【横浜山手西洋館② ベーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館】 元町公園には異人館が3つ集まっている。最大の大きさを誇るべーリック・ホールは特にオススメ!

前回の続きで、神奈川県横浜市の「横浜山手西洋館巡り」の紹介です。

レジャー記

 

 

「異人館」とは幕末・明治時代以降(主として明治時代)の日本で、欧米人が居住するために住宅として建設した西洋館のことで、有名なのは北海道の函館異人館と、兵庫県神戸市の北野異人館街と、神奈川県の横浜山手西洋館、長崎県の異人館です。

 

 

最も数が多い【神戸北野異人館街】は18館もありますが、横浜市の異人館「横浜山手西洋館」は7つです。

 

神戸北野異人館は有料のものが多いですが、横浜山手西洋館は7つ全て無料で入館することができます。

 

横浜は関東大震災で大きな被害を受けたため、震災以前の建物はほとんど残っておらず、現在観光コースになっている山手本通り沿いの西洋館は、関東大震災以降に建築されたものか、他所から移築されたものです。

 

7つを一度に取り上げると写真が膨大なので、上のマップのように、

①外交官の家、ブラフ18番館(→→この二館の紹介記事はこちら

②べーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館(この記事で紹介します)

③横浜市イギリス館、山手111番館→→この二館の紹介記事はこちら

と、3つのエリアに分けて紹介します。

7つの西洋館は全て徒歩でまわることができ、所要時間は3時間ほどです。私達は、午前中に横浜山手西洋館を7つ巡り、昼から【横浜中華街】へ行きました。

 

 

 

横浜山手西洋館の開館時間は、全館、9時から17時。(7月・8月は18時まで)

イギリス館、山手234番館、外交官の家の休館日は第四水曜日。それ以外の西洋館は第二水曜日が休みです。

入館料は無料。

それぞれの西洋館には駐車場が無いので、石川町駅や港の見える丘公園の有料駐車場に車を停めて徒歩でまわるのをおススメします。

 

 

今日紹介するのは、元町公園にある「べーリック・ホール」、「エリスマン邸」、「山手234番館」です。

 

 

 

前回の【横浜山手西洋館① 外交官の家、ブラフ18番館】から20分ほど歩いて、元町公園の「べーリック・ホール」に到着。

横浜市認定歴史的建造物で、イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として、昭和5(1930)年に設計されました。

現存する戦前の山手外国人住宅の中では最大規模の建物で、敷地は600坪もあるため、見ごたえがあります。

設計者は、山手111番館と同じ、J・H・モーガンです。

 

 

左側に下駄箱があるので、靴を脱いでスリッパに履き替えます。
編み上げブーツをはいたお姉さんが大変そうだったので、山手西洋館巡りをする方は、脱ぎ履きしやすい靴を履いていくのをおススメします。

 

 

では玄関をくぐりましょう。

 

 

広い居間。

 

 

居間の立派な暖炉。

 

 

隣にパームルーム。

 

 

パームルームには獅子型の壁泉があります。当時は植物などを置いて休憩室として使われたのだそうです。

 

 

 

食堂。

 

 

地下室。

 

 

 

二階も見れます。

 

 

令息寝室。

 

 

客用寝室。

 

 

主人寝室にはタイプライターがありました。もともと寝室だったところを書斎として表現しているのは、べリックが横浜とロンドンを行き来していた貿易商であったので、当時の活躍ぶりを感じられるようにしたとのこと。

 

 

夫人寝室。

 

 

サンポーチ。

遠い異国で生活する婦人の気持ちを和ませるために、庭木の緑、温かな陽光と、港の景色が見える部屋であったそうです。

 

 

べーリック・ホールの模型。

先にも言いましたが、横浜山手西洋館の7つの建物の中で、一番大きな建物です。

建物の主はイギリス人でしたが、建物はスパニッシュ・スタイル。

 

 

ベーリック・ホールの主の会社「ベリック・ブロザー商会」の輸出入品広告。

こんな豪邸を建てられるのですから、貿易商は儲かったんですね!

とても素敵な邸宅なのですが、主のべリックは第二次世界大戦前にカナダに移住し余生を過ごしたのだそう。

べリックはフィンランド名誉領事もつとめ、戦後にこの建物を宗教法人カトリック・マリア会に寄付し、インターナショナルスクールの寄宿舎「べーリック・ホール」として利用されたのを、後に横浜市が取得したのだそう。

 

 

土産物がいろいろ置いてありました。

オススメはローズティー。

 

 

 

次は、べーリック・ホールのすぐ隣にある、エリスマン邸へ。

前回訪れた時(2013年)は改修工事中だったため入れませんでしたが、9年ぶりに訪れてやっと入れました。

横浜市認定歴史的建造物で、「現代建築の父」と言われるチェコ人のアントニン・レーモンドの設計により、1926年に生糸貿易商エリスマン氏の私邸として建築されたもの。館の主人であったエリスマンはスイス人で、シーベル・ヘグナー商会の支配人。エリスマンは死後、すぐ近くの山手外人墓地に葬られました。

昭和57年にマンション建築のために解体されましたが、氷川商事が横浜市に寄贈し、平成2年にここに移築・復元されました。

 

 

 

なんとエリスマン邸にはレトロな公衆電話があります。実際に使えるので、使いたい方は試してみてはいかがでしょう???

 

 

食堂兼居間。

 

 

楽譜棚。もともと作曲家の小船幸次郎さんが使っていたものを、没後、横浜市に寄贈されたものだそう。

 

 

サンルーム。

 

 

 

 

では二階へ行きましょう。

 

 

 

浴室。

 

 

二階は家具が置かれておらず、壁に震災前の山手風景などの資料展示がありました。

 

 

エリスマン邸の模型。エリスマン邸には地下室があり、現在、ギター教室などに使われているようです。

 

 

 

 

 

最後は、道路を挟んだところにある、山手234番館の紹介。

山手234番館は、横浜市認定歴史的建造物。

昭和2(1927)年頃に、関東大震災後の復興事業の一環として朝香吉蔵の設計により、外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス)として、建てられたものです。

 

 

先に模型を出しておきますが、一階に二世帯、二階に二世帯の合計四世帯が入居可能。外国人向けに設計された3LDKの間取り。

 

 

建物の真ん中には光庭がつくられ、採光できる工夫がされています。

 

 

レトロな蓄音機。

 

レトロなミシンがありました。

 

 

台所。

 

 

 

二階。

 

 

山手234番館の二階は貸しスペース(有料)になっており、ギャラリー展示や会議室に使えます。私達が訪れた時は、「耽(ふけ)る童話展」が開催されていました。

 

 

べーリック・ホールの売店も充実していましたが、山手234番館の売店もご覧の品ぞろえで充実。

 

 

 

以上で、②のべーリック・ホール、エリスマン邸、山手234番館の紹介は終わりです。(①の外交官の家とブラフ18番館の記事は【こちら】

 

次は、横浜山手西洋館最後のエリアである③の「海の見える丘公園」にある、イギリス館と山手111番館を紹介します。

 

 

次の記事はこちら

前回の続きで、神奈川県横浜市の「横浜山手西洋館巡り」の紹介です。 今日紹介するのは、港の見える丘公園エリアの異人館。横浜ベイブリッジが見えるちょっと小高い丘にある公園で、山下公園と並んで横浜市の観光地の一つです。 散策記 […]

(このレジャー記は2013年と2022年のものです)

 

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交通アクセス

みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩10分 です。

横浜では「観光スポット周遊バス あかいくつ」というバスが走っています。
中華街・元町へ行くCルートと、みなとみらいをまわるMルートにわかれます。(あかいくつHPでルートを確認してください)
乗車料金は大人220円、子ども110円。
電車とあかいくつバスのフリー切符セット券などもあります。
路線・エリアにあわせていろいろありますので、お好みの切符を選んでください。
観光周遊バスあかいくつHP

または、JR・市営地下鉄「桜木町」駅から、神奈川中央交通バス11系統「元町公園前」下車すぐ。

近くの宿泊施設

ホテルニューグランド。
元町・中華街駅から350m、徒歩4分。山下公園の道を挟んだ向かい側。

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