)の公開があるようです。料金・開苑時間は梅と同じです。

毎月25日 6時頃~21時頃までは、縁日が開催されているようです。

近くの宿泊施設

ホテルグランヴィア京都。京都駅出てすぐ。

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