前回の【浄蓮の滝】の続きで、静岡県伊豆半島の旅行紹介です。
今日は、静岡県伊豆市の修善寺(しゅぜんじ)観光を紹介します。
参拝記
修善寺への公共交通機関でのアクセスは、修善寺駅から東海バスまたは伊豆箱根バス「修善寺温泉行き」に乗車し、終点下車。バスの乗車時間は8分です。
車で行く場合、付近に有料駐車場があります。前回の【浄蓮の滝】から修善寺までは、車で45分ほどの距離。
修善寺観光マップ。
今日は、筥湯(はこゆ)、独鈷の湯(とっこのゆ)、修禅寺(しゅぜんじ)の3か所を紹介します。
修善寺にはいくつか有料駐車場があるのですが、私たちは筥湯(はこゆ)のすぐ南にある有料駐車場に停めました。
筥湯(はこゆ)は温泉施設で、小学生以上の料金は350円です。
隣にある高さ12mの仰空楼(望楼)は無料で上れます。
仰空楼からの眺め。
黄色で囲ったところが「修禅寺(しゅぜんじ)」。
赤色で囲ったところ「独鈷の湯(とっこのゆ)」で、伊豆最古の温泉と言われています。
独鈷の湯(とっこのゆ)は、修善寺川(通称:桂川)の川中にあります。
もともとこの川沿いに7つの外湯があり賑わっていましたが、現在は「独鈷の湯」しか残っていません。
伊豆最古の温泉で、戦前までは岩の隙間などから自然に湯が湧き出ていたようですが、現在は給湯管で湯を引き入れているそうです。
現在は修善寺温泉のシンボルとして位置づけられているのだとか。
弘法大師(空海)が修善寺を訪れた時、川で病んだ父親の体を洗う少年を見つけ、その孝行に感心し、「川の水では冷たかろう」と、手に持った独鈷杵で川中の岩を打ち砕いて霊泉を噴出させたのが始まりなのだそう。
→→【比叡山と高野山、最澄と空海】・・・弘法大師(空海)と、伝教大師(最澄)について簡単に書きました。
→→【高野山「奥の院」】 弘法大師空海、入定の聖地。日本三大霊山の一つ・・・和歌山県高野町。空海が眠る地。
私達が訪れた2018年は、独鈷の湯で無料の足湯を楽しめたのですが、2023年現在、独鈷の湯は見学のみで、入浴・足湯の利用はできないようです。
足湯は、すぐ近くに無料の「足湯・河原湯」と、対岸の独鈷の湯公園に無料の「リバーテラス・杉の湯」があるので、そちらを使うようにとのこと。
入浴を楽しみたい方は、一番最初に紹介した日帰り温泉の「筥湯(はこゆ)」を利用しましょう。
・・・それにしても、昔あったという7つの河原沿いの温泉は、ずいぶん気持ちが良かったでしょうねぇ。
次は、修禅寺(しゅぜんじ)へ。
修禅寺の正式名称は「福地山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」で、略して福地山修禅寺。
弘法大師空海が807年に開基したと伝わる古刹です。空海は真言宗の開祖です。
修禅寺は鎌倉時代中期に曹洞宗に改宗したそうです。
修禅寺は源氏とかかわりの深い地で、源頼朝の弟の源範頼と、頼朝の嫡男で鎌倉幕府2代将軍の源頼家(よりいえ)がここに幽閉され、殺害されました。
源頼家は、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で金子大地さんが演じましたね。母の実家である北条氏と、乳母父の比企氏の争いで将軍の座を追われ、修禅寺に流されてしまいました(第二代鎌倉殿としての在任はたった4年だった)。
頼家の次に、第三代鎌倉殿に就任したのは13歳の弟の実朝(さねとも)。
頼家は、翌年、北条家の放った刺客に入浴中を襲われ、命を落としたそうです。享年23歳でした。祖父や叔父に狙われるなんて、悲劇ですね・・・。
悲しい話はこれだけで終わらず、頼家には息子の「公暁(こうぎょう)」がいるのですが、後に鶴岡八幡宮で第三代鎌倉殿の「実朝(さねとも)」を暗殺してしまいます。
これで、源頼朝の直系は絶えてしまい、妻の政子の実家「北条家」が鎌倉幕府を牛耳ることになりました。
公暁の実朝殺しは、実権を握りたい北条家がそそのかしたのでは・・・とする説もあるようです。
修禅寺は「源氏滅亡の地」とも言われているので、歴史好きはぜひ訪れて欲しい所です。
山門には、平安時代後期の作と伝わる金剛力士像の阿形(あぎょう)と、
吽形(うんぎょう)。
手水舎には「桂谷霊泉 大師の湯」という額が掲げられており、龍の口からお湯が出ていました。
手水舎で湯が出るのは珍しいので、驚きました!
立派な鐘楼。普段は立ち入り禁止ですが、大みそかは除夜の鐘をつけるそうです。
修禅寺本堂。
修禅寺御本尊、大日如来像。重要文化財です。
北条政子が、殺された頼家の菩提のために作らせたのだそう。
…それにしても、政子は波乱万丈ですね。夫の【源頼朝】の死因は謎ですし、長男(頼家)は実家に殺され、次男(実朝)は孫に殺され、さらにその孫はまた実家に殺されるという・・・。
私だったら、発狂してしまいますね・・・。
修禅寺から1kmほど離れたところに、北条政子が寄進した伊豆最古の木造建築物の「指月殿」と、頼家の墓があるのですが、次の記事で紹介します。
格天井(ごうてんじょう)も美しい。
境内には弘法大師空海像と、修禅寺寒桜(しゅぜんじかんざくら)。
三月中旬が見頃です。
だるま石。
江戸時代に発見され、ここに奉納されたそうですが・・・、なんか顔が厳ついですね!
有料駐車場→筥湯(はこゆ)→独鈷の湯(とっこのゆ)→修禅寺(しゅぜんじ)をまわり、次は桂橋(かつらばし)を通って竹林の小径へ向かいました。
修禅寺から桂橋までは徒歩3分で、この橋は別名「結ばれ橋」ともいわれ、願いをかけながら渡ると恋が成就すると言われているそうです。
次は、伊豆修善寺観光の後半で、竹林の小径、指月殿、源頼家の墓、岩谷観音とおしゃぶり婆さん、源義経像、源頼家家臣十三士の墓を紹介します。
前回からの続きで、静岡県伊豆市の「修善寺(しゅぜんじ)」観光の紹介です。 →→【伊豆 修善寺観光① 筥湯、独鈷の湯、修禅寺】 源氏滅亡の地であり、伊豆屈指・最古の温泉街・・・前回の記事。 旅行記 修善寺(しゅぜんじ)への[…]
(この参拝記は2016年のものです)
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交通アクセス
修善寺への公共交通機関でのアクセスは、修善寺駅から東海バスまたは伊豆箱根バス「修善寺温泉行き」に乗車し、終点下車。バスの乗車時間は8分です。
車で行く場合、付近に有料駐車場があります。