【糺の森(ただすのもり)】 下鴨神社の原生林。古代遺跡のある森で、葵祭の名物「申餅」を食べる

前回の続きで、一泊二日の京都旅の紹介です。

→→京都府 一泊二日旅行(加茂社・嵐山・鞍馬・貴船)の行程こちら・・・レンタカーを利用して一泊二日で9ヵ所まわりました。

参拝記

「加茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」は鴨川の下流にあることから「下鴨神社(しもがもじんじゃ)」とも呼ばれており、加茂氏の氏神を祀る神社です。

 

前回、社殿を紹介しましたので、今日は境内の「糺の森(ただすのもり)」について書きます。

糺の森は、南北に長い加茂御祖神社(下鴨神社)の原生林で、国の史跡に指定されています。

 

糺の森(ただすのもり)は、もともと500万平方メートルほどありましたが、現在は12万4千平方メートルにまで縮小しました(それでも東京ドームの約三倍もの面積があるらしい)。

 

 

前回載せた写真をもう一度。

奥の社殿にお参りを済ませて鳥居を出て、糺の森にまっすぐ伸びる参道を歩いて南の河合神社へ・・・、その前に!

 

 

鳥居のすぐ近くに、相生神社(あいおいじんじゃ)があります。

縁結びの神様だそうですよ。

相生社の左には、京の七不思議のひとつ「連理の賢木」という縁結びのご神木があります。

縁結びの力で、二本の木が一本に結ばれたものと伝えられています。

 

 

相生神社の奥には、茶屋がありました。

入るつもりはなかったのですが、見本で置かれていた「申餅(さるもち)」に心奪われ、食べていくことにしました。

 

 

上の盆がぜんざい、下の盆が申餅です。

申餅は、江戸期まで下鴨神社の名物であったお菓子で、葵祭の名物として庶民に親しまれていました。

そこからなぜか消えてしまったようですが、2010年に地元の和菓子職人の手で、140年ぶりに復元されたのだそうです。

丹波産の小豆とモチ米を使った餅で、ほんのりと淡い色は「はねずみ色」というそうです。

昔は、葵祭の申の日に食べて無事息災を祈ったのだそうです。

申餅のお値段は、お茶付きで350円でした。

 

 

「さあ、食べよう!」

と座ろうとした時、サッ!と、サルのような小さい手が、申餅を一つわしづかみにして、隣の席に逃げました。

 

 

・・・おさるさんの正体は、食いしん坊の三歳の娘でした・・・。(座って、イタダキマスって言ってからとろうねっ)

 

 

店内には、お猿さん。

建物の北東に、「神猿」をお祀りして、無病息災を祈っているそうです。

神猿と言えば、この前日にお参りに行った、日吉大社を思い出しました。

 

→→【日吉大社】の記事はこちら・・・日吉・日枝・山王神社の総本社。奥宮等全てに参拝するなら、所要時間1時間半ほど必要。申年生まれの方は、記念品をもらえます。

 

 

 

 

 

140年ぶりに復活した申餅を美味しくいただき、参道を歩く。

 

 

 

糺の森のご神木。ねじれていて、存在感がありました。

 

 

糺の森には、かつて加茂社の神紋であるフタバアオイがたくさん生えていたようですが、今は地下水位の低下による乾燥のため無くなってしまったそうです。

 

 

代わりに、【日吉大社】のフタバアオイの写真を貼っておきます。

 

フタバアオイを見ていただいたところで、こちらが加茂社(上賀茂神社・下鴨神社)の神紋、双葉葵(フタバアオイ)。

 

 

 

いくつか清流があり、気持ちよかったです。

古くは源氏物語や枕草子にうたわれた森であったようです。

 

 

糺の森でぜひ見て欲しいのが、祭祀遺構。

 

 

糺の森には、水に関係する祭祀遺構がたくさんあり、平安時代前後の遺構が多いようです。

 

 

 

「カー」と聞こえたので見上げたら、カラス。

 

加茂御祖神社の祭神は、賀茂建角身命 (かもたけつぬみのみこと)。

神武天皇を橿原に案内したヤタガラスは、賀茂建角身命の化身だと言われています。

カラスではなく、賀茂建角身命かその仲間が案内したのだと思いますが、なぜヤタガラスは「三本足」なのでしょうね。

【熊野本宮大社】のお守り、ヤタガラス。

 

 

神武天皇の祖先であるニニギノミコトがアマテラスオオカミから「三種の神器」をさずかり、高天原から九州の高千穂に降臨するわけですが、ここにも「三」が出てきます。

古事記では、最初に現れた神様は、アメノミナカヌシ、タカミムスヒ、カミムスヒで、「造化三神」と呼ばれますし・・・。

三と言えば、キリスト教の三位一体「父、子、精霊」も有名でしょうか。

 

3のもつ神秘というか、謎というか、なにか惹かれるものがありますね。

 

ヤタガラスに導かれた「神武東征物語」に興味のある方は、【竈山神社】の記事もご覧ください。神武天皇(イワレヒコ)のお兄さん(イツセ)が戦死して和歌山市に葬られました。和歌山県は神武東征物語がたくさん残っている地です。

 

 

ヤタガラスについて調べたら、こんな文章が載っていました。

ヤタガラスとは、古代氏族の賀茂氏の一部が日本における神道、陰陽道、宮中祭祀を裏で仕切っているとされる組織。正式名称は八咫烏陰陽道。

八咫烏は下鴨神社境内にある糺の森河合神社を仮本宗と位置づけており、 組織内では八咫烏神、賀茂建角身命秦伊呂具役小角、 聖武天皇 八咫烏開祖の吉備真備を祭神として奉っている。 また八咫烏は大烏と呼ばれる3人の実質的指導者がいるとされ、三位一体で金鵄という称号で呼ばれ、俗称で裏天皇ともいわれているとされる

ヤタガラス ウィキペディア

誰でも編集できるウィキペディアで、どこまで本当のことなのかわかりませんが、「ヤタガラス」はなんだかミステリアスで、惹かれるものがありますね。

 

 

【宇賀部神社(おこべさん)】の宮司家である小野田さん(ルバング島で戦後30年戦って帰国した)は、「ヤタガラスは、神武天皇が東征してくるずっと昔から紀伊半島に住んでいた人たち」と、伝え聞いていたようです。

 

 

糺の森を南北に走る参道を、北から南へテクテク歩くと、河合神社(かわいじんじゃ)が見えてきます。

 

旅番組でも大人気の河合神社は、美人祈願として有名です。

 

続けて書くと長くなるので、次の記事で紹介します。

 

次の記事はこちら

前回からの続きで、一泊二日の京都旅行の紹介です。 加茂御祖神社(下鴨神社)の紹介をいくつかにわけて書いてきましたが、この記事が最後です。 →→京都府 一泊二日旅行(加茂社・嵐山・鞍馬・貴船)の行程こちら・・・レンタカーを利用して一泊[…]

 

 

(この旅行記は2018年です)

 

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→→【熊野本宮大社(世界遺産)】 全国に約3千社ある、熊野神社の総本社・・・ヤタガラスと言えば、熊野。

交通アクセス

京都市バス「下鴨神社前」下車すぐ。

または、出町柳駅から徒歩12分。1.2kmほど。

近くの宿泊施設

京都駅出てすぐ。

 

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