【鞍馬寺(くらまでら)】 本殿前の金剛床はパワースポット。鞍馬寺の教え「すべては尊天にてまします」とは?

前回からの続きで、京都一泊旅行の紹介です。
午前中、【嵯峨野・嵐山観光】をし、昼からは鞍馬寺(くらまでら)と貴船神社(きふねじんじゃ)へお参りに行きました。

→→京都府 一泊二日旅行(加茂社・嵐山・鞍馬・貴船)の行程こちら・・・レンタカーを利用して一泊二日で9ヵ所まわりました。

参拝記

前回の【渡月橋(とげつきょう)】から鞍馬寺(くらまでら)は、車で50分くらいの道のりです。

京都市内は路上駐車が多いし(京都市内中心部の左車線は、ほぼ路駐)、交通量も多いので、「走りにくいな~~」と思っていたのですが、鞍馬寺方面は快適ドライブでした。

 

叡山電鉄鞍馬線の終着駅は「鞍馬駅」。公共交通機関で鞍馬寺へ訪れる方は、ここで下車です。

車で来る方は、駅舎周辺に有料駐車場があります。

私達が訪れたのは平日の昼頃だったので、駐車場は半分くらい空いていました。

 

 

「鞍馬山(くらまやま)」というと、鞍馬天狗(くらまてんぐ)が住むことで有名。

 

 

駅舎の中には、天狗と源義経(みなもとのよしつね。幼名は牛若丸)の展示がありました。

 

 

牛若丸(うしわかまる)と鞍馬天狗。

義経(牛若丸)は源氏の総領である源義朝(みなもとのよしとも)の九男で、7歳くらいで鞍馬寺に預けられました。

僧侶になる予定でしたが、源氏の嫡流であることを知り、平家滅亡(ここでいう平家とは平清盛ら伊勢平氏のこと)を心に誓って武士になることを決意。

鞍馬山で天狗相手に(?)武術の修行をしたといわれており、鞍馬山のあちこちに牛若丸の史跡があります。

源義経はこの後、滋賀の【竜王町】で元服し、源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)となって奥州藤原氏のいる平泉へ。

異母兄の源頼朝(みなもとのよりとも)が挙兵した際に参戦し、大活躍しました。(・・・が、後に頼朝から狙われ、弁慶や妻子と共に死んだ。生存説もある)

 

→→【小町通りと、鶴岡八幡宮】の記事はこちら・・・神奈川県鎌倉市。義経、頼朝、北条政子、静御前について書きました。

→→【闘鶏神社(世界遺産)と、弁慶生誕地の碑】 武蔵坊弁慶の父とされる湛増(たんぞう)が、神意を確認した神社・・・和歌山県田辺町。義経に付き従う弁慶(べんけい)は、田辺町の生まれとされている。弁慶の父は、熊野別当(熊野三山のリーダー)だった?

→→【義経公園、東神楽神社】 源義経は岩手の平泉で死なず、北海道に逃げた? 北海道に残る義経伝説・・・北海道旭川市。義経は生きて北海道に逃げたかもしれない。

 

 

 

では、お参りしましょう!

 

私たちは鞍馬寺の奥の院「魔王殿」まで行き、貴船神社(きふねじんじゃ)へ抜けたので、ここから二時間くらい歩きました

 

 

仁王門。

この先から鞍馬山の浄域で、愛山費として一人300円納めます。

窓口に鞍馬寺の小冊子が置かれているので、詳しく知りたい方は買いましょう。簡単なマップと、鞍馬寺の教えが書かれています。

鞍馬の語源は「暗山」「暗魔」などの情報が出てきますが、鑑真(がんじん)の高弟である鑑禎(がんてい。又は、がんちょう)が770年に鞍を負った白馬の導きでここに来て、毘沙門天を感得して草庵を結んだのが始まりだそうです。

現在の鞍馬寺は、鞍馬弘教(くらまこうきょう)の総本山であり、宇宙の大精霊・尊天(そんてん)を本尊とするそうです。

 

 

「山」なので、上り道が続きます。

 

 

普明殿(ふみょうでん)。

「全てのものは互いに連なり合い支え合って、共に大きな力によって生かされていることを感得してほしい」との説明書きがありました。

 

鞍馬寺の本殿へは徒歩でも上がれるのですが、小学生と三歳児連れのため、この普明殿から出ている「鞍馬山ケーブル」に乗車して、途中まで上がることに。

 

ケーブルカーの料金は、大人片道200円、小学生以下の子供片道100円です。

 

 

こちらが、鞍馬山ケーブルカー。

鞍馬天狗の絵と、牛若の文字。

ケーブルカーを利用しても、300mほどの緩い坂道と、155段の階段があります。

足腰の弱い人には、ちょっとしんどいかもしれません。

ケーブルカーを使わずに徒歩で上る方は、グネグネ道(九十九折り)の途中、義経公供養塔などの見どころがあるようです。

 

ケーブルカーを下りたところに、多宝塔。

 

 

 

新参道をテクテク歩く。

 

 

弥勒堂(みろくどう)。

「釈尊の滅後に、56億7000万年を経てこの世に出現し、人類を救済するという弥勒菩薩が祀られています」

と、書いてありました。

天狗のうちわの紋がカッコいいですね。 ←訂正。「菊を横から見た紋様」だそうです。

 

 

まだまだ歩く。

 

 

本殿が近づいて来て、突如、立派な石垣が出現。

 

何やら説明書きがあるので、近寄って読んでみる。

この石垣は約1億年前に、地下の深所で丹波帯の堆積岩中にマグマが貫入してできた、石英閃緑岩(鞍馬石)なのだそうです。

「なんか博物館みたいな説明やねー」と、感心。

 

 

次は、弁天様の「水琴窟(すいきんくつ)」。

耳を澄ますと、心地よい音が聞こえました。「自然の音」は、耳に優しいですね。

 

転法輪堂(てんぽうりんどう)の手水舎。後ろに「お水さんありがとう」の文字。

 

この手水の石も、石英閃緑岩。説明書きが、やはり博物館っぽい。

勉強になって、良いですね。

 

 

転法輪堂(てんぽうりんどう)。

ご先祖様に感謝の祈りを捧げる道場で、中は写真撮影禁止。

御堂には、阿弥陀仏が安置されています。

なんとなく御堂に入って手を合わせたのですが、御堂のロウソクの灯が阿弥陀仏の目にうつって揺らめき、まるで生きてこちらを見ているかのようでした。

私は、なんだか、ウルッ・・・として、涙をこぼしそうになってしまいました。

なぜ泣きたくなったのかわかりませんが、すごく優しい表情をしておられて、「見守られている感じ」がしたのかもしれません。

この経験があるためか、一泊二日の京都旅行の中で、鞍馬寺はとても思い出深い場所となりました。

 

 

 

階段を上がり、鞍馬寺の本殿金堂(ほんでんこんどう)に到着。

本殿前の特徴的な床は「金剛床(こんごうしょう)」と言い、パワースポットとして有名だそうです。

真ん中の△に立ち、手を合わせて目をつむったら、

ブワッ

と、なにやら熱いものが頭上から照射され、「あちぃぃ」と思いました。

快晴の昼時だったので、太陽をいつもより熱く感じただけかもしれません。

鞍馬寺が教える「尊天」とは宇宙の大精霊のことで、当然太陽も尊天です。目に見えるもの、見えないもの、感じるもの、感じられないもの、森羅万象が「尊天」。

 

 

鞍馬寺では、

  • 太陽の精霊を「光」とし、毘沙門天
  • 月輪の精霊を「愛」とし、千手観世音菩薩
  • 大地の霊主を「力」とし、護法魔法尊

の姿であらわし、「三身一体」として「尊天」と称し、「太陽のように温かく、月のように美しく、大地のように力強く」と祈り、「すべては尊天にてまします」と唱えるそうです。

 

鞍馬寺の信仰の三か条。

  1. 非行悪言を慎み、己を完成する
  2. 真実誠心を以て、世に尽くす人となる
  3. 尊天より御力を戴きて、強き信念を確立する

 

本殿金堂ではお守り授与所の他、鞍馬寺の教えを書いた冊子を扱うコーナーがあり、「すべては尊天にてまします  鞍馬山の教えのあらまし」という冊子を戴きました。(千円くらいだった)

著者は信樂貞雄さん。

ビッグバン、ダーク・マター、ブラック・ホール、クエーサー、分子、原子、波動、磁力線、四次元、五次元・・・と、宗教本には珍しいような単語が並び(冊子の表紙も宇宙の図鑑っぽい印象)、尊天は宇宙の大精霊、森羅万象、その中でわかりやすく太陽・月・地球の三つを取り上げ、「全てのものは互いに連なり合い支え合って、共に大きな力によって生かされている」ことを教えています。

 

宗教にはそれぞれ宗派がありますが、「すべては宇宙の法則である」ということが、この教えからよくわかります。

開運お守りなどもけっこうですが、宗教施設の要は御利益ではなく「教え」にあるので、ぜひ本を手に取っていただきたいと思います。

 

人間の人間たる所以は心を向上させることにあります。心を向上させ、魂を高めてゆく、それが人間の進化にほかなりません

(~中略~)

人間は頭の中でありもしないことを考えては、心を痛め心配し、人を憎み恨んで、苦しんでいます。取り越し苦労と言って、自分の賢い頭をこねくり回しては勝手に苦しんでいることがたくさんある、脳みその考えで生きているから苦しむことになるんです。本当は尊天の考えで生かしてもらっているんですから、尊天の考えで生きればいいんです。要するに自我に執着するなということです。

(「すべては尊天にてまします  鞍馬山の教えのあらまし」から一部抜粋)

 

鞍馬寺の本尊は秘仏で、60年に一度丙寅年に扉が開かれるそうです。

 

 

本殿金堂の左隣に、光明心殿。護法魔王尊が祀られています。

護法魔王尊は、650万年前に人類救済の使命を帯びて金星から天降ったとも伝えられており、別名「サナトクマーラ(サナートクマラ)」とも呼ばれるそうです。

鞍馬寺の「クラマ」は「クマラ」の転化だとする説もあるそうです。

サナト・クマラで検索すると「金星から来た、金髪の美男子」と紹介しているところもありますが、光明心殿の護法魔王尊は迫力ある翼の生えた天狗でした。(御堂内は撮影禁止)

 

 

奥の院参道入り口手前に、上が平らな盛砂(立砂)。

【加茂別雷神社(上加茂神社)が立砂の起源と言われているようですが、あちらは△が二つ並んでいて、先に松の葉がアンテナみたいにピコンと立っていましたが、こちらはまた形が違いますね。

「何か意味があるのかなぁ?」と不思議に思いました。すごくきれいな形に整えられているので、エネルギーをおろすとかなんとか、関係があるのかもしれません。(エネルギーに鈍感なので何もわかりませんが)

 

 

謎の盛り砂から先は、奥の院参道です。

ここから奥の院「魔王殿」までは800mほど。

 

続けて書くと長くなるので、次の記事で紹介します。

 

次の記事はこちら

五泊六日の琵琶湖一周+京都旅行の紹介です。 前回は鞍馬寺(くらまでら)の仁王門(におうもん)から本殿金堂(ほんでんこんどう)まで書きましたので、今日はその先「奥の院(魔王殿)」の紹介です。 →→京都府 一泊二日旅行(加茂社・嵐山・鞍[…]

(この旅行記は2018年です)

 

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交通アクセス

叡山電鉄「鞍馬駅」出てすぐ。

車で行く場合、駅周辺に有料駐車場があります。

料金

愛山費として一人300円。

ケーブルカー利用の場合、大人片道200円、小学生以下の子供は片道100円。

近くの宿泊施設

くらま温泉。

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