【加茂別雷神社(上加茂神社)】 加茂タマヨリヒメが、流れてきた丹塗り矢を寝床に置いたら懐妊した! 縁結びの片岡社はハート絵馬

以前からの続きで、五泊六日の琵琶湖一周+京都小旅行の紹介です。

→→京都府 一泊二日旅行(加茂社・嵐山・鞍馬・貴船)の行程こちら・・・レンタカーを利用して一泊二日で9ヵ所まわりました。

琵琶湖一周旅【比叡山延暦寺】参拝の後、京都に抜けて【賀茂御祖神社(下鴨神社)】を参拝し、次は加茂別雷神社(上加茂神社)へ行きました。

参拝記

下鴨神社、上鴨神社は共に、葵祭(あおいまつり)で有名ですね。ユネスコの世界遺産にも登録されている、歴史ある大きな神社です。

加茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)は、鴨川の下流にあるため「下鴨神社」と呼ばれ、今日取り上げる加茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)は鴨川の上流にあり「上加茂神社(かみがもじんじゃ)」とも言われています。

二つの御宮は古代氏族である加茂氏の氏神を祀る神社なので「加茂社」とも呼ばれ、4kmしか離れていません。車なら15分で行ける距離です。

 

駐車場近くで撮った写真。

奥に山が映っているのがわかるでしょうか。(黒い車の上あたり)

あの山は上賀茂神社の北北西2キロにある、標高301.5メートルの「神山(こうやま)」。

山頂の磐座には上加茂神社の神様が降りたと伝わる、神体山(神様が降りてきた山)です。

山、磐座、巨木を神体とするのは、古代からの信仰を思わせますね。(【賀茂御祖神社(下鴨神社)】は境内に磐座があります

 

加茂社は、京都の中でも最古の歴史を持つ古社で、創建年齢はハッキリわかりません。

 

 

巨大な鳥居。

 

 

参道がすごく広々としていて、【賀茂御祖神社(下鴨神社)】とはまた違う雰囲気。

 

 

境内図。

上賀茂神社は、神社境内の東に流れる御物忌川と、西の御手洗が合流する三角形の斜面地に社殿群があり、本殿は「神山」を遥拝する形になっているそうです。

さきほど、鴨川の下流にあるから「下鴨神社」で、鴨川の上流にあるから「上加茂神社」と紹介しましたが、神奈備(かんなび)神山に近いので「上加茂」なのかな・・・? どうなのでしょうね?

 

 

御所桜、シダレザクラが満開。他に斎王桜があったのですが、まだつぼみでした。

 

 

外幣殿(御所屋)。重要文化財です。

 

 

上加茂神社には神馬「神山号」という白馬がいるのですが、毎日いるわけではなく、出社日があります。

神山号に会いたい方は、日曜日と祭日の朝9時半から午後3時にいきましょう。それ以外の日時は、京都産業大学馬術部の馬房にいるそうです。

「神馬」とは神様だけが乗れるもので、「神様にお仕えしている姿を参拝客に見てもらう」ことが仕事の一つ。現在の神馬は以前「メダイヨン」という名前で競走馬として活躍していたそうですよ。

 

 

二の鳥居。

 

 

 

細殿(拝殿)。重要文化財です。

手前の円錐は「立砂(たてずな)」と言い、上賀茂神社の神体山「神山(こうやま)」にちなんだもので、神様が降りてこられる憑代(よりしろ)となるのだそうです。

鬼門、裏鬼門に砂をまいて清める風習(盛り塩や清砂)は、この立砂が信仰の起源なのだそうです。

立砂のてっぺんには、松の葉がアンテナみたいに刺されていました。左が三本、右が二本の松の葉となっていて、陰陽道から作られたのだそうです。

 

 

手水舎。神山のくぐり水をくみ上げたもので、「神山湧水」というそうです。

 

 

下鴨神社の【糺の森(ただすのもり)】も清流が気持ちが良かったですが、上賀茂神社も境内に水が流れ、大変気持ちが良いです。

 

 

 

楼門。重要文化財。

 

 

この奥に国宝の本殿と権殿がありますが、特別参拝者しか見れません。初穂料は大人一人500円。時間は、平日午前10時から午後4時、土日祝日は午後四時半までです。

私達が訪れた時にはすでに窓口が閉まっていたので、外からお参りさせていただきました。

 

祭神は、賀茂別雷大神(かもわけいかづちのみこと)。「雷を別けるほどの力を持つ神」という意味だそうです。

 

賀茂建角身命の娘の玉依姫(タマヨリヒメ)が石川の瀬見の小川(鴨川)で遊んでいたところ、川上から丹塗矢が流れてきた。

それを持ち帰って寝床の近くに置いたところ玉依日売は懐妊し、男の子が生まれた。これが賀茂別雷命である。賀茂別雷命が成人し、その祝宴の席で賀茂建角身命が「汝の父と思はむ人に此の酒を飮ましめよ(お前のお父さんにもこの酒をあげなさい)」と言ったところ、賀茂別雷命は屋根を突き抜け天に昇っていったので、この子の父が神であることがわかったという。丹塗矢の正体は乙訓神社の火雷神であった。

(山城国風土記より)

賀茂建角身命と、娘の玉依姫(タマヨリヒメ)は、【賀茂御祖神社(下鴨神社)】に祀られています。両殿は国宝です。

 

上加茂神社は、玉依姫(タマヨリヒメ)が生んだ子供が祀られている、ということです。

 

 

加茂社の神紋は、【賀茂御祖神社(下鴨神社)】の記事にも書きましたが、フタバアオイです。

葵(あおい)は再び神様に会うことを表しているのだそうです。

 

 

お参りが済んで、楼門(重要文化財)を出る。

 

 

玉橋。重要文化財。

橋の下を流れるのは御物忌川(おものいかわ)で、玉橋は渡れません。

 

 

片岡橋。重要文化財。

玉橋は渡れませんが、こちらの橋は渡れます。

 

片岡橋を渡った先にあるのが、片岡社。

祭神は加茂タマヨリヒメ。加茂タマヨリヒメは、加茂縣主の祭祀の権を握っていた最高の女性で、上賀茂神社の祭神の母君です。初代天皇である神武天皇の母もタマヨリヒメです。(「神霊の依り代となるヒメ」をタマヨリヒメと呼ぶ)

片岡神社は上賀茂神社の24摂社の中で、第一社になっています。

紫式部も参拝に来た社で、縁結び、子授け、安産、家内安全の御神徳があるそうです。

写真では小さくてわかりづらいですが、この片岡社の絵馬は、ハート形です。

 

 

紫式部が参拝祈願した時にうたった和歌。

「ホトトギス(将来の結婚相手)の声を待っている間は、この片岡の社の梢の下に立って、朝露のしずくに濡れていましょう」

奥ゆかしいですね。

 

 

この岩の上は、加茂祭(葵祭)で、宮司が勅使に神の御意志を伝える「返祝詞(かえしのりと)」をする神聖な場所。

神山と共に加茂信仰の原点となっている場所で、「氣」の集中する場所なのだそうです。

 

古くからある神社の参拝は、なんだかワクワクしますね!

立派な社殿があるから・・・ではなく、磐座や神木といった「憑代(よりしろ)」に、昔から人々が心を寄せてきたと思うと、タイムスリップしたような気分になります。

 

 

この夜、京都に宿泊し(めっちゃ小さい駐車場に車を入れてしまい焦った)、翌朝は「嵯峨野トロッコ列車」に乗りました。

 

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(この旅行記は2018年です)

 

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交通アクセス

京都市営地下鉄烏丸線 北山駅から徒歩約25分。
車で行く場合、有料駐車場があります。通常、30分100円。繁忙期は一回500円。

近くの宿泊施設

京都駅出てすぐです。

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