【宇都宮二荒山神社(うつのみやふたあらやまじんじゃ)】 平将門を討つ霊剣を与えた神社

前回からの続きです。

5月28~29日の一泊二日、初めての一人旅。

那須高原から車を走らせて、東横イン宇都宮駅前に宿泊した私は、コンビニで買った缶チューハイを飲みながら、一人ピスタチオをぽりぽり食べました。

家ではこまめに料理をするのに、一人になると弁当すら買う気にならず、チューハイとピスタチオ・・・。

既婚者と比べて独身男性の寿命は8~17年、独身女性では7~15年も短くなるそうですが、何となくわかるような気がします。

 

ピスタチオ・・・ちょっと殻をむくのが面倒ですが(時々やたらに硬いのがある。そういう時は歯でガリッと殻を噛み砕いて、中身を食べる)、美味しいのです。

夫に電話をして子供達の様子を聞こうかな・・・と思ったのですが、やめました。

 

「私は、一人っきりになる! 家に帰るまで、連絡はいっさいとらない・・・」

 

家を出る前に夫にもそう伝えてあったためか、夫からの連絡もありませんでした。(お刺身の後、今季初のスイカを食べて楽しくやってたらしい。うちの夫は料理が得意で、手作りお菓子まで作れるし、裁縫は私よりも上手い)

 

 

 

 

テレビニュースでは、オバマ大統領が広島へ訪問・献花し、被爆者を抱きしめる映像が流されていました。

いろいろ問題は残されているものの、ジーンとしました。

やっぱり、世界を癒すのは、私達一人一人の愛なのじゃないだろうか。

 

 

イスラエルとイラン愛の物語」でもあったけれども、

「あなたは敵ではない。愛している」

・・・それで世界がつながれたら、どれだけ素晴らしいだろうか。

そんな世界を子供達に贈れたらどんなに良いだろうかと・・・。

 

 

 

一人ピスタチオをポリついて、さぁてお風呂に行こうか、とカーテンを閉めに窓辺に行き、何となく外を見る。

駅に近いホテルだから雑居ビルでもあるかと思いきや、予想に反して二階建てのやたらに古そうな建物のシルエットが見えた。

「・・・なんだろ、なんか普通の家じゃない、何かがある~」

古い蔵のようでした。

別に気味の悪い何かを感じたわけではないのですが、何となく一晩中枕もとの電気をつけたまま寝ました。
(本音を言うと、寂しかったし真っ暗にするのがちょっと怖かった)

 

翌朝は6時に目が覚めた。

一度も目を覚まさず、ぐっすり眠れて気分爽快だった。

遮光カーテンを開け、室内に朝日を取り込む。


あ、これね。

昨日見た昔っぽい家。なんだろー?

グーグルマップで調べると、旧篠原家住宅だということがわかった。

とりあえずホテルの裏にあるから、後で寄ってみようかな。

東横インには無料朝食サービスがあるので、パン、珈琲、ウィンナー、サラダを食べた。

御飯が好きな人には、御飯、つけもの、味噌汁もある。

8時過ぎにチェックアウトをした私は、早速ホテルの隣へ行った。


旧篠原家住宅。国指定重要文化財。
開館時間午前9時から午後5時まで。入館料大人100円。
篠原家は、奥州街道口の豪商で、江戸時代から第二次世界大戦まで醤油醸造業、肥料商を営んでいた。
明治28年(1895年)に建てられたこの店蔵は、店舗と住居部分を一体化した蔵作りになっている。
市内の店蔵の中で、改造がほとんどされておらず、かつ石蔵を伴って残されているものは数少ない。

入館料金も安いことだし入ってみたかったのですが、開館まで1時間ほどあったため、近くにある宇都宮二荒山神社に向かいました。

参拝記

宇都宮二荒山神社は、東横イン宇都宮駅前から1.2kmなので徒歩で向かいました。(東武宇都宮駅から徒歩10分。900m)

 

大鳥居は樹齢400年の栃木県産のケヤキを用いており、高さ9.7m、幅13.8m、柱の直径90cmもあります。

北方位のパワーを東京へ送る通過点の1つで、【日光東照宮】などを通過した龍脈がここを通って東京(江戸城)へと流れているそうです。

 

 

宇都宮二荒山神社の神門。

二荒山神社は関東地方を中心に数多くありますが、中でも栃木県宇都宮市と日光市の二荒山神社の2社が古社として知られています。

ちなみに宇都宮二荒山神社は「うつのみや ふたあらやま じんじゃ」と読み、日光二荒山神社は「にっこう ふたらさん じんじゃ」と読みます

→→日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)の記事はこちら・・・日光三山がご神体。東照宮の隣にあり、世界遺産です。

 

 


何度も火災にあい、現在の社殿は明治10年に再建されたものだそうです。

主祭神は、豊城入彦命 (とよきいりひこのみこと)。 崇神天皇の第一子です。

 

 

崇神天皇(すじんてんのう)・・・、第十代天皇で、三輪山西麓の宮中に祀られていた天照大神と倭大国魂神(大和大国魂神)を、「疫病を鎮めるために・・・」と、皇居の外に移すことにした天皇ですね。崇神天皇に、天照大神と倭大国魂神(大和大国魂神)を預けられた娘の「豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)」は、宇都宮二荒山神社の祭神である「豊城入彦命 (とよきいりひこのみこと)」と兄弟とされています。豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)と、その仕事を継いだヤマトヒメは遷座地を求めて各地を放浪し、伊勢神宮の場所に収まりました。

→→【野宮神社(ののみやじんじゃ)】の記事はこちら・・・豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)とヤマトヒメについて書きました。

 

 

主祭神の「豊城入彦命」をウィキペディアで調べたら、「東国の治定にあたったとされ、上毛野君下毛野君の始祖」と書いてあり、「紀伊の荒河戸畔(あらかわとべ)の娘と崇神天皇の間に生まれたのが豊城入彦命と記しており、紀伊との関係の深さが指摘される。」と続き、驚きました!

おー、紀伊! 故郷、和歌山!

宇都宮二荒山神社のご祭神のお母さまは、紀伊の人だったんですねー。

→→【古代紀国の女王。和歌山にいた三人のトベ】 神武天皇に誅された縄文の女王の記事はこちら・・・和歌山には、アラカワトベ、ナグサトベ、ニシキトベがいた。

 

相殿には、大物主命 (出雲大社の御祭神オオクニヌシノミコトのこと。三輪山大神神社の神)と事代主命(大物主命の子)が祀られているそうです。

 

ウィキペディア・宇都宮二荒山神社から抜粋

豊城入彦命は武徳にも優れ、藤原秀郷、源頼義、源義家、源頼朝、徳川家康など著名な武将らも戦勝祈願し、種々の寄進や社殿の改築をしたと伝えられている。

平将門の乱にあっては、藤原秀郷(ひでさと)がこの神社で授かった霊剣をもって将門を討ったと言われる。

また『平家物語』によると、屋島の戦いにあって那須与一は平家船上の扇の的を射る際に「日光権現、宇都宮、那須の温泉大明神」と祈ったという。

おー、平将門(たいらのまさかど)を討つために、剣を授けた神社なのですね・・・。

 

弓の名手の那須与一については、那須温泉神社の記事に書きましたのでご覧ください。

 

 

 

 

宇都宮二荒山神社には、神剣の他、平将門の乱において藤原秀郷が着用したとの伝承がある兜「三十八間星兜」も、あるそうですよ。

平将門は日本三大怨霊の1人に数えられ、東京の神田明神に祀られています。

→→神田明神の記事はこちら・・・江戸城の鬼門を守る神社。平将門の呪いについても書きました。

 

拝殿の左手側に二荒山会館があり、神前式結婚式ができるようでした。

 

 

サカキの木がありました。

榊(サカキ)とは、神棚や祭壇に供えるなど、神道の神事にも用いられる植物です。このサカキに紙垂(しで)や木綿(ゆう)をつけると、玉串(たまぐし)です。

 

 

 

宇都宮二荒山神社の境内地内(約7,000坪)には12の末社が祀ってあります。

写真は本殿の右側にあった、須賀神社と市神社。

須賀神社の祭神はお天王さんとも言われ、スサノオノミコトです。
市神社は、市・商業の神様で、御祭神は大市姫命。

ここで、私の頭の中に?マーク。

スサノオノミコトといえばクシナダヒメのはず。どうして違う姫神様と一緒に祀られているのだろう・・・。

調べてみると、大市姫命は、クシナダヒメの次にスサノオノミコトの妻となり、大年神と宇迦之御魂神(稲荷神)を産んだ神様なんだそうです。

知らなかった!

 

 

須賀神社・市神社の前にある、イチョウの木。

これがですね、面白い木なんです。

説明書きには、

精子の動きの撮影に成功したイチョウ

このイチョウは樹齢300年の雌株である。イチョウは精子を作って受精するが、その精子は1896年東大助手平瀬作五郎氏によって初めて発見された。しかし、精子の姿は映画には勿論、写真にすら撮られていない。この木は1972年高校教諭松本正臣、斎藤長重両氏が研究の末そのギンナンによって動く精子の姿を世界ではじめて映画にとらえることに成功したイチョウである。

二荒山神社

とありました。

おもしろいですね~。

 

旅とは、いろんな発見と出会いの連続です。

拝殿の反対側には明神の井という、御神水が湧き出るところがあります。

この水を使うと書道が上手くなるそうですよ。

 

 

 

 

柳の前田雀郎(まえだじゃくろう)句碑。

「夢の中 古里人は 老いもせず」

前田雀朗は、本名源一郎といい、明治30年二荒山神社の眼下であった相生町の足袋商前田屋の長男として生まれました。

全国的な川柳家として活躍したそうです。

 

川柳でわかりやすく、親しみやすいのは「サラリーマン川柳」ですね。

 

「今帰る 妻から返信 まだいいよ」

「オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る」

「課長いる? 返ったこたえは いりません!」

「デジカメの エサはなんだと 孫に聞く」

「常識も 上司代われば 非常識」

「先を見よ そう言う上司 上だけ見」

おもしろいですね~。うまいですね~。

サラリーマン川柳

 

 

 

 

 

 

8時過ぎ、まだあまり人の居ない神社で気持ちの良いお参りをした私は、徒歩で宇都宮駅駐車場に向かいました。

 

次の記事はこちら

前回の続きです。 旅行記 宇都宮二荒山(ふたあらやま)神社の参拝を終えた私は、テクテクと徒歩で宇都宮駅を目指しました。     宇都宮と言えば、ギョーザ。     […]

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→→神田明神の記事はこちら・・・将門の祟りについても書きました。

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→→鶴岡八幡宮の記事はこちら・・・源平の争いにゾッとする。頼朝と政子、義経と静御前。

→→【古代紀国の女王。和歌山にいた三人のトベ】神武天皇に誅された縄文の女王・・・和歌山には、アラカワトベ、ナグサトベ、ニシキトベがいた。

交通アクセス

JR宇都宮駅から徒歩20分。1.5km。
東武宇都宮駅から徒歩10分。900m。

JR宇都宮駅から行く場合、バスで行ったほうがラクかもしれません。(徒歩でもそんなに遠くないです)
バスは、宇都宮駅西口から「34 県庁・市役所経由・宇都宮市内循環線きぶな行き」に乗車し、宇都宮二荒山神社下で下車です。乗車時間5分。料金は大人150円。
20~30分の一本出ています。
きぶなの一日乗車券は300円で、餃子食べ歩き券(300円)付一日乗車券は、500円で販売されています。(宇都宮餃子会加盟店に限る)
きぶな餃子セット

車で行く場合、300台収容できる駐車場があります。
料金は20分100円。祈祷の人は2時間無料、結婚式・会議利用は無料。

近くの宿泊施設

東横イン宇都宮駅前。駅から徒歩1分。

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