【横浜山手西洋館③ イギリス館、山手111番館】 港の見える丘公園エリアには、旧フランス領事館公邸遺やバラとカスケードの庭など、異人館以外にも見どころたくさん

前回の続きで、神奈川県横浜市の「横浜山手西洋館巡り」の紹介です。

今日紹介するのは、港の見える丘公園エリアの異人館。横浜ベイブリッジが見えるちょっと小高い丘にある公園で、山下公園と並んで横浜市の観光地の一つです。

散策記

 

 

「異人館」とは幕末・明治時代以降(主として明治時代)の日本で、欧米人が居住するために住宅として建設した西洋館のことで、有名なのは北海道の函館異人館と、兵庫県神戸市の北野異人館街と、神奈川県の横浜山手西洋館、長崎県の異人館です。

 

 

最も数が多い【神戸北野異人館街】は18館もありますが、横浜市の異人館「横浜山手西洋館」は7つです。

 

神戸北野異人館は有料のものが多いですが、横浜山手西洋館は7つ全て無料で入館することができます。

 

横浜は関東大震災で大きな被害を受けたため、震災以前の建物はほとんど残っておらず、現在観光コースになっている山手本通り沿いの西洋館は、関東大震災以降に建築されたものか、他所から移築されたものです。

 

7つを一度に取り上げると写真が膨大なので、上のマップのように、

①外交官の家、ブラフ18番館(→→この二館の紹介記事はこちら

②べーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館(→→この三館の紹介記事はこちら)

③横浜市イギリス館、山手111番館(この記事で紹介します)

と、3つのエリアに分けて紹介します。

7つの西洋館は全て徒歩でまわることができ、所要時間は3時間ほどです。私達は、午前中に横浜山手西洋館を7つ巡り、昼から【横浜中華街】へ行きました。

 

 

 

横浜山手西洋館の開館時間は、全館、9時から17時。(7月・8月は18時まで)

イギリス館、山手234番館、外交官の家の休館日は第四水曜日。それ以外の西洋館は第二水曜日が休みです。

入館料は無料。

それぞれの西洋館には駐車場が無いので、石川町駅や港の見える丘公園の有料駐車場に車を停めて徒歩でまわるのをおススメします。

 

 

周辺マップはこんな感じです。

港の見える丘公園にはイギリス館、山手111番館があり、すぐ近くに有料駐車場があるので、車で来た方は一番見学しやすいエリアです。

 

港の見える丘公園一帯は、江戸時代末期に横浜が開港した際、イギリスとフランスの軍隊が駐留したところで、日本初のフリーメイソンのロッジも置かれたそうです。

 

 

イギリス館。横浜市指定文化財。

1937年に英国総領事公邸として建築されました。洋館としては珍しく、コンクリート構造ですべての材料がシャンハイ方面から輸入されたもので、地下にはワインセラーもあるようです。

2013年に訪れた時は閉館しており中に入れませんでしたが、9年ぶりに訪れてやっと入れました。

山手西洋館はスリッパに履き替えるところが多いのですが、イギリス館は履き替えずにそのまま館内を散策できます

 

 

一階のホールは使用中で入れなかったので、台所を見学。

 

 

ブロンズ像。

 

 

二階へ。

 

 

イギリス館の模型。

 

 

別の角度から見たイギリス館。

 

 

 

 

次は、7つある横浜西洋館の最後の一つ「山手111番館」へ。

途中、「バラとカスケードの庭」があり、美しい洋式庭園を楽しめます。

 

 

 

山手111番館に到着。しかし、こちら側は喫茶店「カフェ・ザ・ローズ」とのことで、反対側へ向かうことに。

ちなみに、7つある横浜山手西洋館で、カフェがあるのはこの山手111番館と、【外交官の家】だけですので、休憩したい方はぜひ利用しましょう。

 

 

こちらが、山手111番館の玄関。

山手111番館は旧ラフィン邸で、1926年に建てられました。

この家の主のラフィンは、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれたハーフで、横浜で誕生。港湾の荷役業務の会社を父と経営し、ロシア人と結婚。二人目の子どもが生まれた年に山手111番館で暮らし始めたのだそう。

 

 

斜めから見た山手111番館。横浜市指定文化財です。

設計者は、【ベーリック・ホール】と同じく、J.H.モーガンです。

 

 

2013年に訪れた時、バイオリンとピアノのコンサートが予定されていたようで、練習風景を見ることができました。
バイオリンとピアノの演奏の中、邸宅の中を見学・・・、良い思い出です。

不定期でコンサートが行われているようなので、お出かけ前にイベント情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

 

シャンデリアが豪華!

 

 

和紙アートが飾られていました。

 

 

こちらの窓は、創建当時に復元した窓。

 

 

山手111番館の模型。

 

 

私達が訪れた時、二階は立ち入り禁止になっていました。月に二度、見学会を開催しているので、二階を見たい方は日時を調べてから行くのを、おススメします。

 

 

売店コーナー。

 

 

ローズティー、ローズジャム、ローズドロップを購入。

どれも美味しかったのですが、ローズティーとローズジャムは特にオススメ♪

 

 

 

以上で、横浜山手西洋館7つすべて紹介しました。

最後に、港の見える丘公園をブラブラと散策。

 

 

 

 

海の見える丘公園は綺麗に整備されており、楽しい散策ができます。

 

 

 

写真は旧フランス領事館公邸遺構。

夜、来るとおばけが出て来そうな雰囲気がちょっとあります・・・。

内側はタイル(レンガ?)張りになっていました。火災で焼失したそうです。

 

 

 

港の見える丘公園には、横浜米軍機墜落事件・愛の母子像があります。作者は山下公園の「赤い靴はいてた女の子」像を作った方です。

山下公園の記事はこちら・・・関東大震災のがれきで埋め立てられて作られた公園。中華街のすぐ近くです。

 

 

事件の詳細は、横浜米軍機墜落事件 ウィキペディアで、ご覧ください。

 

(一部抜粋)

厚木基地を離陸し、太平洋上の航空母艦・ミッドウェイに向かおうとしたアメリカ海兵隊の戦術偵察機(RF-4BファントムII611号機)が、離陸直後に燃料満載の状態でエンジン火災を起こした。乗員2名は機外に緊急脱出し、パラシュートで神奈川県横浜市緑区(現・青葉区)鴨志田町付近に着地したのち、海上自衛隊厚木救難飛行隊のヘリコプターに収容されて基地に無事帰還した。一方、放棄され制御を失った機体は5kmほど離れた同区荏田町(現・青葉区荏田北三丁目・大入公園付近)の住宅地に墜落し、周辺の家屋20戸を炎上・全半壊させた
墜落地周辺では火災により一般市民9名が負傷、周辺の人々により次々に車で病院に搬送されるもうち三歳と一歳の男児2名の兄弟は全身火傷により翌日死亡した。また兄弟の母親である女性も全身にやけどを負い、皮膚移植手術を繰り返しながら長期間にわたり入退院を繰り返したのち一時はリハビリを行なえるまでに肉体的には回復するものの精神的なダメージは計り知れず、最終的には精神科単科病院に転院し、事故から4年4ヶ月後の1982年1月26日に、心因性の呼吸困難により死亡した。

 

事件はパパ ママ バイバイ米軍ジェット機事故で失った娘と孫よなど、書籍化されています。

 

神奈川県内では離着陸する飛行機の墜落事故が多数発生しています。

重大なものだけ取り上げます。

 

・1964年4月5日、町田市中心街にF-8戦闘機が墜落、住民4人死亡(町田米軍機墜落事故)。
・同年9月8日、大和市の鉄工所にF-8戦闘機が墜落、住民と従業員5人死亡(大和米軍機墜落事故)。
・1977年9月27日、横浜市緑区(現在の青葉区)荏田町の住宅街にRF-4Bファントム偵察機が墜落、幼児2人が死亡、母親も闘病4年後に死亡、その他多数が重軽傷を負う(横浜米軍機墜落事件)。

神奈川県内における米軍機の事故は、平和条約発効後の昭和27年4月から平成19年3月までに、214件に及んでいる。その内訳は、墜落事故62件、不時着54件、落下物68件、その他30件である。

 

私達は以前、4年ほど厚木基地近くに住み、米軍戦闘機の騒音に苦しみました。息子の通っていた小学校は、大和米軍機墜落事故現場(5人死亡)から近い所だったので、この母子像を見た時は胸が痛みました・・・。

このような、不幸な事故が起こらないよう、ただただ祈るばかりです。

 

 

 

港の見える丘公園の展望台から見た景色。

横浜ベイブリッジがよく見えました。

いしだあゆみさんが歌う「ブルー・ライト・ヨコハマ」は港の見える丘公園から見た横浜と川崎の工業地帯の夜景をイメージしたものだそうです。

♪街の明かりがとても綺麗ねヨコハマ~、ブルーライトヨコーーハーマーーー♪ あなーたと、二人、しーあーわーせーよーーー♪

 

 

ちなみにこちら、夫の故郷青森市にある「青森ベイブリッジ」。

横浜ベイブリッジに憧れて命名されました。

AOMORIの「A」をデザインに取り入れた橋でございます。

 

 

 

この後、私達は、港の見える丘公園から横浜中華街へ向かいました。徒歩でも行ける距離ですが(20分くらい歩く)、あまり歩きたくない方は写真の真っ赤なバス「あかいくつ」で行きましょう。

 

楽しいお出かけになりますように♪

 

次の記事はこちら

今日紹介するのは、横浜に来たら外せないスポット「横浜中華街」です。 散策記 横浜中華街は、みなとみらい線の元町・中華街駅から徒歩数分です。   横浜中華街は、神戸南京町や長崎新地中華街とともに「三大中華街[…]

 

 

(このレジャー記は2013年と2022年です)

 

関連記事

横浜市の観光紹介です。

→→【横浜山手西洋館① 外交官の家、ブラフ18番館】 横浜の異人館街巡りは石川町駅からスタート。全て無料で、所要時間3時間ほどでまわれます

→→【横浜山手西洋館② ベーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館】 元町公園には異人館が3つ集まっている。最大の大きさを誇るべーリック・ホールは特にオススメ!

→→【横浜中華街】 日本三大中華街。日本一、東アジア最大の中華街! ダージーパイ、パンダまん、タピオカドリンク、月餅など食べ歩きが楽しい♪

→→【横浜赤レンガ倉庫と、横浜オクトーバーフェスト】 入場料がかかるけれども、雰囲気が良い

→→【海上保安資料館 横浜館 (工作船資料館)】 北朝鮮不審船の実物展示があります

→→【横浜大さん橋と、くじらのせなか】 入港予定をチェックしていこう

→→【謝甜記(シャテンキ) 本店】 横浜中華街の中華粥専門店で、お粥を食べる! 15種類の中華粥以外のメニューもあり

→→【日清カップヌードルミュージアム(横浜)】 子供とチキンラーメン作りを体験! ワールド麺ロードで外国の麺料理に舌鼓

→→【日本丸メモリアルパーク】 総帆展帆(そうはんてんぱん)の様子を見学! 横浜の美しい白い船

→→【象の鼻パーク】 横浜三塔物語(キング、クイーン、ジャックの塔)の見学について

交通アクセス

みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩5分 です。

横浜では「観光スポット周遊バス あかいくつ」というバスが走っています。
中華街・元町へ行くCルートと、みなとみらいをまわるMルートにわかれます。(あかいくつHPでルートを確認してください)
港の見える丘公園は、Cルートのバスに乗り、「港の見える丘公園前」で下車です。

電車とあかいくつバスのフリー切符セット券などもあります。
路線・エリアにあわせていろいろありますので、お好みの切符を選んでください。
観光周遊バスあかいくつHP

車で行く場合、有料駐車場があります。

近くの宿泊施設

ホテルニューグランド。
元町・中華街駅から350m、徒歩4分。山下公園の道を挟んだ向かい側。

お得で便利な、旅の予約サイト

【必見書籍! 迫り来る大薬害の内部告発】