前回の続きで、比叡山延暦寺の紹介です。
横川エリアの紹介その②です。
参拝記
前回の記事は→→こちらです。横川中堂と、横川の基を築いた第三代天台座主(トップ)の、円仁(えんにん)について書きました。
比叡山の横川(よかわ)エリアは、源信、親鸞、日蓮、道元など、名僧と呼ばれる方たちが修行に入った地です。
では、横川中堂から、元三大師堂(がんざんだいし)堂へ向かいましょう。
途中、西国三十三ヵ所石仏があります。
この前日に訪れた竹生島の観音様を見つけたので撮影。
竹生島については、【竹生島観光】の記事でご覧ください。
比叡山をこよなく愛した俳人、高浜虚子(たかはまきょし)の塔。
「清浄な 月を見にけり 峰の寺」
と刻まれています。
高浜虚子をしのぶ法要が、一族をはじめ慕う方々の参列の元、元三大師堂において行われているそうです。
横川(よかわ)の森。
訪れたのが三月の末で、徐々に夫に異変が・・・。
「モヤがかかっていて神秘的なんだけど、あれが全部花粉だと思うと、痒さがこみあげてくる~」
・・・そう、夫は、花粉症なのです。
この頃から「カユイカユイ」と言い始めたけれども、痒いピークに苦しんだのが、この次に訪れた【比叡山延暦寺 西塔(さいとう)エリア】でした。
鐘楼(しょうろう)。
元三大師堂(がんざんだいしどう)に到着。
比叡山延暦寺の中興の祖で、第十八代の天台座主(トップ)の、「元三大師」こと良源(りょうげん)を祀っています。
門の前には、このような石碑がありました。
「おみくじ発祥の地」とありますね。
元三大師が、「おみくじの創始者」と云われています。
「あっ!」と驚いたのが、隣の石碑。
近所の家の玄関に貼ってあった絵と同じ。
ずっと、「あれはどこの御札かなー? 角が二本生えているから鬼だろうか???」と、気になっていたのです。
元三大師と関係のある御札だったと、初めて知りました。
昔、全国に疫病が流行って、疫病の神が徘徊して多くの人々が病んでおり、これを見た元三大師は「人々の難儀を救おう」と、大きな鏡の前に自分の姿を映して、静かに目を閉じて、座禅したところ、その姿はだんだん夜叉の姿に変わったのだそうです。
その姿を見ていた弟子たちの中でただ一人、明普阿闍梨だけがこの姿を見事に写しとりました。
元三大師は、この写しとった絵を見て御札を刷るように命じ、自らも御札に開眼をし、出来上がった御札を人々に配布しました。
各家の戸口に貼り付けるよう命じたところ、御札のあるところは疫病は恐れて寄り付かず、一切の厄難から逃れることができたのだそうです。
私が現在住んでいるのは、神奈川県川崎市なので、ご近所の方は、おそらく調布市の深大寺(東京都で二番目に古い寺)で御札を頂いたのだろうなぁ・・・と思います。
この疫病を払ったことから、元三大師は「厄除け大師」と言われ、信仰されているようです。
元三大師堂(四季講堂)。
元三大師(良源)の住房・定心房跡に建っています。
別名の「四季講堂」とは、春夏秋冬に法華経の講義を行ったことからつきました。
元三大師はもともと名前を「良源(りょうげん)」といいましたが、命日が正月の3日であることから、「元三大師(がんざんだいし)」の通称で親しまれました。
元三大師が、四季講堂で座禅をした時、ロウソクの火で後ろの壁にできた影が大師が立ち去った後でも消えなかったので、慈忍和尚が丹念に写しとると影が消えていったのだそうです。
これは元三大師のさとりが仏の境地に達した証拠であると、その御影像をお堂にかけてお祀りし、現在も安置保存されているそうです。
もともとは弥勒菩薩を祀っていましたが、現在では元三大師の像を祀り、大師信仰の根本道場となっています。
度重なる火災で荒廃した比叡山延暦寺を再び興したのは元三大師で、比叡山延暦寺はこの後、織田信長により焼き討ちにあい、再びボロボロになりますが、これを再興させたのは、江戸時代の天台宗の僧侶である「天海(てんかい)」でした。
天海は、元三大師を最も尊敬していたそうです。
元三大師が長く住まわれたのがここ「元三大師堂」で、御廟(お墓)は、ここから少し離れたところにあります。
元三大師堂の向かい側には、比叡山三弁天の一つ、箸塚弁財天。
途中「日蓮上人修行の地(定光院へ至る)」への道があったのですが、けっこう離れているため、そちらへは行かず、元三大師御廟へ行きました。
元三大師御廟(がんざんだいしみみょう)。
良源が亡くなったのが1月3日だったことから、「元三大師」と呼ばれるようになった・・・と書きましたが、その元三大師のお墓がここです。
本人の遺言により、横川の北方華芳峰(比叡山の鬼門に当たる)に葬られ、簡素な石塔(きのこみたいな形)が立っています。
比叡山中興の祖であり、門下3千人といわれた第18代比叡山座主(トップ)のお墓が、思ったよりも質素だったので、「あれ?」と思いました。
良源は「自分の遺骸は比叡山の鬼門に葬り、墓は掃除するな」と遺言したそうです。
比叡山には「比叡山四大魔所」と言われるところがあり、この元三大師御廟もそのうちの一つ。
今でも元三大師が、ここで修行しているとされているそうで、(【高野山「奥の院」】 弘法大師空海、入定の聖地のようなところ?)事変のある時は風が吹くそうです。
元三大師の説明。
ところで、皆様は「見ざる 言わざる 聞かざる」をご存知でしょうか。
日光の三猿でも有名ですね。
実はこれは、良源(元三大師)の所施術から生まれたものです。
見ず聞かず言わざる
三つの猿よりも
思わざるこそ
まさるなりけり
いかり、うらみ、ごまかし、なやみ、ねたみ、ものおしみ、だますこと、へつらい、傷つけること、おごり、といった心をそもそも持たない「おもわざる」ことが最も大切であると、良源は諭しました。
大切な教えですね・・・。
→→日光東照宮の記事はこちら・・・栃木県日光市。徳川幕府初代将軍の徳川家康が祭神で、霊廟があります。世界遺産。三猿の写真あり。
→→【日吉大社】の記事はこちら・・・比叡山の信仰はもともと日吉大社から始まった。滋賀県。全国の日吉神社、日枝神社の総本社です。日吉大社には「神猿(まさる)」がいます。
元三大師御廟から、参道を歩いて、横川中堂まで戻ります。
右側はすごい崖で、東塔、西塔エリアとは全く違う雰囲気でした。「端っこに来たなー」といった感じで、横川は比叡山延暦寺の中で一番最後に開かれたところですが、後に名僧と呼ばれる方達が修行に入った地であるといったのも、うなずけます。
「修行場」といった空気が、今でも満ちているかのようです。
夫は花粉症で「目がかゆい、痛い」と大変そうでしたが、私は花粉症ではないので、気持ちの良い森林浴が楽しめました。
花粉症の方は、訪れる時期にお気を付けください。(私たちが訪れたのは三月末)
根本如法塔(こんぽんにょほうとう)に戻ってきました。
塔の説明は、【比叡山延暦寺 横川(よかわ)エリア①】に、説明を書きましたのでご覧ください。
これで、比叡山延暦寺の巡拝は終わりです。
再び、奥比叡ドライブウェイの画像を載せますが、私たちは雄琴温泉方面の仰木ゲートから入り、横川(よかわ)→西塔(さいとう)→東塔(とうどう)と巡拝し、最後は田の谷ゲートから出ました。(奥比叡・比叡山ドライブウェイの料金は、クーポン券を使って2,000円でした)
ずっと載せてきたのは「琵琶湖一周ぐるり旅」なのですが、ここで私たちは滋賀県から京都へ移り、下賀茂神社、上賀茂神社、鞍馬寺、貴船神社、嵐山へ・・・と、一泊二日の京都旅行を挟みました。
順番に書きたいところですが、「琵琶湖一周旅を先に見たい!」という方も多いと思うので、間に挟んだ京都旅行は後回しにし、次は無料の「琵琶湖花噴水」を取り上げたいと思います。
比叡山の横川(よかわ)から、琵琶湖花噴水が行われる大津港までは、車で20km、時間にして30分ほどです。
前回からの続きで、琵琶湖一周旅の紹介です。 →→2018年5泊6日滋賀県琵琶湖一周旅行記の行程はこちら・・・レンタカーを利用して、5泊6日で27か所を巡りました。 旅行記 日本最大の湖である琵琶湖で見られる世界最大級の噴水ショー「びわ[…]
(この旅行記は2018年です)
関連記事
→→2018年・春 滋賀県琵琶湖一周 5泊6日旅行の行程・・・この旅行の行程まとめ。
比叡山延暦寺の記事です
→→【比叡山延暦寺は広い】 車でまわると2,000~4,000円。公共交通機関でのアクセスは?
→→【比叡山延暦寺 横川(よかわ)エリア①】 横川の基を築いた円仁(えんにん)は、歩きまくった名僧だった・・・前回の記事です。
→→【比叡山延暦寺 西塔(さいとう)エリア】 比叡山最古の建物「釈迦堂」の本尊は、最澄自作の仏像
→→【比叡山延暦寺 東塔(とうどう)エリア】 比叡山発祥の地。織田信長に焼き討ちにあった比叡山延暦寺
→→【比叡山と高野山、最澄と空海】 比叡山延暦寺紹介の前に、簡単に説明
→→【日吉大社】の記事はこちら・・・比叡山の信仰はもともと日吉大社から始まった。
→→高野山の記事はこちらから・・・空海が開いた、真言宗の総本山。
交通アクセス
→→【比叡山延暦寺は広い】 車でまわると2,000~4,000円。公共交通機関でのアクセスは?に詳しく書きました。
料金
大人700円、中高生500円、小学生300円の「参拝共通券」が必要です。
近くの宿泊施設
延暦寺会館。東塔エリアにあります。
お得で便利な、旅の予約サイト
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