【晴天時の和歌浦】 昔はもっともっと、も~~~~っと綺麗だったはず!!!

先ほど、東京の六義園(りくぎえん)について書いたので、そのモデルとなった和歌山県和歌山市の「和歌浦」について書きます。

散策記

和歌浦の場所は、和歌山県和歌山市。上の写真の、赤い風船マーク(観海閣)周辺が和歌浦です。

公共交通機関で行く場合、JR和歌山駅または南海和歌山市駅で電車を下車し、新和歌浦行のバスに乗車し、玉津島(たまつしま)神社前又は不老橋(ふろうばし)バス停下車です。

 

車で行く方は、「片男波(かたおなみ)公園」を目指すと、大きな駐車場があるので停めやすいです(一日400円)。7月8月は海水浴場となり、駐車料金が1,000円になるのでご注意を。

片男波公園駐車場のすぐ前は、片男波海水浴場となっていて、気持良い浜辺散歩を楽しめます。

 

とても奇麗な砂浜なので、裸足で歩くと気持ちが良いですよ。

 

 

片男波公園から妹背山(いもせやま)へテクテク進む。

晴天時はこんなに綺麗!

 

左手側に見えている橋は「あしべ橋」で、写真中央にコンモリとした小さな山がありますが、それが妹背山(いもせやま)です。

 

【六義園(りくぎえん)】の「中の島」(上の写真)は、この妹背山がモデルになっています。

 

 

昔は、妹背山(いもせやま)、鏡山、奠供山(てんぐやま)、雲蓋山(うんがいやま)、妙見山、船頭山の、六つの小島が和歌浦にありました。
現在は、妹背山を残して、五つの山は陸地化しています。

 

 

 

こちら、去年の秋に帰省したとき。台風が来てました。

晴天時の方が、奇麗な写真が撮れますねぇ。

 

 

 

和歌浦の周辺マップはこんな感じです。


片男波(かたおなみ)公園駐車場に車を停めて、妹背山、塩釜神社、不老橋、玉津島神社へはすぐ近くです。

紀州東照宮と和歌裏天満宮は1kmくらい離れています。

 

 

妹背山はちょっと置いておいて、片男波公園~あしべ橋の間から撮った景色。

左の山は、名草山(なぐさやま)で、昭和天皇が皇太子の頃に行啓(ぎょうけい)された【紀三井寺(きみいでら)】があります。

 

また、名草山は紀三井寺ができる前から「神様が宿る山」として信仰されてきました。近くには、縄文の女王ナグサトベと、初代天皇となるイワレヒコとの戦いの伝承があります。

 

 

晴天時の和歌浦は、とっても綺麗ですね~。鵜が魚を捕っていました。

 

 

さてさて、妹背山へ渡りましょう。

観光客が妹背山へと渡る橋を「不老橋(ふろうばし)」と間違えるそうですが、こちらは「三断橋(さんだんきょう)」です。

不老橋は、あしべ端の左となりにあります。

 

 

手前の古い石づくりの橋が、不老橋。奥の新しい橋が、あしべ橋。

 

 

不老橋は、石造りのこっちです。

説明は→→【塩釜神社と不老橋の記事】で、ご覧ください。

 

 

 

妹背山へ渡る三断橋。青緑色の石は、紀州青石です。

 

 

 

紀州青石。
和歌山城の石垣や石畳も、紀州青石です。

→→和歌山城(国の史跡)の記事はこちら・・・ 徳川御三家の一つ紀州徳川家の居城。国宝だったのに戦争で焼けた!

 

 

 

橋を渡るとお堂があります。

 

 

 

もっと奥へ行くと、「海観閣(かいかんかく)」があります。


徳川頼宣(とくがわよりのぶ)が慶安年間(1648~1652)に、木造の水上楼閣として妹背山(いもせやま)の海辺に建立したもので、ここから名草山にある紀三井寺を遥拝したと伝えられており、現在の建物はコンクリートで再建されたものです。

 

 

 

ちょっと水が少ないなぁ。

干潮に近いタイミングで訪れたようです。

 


前回の帰省時は、台風接近で曇天。
今回は晴天だけども、満潮ではない・・・。

 

なかなかタイミングが難しいですね~。

 

 

子どものころ、私はここで潮干狩りを楽しんだそうです。(30年前だから、もう覚えてない・・・)

 

今はあさりが不漁であることや貝毒のため、2008年から中止されているらしい・・・。

徳島から来たとおっしゃる方に「小さなころは、このあたりで潮干狩りしたんですよ~」って話したら、びっくりしてました。

あさりの天敵であるエイやツメタガイなどが増えたそうですが、目視ではやたらにカニが多かったなぁ。

 

 

この無数のアナには、何が棲んでいるんだろう・・・?

 

 

 

海観閣の後ろには階段があって高さ13mの多宝塔があります。

 

 

 

和歌山市指定文化財「海禅印多宝塔」。 紀州家初代藩主徳川頼宣(よりのぶ)の生母「お万の方(養珠院)」が亡き夫徳川家康の33回忌追善供養のため、多数の小石に書写した法華経題目を妹背山に埋納し、その上に小堂を建てたのが始まりだそうです。

お万の方が亡くなると、頼宣は母を弔うために多宝塔を改建したのだそうです。
お万の方(養珠院)は、紀州徳川家の家祖徳川頼宣、および水戸徳川家の家祖徳川頼房の母なんだそうです。

 

 

 

多宝塔の横には坂があって、妹背山の頂上へ上れます。
こちらが、そこから撮った写真。

もうちょい水が欲しいな!

 

 

 

もう一度、片男波公園~あしべ橋間で撮った水が豊かな写真を貼っておきます。

 

 

 

奈良時代の歌人 山部赤人の歌(上の写真は、東京都にある【須賀神社(四ツ谷)】  四谷の総鎮守。男坂は映画「君の名は。」のラストシーンで有名!にあったもの)

 

「若の浦に 潮満ち来れば 潟(いた)を無(な)み 芦辺(あしべ)をさして 鶴(たづ)鳴き渡る」

 

 

6つの小島は1つになり、芦もなく、鶴もいなくなってしまった和歌浦・・・。

 

大宰府へ左遷される道中の菅原道真公は、和歌浦へ寄り、景色を見て歌を詠みました。

 

いまから1300年ほど前、聖武天皇(奈良の大仏を建立させた人)は初めて和歌浦玉津島に行幸し、和歌の浦の景観を絶賛して、景観保全のために番人を置き、地霊祭祀の制度を定めました。

 

 

和歌の上達を願って【玉津島神社】へ参拝した小野小町(おののこまち)も、和歌浦の景色にはうっとりしたことでしょう。

 

 

ああ、和歌浦、和歌浦よ・・・。

 

昔は、どんな景色だったの?

 

タイムマシーンがあればなぁ~~~~~~~~。

 

東京に、和歌浦を模した庭園があります。

 

 

次は、同じく和歌山市の「岩橋千塚古墳群(紀伊風土記の丘)」を取り上げたいと思います。
日本一、古墳が密集したところです。

 

次の記事はこちら

私のふるさと和歌山県和歌山市には「紀伊風土記の丘(きいふどきのおか)」があります。 ここは「特別史跡 岩橋(いわせ)千塚古墳群」と呼ばれ、和歌山県内に1500基ある古墳のうち850基が集まっているところで、紀伊風土記の丘では430基の[…]

 

(この旅行記は2017年です)

関連記事

和歌浦観光の記事は、過去に書きましたので、参考にご覧ください。

→→和歌浦①紀州東照宮(関西の日光)の記事はこちら
→→和歌浦②和歌浦天満宮(学問の神様・菅原道真公が大宰府へ向かう途中寄った所)の記事はこちら
→→和歌浦③玉津島神社(天皇や有名歌人も参拝した和歌の神様を祀る神社)の記事はこちら
→→和歌浦④塩釜神社と不老橋の記事はこちら
→→和歌浦⑤妹背山の記事はこちら

 

→→【吉原の中言神社(なかごとじんじゃ)】 名草山の北に位置する、中言神社の総本社。名草彦、名草姫(ナグサトベ)を祀る・・・名草山周辺にはかつて名草一族が住んでおり、神武天皇と戦った。

交通アクセス

JR和歌山駅または南海和歌山市駅で電車を下車し、新和歌浦行に乗車し、玉津島神社前又は不老橋バス停下車です。
電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。
バスの時刻表・運賃は和歌山バス運賃・路線検索でお調べください。

車で行く場合、片男波(かたおなみ)公園の駐車場が広いです。
200台停められ、駐車料金は一日400円です。(7月8月の海水浴シーズンは一日1000円になる)

フリー切符

和歌山バスの全線フリー 一日乗車券・・・大人1000円、子ども500円。30施設で特典が受けられます。
和歌山バスと貴志川線の乗り歩きっぷ1日券・・・大人1600円、子ども800円。2日券なら大人2400円、子ども1200円です。
乗り歩きっぷ

貴志川線はネコの駅長「たま」で有名になった「貴志駅」へ行く電車路線です。
和歌山電鉄貴志川線フリー切符の記事はこちら

近くの宿泊施設

和歌の浦 木村屋。

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