【アクア琵琶②、瀬田川と洗堰(あらいぜき)】 戦前最大の煉瓦可動堰があり、堰の役割について学べる

前回の続きで、滋賀県の琵琶湖一周旅の五日目、「アクア琵琶その②」です。

→→2018年5泊6日滋賀県琵琶湖一周旅行記の行程はこちら・・・レンタカーを利用して、5泊6日で27か所を巡りました。

旅行記

 

アクア琵琶の無料豪雨体験の次は、本館の展示紹介と、アクア琵琶の前の瀬田川(せたがわ)の堰(せき)について書きます。

 

入館無料の「アクア琵琶」本館。2018年で、開館25周年。

 

 

入り口を入ってすぐに、顔出しパネルがありました!

アクア琵琶のキャラクター「ビワズくん」の上にまたがっている犬の穴から顔を出します。(なぜ犬?)

 

 

顔出しパネルの後ろは、無料のパンフレットコーナーや、説明パネル。

 

 

 

ここの見どころは、旧瀬田川洗堰(明治38年に造られた)の開閉作業の様子を、実物大で再現した展示。

32門あるうちの1門だけ取り出し、その一門の高さ3分の1の部分のみ展示しています。

 

 

瀬田川は、琵琶湖から流れ出る「唯一の天然河川」で、明治時代につくられた旧瀬田川洗堰は別名「南郷洗堰(なんごうあらいぜき)」とも呼ばれ、淀川改良工事の一環として築造、利水・治水に役立ちました。(琵琶湖から瀬田川へ流れた水は、宇治川→淀川と名前を変え、大阪湾に出る。学生時代、淀川の花火大会を見に行きましたが、あの川は琵琶湖の水だったんですねぇ)

 

 

館内一階に一部分だけ再現された南郷洗堰の「実物」は、アクア琵琶の前に、一部分だけ遺構として残されています。

写真左から半ばにかけて映っている途中で切れた堰が、明治時代に造られた「南郷洗堰」の一部で、土木学会選奨土木遺産に認定されています。

今は一部分しか残されていませんが、戦前最大の煉瓦可動堰だったようです。

 

 

南郷洗堰の上には、当時使われていた太い角材が残されています。

この角材を何本も何本も、手動で堰にはめ落として壁を造り、水をせき止めていました。

堰の全開から全閉までの作業に24時間以上かかっていたというから、大変な労力が必要だったのです。

 

そこで、昭和36年に電動式で遠隔自動制御つきの洗堰が出来上がり、人力で角材をはめ落としていた旧洗堰は、約60年にわたる役割を終えました。

 

現在の瀬田川洗堰(せたがわあらいぜき)は、写真の中央右あたり。

この瀬田川洗堰が、365日稼働して水位を管理しているため、下流の淀川で必要とされている水道用水・工業用水の確保や、洪水から守るなどしてくれている・・・というから、瀬田川洗堰はかなり重要な役割を果たしているということが、よくわかりますね。

 

 日本一大きな湖「琵琶湖」から流出している河川は、瀬田川のみ! 瀬田川は、宇治川、淀川と名前を変えて、大阪湾へ注ぐ。
琵琶湖と、瀬田川・宇治川・淀川の水位を守っているのが、瀬田川洗堰。

 

 

 

さて、本館の展示に戻りますが、瀬田川洗堰の他に、「天ケ瀬ダム」の勉強コーナーもあります。

天ケ瀬(あまがせ)ダムは、淀川本流に建設された唯一のダムで、水力発電もできます。

 

 

天ケ瀬ダムの工事で使われたのが、「シャフト式遠隔操縦水中作業機」。

水深30~40メートルで行われる各種作業を、潜水士を使わずに、安全・確実に行える機械です。

 

 

 

このシャフト式遠隔操縦水中作業機を、操縦体験できます。

 

 

画面はこんな感じ。

夫しか体験していないため、私にはよくわからない・・・

 

 

 

息子が喜んだのは、その隣にあったゲーム。

天ケ瀬ダム周辺と水路トンネル内部を巡るゲームです。

これはかなり面白かったので、オススメ!(最後に順位が出る)

 

 

トリックアートコーナーもあり、割と楽しい。

 

 

もう一度言いますが、ここは入館無料です。

いろいろ勉強になり、けっこう遊べるので、オススメ。

 

 

これらは一階の展示で、二階は主に琵琶湖の水利用、水管理、琵琶湖のおさかな図鑑、パソコンゲームコーナーがあります。(二階は団体さんがいたので、あまり見ずに終わった)

 

 

最後は、二階から三階へ。

なんと、大阪城と琵琶湖の水位は、ほぼ同じ高さなのだそうです。

 

 

 

大阪城。(また今度、紹介します)

お城のてっぺんのしゃちほこが浸かるくらいまでが、琵琶湖の水位。

 

 

余談ですが、琵琶湖最大のパワースポットと言われている「竹生島(ちくぶしま)」の記事がこちらにありますので、ご覧ください。

 

 

 

写真が増えるのでこれくらいにしておきますが、三階は、「田上山(たなかみやま)砂防コーナー」でした。

失われた山の緑を再生するための工事で、世界にも技術提供しているようです。

 

 

私たちは、この後も予定がびっしり入っていたので、アクア琵琶での滞在時間は一時間ほどでしたが、二時間くらいかけて見たかったなぁ・・・と思いました。

 

自然の大切さを知ることはもちろん、人の手を加えて利水・治水をしてきた歴史を知るのに、とても良い資料館です。(ゲームもできますし!)

 

 

アクア琵琶の展示と、歴史的価値の高い旧洗堰、中でも豪雨体験は子供が大喜びだったので、ぜひ訪れてみてください。

 

 

次は、大津市を出て琵琶湖の南部エリアである野洲市(やすし)に突入。三上山(みかみやま)と御上神社(みかみじんじゃ)について取り上げます。

 

三上山は、近江富士とも呼ばれる標高432メートルの山で、「ピラミッド?」と言われています。

 

次の記事はこちら

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(この旅行記は2018年です)

 

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交通アクセス

公共交通機関で行く場合、JR石山駅より京阪バス20分「南郷洗堰」下車、徒歩5分。または、京阪電鉄石山坂本線「石山寺」駅から京阪バス10分「南郷洗堰」下車、徒歩5分。

車で行く場合、駐車場は無料です。24台駐車可能(うち身障者用1台)。

料金

入館無料。
開館時間は9:30~16:30。
年末年始休み。

近くの宿泊施設

南郷温泉 二葉屋。アクア琵琶から徒歩10分。

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