【日光山観光③】 輪王寺大猷院(りんのうじ たいゆういん)。徳川家康を尊敬した三代将軍・家光は家康の隣で静かに眠る

前回の【日光二荒山神社】からの続きで、栃木県日光市の二泊三日旅行の紹介です。

【鬼怒川温泉街散策】から始まった旅行も、これで最後です。

→→栃木県日光市旅行記の行程こちら・・・公共交通機関を利用して、二泊三日で9ヵ所まわりました。

参拝記

私達は日光駅からバスに乗って、日光の玄関「神橋(しんきょう。赤い丸で囲ったところ)」から徒歩で【東照宮】【日光二荒山神社】をまわり、最後に大猷院(たいゆういん。マップの青四角で囲ったところ)」へ行きました。大猷院は、日光山の社寺の中で、一番奥にあります

ぐるぐる歩き回らずに、直接バスで行きたい方は、「大猷院・二荒山神社前バス停」で下車し、徒歩15分。

車で行く方は、日光市営の西参道第一駐車場が便利です。

→→【日光山観光①】・・・輪王寺三仏堂、日光東照宮の陽明門や三猿など見どころたくさん。家康の墓の謎。

→→【日光山観光②】  日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)・・・日光三山がご神体で、神域がめちゃくちゃ広い。

 

 

大猷院(たいゆういん)は、前回紹介した【日光二荒山神社】の隣にあります。(最寄りバス停も同じ)

入り口看板にあるように、大猷院は「徳川三代将軍 徳川家光」の霊廟(お墓)があるところで、輪王寺(りんのうじ)の一部であり、お寺です

ちなみに、大猷院から徒歩数分にある【日光東照宮】は神社で、祭神は徳川幕府初代将軍の徳川家康。

輪王寺の拝観料は大人550円かかります。(同じく輪王寺の管轄である【輪王寺三仏堂】とのセット券は900円で、50円お得になる)

日光東照宮、日光二荒山神社、輪王寺などと同じく「日光の社寺」として世界遺産登録されています。

 

 

 

徳川幕府初代将軍の家康を祭神とする日光東照宮を造営したのは、三代将軍の家光。

家光は、父が二代将軍秀忠(ひでただ)で、母は浅井長政とお市の間に生まれた三姉妹の末っ子の江(ごう)。ちなみに江の叔父は、織田信長です。

乳母は、時代劇でも有名な春日局(かすがのつぼね)。

家光は「亡き後、尊敬する祖父の隣に眠りたい。死後も仕えたい」と遺言を残し、1653年に息子の四代将軍の家綱(いえつな)により、大猷院が建立されました。

 

重要文化財の仁王門(におうおもん)。

ご覧のように、大猷院はところどころに階段があり、朝から歩き続けた足にけっこう負担がかかりました。

お参りしやすい靴で、行きましょう。

 

 

途中、四代将軍家綱(いえつな。家光の子)が植えたと伝わる、槙(まき)の木がありました。

先ほども言いましたが、家光が亡くなった後、大猷院を建築したのが、四代将軍の家綱です。

 

 

二天門(にてんもん)。

左が持国天(じこくてん。緑色)、右が広目天(こうもくてん。赤色)です。

門の裏側には、風神と雷神の像がありました。

 

扁額(へんがく)の字が難しいですが「大猷院(たいゆういん)」と読みます。108代天皇「後水尾上皇(ごみずのおじょうこう)」による筆だそうです。

「大猷院」とは江戸幕府の3代目将軍・徳川家光の死後の名前です。

 

 

豪華な二天門をくぐる。

 

 

次にくぐるのは、夜叉門(やしゃもん)。重要文化財。

阿跋摩羅(あばつまら。緑色。北を守護)、毘陀羅(びだら。赤色。南を守護)、烏摩勒伽(うまろきゃ。青色。東を守護)、犍陀羅(けんだら。白色。西を守護)の、四体の夜叉が安置されていることから「夜叉門」と呼ばれます。

夜叉門には牡丹(ぼたん)の花がたくさん彫刻されているため、「牡丹門」とも呼ばれるそうです。

 

 

 

夜叉門の裏側。

表に2体、裏に2体、合計4体の夜叉がいるので、表と裏の両方をよくご覧ください。

裏側にある青い体の夜叉「烏摩勒伽(うまろきゃ)」の像の膝には、ゾウがあります。

膝に小さなゾウ・・・、「ひざこぞう」の語源となっている(?)そうです。

色鮮やかで、大変美しい門でした。

 

展望所からの眺め。

当時の大名達が献上した石灯籠がたくさん。

近くの立て札には「天界から人界庭園を眺めて御覧下さい」とありました。

 

 

石灯籠は全部で315基もあり、それぞれに納めた人の名前が書かれてあります。

 

 


大猷院霊廟鼓楼。

 

 

唐門(からもん)。

大猷院の中でも最も小さい門で、この奥に拝殿と本殿があります。

日光東照宮は白と金色でつくられましたが、大猷院は黒と金色です。

 

唐門をくぐり、拝殿に上がって参拝できます。

 

 

唐門の彫刻。

大猷院の中で一番小さい門ですが、彫刻が美しくて豪華。

 

中は、壁一面に狩野探幽(かのうたんゆう)の描いた唐獅子、天井に140枚の龍の絵があり、家光公が着用した鎧(期間限定の公開)などがあります。

大変豪華な部屋で見惚れました。ぜひ、現地に出かけてご覧ください。

 

 

お参りが終わった後は、横に抜けて本殿を外から見ました。

相の間と、本殿。

拝殿(写真左に屋根だけ映る)・相の間(拝殿と本殿の間)・本殿(写真右の建物)と、3つ連なる「権現造り(ごんげんづくり)」。

 

拝殿と本殿を繋ぐ「相の間」。

透かし彫りの火灯窓が美しい!

 

本殿。国宝です。

家光は祖父の家康を尊敬しており、「東照宮よりも地味にするように」と言ったため、東照宮よりも小ぶりで装飾も控えめになっています。

・・・といっても、かなり豪華!

ふんだんに上質な金を使っていることから、別名「金閣殿(きんかくでん)」とも呼ばれるそうです。

 

本殿内部には家光の木像があるようですが、中には入れません。

東照宮に比べて人が少ないので、じーーーーーっくり観察できました。

 

 

本殿の右手奥には「皇嘉門(こうかもん)」があります。

竜宮城のような外観なので「竜宮門」とも呼ばれており、この門の向こうに家光の宝塔(お墓)があります。(写真はウィキペディアから借りました。)

門に入ることはできないので、ここから手を合わせました。

 

 

遺言通り、尊敬する祖父・家康の隣で眠る、三代将軍家光。享年48歳で、死因は病死でした。

 

東照宮の記事で書きましたが、家康のお墓が日光東照宮の奥宮なのか、静岡県の久能山東照宮なのか、大阪の南宗寺なのかよくわかりません。

しかし、家康をリスペクトした家光が日光東照宮を造営し、死後は「家康に仕えたい」と大猷院に眠り、霊廟が日光東照宮の方を向いているのですから、家康の墓所はやはり日光東照宮なのかなぁ・・・と、私は思います。

→→日光東照宮の記事はこちら・・・徳川幕府初代将軍の家康が御祭神。家康の霊廟。

 

歴史ミステリーですが、家光の出生には謎があり、父は家康、母は春日局とする説があるそうです。

 

家康と家光は、祖父と孫では無く、親子だったかもしれない・・・。

家光の母である(?)春日局は、後に男子禁制の大奥を作ったことから見ても、ただの乳母ではないような・・・。

皆さんは、どう思われたでしょうか。

 

午前9時から散策し、駅に戻ったのが14時半。お昼ご飯も食べずに5時間歩き続けた日光山参拝でした。

時間にゆとりをもって、参拝に出かけてください。

 

 

以上で、二泊三日、公共交通機関を利用した栃木県日光市旅行記は終わりです。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

→→栃木県日光市旅行記の行程こちら・・・公共交通機関を利用して、二泊三日で9ヵ所まわりました。

 

(この旅行記は2011年です)

 

関連記事

→→2011年・GW 栃木県日光市二泊三日旅行の行程・・・この旅行の行程まとめ。

●日光山の観光記事です。

→→【日光山観光①】 輪王寺三仏堂、日光東照宮の陽明門や三猿など見どころたくさん。家康の墓の謎・・・日光二荒山神社の右隣は、家康が祭神の東照宮です。

→→【日光山観光②】  日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)。日光三山がご神体で、神域がめちゃくちゃ広い・・・大猷院の隣です。

 

●こちらの記事もどうぞ。

→→【豊国神社】 長浜を栄えさせた豊臣秀吉が御祭神。浅井三姉妹と、秀吉の子供・・・徳川幕府三代将軍家光の母は、浅井三姉妹の末っ子の江。長女の茶々は後に淀となり、秀吉の妻になった。

→→【安土城跡】 織田信長が天下統一を夢見た城。信長の死には謎がある・・・家光の母・江(ごう)の叔父は織田信長。

交通アクセス

私達は日光駅から路線バスに乗り、「神橋バス停」で下車して、日光山輪王寺、日光東照宮、日光二荒山神社、輪王寺大猷院と、徒歩で巡りました。日光駅(JRでも東武でもOK)から神橋バス停までは、1.7km、運賃は200円です。
東武バスHPはこちら

 

公共交通機関で便利なのは、JR日光駅(1Aのりば)・東武日光駅(2Cのりば)から出ている「世界遺産バス」です。小判型のフリーパスで、1日に何回でも乗り降り自由、大人500円(小児半額)。一時間に三本ほど運行。
世界遺産バスはこちらでご覧ください。

輪王寺の最寄りバス停は、勝道上人像前で下車、徒歩7分。
日光東照宮へは、表参道バス停で下車、徒歩8分。
日光二荒山神社と大猷院へは、大猷院・二荒山神社前バス停で下車し、徒歩15分。

あまり歩きたくない方は、世界遺産バスを利用して最寄りのバス停留所で下車すると良いと思います。

 

車で行く場合、有料駐車場があり、普通車は一日600円。

日光市営の西参道第一駐車場が、一番近いです。

料金

大猷院(たいゆういん)は大人550円。

輪王寺三仏堂(400円)と大猷院(550円)は輪王寺の管轄なので、二つで900円のセットがあります。

4月~10月は8時から17時。11月~3月は8時から16時まで。拝観受付は閉門の30分前まで。

近くの宿泊施設

日光温泉 日光 星の宿。日光駅から車で1.8km、5分。神橋近く。

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