【神居古潭(かむいこたん)】 魔神が住まう、アイヌの水上交通最大の難所! 心霊スポット? パワースポット?

前回(札幌のみそラーメン)からの続きで、五泊六日北海道旅行の紹介です。

いよいよ、五日目突入!(残りあと2日!)

今日は、石狩川の急流を望む景勝地「神居古潭(かむいこたん)」を紹介します。

→→2018年5泊6日北海道旅行記の行程はこちら・・・5泊6日で36か所を巡りました。

旅行記

前日の夜、すすきので味噌ラーメンを食べ、その翌朝は札幌から旭川の神居古潭(カムイコタン)まで移動。

車で119km、1時間50分ほどかかります。

 

 

レンタカーのカーナビに「カムイコタン」で検索しても出てこなかったため、すぐ近くにある「南山商店」をカーナビにセットして向かいました。

公共交通機関で行く方は、神居古潭(カムイコタン)バス停で下車。車で行く方は、無料駐車場があります。

 

 

神居古潭(カムイコタン)は、石狩川の急流を望む景勝地で、昭和13年にかけられた「カムイ大橋」を渡って対岸に渡れます。

 

 

訪れたのが8月の平日、朝10時だったため、私達以外いませんでした。

 

 

カムイ大橋の上から石狩川を見下ろす。

 

この日の朝は雷を伴う大雨が降ったため、激しい濁流になっていました。

ゴォゴォゴォ~~といくつもの激しい渦ができているばかりか、吸い込まれた水が川底から川面に向かってブワ~~ッと湧き上がっているとこもあり、まるで小さな鳴門(ナルト)の渦潮だなーと思いました。

→→鳴門のうずしおの記事はこちら・・・淡路島と四国の間にある世界でも最大級の渦潮です。

 

雷雨の影響でしょうが、川でもこんなに渦を巻くところがあるのだと、大変驚きました。

 

 

カムイコタンは険しい山の間を石狩川が貫いてできた峡谷で、ここの地質は「神居古潭変成帯(かむいこたんへんせいたい)」と言い、蛇紋岩(じゃもんがん)を含むのだそうです。

石狩川は広い川ですが、神居古潭の位置する渓谷は幅が狭いために流れが速くなり、崩れやすい性質を持つ蛇紋岩を深く・複雑に削りました。

そのため、神居古潭を通る石狩川の水深は、最深部で70mにもなるのだそうです。

 

70mというと、大阪の万博公園にある岡本太郎氏が制作した「太陽の塔」と同じですね。この巨大な塔がズボッと沈むくらい、深い川だということです。

北海道の建造物で言うと、【さっぽろTV塔】は高さ147mなので、半分程が川に沈みます。

 

 

川としてはかなり深く、複雑に削られた川底の形も相まって、複雑な水流となっているようです。

 

去年(2018年)の11月末に「ブラタモリ」というTV番組で、カムイコタンを流れる石狩川にゴムボートを浮かべて実験していましたが、船が全く進みませんでした。

オールでちゃぷちゃぷしても、まったく進まない!

水上交通に依存していたアイヌは、大変困ったそうです。

 

TV番組「ブラタモリ」のロケは、川の流れが穏やかな日に行われましたが、私達が訪れた時のように大雨の影響が残っている状態では、船は転覆するのではないかなぁと思いました。

 

実際にカムイコタンは北海道の先住民「アイヌ」にとって最大の難所であり、しばしば犠牲者が出たのだそうです。

そこで「神(カムイ)」に祈りを捧げて通ったため、「カムイコタン(神・里)」と呼ばれるようになったようです。

 

ちなみにここに住む神様は「ニッネ・カムイ」という魔神なのだそうです。(・・・コワッ!)

 

 

 

カムイコタンに訪れたら、ぜひ見つけていただきたいのが、穴の開いた岩。

手前の岩に穴がありますね。これは「神居古潭おう穴群」と名付けられ、旭川の指定文化財・天然記念物に指定されています。

アイヌの伝説では、「神居古潭に住まう魔神が、英雄サマイクルに追われてぬかった足跡」と言われているようです。

 

実は、この穴は誰かが空けたのではなく、自然によるもの

岩の窪みにたまった小石がクルクル回り、長い歳月をかけて岩穴を掘り下げてできたのだそうです!

これらは、甌穴(おうけつ)や、ポットホールとも呼ばれ、川や海にできます。

 

すごい~~! こんな穴、自然にできるのね!?

 

海岸のポットホールを見たい方は、下の「塩浦海水浴場」の記事に写真がありますのでご覧ください。

 

 

神居大橋で向こう側へ渡ると、使われなくなった駅があります。

後ろの建物は、旧神居古潭駅舎。

1901年(明治34年)に札幌と旭川を結ぶ電車の簡易停車場として「神居古潭簡易停車場」が設置され、その2年後に駅舎が完成し、「神居古潭駅」となりました。

駅は昭和44年に廃止となり、現在の駅舎は平成元年に復元されたもので、資料館・休憩所となっています。(無料で入れますが、アブが多いので注意)

 

使われなくなった線路は整備され、現在はサイクリングロードになっています。

 

 

29638蒸気機関車。

これをもっと奥に進むと、トンネルがあるのですが、ここで夫が突然「幽霊話」を始めた・・・。

 

「昔、神居古潭で蒸気機関車が石狩川に落ちて、死人が出た。トンネルは心霊スポットとして有名らしい」

 

・・・と、こんな話だったと思う。

普段、「幽霊が、心霊スポットが・・・」という人ではないので、珍しくこんな発言をするのが意外でした。

せっかく来たのでトンネルを見たかったのですが、ここで引き返すことにしました。

 

 

夫の言っていたことが気になり、調べてみると、ウィキペディアに載っていました。

1932年(昭和7年)11月4日 –

当駅(神居古潭駅)付近で岩盤が崩落、走行中の蒸気機関車がこれに衝突し、石狩川に転落した。機関士ら2名が殉職する惨事となった。

 

今でも、この蒸気機関車は沈んだままなのだそうです。

 

後に「ブラタモリ」というTV番組を見て知ったのですが、神居古潭のトンネルは、蛇紋岩からできているもろい地質に初めて掘られたトンネルだとのこと。

機関車の痛ましい事故を引き起こした崩落した岩も、蛇紋岩でしょう。

 

 

もろい地質に初めて掘られた貴重なトンネルなので、幽霊話を信じない方は、通ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

最後にもう一度、神居古潭。

ここは大昔に北海道が形成されたとき、北海道の西半分と東半分がここで衝突して、繋がったところでもあるのだそうです。

 

痛ましい事故が起こったところですが、現在は紅葉の名所で、旭川八景の一つとなっています。

 

「なんてダイナミックなところなんだろう!」とびっくりしたので、オススメです。(雷雨の後は迫力が増大)

 

 

神居古潭(カムイコタン)近くには、ストーンサークルやアイヌの住居遺跡、ハイキングコースもあるようです。

 

じっくり時間をかけて、神居古潭を楽しんではいかがでしょうか。

 

 

次は、旭川市の「雪の美術館」を紹介します。

神居古潭からは車で30分ほど離れています。

 

次の記事はこちら

大変残念ですが、2020年6月末に、雪の美術館は閉館してしまいました。新型コロナウィルスによる経営悪化のためだそうです。とても美しい美術館でしたので、また再開館することを願っています。   前回からの続きで、五泊六日北海道[…]

 

(この旅行記は2018年です)

 

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旭川市の観光記事です。

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交通アクセス

旭川駅から「道北バス 留萌線 留萌十字街行」に乗車し、神居古潭バス停下車。乗車時間30分、料金510円。

車で行く場合、無料駐車場があります。

近くの宿泊施設

JRイン旭川。旭川駅出てすぐです。

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