【高尾山薬王院】 世界一登山客の多い山! 11月のモミジ祭り開催中の、ハイシーズン土曜日に訪れた混雑と感想

前回の続きで、東京都八王子市の高尾山(たかおさん)の紹介です。

参拝記

高尾山(たかおさん)は年間の登山者数が約260万人を超え、世界一の登山者数を誇ります。

最寄り駅は京王高尾山口駅で、東京都心から電車で一時間ほどで、アクセスがとても良いです。

 

 

おススメ登山コースと、ケーブルカーとリフトは前回取り上げたのでご覧ください。

→→前回の記事はこちら・・・おススメ登山コース、リフトとケーブルカーの違い。

 

 

日本一・世界一登山者の多いミシュラン三ツ星の山の「高尾山(たかおさん)」ですが、天狗信仰のある霊山であり、真言宗智山派の大本山のひとつです。

 

真言宗智山派三大本山

 

 

真言宗を開いたのは弘法大師空海(くうかい)です。空海の御廟は和歌山県高野町です。

 

 

リフト(又はケーブルカー)を降りて、1号路をテクテクと歩き、さる園やタコ杉を通り過ぎると浄心門があり、くぐった先に神変堂があります。

2011年に来た時は、なんとも思わなかったのですが、今回は「あっ・・・、役行者(エンノギョウジャ)だ」と、即反応。

 

神変大菩薩とは、山岳修験の祖、役行者であると知ったのは、山梨県の【北口本宮富士浅間神社へお参りに行った時】でした。

神変堂の「神変大菩薩」の額の文字は、元総理大臣佐藤栄作さんによるものだそうです。

近くには、「殺生禁断」の石碑がありました。

 

 

ここからいよいよ霊山だな・・・と気分が引き締まりますが、どうも観光地化されているためか、この先でもフランクフルトが売られていたり、ダンゴが売られていたり、トイレがあったり・・・と、「霊山」な雰囲気は薄いです。

 

 

まだまだ訪れたところが少なく、パワーにニブイ私ですが、霊山だ・・・と心底思ったのは、奈良県にある熊野三山の奥宮・玉置神社がある玉置山。

→→玉置神社(世界遺産)の記事はこちら・・・すっごい山奥。途中で携帯電話の電波が入らない。玉置山は、役行者と弘法大師空海が修行した山でもあります。

 

 

 

浄心門をくぐって進むと、右の女坂と左の男坂に分かれます。

写真は左の道にある男坂。108段の階段です。
女坂は階段ではなく上り坂なので、足腰の弱い方や、小さな子供連れは女坂が良いかも知れません。

 

 

男坂の途中、苦抜け門が右手側にあります。

この苦抜け門をくぐった階段の先に仏舎利塔と修行場があります。

「三密の道」の三密とは、人間の日常生活は三密・・・身(身体)、口(言葉)、意(心)の三つの働きから成り立っていると考えられており、これが煩悩の元であり、身業、口業、意業の三業である・・・とする、仏教の教えです。

【川崎大師平間寺での厄除け護摩祈祷】の時に、僧侶から三密のお話がありました。

 

 

 

奥に映っているのが仏舎利塔で、タイ国王から贈られたお釈迦さまの真身骨が奉安されており、十善戒を彫った石門があります。

手前に映っているのが修行場で、立ち入り禁止です。

 

飯縄権現と、大天狗、小天狗の石像は、迫力がありました・・・。

ここは人があまりおらず、ひっそりとしていました。

 

 

男坂からの行き方を紹介しましたが、女坂の先にある茶屋前の上り坂からも入れます。

ちなみに、十善戒とは、

不殺生・・・故意に生き物を殺さない。あらゆる生命を尊重しよう。
不偸盗・・・与えられていないものを自分のものとしない。他人のものを尊重しよう。
不邪淫・・・不倫など道徳に外れた関係を持たない。お互いを尊重しよう。
不妄語・・・嘘をつかない。正直に話そう。
不綺語・・・中身の無い言葉を話さない。よく考えて話をしよう。
不悪口・・・乱暴な言葉を使わない。優しい言葉を使おう。
不両舌・・・他人を仲違いさせるようなことを言わない。思いやりのある言葉を話そう。
不慳貪・・・激しい欲をいだかない。惜しみなく施しをしよう。
不瞋恚・・・激しい怒りをいだかない。にこやかに暮らそう。
不邪見・・・(善悪業報、輪廻等を否定する)誤った見解を持たない。正しく判断しよう。

の、ことだそうです。

「日々の生活で実践して、仏の教えを体感しよう」と、境内にあった十善戒の掲示板にありました。

私が、神社やお寺にお参りするのが好きなのは、こういう「生き方の気づき」を授けてくれるからです。

ほかに「幸せは あなたの 心のうちにある」という言葉もありました。

 

 

 

坂を下りて奥に進むと、薬王院の山門へ出ます。

持国天、増長天、広目天、多聞天の四天王が裏表に配されており、立派です。

門をくぐったあたりから、カラオケが聞こえてきて、「ちょっと、ちょっと、行楽地化されているけど、お寺の境内でカラオケしてるのダレよ。・・・それにしても上手いわね」と思ったのですが、北島三郎さんの「高尾山」という曲でした。

手形に手を添えるとセンサーが反応して、北島さんの歌が流れる・・・という歌碑でした。

 

 

みんな順番待ちの列を作って回しているのは、六根清浄石車(ろっこんしょうじょういしぐるま)。

願叶輪潜(ねがいかなうわくぐり)、大錫杖(だいしゃくじょう)・・・と、ほかにもご利益スポットが境内にたくさんあります。

 

2011年に訪れた時は、人が少なかったのでくるくる回したり、カンカン叩いたり・・・とできたのですが、ものすごい行列がそれぞれに出来ていたため、今回はあきらめることに。

 

 

 

息子がお腹がすいたというので、近くのダンゴ売り場で、10穀団子を食べて休憩しました。

 

 

 

真言宗のお寺ですから、弘法大師空海をまつった、修行大師堂がありました。
ほかに、八大龍王堂、倶利伽羅(くりから)堂もありました。

 

 

さらに階段を上り、仁王門をくぐった先にある、薬王院真喜寺(御本堂)。
創建は744年で、薬師如来・飯縄権現をお祀りしています。
お寺なので、合掌してお参り。

 

 

お堂の右には大天狗、左には小天狗が配されていました。龍神様の彫刻がとってもかっこ良かったです。

大天狗は真っ赤な顔と高い鼻、団扇を持った姿で、神通力で開運をもたらします。

小天狗は別名「カラス天狗」とも言い、青い顔にカラスのようなくちばし、剣を構えた姿で、剣で魔を断ち切ってくれるのだそう。

 

 

 

さらに階段を上った先にあるのが、本社の権現堂。

朱塗りの鮮やかなお堂です。本尊は、飯縄権現。

こちらは神社なので、拍手を打ってお参り。

 

 

本堂の龍神彫刻もかっこよかったですが、権現堂の彫刻も見事です。東京都指定有形文化財に指定されています。

 

熊野那智大社もそうでしたが、同じ境内にお寺と神社があるのは、神仏習合の名残です。

 

ところで、飯縄権現(いづなごんげん)って、あまり聞かないですよね。

高尾山HPに飯縄大権現の写真があるので、ぜひ、ご覧になってください。

 

大迫力です!

 

本尊の飯縄大権現立像は異形の仏として有名だそうです。

近くには、天狗社、福徳稲荷、不動堂もありました。

 

 

 

お参りを済ませてさらに階段を上り、高尾山山頂に到着。

10時15分にリフトから降りて歩き出し、山頂に着いたのが11時45分。

 

途中、お団子を食べたり、トイレに寄ったりしながら、一時間半かけて到着。

前回は1時間くらいで上ったので、今回はとってもゆっくり。

 

山頂は、ものすごく激混みでした・・・。両側はレジャーシートを敷いて、お弁当やおにぎりを食べる人達でいっぱい。

少ないベンチとテーブルでは、卓上コンロを囲んで6人くらいで鍋パーティーをするグループもいたり、やっぱり霊山と言うよりは行楽地だなぁ・・・としみじみ思いました。

 

 

 

山頂から見た景色。
前回もそうでしたが、今回も富士山は見えませんでした。

もっとゆっくりしたかったのですが、なにしろすごい人ですから、景色をチラッと見て、あわただしく記念写真撮っておしまい。

 

 

 

おなかが空いたため、山頂のお蕎麦屋さんに入りました。

12時少し前に入ったので待たずに座れましたが、このあと行列が出来たので、ギリギリセーフだったようです。

店内には、TV取材で来られた芸能人のサインが飾られていました。
モチモチとしたおそばで、御出汁がとても美味しかったです。

 

 

こちらは、ケーブルカー降りてすぐにあるお店「高尾山スミカ」の、高尾山名物「天狗焼(てんぐやき)」。一つ200円。

 

 

中に入っているのは、黒豆あん。あずきあんよりも甘さ控えめ。

 

 

 

おそばで満腹になったところで、山を降りることに。

・・・ですが、すんごい人、人、人・・・で、大行列・大渋滞になっていました。
混むポイントは、薬王院奥の院から山頂へと続く階段。
階段になると、どうしてもスピードが落ちるんでしょうね。

 

 

 

写真を出すのが遅れましたが、高尾山薬王院本堂隣の太子堂のまわりには八十八体の小さな石像があり、1分で四国88箇所めぐりが出来るスポットがあります。

 

 

 

一番からぐる~っっと太子堂を回って、こちらが88番目。

願い事を書いて、八十八大師のお砂踏み巡拝霊場をお参りしてから納めるそうです。

これは一分で終わる簡単バージョンですが、「高尾山内八十八大師めぐり」というのがあり、こちらは6時間以上かかるそうです。

 

定期的に薬王院主催の「高尾山内八十八大師めぐり」が開催されているので、興味のある方、参加してみてはいかがでしょうか。

 

 

(2017年4月7日追記。東京都日野市の高幡不動尊には、2時間ほどで回れる88箇所めぐりがあります。こちらも真言宗智山派のお寺です)
→→【高幡不動尊金剛寺の、山内八十八ヶ所めぐり】の記事はこちら・・・新撰組土方歳三の菩提寺です。

 

 

帰りのリフトは20分待ちでした。

 

同じくリフト待ちをしていた女の子が「山を見に来たんだか、人を見に来たんだか、わかんない」とつぶやいていました。

とにかく、すごい混雑でした・・・。

まさか登山道で、渋滞が起こるとは・・・。

 

 

「もみじ祭り」ですが、小物の販売や、マス酒の販売がありました。マスつきで一杯500円と、お安いですから、満席で人気でした。

 

 

次は、高尾山のキャラクター、高尾山商店街と、高尾山口駅近くの氷川神社について、簡単に書きたいと思います。

 

 

次の記事はこちら

前回の続きで東京都八王子市の高尾山(たかおさん)の紹介です。 高尾山の記事はこれが最後です。 参拝記 高尾山(たかおさん)は年間の登山者数が約260万人を超え、世界一の登山者数を誇ります。最寄り駅は京王高尾山口駅で[…]

 

(このレジャー記は2016年です)

 

関連記事

→→高尾山トリックアート美術館。面白い写真がたくさん撮れるところ・・・すぐ近くです。

→→川崎大師「平間寺」の記事はこちら・・・高尾山薬王院と共に、真言宗智山派の関東三大本山です。

→→【高野山「奥の院」】 弘法大師空海、入定の聖地。日本三大霊山の一つ

→→2月の大山(伊勢原)登山は積雪あり・・・神奈川県伊勢原市の大山登山は、高尾山1号路よりも難易度が高めです。

交通アクセス

交通アクセス、お得な切符などは、前回の記事でご覧ください。

紅葉、GWなどの繁忙期は、公共交通機関を利用して行くのをオススメします。

お得で便利な、旅の予約サイト