【北海道開拓の村 ②】 馬車鉄道に乗り、昔のヨーロッパの馬糞問題と現代の問題を考える

前回の【北海道開拓の村】の続きで、北海道五泊六日旅行 四日目の紹介です。

→→2018年5泊6日北海道旅行記の行程はこちら・・・5泊6日で36か所を巡りました。

旅行記

「北海道開拓の村」は札幌駅から車で約40分の距離にあります。

北海道開拓の村での食事、見学前半は、前回の記事に書きましたのでご覧ください。

→→北海道開拓の村 ①の記事はこちら・・・ディズニーランドより広い敷地に、52棟の歴史的建造物がある。名物の屯田兵定食を食べる。

 

広大な北海道開拓の村マップをもう一度貼っておきます。

 

では、後半の見学記開始です。

先ほどの全体マップど真ん中の「写真館」の上に「旧大石三省堂支店」があります。

大正14年(1925)から昭和30年まで、帯広町で菓子製造販売をしていた建物。

 

 

作り物のお菓子ですが、とても美味しそうで、「どれを食べたい?」と子供たちと話が弾みました。

 

店舗の奥には菓子製造所が併設されています。

営業時は、良い匂いがしたでしょうね~。

昔のお菓子は今ほど種類も多くなく、色も地味で、保存期間も短かったでしょうが、ケミカルな添加物などなく体に優しかったでしょうね。

 

 

こちらはオモチャや台所用品を扱うお店。

輪投げやブロックで遊びたくなりますが、展示物に触るのは禁止ですので、ご注意を。

 

 

訪れる前に、北海道開拓の村 お願いに目を通して下さい。

建造物だけでなく内部にある展示品も、実は貴重な資料なのです。
ちなみに、気持ちはわかりますが指を突っついてふすまに穴を開けないでください。

の一文を見て、笑ってしまった。

「気持ちはわかりますが」の一文に、角を立てずに少しだけでもやわらかく伝えようとする心遣いがみられますねぇ・・・。

 

展示物は大事にしましょう

 

タバコなどの火気の持ち込み、落書き、ごみのポイ捨ても当然禁止です。

 

 

旧札幌拓殖倉庫。

札幌駅北側に隣接し、線路に対して直角に位置していた、6棟の内の一番西側のみを移築保存。

北海道開拓期の農産物の集散に大きな役割を果たし、地域の発展に貢献したそうです。

倉庫の上部に色の薄れた赤い星が見えますが、赤い星は「開拓使のシンボル」で、【札幌市時計台】【サッポロビール園】にもあります。

 

 

倉庫の中には馬のはく製などが置かれていたのですが、個人的に気に入ったのが活版印刷。

ものすごい量の活字ブロックがあって、「これを一個一個セットして刷ってたのか~」と思うと、現在の印刷機のなんと便利なこと!

私達は当たり前のように、誰かが思いつき、試行錯誤を繰り返した果てに生み出された製品を使って、その恩恵を受けているわけです。

いやぁ~・・・、ありがたいですねぇ・・・。(感謝)

製品だけじゃなく、太陽、水、すべての自然界の恩恵にも感謝だ~~(合掌)

 

 

次は、旧浦河公会会堂へ。
明治27年(1894年)に赤心社が、2代目の礼拝・集会所として建てたもの。

赤心社とは、北海道開拓を目指して、兵庫県の旧三田藩士が、明治13年(1880年)に神戸・栄町に創立した株式会社で、指導者の多くはキリスト教徒だったそうです。

 

写真では、建物の上が白飛びしていますが、白い十字架が立っていました。

 

「ねぇ、なんかしゃべってよ」とリクエストしたら、夫が「断酒の利点」を語ってくれました。

 

「断酒 利点」で検索すると、いろんなHPでお話が見られるので、興味のある方はぜひ探してください。

 

以前、【サッポロビール園】の記事に書きましたが、いつごろからか夫が「仏教徒的な(あくまで、的な)生き方」をするようになり、戒律がどうとか、六斎日だからどうだとかブツブツ語るようになり、ライフスタイルを変えました。

 

・・・と言っても、私と夫は似てるところはあるけれども基本的には別タイプの人間なので、「まぁ、それぞれが良ければ」と、お互いに干渉しないので、私にはよくわかりません(笑)

 

ホント、夫婦っていろいろありますね~。

 

 

「断酒かぁ~。まぁ、お金もたまるし、体重も増えないよね~」とか言いながら移動し、漁村群へ。

 

 

漁村群の見どころは、旧青山家漁家住宅。

青山家は、江戸時代の安政6年(1859)に山形県から北海道に移り、小樽沿岸を中心に鰊建網などを経営した漁家です。

北海道開拓の村には52の歴史的建造物があるのですが、「旧●●家」と名前の付く建物の中で大きいのが、この旧青山家漁家住宅と、隣の農村群にある旧田村家北誠館蚕種製造所です。

 

旧青山家漁家住宅の中も、自由に見学できるので、ぜひ中に入ってください。

 

 

たくさんの人が、ここで寝起きしていたんだなぁ・・・と思わせる広さでした。

熊の毛皮でできたうわっぱり、アザラシの毛皮で出来た敷物などもありました。

 

近くには、米俵を積み上げた倉庫や、

 

船を保管している建物もあり、前半で見た商店などとはまた雰囲気の違う見学で、とても楽しかったです。

 

 

次は、隣の農村群へ。

旧田村家北誠館蚕種製造所。

漁村群にあった旧青山家漁家住宅の次に大きいかなと思った建物。

 

【前回】もちょっとビクッとしましたが、ここにもマネキンさん。

 

薄暗い部屋のマネキンは、リアルさが増す・・・。

 

ここは、絹(糸)の原料になる蚕の卵(蚕種)をとる建物だったようです。

 

団らん中のマネキンさん。

それにしてもリアルですね~~! 右のマネキンさんなんて、頭がちょっと薄かったり、手をちょっと浮かして説明している感じもするし、今にも動き出しそうじゃないですか。

 

 

見どころたっぷりの、北海道開拓の村。まだ建物があったのですが、最後の馬車鉄道の時間が近づいていたので、見学をここで終了し、馬車鉄道乗り場へ向かいました。

旧ソーケシュマベツ駅逓所前が、鉄道馬車の乗り場です。

まだ時間があったので、その右隣にある馬小屋に入りました。

 

 

プ~ンと、かすかに動物園の臭い。

馬? と思ったら、馬のマネキンでした。

 

「何だー、マネキンかぁ。でもなんか、動物臭するねぇ」

と言うと、息子が、

「あ、馬だー」

と奥で嬉しそうに言いました。

 

またマネキンかなと思ったら、

本物の馬が、静か~~~に、ご飯を食べていました。

 

 

16:40になり、平日最後の馬車鉄道が旧ソーケシュマベツ駅逓所前に到着。

料金は、中学生以上の大人250円、三歳から14歳までは100円で、現金で係員さんに支払います。

ゴガガガン、ゴォゴォゴォゴォ・・・と音を立てて滑らかに進みます。

この日の最後のお客さんが、私達家族でした。車内は10人乗れるかなといった大きさでした。

平日は40分間隔、土日祝日は30分間隔、ゴールデンウィークは20分間隔で運行します。

停車場は、北海道開拓村入場口に近い所と、農村群の旧ソーケシュマベツ駅逓所前の、二つしかありません。

 

 

北海道開拓の村には車を引く馬は全部で三頭おり、交代しながらお勤めをしているようで、私達が訪れた日にお仕事を頑張っていたのは、リキくん(去勢した牡馬)でした。

 

ありがとう、リキ君!

 

 

リキ君の落とし物(つまり、フンです)。

線路を歩く人はほぼいないと思いますが、よそ見して歩いててグニッと踏まないようにお気を付けください。

 

ちなみに、昔のヨーロッパは馬車が多く、「このままでは道路が馬糞だらけになる」と真剣に困っていたのだそうです。

これを解決したのが、フォードが開発したエンジンで動く車。

これで馬車の数は減り、馬糞問題は片付いたのだそうです。

 

・・・といっても、現代は現代で、馬のフンではなく車の排気ガスなどによる大気汚染が問題になっているので、これから「空気を汚さない車の普及」が急務でしょうね。他に、公共交通機関、自転車や徒歩移動もこれらに貢献するでしょうか。

 

 

昔の人が馬糞問題を解決したように、次は、私達が資源の節約と温室効果ガス削減を解決しなくてはなりません。車の使用回数を減らす、エコ車に買いかえる、公共交通機関を利用する、自転車の利用など、個人にできることはたくさんあります

→→【洞爺湖サミット記念館】の記事はこちら・・・環境対策待ったなし! 2008年に開催された洞爺湖サミットでは2050年までに二酸化炭素排出量を半分に減らすと合意された。2030年までに1.5度の気温上昇が起こると推測されているけれども、実際は3度の上昇へと向かっている。私達、一人一人が、向き合わなくてはならない問題。

 

 

旅をしていて思うことですが、どこに行っても何らかの学びが在りますね。

あなたは、ここで何を感じますか??

たくさんの建物があり、気になるところ、好きなところ、人それぞれあると思います。

ゆっくりと見学をし、良い思い出を、ぜひ作ってください。

とても楽しい所でした。

 

北海道開拓の村に13時半に入場し、17時に退園するまでの三時間半の滞在では半分しか見れなかったので、全エリアをゆっくり楽しみたい方は午前中から入場するのをオススメします

 

前回の記事に写真を貼りましたが、北海道開拓の村ではお昼ご飯もリーズナブルですし、屯田兵定食といった名物も食べられるので、オススメです。

 

 

次は、札幌観光最後の記事、「味噌ラーメン」です。

 

次の記事はこちら

前回の【北海道開拓の村】からの続きで、五泊六日北海道旅行 四日目の行程の紹介です。 四日目の最後は、札幌で味噌ラーメンを食べました。 →→2018年5泊6日北海道旅行記の行程はこちら・・・5泊6日で36か所を巡りました。 旅行記 […]

 

(この旅行記は2018年です)

 

関連記事

→→2018年・秋  北海道 五泊六日旅行の行程・・・この旅行の行程まとめ。

●札幌観光の記事です。

→→【北海道開拓の村 ①】 ディズニーランドより広い敷地に、52棟の歴史的建造物がある。名物の屯田兵定食を食べる・・・前回の記事です。

→→【モエレ沼公園】 入場無料。世界的な芸術家イサム・ノグチ氏が、ゴミ処理場跡地を美しい公園に変えた!

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→→【札幌市時計台、さっぽろTV塔】 札幌駅から徒歩でまわれる観光スポット。札幌の時計台は、日本三大がっかりスポット?

 

●古民家が好きな方は、関東の古民家園の記事もどうぞ。

→→【江戸東京たてもの園】「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルになった子宝湯・・・東京都小金井市。

→→【日本民家園(生田緑地内)】 東日本の古い建物が25棟! 古民家好きはぜひ訪れてください・・・神奈川県川崎市。

→→【府中市郷土の森】 旧府中尋常高等小学校を見て水遊びを楽しむ・・・東京都府中市。

交通アクセス

公共交通機関で行く場合、新札幌から開拓の村行きに乗車、終点「開拓の村」で下車。

車で行く場合、駐車場は400台停められ、無料です。

料金

入場料は、一般大人800円。高校生、大学生は600円。中学生以下は無料です。

鉄道馬車は、中学生以上の大人250円、三歳から14歳までは100円。

近くの宿泊施設

ホテルマイステイズ札幌アスペン。札幌駅出てすぐ。

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