【成田山新勝寺】 平将門(日本三大怨霊)討伐祈願が寺の始まり。寺の中で初詣客が全国一多い!

前回からの続きで、日帰りの千葉県成田市旅行の紹介です。
今日は、成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ)を紹介します。

参拝記

成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ)に公共交通機関で行く場合、京成成田駅かJR成田駅から徒歩10分ほどです。

駅から成田山新勝寺までの参道にいろんなお店があるので、向かう道中が楽しいです。

成田山の名物は前回の記事で紹介しましたが、うなぎ、羊羹(ようかん)、落花生です。

車で行く場合、有料の駐車場がいくつかあります。総門まで3分の門前駐車場(85台)、弘恵会東町第1駐車場(120台)、弘恵会東町第2駐車場(100台)。少し離れますが市営駐車場もあります。

 

 

成田山新勝寺の境内マップ。とても広いのですが、成田山公園を散策しないのなら、所要時間は1時間ほど。

 

 

成田山新勝寺総門。

成田山新勝寺の始まりは、平将門(たいらのまさかど)の討伐祈願。寛朝僧正により平安時代中期の940年に開山され、真言宗智山派の仏教寺院、大本山の一つです。

 

真言宗は平安時代に弘法大師空海(くうかい)が開いた宗教ですが、後に派生した智山派の総本山は智積院(京都市東山区)であり、大本山は3つあります。

 

真言宗の開祖・弘法大師空海について書いた記事はこちら

→→【比叡山と高野山、最澄と空海】 簡単に説明・・・空海と最澄は同じ時代の僧侶。

→→【高野山「奥の院」】 弘法大師空海、入定の聖地。日本三大霊山の一つ・・・空海は和歌山県高野町の高野山(世界遺産)で眠る。

 

 

成田山新勝寺は、初詣の参拝客数が多いことで有名で、社寺としては【明治神宮】に次ぐ全国第2位(千葉県内第1位)、寺院に限れば全国第1位の参拝客数を誇るのだそうです。

平将門討伐祈願が寺の始まりなので、平将門を祭神として祀る東京の神田明神や築土神社は、成田山を参拝することを避ける人もいるそうです。

平将門は東国が荒れていたので武力で制圧し、京都の朝廷 朱雀天皇に対抗して「新皇」を名乗り、東国の独立をはかりました。しかし、「朝敵 平将門討伐!」との成田山の祈願が効いたのか、即位後わずか2か月たらずで討伐されました・・・が、後に「日本三大怨霊(平将門、菅原道真、崇徳天皇)」の一人に数えられ、長く恐れられることになります。

→→【神田明神】の記事はこちら・・・皇居(江戸城)の鬼門(北東)を守護している江戸総鎮守。平将門の祟りについて書きました。

→→【宇都宮二荒山神社(うつのみやふたあらやまじんじゃ)】 平将門を討つ霊剣を与えた神社・・・栃木県宇都宮市。将門を討つ霊剣を藤原秀郷、平貞盛らに授けた。

→→【「怨霊になった天皇」を読んだ】 人を恨んではいけない。「和の文化」は、世界に誇れる日本の心・・・日本三大怨霊の中で、一番の怨霊と恐れられたのが崇徳(すとく)天皇。

【940年の平将門の乱】の時、 寛朝僧正(宇多天皇の孫)が御本尊不動明王を京都から成田の地に遷座し、成田山新勝寺が開山されました。【前回の記事】で紹介しましたが、もともとこの地に開かれたのではなく、公津ヶ原で、平将門の朝敵調伏を旨とする不動護摩供を奉修。後に戦火で廃れてしまったので米屋の【お不動様旧跡地】に移され、その後こちらに治まったようです。

私の中で「成田山新勝寺」と言えば、やはり平将門を討つ祈願をしたお寺であることと、節分会が豪華なことでしょうか。節分の豆まきには、歌舞伎の市川宗家、大相撲の力士、NHK大河ドラマの出演俳優等が豆まきをするそうです。

 

では、総門をくぐって、お参りしましょう。2006年に開基1070年記念事業として建てられた門で、2階部には不動明王や千手観音、大日如来など8体の木製仏像が奉安されているそうです。

 

 

総門をくぐって左手側に護摩受付所。(護摩木は500円)

 

 

私が訪れたのは夏休みの平日午後で、ドライフルーツの露店が出ていました。

成田空港に近いので普段は外国人観光客に人気なお寺ですが、新型コロナウィルスの影響か日本人観光客ばかりでした。

早く元の生活に戻りたいですね!

 

 

手を清めて、

 

 

仁王門(におうもん)へ。

 

仁王門は1830年に建てられたもので、重要文化財に指定されています。

 

仁王門の二尊は昔から「朱振りの仁王尊」と言われ、信仰されているのだそう。

裏側には、多聞天(たもんてん)と広目天(こうもくてん)も安置されていました。

 

 

仁王門の裏には池と、たくさんの石碑。

 

 

大本堂へと至る階段の左側に、何度修復してもすぐに壊れてしまうという不思議な「こわれ不動堂」があります。(なぜすぐに壊れるのか・・・)

本尊は倶利伽羅(くりから)不動明王。

 

 

 

 

香炉。

 

大本堂。

 

 

「疫病退散祈願」の大きな看板が出ていました。

お護摩祈祷は9時、11時、13時、15時で、私が訪れた時にちょうど15時の祈祷中だったので、御堂に入らせていただき、疫病退散祈願をしました。

お護摩とは弘法大師空海によって伝えられた真言密教の秘法で、煩悩を焼き清めて心願成就を願います。

中は撮影禁止で、御本尊の不動明王は平安時代に【弘法大師空海】が国の平和と人々の幸せを祈って自ら彫ったものとされているそうです。

 

 

 

 

すぐ近くの休憩所には成田山の開山物語と、歌舞伎の市川宗家の展示がありました。

世の中が落ち着いた江戸時代、歌舞伎役者の初代市川團十郎が子宝に恵まれなかったため、成田山不動明王に祈願して男児を授かったことから帰依し、「成田屋」の屋号を名乗りました。歌舞伎で不動明王が登場する芝居を打ったことで、成田不動は庶民の信仰を集め、成田参詣が盛んとなったのだそうです。歌舞伎の市川宗家は350余年の歴史があるそうです。

 

 

なんと、おみくじの自動販売機がありました。一回100円。

 

三重塔。1712年のもので、重要文化財。色彩が美しいですね!

 

 

国指定重要文化財の釈迦堂。ご本尊は仏教の開祖である釈迦如来。

1858年に建立された前本堂で、後に大本堂が建てられたため、昭和39年にこちらに移築されたのだそうです。

釈迦については、東京都日野市の【高幡不動尊金剛寺の灌仏会(花まつり)4月8日】の記事で書きましたのでご覧ください。(高幡不動尊は、成田山新勝寺と同じ真言宗智山派)

 

 

1861年に建てられた額堂。重要文化財。

江戸時代に歌舞伎の名優成田屋こと七代目市川団十郎により寄進された第一額堂が三重塔脇にあったのですが、昭和40年に焼失したため、こちらの第二額堂しか残っていないそうです。

中には七代目市川団十郎の石像がありました。初代の団十郎は屋号を「成田屋」にし、七代目団十郎は江戸時代末に活躍した名優で、江戸歌舞伎界に新風を吹き込みました。天保の改革(江戸幕府が倹約令を出して、派手な風俗を取り締った)の折には、成田山内の延命院に身を寄せて成田の人々に芝居や俳句を広めたのだそうです。

 

 

開山堂。

中に、成田山を開山した寛朝僧正(宇多天皇の孫)の像が安置されているそうです。

 

光明堂(重要文化財)の後ろに、奥の院。洞窟は11mあるそうですが、7月の7、8、9日の三日間だけ開くそうです。扉の両側にある模様のついた板は、千葉県指定有形文化財。左側の板は南北朝時代初期のもので、右側の板は南北朝合一直後の時代のもの。

→→【南朝黒木御所跡と供養塔】 天河大弁財天社のすぐ後ろ。南北朝時代を簡単に説明・・・奈良県のパワースポット。南北朝時代の流れを説明しました。

 

 

平和の大塔。中で成田山の歴史展が開催中だったのですが、私が訪れた時にはもう閉まっていました。

成田山公園や書道美術館に行く方は、平和の大塔前の下り階段からまわれます。私は時間が無かったので、散策はここでおしまい。

 

 

三笠宮崇仁殿下夫妻がお手植えされた沙羅双樹。

 

 

帰りは三重塔前の小さな階段から降り、水行場をちらりと見ました。

江戸時代に建立されたものを昭和に改築したもので、二宮尊徳さんもここで水行をしたのだそうです。

→→【報徳二ノ宮神社と、二宮金次郎の教え】の記事はこちら・・・神奈川県小田原市の小田原城。二宮尊徳(二宮金次郎)の教えを書きました。目の前のことをコツコツ♪

 

 

 

猫がくつろいでいました。

かわいいですね~~♪

 

 

以上で、成田山新勝寺の参拝は終わりです。

 

 

新勝寺の起こりが、【平将門】討伐祈願であることからのつながりで、次回は東京都にある「将門の首塚」を紹介します。

 

次の記事はこちら

前回、千葉県成田市の成田山新勝寺(なりたさん しんしょうじ)を紹介しました。 平将門(たいらの まさかど)の乱をおさめるため、将門討伐祈願をしたのが成田山新勝寺の起こりです。 →→【成田山新勝寺】の記事はこちら・・・千葉県成田市。平[…]

 

(この参拝記は2022年のものです)

 

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交通アクセス

公共交通機関で行く場合、京成成田駅、JR成田駅から徒歩10分。
車で行く場合、有料の駐車場がいくつかあります。総門まで3分の門前駐車場(85台)、弘恵会東町第1駐車場(120台)、弘恵会東町第2駐車場(100台)。少し離れますが市営駐車場もあります。

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