【紀三井寺(きみいでら)】 関西一の早咲き桜で有名。西国三十三ヵ所巡りの第二番札所

前回まで和歌山県和歌山市の和歌浦(わかうら)観光を取り上げましたので、今日は和歌浦の妹背山にある観海閣から見える、「紀三井寺(きみいでら)」を紹介しようと思います。

私が最後に紀三井寺へ行ったのは2007年でした。

参拝記

紀三井寺へは、紀三井寺駅から徒歩10分です。

 

 

参道には、こんなふうに土産物屋さんがいくつか軒を並べています。

 

 

 


紀三井寺HPから拝借した写真。楼門。
国指定重要文化財。室町時代(1509)建立。
楼門の前で、拝観料200円を納めます。

 

紀三井寺は、名草山(なぐさやま)にあるので、お参りには階段を上らなくてはいけません。その段数、なんと231段!

 

昔、江戸時代の豪商・紀ノ国屋文左衛門がこの坂を上って観音様にお参りに来たのですが、ぞうりの鼻緒が切れてしまいました。
困っていた文左衛門の鼻緒をすげかえてくれたのが、紀三井寺の真向かいにある玉津島神社の宮司の娘「おかよ」。
この出会いがきっかけで二人は後に結婚します。
そのため、「結縁坂(けちえんざか)」と呼ばれているそうです。

 

 

この結縁坂の途中右側には「清浄水(しょうじょうすい)」という小さな滝があり、「吉祥水(きっしょうすい)」「楊柳水(ようりゅうすい)」と合わせて「三井水(さんせんすい)」と呼ばれ、紀三井寺の由来となっています。

清浄水は為光上人が紀三井寺開創の頃、目の前に忽然として出現した美女が、身を投じて龍に化身したと伝えられている水で、大正11年にまだ皇太子殿下だった昭和天皇が和歌浦に宿泊された時、紀三井寺の清浄水を和歌浦に運び、調理などに使われたそうです。

 

 


紀三井寺HPから拝借した写真。
多宝塔。国指定重要文化財。
室町時代(1449)建立。

 

 


紀三井寺HPから拝借した写真。
鐘楼。国指定重要文化財。

写真にはないのですが、2002年に建立された新仏殿の中には高さ12mの木造千手観音立像(大千手十一面観世音菩薩像)が安置されています。

 

 

 

私達が訪れたのは2007年の春でした。

紀三井寺は500本の桜があるので、お花見の季節に訪れると綺麗です。

 

本堂前には、開花宣言の目安となる和歌山地方気象台指定の標本木(ソメイヨシノ)があります。

 

 

 


お花見をする人もいました。(2007年のガラケーで撮った写真なので画像が悪くてごめんなさい)

 

 

江戸時代の俳人・松尾芭蕉は、花見の名所である紀三井寺に参拝に来ましたが、すでに桜が散り始めていたようで、

「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」

と詠んだそうです。

 

 

紀三井寺を開基したのは中国(当時は唐)から来た為光上人。

日本各地を行脚していた時、名草山山頂から一筋の光が発せられているのを見、光の元をたどって名草山に登ったところ、金色の千手観音を感得。

自ら十一面観音像を彫刻し、開創しました。

 

 

為光上人は後に竜宮へ説法へ行き、龍神から7種の宝物をお礼に頂いたそうです。

 

そのうちの一つが「応同樹(おうどうじゅ)」で、木の葉を浮かべた水を飲んだり、煎じて飲んだり、或いは首に掛けて置くと病に応じて薬となると云われる霊木でした。

 

今でも境内にはこの孫木があるそうなので、探してみてはいかがでしょうか。

 

 

紀三井寺は、西国三十三ヵ所の第二番札所です。

第一番札所の青岸渡寺は→→こちらの記事に書いてありますのでご覧ください。(熊野那智大社の隣です)

 

 

こちら、和歌浦から見た名草山(なぐさやま)。

名草山は紀三井寺ができる前から「神様が宿る山」として信仰されてきました。

 

 

和歌浦から見た紀三井寺はこちら。

和歌浦は→→こちらの記事からご覧ください。

 

名草山周辺にはかつて、名草一族が住んでおり、東征してきた神武軍(初代天皇となる)と戦ったとする伝説があります。

 

次は、ラピュタの島として有名になった「友ヶ島(ともがしま)」を取り上げます。

 

次の記事はこちら

ずーっと和歌山市の観光・お参りを紹介していますが、今日取り上げるのは、和歌山市加太(かだ)にある友ヶ島(ともがしま)。 「まるで天空の城ラピュタの世界のよう」と話題になった、紀淡海峡(友ヶ島水道)に浮かぶ無人島で、旧日本軍の要塞です。[…]

 

 

(この参拝記は2007年です)

関連記事

→→妹背山と観海閣。和歌浦にあった6つの小島のうち、唯一海上に残っている。・・・紀三井寺が良く見えます。

→→玉津島神社の記事はこちら・・・玉津島神社の宮司の娘が、紀三井寺の結縁坂で紀伊国屋文左衛門と出会い結婚。

→→【那智山 「青岸渡寺」と宝篋印塔(世界遺産)、三重塔】・・・西国三十三ヶ所第一番札所。熊野那智大社の隣です。

交通アクセス

公共交通機関で行く場合、紀三井寺駅で下車し、徒歩10分です。
電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。

 

バスで行く場合、和歌山駅か和歌山市駅から紀三井寺行きのバスに乗車し、紀三井寺で下車。徒歩10分です。

時刻表・運賃は和歌山バス運賃・路線検索でお調べください。(和歌山駅から乗った場合、乗車時間20分、運賃400円)

車で行く場合、参拝者専用有料駐車場があります。(3時間300円)

近くの宿泊施設

紀三井寺温泉花の湯 ガーデンホテルはやし。

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