【韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)】 世界遺産。幕末、日本を守るために数百の大砲をつくった。鉄腕DASHの反射炉造りの参考となった所

前回からの続きで、静岡県伊豆半島の旅行紹介です。

今日は、静岡県伊豆の国市の「韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)」を紹介します。

旅行記

韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)へ公共交通機関で行く場合、最寄り駅は伊豆長岡駅で、駅から1.8km、徒歩で30分かかります。「歴バスのる~ら」も運行しているようです。

車で行く場合、無料の駐車場があります。

 

 

韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)は国指定史跡であり、2015年には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界遺産に登録されました。

見学料は、大人500円、小・中学生50円。

営業時間は、3~9月は9:00~17:00、10~2月は9:00~16:30まで。

毎月第三水曜日は定休日です。

 

 

韮山反射炉では無料のガイドさんがいて、20分かけて説明をしてくれます。

私達が訪れたのは2016年3月だったのですが、同じ年の12月に反射炉脇に韮山反射炉ガイダンスセンターがオープンしたようで、こちらでも韮山反射炉の歴史や作りについて詳しく学べるのではないでしょうか。

 

 

韮山反射炉が作られたのは、江戸時代末期。

1840年(天保11年)のアヘン戦争に危機感を覚えた韮山代官の江川太郎左衛門英龍は、海防政策の一つとして、鉄砲を鋳造するために必要な反射炉の建設が必要であると考えました。

嘉永6年(1853年)の黒船来航を受けて、江戸幕府直営の反射炉として築造が決定。

当初、伊豆下田港近くで基礎工事をしていましたが、下田に入港したアメリカ合衆国のマシュー・ペリー艦隊の水兵が敷地内に侵入したため、築造場所を現在地(韮山)に変更。

黒船来航の翌年である安政元年(1854年)から3年かけて造り、安政4年(1857年)に完成しました。(途中、江川太郎左衛門英龍は死んでしまったため、息子が跡を継いで完成させた)

 

 

上の2枚の写真は、創業当時の地図と復元CGで、反射炉は写真上部に映っている四本の白い塔です。

韮山反射炉は元治元年(1864)の使用中止まで、東京の品川沖に作られたお台場(砲台)のものを含め、7年間で大小の大砲数百門を鋳造しました

 

 

再現された、鉄製24ポンドカノン砲。

カノン砲とは長い砲身を持ち、比較的低い弾道で遠距離の目標を砲撃するための大砲で、韮山反射炉は江戸湾防備のためにこのような大砲を量産して、お台場(東京)に配備することを目的に築造されました。

このカノン砲は全長3.502m、重さは3.5トンもあるそうです。

 

 

高さ15.6mの連双2基の、合計4炉で構成されている韮山反射炉。

大砲鋳造のために建設された反射炉は国内で11基あったようですが、現存するのは萩反射炉・薩摩旧集成館反射炉跡・韮山反射炉のたったの3基しかないそうです。

その中でも最も保存状態が良く、実際に稼働したことが確認されているのが韮山反射炉で、実際に鋳鉄の溶解が行われた反射炉としては世界で唯一現存する遺構とされているそうです。(貴重ですね!)

 

 

現在の高炉は電気やガスを用いますが、反射炉は電気もガスも使いません。燃料は、石炭、木くず、薪。

 

 

 

反射炉の中はこのような構造になっており、熱をアーチ型の天井に反射・増幅させて、鉄の溶解温度である1700度にまで上げることができるのです。

 

 

反射炉が一躍有名になったのは、TOKIOの番組「鉄腕DASH(ダッシュ)」ではないでしょうか。

2017年から2年半かけてコツコツとレンガを積み上げて造り、韮山反射炉が最後の稼働を終えた155年ぶりに、ダッシュ島の反射炉はアルミを溶かしました。(鉄は溶かせませんでしたし、最後、反射炉の一部を壊してしまいましたが・・・)

鉄腕DASH 「DASH島反射炉」は、こちらで詳しく見れます・・・20年以上調査を重ねて韮山反射炉を世界遺産に導いた菅野利猛さんが、DASH島反射炉計画の相談役となった。

 

 

 

韮山反射炉は1864年に閉鎖されたのち、1868年に幕府直営から江川家私営となりました。 以降風化が進み、上の写真は明治5年(1872年)ごろのもの。だいぶ壊れてしまっていますね・・・。

 

こちらは昭和5年(1930年)のもの。煙突部最上段が倒壊しています。

 

 

昔の写真と見比べるとわかりますが、現在の韮山反射炉には鉄のフレームがついています。

これは1957年(昭和32年)の保存工事で追加されたもの。

 

 

いろんな角度から韮山反射炉の写真を撮る。

 

 

次は、韮山反射炉の隣にある、蔵屋鳴沢特別展示場で開催されていた「つるし飾り雛」を紹介します。

 

次の記事はこちら

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(この旅行記は2016年です)

 

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交通アクセス

公共交通機関で行く場合、最寄り駅は伊豆長岡駅で、駅から1.8km、徒歩で30分かかります。「歴バスのる~ら」も運行しているようです。

車で行く場合、無料の駐車場があります。

料金

見学料は、大人500円、小・中学生50円。

営業時間は、3~9月は9:00~17:00、10~2月は9:00~16:30まで。

毎月第三水曜日は定休日です。

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