【三段壁洞窟、牟婁大辯才天】 落ちてしまいそうな絶壁には、熊野水軍が船を隠した洞窟があった!

前回の【三段壁の記事】からの続きで、和歌山県白浜町の三段壁(さんだんべき)の洞窟について取り上げます。

散策記

三段壁(さんだんべき)への交通アクセスは、南紀白浜空港よりバスで約6分。紀勢自動車道南紀白浜ICより車で約15分。紀勢本線、白浜駅よりバスで約25分、タクシーで約15分。
公共交通機関で行く場合、詳細は明光バスHPでご覧ください。

白浜観光に便利な「とくとくフリー乗車券(バス)」があります。
一日フリー券大人1100円、二日有効券は1500円、三日有効券は1700円です。(子供は半額)
フリー切符特典として白浜エネルギーランド、三段壁洞窟は100円引き、円月島グラスボート乗船券が150円割引になります。詳細は明光バスHPでご覧ください。

車で行く場合、無料駐車場があります。

 

 

私たちが訪れたのは、2008年のゴールデンウィークでした。


三段壁は長さ2km、高さ50m ~60mに及ぶ柱状節理の大岩壁です。

 

 

端まで行くと危うく落ちてしまいそうな断崖絶壁なのですが、なんと洞窟があるのです!

前回は三段壁(さんだんべき)の断崖絶壁を紹介したので、今日は三段壁洞窟の紹介です。

→→【三段壁】の記事はこちら・・・前回の記事。断崖絶壁の観光地、恋人の聖地、日本初クリフダイビング会場、自殺の名所。

 

 

洞窟へのエレベーターがある建物。

入場料は、おとな(中学生以上) 1,300円、こども(小学生) 650円です。(これは2021年の料金)

営業時間は、AM8:00~PM5:00(最終入場 PM4:50)

 

私達が訪れた2008年5月は、おまけでお箸をもらえました。(私は赤で、夫は黒)

 

洞窟は地下36mにあり、エレベーターで約24秒かかります。
熊野水軍姿で記念撮影できます。(体を鎧に当てているだけで、着ているわけではありません)

 

 

 

三段壁洞窟の由来。

由来に書かれている「鬼ヶ城」は三重県にあります。

→→鬼ヶ城の記事はこちら・・・海賊の多賀丸(たがまる)がいたが、蝦夷(えみし)討伐で有名な坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)に敗れた。

 

 

 

通路は200メートルあります。

 

 

リップル。
約1600万年前に波や潮流によって、海底の砂や泥が動かされて、地層の表面に作られたもの。

 

 

潮吹き岩。

 

 

洞窟から外を見たところ。
波の荒い日は危険なため洞窟内は閉鎖されます。

 

 

 

徳川吉宗(とくがわよしむね)は、江戸幕府の8代将軍となった方です。TVドラマ「暴れん坊将軍」でお馴染みですね。

吉宗は、紀州藩主でした。

→→和歌山城の記事はこちら・・・和歌山県和歌山市。徳川御三家の一つ。吉宗は紀州藩主から、江戸幕府の8代将軍となった。

 

 

ドドドーン、ザザーーンと波の音が響く洞窟の散策は、ゆっくり歩いて20分くらいでしょうか。

説明書きを丁寧に見たらもう少し時間がかかるかもしれません。

 

 

瀬戸鉛山鉱山採掘場跡もあります。

 

 

 

牟婁大辯才天。

日本一大きい青銅製の弁天様(水の神)で、高さ3m、横幅2m、重さ3トン。
大黒天と毘沙門天に十六童子を従えており、どのような願いも叶えると言われているそうです。

 

 

牟婁大辯才天 十六童子の天井は、こんなふうに御灯明がいっぱい吊るされており、雰囲気が良いです。

 

洞窟の弁天様は、眼下に雄大なる太平洋を見下ろし、古い歴史と伝説のあるこの地に弁天様をお祭りして、有史以来今日まで不幸にも自殺された数千の霊を永遠にお祭りした亡き霊も喜ばれることと思って矢先、ある夜忽然と日ごろ信仰する弁天様が海の見える場所へ鎮座したいとの霊惑をお受けしたので、社長の新藤源吾氏は早速大和五条の総本山に請願し、仏師の池田正源氏が精魂込めて製作、同洞窟内に安置された。
(説明書きより)

 

 

熊野水軍番所小屋。

 

 

 

熊野水軍の軍船図。

なんか・・・すごくないですか?
天守閣のようなものが乗っているし・・・。

 

ろを漕ぐ水夫百人以上、戦闘用の武士百人以上が乗っていたそうです。

 

こんな水軍が味方についてくれたら頼もしいですね。

 

平家は内海の水軍を擁していたので、海戦では平家のほうに利がありましたが、総勢2,000名・200隻の船を擁する熊野水軍が源氏に加勢したこともあり、源氏方が勝利しました。

 

もしも熊野水軍が平家に加勢していたら・・・、歴史は変わっていたのかも・・・?

 

(ウィキペディアから熊野水軍について抜粋)

「紀淡海峡など四国と紀伊半島の間に出没した南海海賊の多くは熊野の浦々を拠点とする海の領主で、彼らを熊野別当が統括していた。熊野別当には源氏とつながりを持つ新宮別当家と、平氏とつながりをもつ田辺別当家という二つの有力な家があり、源平双方と関わっていた。乱の最終決戦である壇ノ浦の戦いでは平氏方であった湛増が源氏方に付き、源氏を勝利に導いた。将のひとりに熊野の藤白鈴木氏があり、鈴木重家・重善は源平合戦で当水軍を率い源氏に貢献した。」

 

 

湛増(たんぞう)は、熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)の統轄にあたった役職「熊野別当」の、第21代を就任した人です。

 

さらに「義経記」によると、武蔵坊弁慶の父親とも言われている人です。

 

武蔵坊弁慶は、京都の五条の大橋で牛若丸(源義経)と戦い、忠臣となった人ですね。

 

湛増の父親湛快(たんかい)が平治の乱で平清盛につき恩顧を受けたため、はじめは平家方についていましたが、源氏方の新宮勢や那智勢と戦い、負けてしまいます。

 

その後、源氏・平氏双方より助力を請われて、源氏につくべきか平氏につくべきか、新熊野十二所神社(現在は 【闘鶏神社】)で紅白の闘鶏をおこない、神様の意向を占ったといわれているそうです。

 

 

闘鶏神社の、武蔵坊弁慶(左)と、湛増(右)の像。

武蔵坊弁慶生誕の地であり、闘鶏神社のある田辺市(たなべし)は、白浜町の北で3駅離れています。

 

 

明光バスでめぐる白浜町観光の流れで千畳敷を紹介したいところですが、次は田辺市の闘鶏神社と、武蔵坊弁慶生誕地の碑について取り上げたいと思います。(その後、千畳敷を取り上げます)

 

次の記事はこちら

2016年10月31日追記 祝!  闘鶏神社世界遺産登録! 2016年10月23日に世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録されました!   ずっと和歌山県白浜町の観光を紹介してきたのですが、前回、熊野水軍の[…]

千畳敷(せんじょうじき)の記事を読みたい方はこちら

間に和歌山県田辺市の【闘鶏神社(世界遺産)、弁慶生誕地の碑】の記事が入りましたが、また和歌山県白浜町の南紀白浜観光紹介に戻ります。   【アドベンチャーワールド】、【三段壁洞窟】と取り上げましたが、次は千畳敷(せんじょ[…]

 

(この旅行記は2008年です)

 

関連記事

→→三段壁・・・前回の記事です。

→→【小町通りと、鶴岡八幡宮】 源平の争いにゾッとする。頼朝と政子、義経と静御前・・・治承・寿永の乱(源平合戦)が好きな方は、こちらの記事もどうぞ。

交通アクセス

南紀白浜空港よりバスで約6分。
紀勢自動車道南紀白浜ICより車で約15分。
紀勢本線、白浜駅よりバスで約25分、タクシーで約15分。
詳細は明光バスHPでご覧ください。

車で行く場合、無料駐車場があります。

フリー切符

白浜観光に便利な「とくとくフリー乗車券(バス)」があります。
一日フリー券大人1100円、二日有効券は1500円、三日有効券は1700円です。(子供は半額)
フリー切符特典として白浜エネルギーランド、三段壁洞窟は100円引き、円月島グラスボート乗船券が150円割引になります。
詳細は明光バスHPでご覧ください。

料金

おとな(中学生以上) 1,300円
こども(小学生) 650円

AM8:00~PM5:00(最終入場 PM4:50)

近くの宿泊施設

湯快リゾート 南紀白浜温泉 ホテル千畳。三段壁から800m。徒歩10分。

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