【小田原城と、おでんサミット】 北条氏五代が栄えた小田原は関東最大都市だった! 報徳二ノ宮神社と、二宮金次郎の教え

今日取り上げるのは、小田原城です。

年により若干日にちが変わるようですが、4月はじめの二日間は「小田原おでんサミット」が行われます。

サクラが奇麗な時期に開催されるので、我が家は2年連続、お花見とおでんサミットを楽しみました。

小田原城址公園には子どもが遊べる小さな遊園地があり、隣には二宮尊徳が御祭神である「報徳二ノ宮神社」もあるので、ぜひお参りをしてください。

散策記

小田原城へ公共交通機関で行く場合、JR・小田急線の小田原駅 東口から徒歩約10分です。

 

 

小田原桜祭りは、三月下旬から四月上旬まで行われており、駅前からお城までの広い通りに、ぼんぼりがたくさん飾られて賑やかになります。

駅前には、かまぼこ店や干物店があり、ついついお買物をしたくなってしまいます。

海鮮丼も美味しいですよ~♪

小田原城の広いお堀では、ローボートを漕げます。

「お堀deボート」といって、桜祭り中の11時~16時(最終出船は15時半)、30分500円で楽しめます。日によっては行っていないので、事前に調べてください。

 

 

天守閣近くの赤い橋。
桜が綺麗に咲いていました。

 

 

小田原城天守閣。

花見期間中は、ものすごく混雑しているため、天守閣に入ったことはありません。

 

 

小田原城は15世紀末に伊勢長氏(後の北条早雲)によってつくられ、5代100年にわたって関東で勢力を広げました。低い税率と目安箱の設置で、庶民に歩み寄る政策を行ったそうです。

インフラを整備した小田原は、関東最大の都市に発展。

城下を囲む総延長9kmに及ぶ堀と土塁をもつ最大規模で守りの硬いお城でしたが、天下統一を狙う豊臣秀吉に攻められました。

北条氏は小田原城を中心とした城ネットワークを築いて、守りを固めていましたが、埼玉県の忍城(おしじょう)以外のすべての城が降伏。(ちなみに忍城での戦いは、「のぼうの城」で映画化された)

 

北条5万に対し、豊臣21万で、北条氏は小田原城に籠城して二カ月持ちこたえましたが、敗れました。

北条氏直(後北条氏の第5代当主)は、自分の命と引き換えに領民を守ってくれと降伏し、北条氏は滅亡。小田原城は豊臣秀吉にとられたのだそうです。

 

 

北条家の家訓

「無用な者はいないと心得よ」

 

 

その後、江戸時代となり、小田原城は箱根の関所を控えた関東地方の「防御の要」とされましたが、明治時代に廃城になり、多くの建物が解体され、関東大震災で御用邸や石垣がほぼ全壊してしまったそうです。

廃城から90年経った昭和35年に、市制20周年記念事業として、総工費8千万円をかけて復興されました。

内部は歴史資料の展示施設になっていて、甲冑・刀剣・絵図・古文書など、小田原の歴史を伝える資料や、武家文化にかかわる資料などを見ることができるそうです。

標高約60mの最上階からの眺めはとても良いそうですよ。

 

 

 


天守閣の近くの広場では、猿が飼われています。(現在9頭)

昔、小田原城址公園に動物園があった名残だそうです。

1950年に開園した小田原動物園は本丸広場にあり、アジアゾウ、ヒグマ、キジ、ライオンまでいたんだとか。

1959年に小田原城址は国史跡指定になり、動物園の撤去計画が進みましたが、サルだけ引き取り手が無く残されてしまったそうです。

それというのも、サルは縄張り意識が強いため、移転先のサルと喧嘩になってしまうため、移転する際は群れ全体を新しいサル山に移動しなくてはならないそうです。

お金かかりますね・・・。

ちなみに、このお猿さん達、えさ代に年間60万円かかるんだとか。

 

 

そういえば、和歌山城の敷地内にも小さな動物園があります。

お城の敷地に動物園を作ったのは、和歌山だけじゃなかったんですねぇ。和歌山城の動物園は、今年で101年目になるそうです。

→→和歌山公園動物園(無料)。100年の歴史がある動物園で、園長がスゴイ!・・・動物園長が、クマですよ!(和歌山には猫の駅長もいる)

 

 

小田原城の広場で、サルまわしをやっていました。

 

 

2012年4月8日に訪れた時、撮った写真。

お城の保存に協力し募金をすると、カブトをかぶって記念写真を撮ってもらえました。

今でもやっているのかな?

 

 

小田原おでんサミット。
2012年と2013年、2年続けて行きました。

小田原のおでんは、からしではなく「梅ミソ」がつくのです。

この梅ミソが本当においしい! からしで食べるより好みです♪

 

おでんサミットでは、小田原おでんをはじめ、青森、沖縄、金沢、新潟・・・など、いろいろんな地方のおでんが出店され、味比べができます。

かなり混雑していて、2つか3つ買っただけで疲れてしまうかもしれません。

おでんだけではなく、出店や骨董市も開かれ、大変賑わっていました。

おでん博士によるウルトラクイズや、こどもかまぼこ板積み合戦、小田原地元太鼓の演奏などもあるそうですよ。

 

 

小田原城の顔出しパネル。

カブトにご注目。
ゼルダの伝説のトライフォースマークがありますね。これは「三つ鱗」という北条氏の家紋です。
神奈川県江ノ島にも、この家紋がたくさんあります。

→→江ノ島観光の記事はこちら・・・五頭龍と弁天様の恋物語がある。

 

 

こども遊園地側から見た小田原城。

 

 

おでんを食べて、サクラを愛でる♪

 

 

 

 

小田原城のこども遊園地は、子連れにオススメです!

一番人気があるのは、写真の「豆汽車」です。花見時期はだいたい30分くらい待ちます。
他に、豆自動車、メリーカップなどがあり、料金は80円と激安
コイン乗り物は、なんと30円!

 

 

ペダルを踏むと進む、豆自動車。
いろんな種類があって楽しいです。

 

 

コイン乗り物などで遊んだあとは、隣の「報徳二ノ宮神社」へお参りしました。(神前結婚式をしていたので写真は撮りませんでした)

二宮尊徳が御祭神です。

「そんとく」ではなく「たかのり」と読むそうです。

二宮尊徳(幼いころは金次郎)は、小田原市の北のはずれにある「かやま」という村に、百姓の長男として誕生しました。

貧しい家の生まれだったので、寺子屋に行けず、たきぎを背負って歩きながら本を読みました。

この勤勉な姿の像が、各地の小学校に約一千体置かれましたが、戦時中全て供出にあい、現在残っているのは、報徳二ノ宮神社にある一体だけです。


この像は、当時のメートル法普及の意図を反映して、ちょうど1メートルの高さに制作されているそうです。

 

二ノ宮金次郎の話に戻りますが、若いころは酒匂川(さかわがわ)の氾濫と、貧困、労働しながらの勉強で、苦労と試練に満ちていました。

しかし、彼は偉かった!

目の前の問題に、コツコツと丁寧に取り組んで解決したのです。

 

 

偉いなぁ~と思った金次郎の働きを、一部取り上げておきます。

・労働ばかりせず、先のことを考えて、よく勉強した

・川が氾濫して大人達が土手造りの工事をした際、まだ子供だった金次郎は、工事をする大人達のためにわらじを作って配った。

・農家に働きに出て、儲けたお金で松の苗を買い、大人たちが作った土手に苗を植えて補強した。

・親を亡くしてケチな萬兵衛おじさんの家に住まうことになりましたが、金治郎が夜に読書をすると油が減るので、おじさんが嫌味を言うと、金次郎は自分で菜種の栽培をし、油を作った。

・おじさんの家を出た後は、小田原の服部という武士の家で働き、借金返済を手伝って、家を立て直させた。金次郎は、この褒美を受け取らなかった。

 

コツコツ、コツコツ、目の前のことに取り組む。

偉いじゃないですかぁ!!!

 

 

二宮尊徳の名言を記しておきます。

「大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし。大事を成さんと欲して小事を怠り、その成り難きを憂いて、成り易きを務めざる者は、小人の常なり。それ小を積めば大となる」

 

大事を成さんと欲する者は、まず小事を務むべし
 

 

なるほどなぁ~~~。

 

二宮尊徳は、貧しくて困っている村を、600以上も救ったそうですよ。

 

ちなみに、身長が180cm超えで、体重90kgほどの、巨漢だったそうです。

 

器も体もビッグですねー!!

 

 


「経済なき道徳は戯言であり 道徳なき経済は犯罪である」

道徳と経済を結びつけたこの言葉は、たくさんの経営者の指針となったようです。

二宮尊徳の教えを大切にしていた人の中に、豊田佐吉さんがいます。(トヨタ自動車創業者の父。豊田自動織機創業者)

→→トヨタ産業技術記念館。テクノランドと体験コーナー。豊田佐吉、豊田喜一郎親子の物語・・・トヨタの創業者である、豊田佐吉の生涯のモットーは、①勤労②感謝③奉仕でした。

 

 

二宮尊徳の四大綱領は、

①至誠

②勤労 

③分度 

④推譲

だそうです。

 

二宮尊徳の教えは「報徳宗」として、多数の信者がいたそうです。

 

 

報徳宗 ウィキペディアより

経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されると説く。たらいの中の水に例えることも多い。公益社団法人である大日本報徳社と、全国の地域、職域ごとにある報徳社(公益社団法人)が中心となって普及活動に努めている。

 

良い教えですね~~~~。

 

 

 

フランシスコ法王は、日本の大学生らに対して、こう諭したそうです。

「人は成功するために、他者を踏み台にするなどの悪事を働いてしまうこともある。日本社会には、過度の競争、競争主義、消費、消費、消費に次いでまた消費といった幾つかの問題があり、これはあなたを害し、あなたの力を奪いかねない」

 

 

自分だけではなく、他人のことも考えて動く。

人に奉仕をすることで、自分にも還元される社会を築く。

 

 

 

今、再び、二宮尊徳の教えを大事にする時代になっているのかもしれませんね。

 

(この旅行記は2012年と2013年のものです)

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交通アクセス

JR・小田急線の小田原駅 東口から徒歩約10分です。
電車の乗換えはヤフー路線などでお調べください。
遠方から行く場合、 新幹線はこだまです。
ひかりは、小田原駅に停車する場合と、しない場合がありますので、よく調べてから切符を買ってください。
小田急線を利用する場合、特急ロマンスカーが早いです。新宿からの特急料金は890円で、運賃と併せて片道1770円かかります。

車で行く場合、小田原城址公園には専用の駐車場がありませんので、周辺の有料駐車場を利用することになります。

料金について

小田原城天守閣に入る場合、一般410円、小中学生150円かかります。
天守閣と歴史検分間の共通券は一般600円、小中学生200円です。
午前9時00分〜午後5時00分(入館は午後4時30分まで)

近くの宿泊施設

ホテルとざんコンフォート小田原。JR小田原駅より徒歩2分。

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