【諏訪大社 ③ 下社春宮】 神様が2月から7月末まで祀られている御宮。万治の石仏が不思議。正確で誤りなしの「筒粥神事」で有名

前回からの続きで、長野県の諏訪大社の紹介です。(全国の諏訪神社の総本社)

上諏訪温泉 しんゆ(親湯)の、諏訪大社4社めぐりツアーで、諏訪大社上社前宮諏訪大社上社本宮を参拝した後、諏訪湖の北側にある下社春宮に向かいました。

参拝記

全国にある諏訪神社の総本社は、長野県にある「諏訪大社」で、四社から成ります。

 

上のマップのように、【諏訪湖】の周りに、四社。

 

 

諏訪湖の記事は→→【こちら】でご覧ください。

 

 

諏訪大社上社(かみしゃ)の前宮と本宮の御神体は守屋(モリヤ)山で、御祭神はタケミナカタノ神でした。

 

 

下社(しもしゃ)の春宮と秋宮の御神体はです。春宮は杉の木秋宮はイチイの木。御祭神はどちらも、タケミナカタノ神の妻である、ヤサカトメノ神です。

春宮・秋宮は、御霊代(依り代)が2月と8月に両社間を遷座する、という御宮です。

毎月1日、月次(つきなみ)祭が行われますが、2月から7月末までは春宮で執り行われます。それ以外の半年間は秋宮で行われます。

私達が訪れたのは9月でしたので、御霊代は春宮ではなく、次に紹介する秋宮に祀られている時期でした。

 

 

春宮からまっすぐ800mも伸びる道路は大門通りといって、かつては流鏑馬が行われていました。

昔は道路の両側に大木が茂っていたそうですが、枯れたり倒れたりして伐採してしまったそうです。

奥に見える大きな注連縄の建物は、神楽殿です。
春宮と秋宮の神楽殿と拝殿、左右片拝殿及御宝殿と続く建物の配置は同じです。

 

 

幣拝殿(へいはいでん)。重要文化財。
幣殿と拝殿が一体となった二重楼門作りで、左右に片拝殿(重要文化財)が並んでいました。

春宮の社殿は地元の宮大工柴宮(伊藤)長左衛門が請負い、秋宮の幣拝殿より一年早い1780年に完成しました。

この奥にご神木(杉の木)があるのですが、柵の向こうにあるので見づらいです。
ご親睦の写真を見たい方は、from八ヶ岳原人さんのHPで、ご覧になってください。(とても詳しいです!)

 

境内には縁結びに御利益のある「結びの木」もあるので、ぜひ探してくださいね。根元が一つで、先が二つに分かれている木です。

この豪華な幣拝殿の向こう側には、並列して宝殿が二棟あり、6年毎の式年造営で建て替えられます。

伊勢神宮は御遷座のあと旧殿を取り払いますが、諏訪大社下社では旧殿を取り払いません。

室町時代の記録では、新築してから7年間風雨にさらして清めてから遷座をし、旧殿を解体新築してまた七年経ってから遷座・・・という形だったそうですが、江戸時代に入ってからは新築の建物にすぐに遷座する形式に変わったそうです。

 

 

春宮幣拝殿の彫刻。
すごく豪華で見ごたえがありました。秋宮と競われたそうですよ。

 

 

 


 

 

 

境内には四本の御柱がありました。

 

 

春宮と言えば、「筒粥神事」が有名ですね。

 

もともとは、上社本宮で行われてた神事で、「その占いの正確なこと、神占正に誤りなし」と、諏訪大社七不思議の一つになっています。

 

束にしたヨシの茎44本を小豆入りの米とともに炊き、茎に入ったかゆの状態で稲、野菜など43種類の農作物と世相を占います。

3.11東日本大震災があった2011年は、「今年は怖い1年。過去20年間の中で最も悪い結果。春は早めに訪れるが途中で予想外のことが起き、足をすくわれる相」と1月に結果が出て、2ヵ月後にあの大災害が起こったことから、私は毎年1月14~15日の筒粥神事の結果を気にするようになりました。

2011年の占いは「三分五厘」で、「三行半(みくだりはん)」を意味し、「神から絶たれる」ことを示すそうです。(さらに2011年4月4日には出雲大社の国旗が裂けるという出来事が起きました)

 

2016年の筒粥神事の結果は「三分六厘」で、昨年・一昨年より1厘下がったそうです。
来年はもう少し上がると良いですね・・・。

 

 

 

 

春宮を参拝した私達は、万治の石仏(まんじのせきぶつ)へ向かいました。

 

当時4歳だった息子と撮った写真。けっこう大きな石仏です。

 

建立した願主が「万治3年(1660年)」と刻まれていることから、万治の石仏と呼ばれています。

高さ約2.7メートル、奥行き約4メートルの胴体の上に、高さ約60センチメートルの頭部がのっていますが、体と頭のバランスと言いましょうか、ちょっと不自然な感じがしないでしょうか。

これは、一部未完成のため、といわれているそうです。(本当の理由はよく分からない)

 

伝承によると、1657年、諏訪大社下社春宮に石の大鳥居を造るため、この石仏を材料にしようとノミを入れたところ、傷口から血が出てきたそうです。(びっくり! 職人達は祟りを恐れたそうです)

その後、夢枕で上原山に良い石材があるという夢を見て、探しに行ったたところ見つけることができたので、職人達はこの石仏を阿弥陀如来として祀ったそうです。

たまたま諏訪大社の御柱祭を見学した岡本太郎さんや、新田次郎さんが感嘆し、紹介したことから有名になっていきました。

→→岡本太郎美術館の記事はこちら(神奈川県川崎市)

→→八甲田山雪中行軍遭難資料館の記事はこちら(青森市にあります。新田次郎さんが小説にした「八甲田山死の彷徨」の歴史的事実を伝える資料館です)

 

 

お参りの仕方。

最後の一文「よろずおさめました」。

 

願い事は完了形にすると良い」とは、よくネットで見かける情報です。

 

 

近くには万治の売店があり、万治の石仏グッズやカリン飴を買えます。

 

 

しんゆの四社めぐりツアーは、最後に諏訪大社下社秋宮へ向かいました。

 

春宮からは1.5kmほど離れており、徒歩で行く場合20分ほどかかります。

 

次の記事はこちら

前回からの続きで、長野県の諏訪大社の紹介です。(全国の諏訪神社の総本社) 上諏訪温泉 しんゆ(親湯)の、諏訪大社4社めぐりツアーに参加した私達は、諏訪大社下社春宮と万治の石仏を参拝した後、諏訪大社下社秋宮に向かいました。 参拝記 […]

 

(この旅行記は2013年です)

 

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→→諏訪大社 ②上社本宮の記事はこちら

→→諏訪大社  ③下社春宮の記事はこちら

→→諏訪大社  ④下社秋宮の記事はこちら

交通アクセス

下諏訪駅から北へ1.5kmほどです。徒歩で20分ほど。
砥川沿いにあります。
バスで行く方は、下諏訪駅から「スワンバス」が出ています。内回りに乗り、春宮大門南で下車です。
乗車料金は一回150円。
スワンバス HP
もっと便利なのが、前頁でも紹介した上諏訪温泉 しんゆ(親湯)の、宿泊者対象の諏訪大社4社めぐりツアー。

車で行く場合、駐車場があります。

近くの宿泊施設

上諏訪温泉しんゆ。上諏訪駅から徒歩10分。無料シャトルバスもあります。

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