今日は、東京都渋谷区の「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」を紹介します。
見学の前に、公式サイトをチェックしましょう
東京ジャーミイに訪れる前に、ぜひ目を通してほしいのが、公式サイト。
東京ジャーミイは観光施設ではなく、駐日本国トルコ共和国大使館所属のイスラム教の寺院「モスク」であり、金曜礼拝を含む1日5回の礼拝が行われます。
東京に住むイスラム教徒はもちろん、東京へ観光に来たイスラム教徒が礼拝するところで、毎日の礼拝参加者は10人程度、金曜日の合同礼拝への参加者は400人程度となっているだそうです。(←ウィキペディアによる情報)
寺院であり、観光施設ではないため、公式サイトの「礼拝場見学に関する注意事項」に目を通してから行くのをオススメします。
家を出る前にぜひ目を通してほしいのが、「服装」と、「祈りの時間」です。
わかりやすい現地の説明を貼っておきます。
男女共に、ハーフパンツは禁止です。
男性は長ズボン着用。女性は頭にスカーフを巻いて髪を隠し、腕や足を出さない格好(ロングスカートか長ズボン着用)で行きましょう。
礼拝中の写真撮影は禁止なので、写真を撮りたい方は礼拝時間を外して行きましょう。
また、写真撮影したい場合は、一階の事務局に声をかけて許可をもらいましょう。
礼拝場の開場時間は、10時から夜の礼拝終了まで。一階は10時から18時までです。
無料で見学でき、土日に一回だけ日本語ガイドで説明してくださるようです。詳細は、東京ジャーミイ・トルコ文化センター 公式サイトで確認してください。
見学記
では、ここから東京ジャーミイの紹介です。
最寄り駅は代々木上原駅で、徒歩5分ほどで着きます。近くに【明治神宮】、【原宿竹下通り】もあるので、時間に余裕のある方は、あわせてまわってみてはいかがでしょうか。
私が東京ジャーミィに訪れたのは、平日の午前10時半くらい。
まずは外観から・・・と、寺院周りを観察。
日本とトルコの国旗が仲良くはためきます。
日本とトルコ共和国は、前身の「オスマントルコ帝国」時代から仲良しで、両国の絆を深めたのが1890年のエルトゥールル号遭難事件と、1985年のイラン・イラク戦争時の、イラン邦人救出劇でした。
詳しくは、以前書いた【トルコ記念館】の記事(和歌山県串本町)でご覧ください。
模様のように見えますが、これはアートな文字「カリグラフィ」です。
美しいですね~~~!
東京ジャーミイは、日本最大のモスクで、その美しさは東アジアで一番だと言われています。
礼拝堂内はもちろん、外壁も美しいので、よく観察してください。
先ほどの写真上部にあった円の中に書かれたカリグラフィは、「慈悲あまねく慈悲深きアッラーの御名において」と書かれています。
「アッラー」は、「ヤハウェ」のアラビア語での呼び方です。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、唯一神ヤハウェを信仰しています。
もう一つ、大きな宗教として仏教がありますが、こちらは神様を信仰しているというよりは、仏教の開祖シャカが、因果の法則を説いたものです。(上座部仏教のスマナサーラ長老は、「仏教は心の科学」と呼ぶ)
日本独自の宗教と言えば「神道」ですが、いろんな文化・宗教が入ってきた経緯がありますし、人間を中心とする「和」の思想があるため「日本教」とする説もあるようです(祖先信仰)。
・・・が、私は宗教に詳しくないので、興味のある方はいろいろ調べてみてはどうかなぁと思います。
では、中へ入りましょう!
一階は、トルコの民芸品、アクセサリー、お皿などが買えます。
オススメしたいのが、200円のガイドブック。
東京ジャーミイはあちこちに「カリグラフィ」があるのですが、日本語の説明パネルがないため、何を意味しているのかわかりません。
それを補填してくれるのが、200円のガイドブックで、「どこに、なにが書かれているのか」が載せられているので、大変勉強になります。東京ジャーミイの歴史も書かれてありますので、土・日曜の日本語ガイド付き館内案内のタイミングで訪れられない方は、ぜひ買うのをオススメします。
私達はここで、ガイドブック(200円)と、不思議なマグネット(300円)を買いました。
不思議なマグネットとは、サウジアラビアのメッカにあるマスジド・ハラーム(聖モスク)の写真で、なんだか光がモワ~ッと浮いて見える、不思議なマグネットです。(意味わかる? ほんと、不思議なマグネット。それにしても、マスジド・ハラームはすごい所だ・・・)
棚には昔の写真が飾られていました。
ロシア革命を逃れて、日本へ避難してきたカザン州のトルコ人達が礼拝所を求め、日本政府の協力によって1938年(昭和13年)に建てられたのが「東京回教礼拝堂」です。
「回教(かいきょう)」とは、イスラム教のことです。
東京回教礼拝堂は、木造建築で、建築資金は日本側の寄付によりまかなわれました。
長い間親しまれた東京回教礼拝堂ですが、老朽化により1986年(昭和61年)に取り壊されました。
モスク再建のため、東京トルコ人協会はトルコに寄付を求め、母国から資材や職人を日本に送り、2000年に新しく建てられたのが現在の建物「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」です。
一階でぜひ見て欲しいのが、伝統的なトルコ民家の応接間。
美しいですねぇ・・・。
不思議だなぁと思ったのが、トイレ。日本のトイレには無い洗い場がついていました。
これは礼拝前に、手、口、鼻、顔、腕、髪の毛、耳、足を順番に三回ずつ洗う行為(ウドゥ)をする場です。
手、腕、耳、足、を洗う際は、右側から洗うのが決まりなのだそうです。
では、二階へ上がりましょう。
二階、礼拝堂扉。
塔の形も美しいです。
礼拝堂に入る前に、靴を脱ぎます。スリッパは要りません。
礼拝堂入ってすぐに寄付箱と、ストールを持参していない方のための貸しストール「ヒジャブ」、黒いローブ「アバヤ」があります。
ストールは、髪を隠すようにかぶりましょう。
袖に刺繍や飾りがあり、美しいローブです。
では、礼拝堂の写真をいくつか貼ります。
天井が美しい!
カリグラフィと、装飾模様が細かくて、見入ってしまいます。
金曜礼拝では、この小さな階段にイマーム(指導者)が立ち、説教をします。
そして、聖地メッカのカアバ神殿に向かって、アッラーに礼拝を捧げます。
ステンドグラスも美しいですね!
女性のみ、上階の礼拝所へ行けます。
こちら、小さならせん階段の先にある、上階の礼拝所。
二階から見た、礼拝堂内。
礼拝堂内には、コーラン(クルアーンとも言う。イスラム教の聖典)がありました。
日本語訳付きのコーランもありましたので、お時間のある方は読んでみてはどうかなと思います。
本棚に「東京ジャーミイ 金曜日のホトバ 食べ、かつ飲みなさい ただし、度を越すことのないように」との紙が残されていたので、読みました。
一部抜粋して載せておきます。
必要以上に多くを消費することを避けるようにしましょう。与えられている祝福の一つ一つに、私たちが責任を負っていることを忘れないようにしましょう。
私達の主が、この人生と世界に対して定めたバランスを、見つめるようにしましょう。
このバランスが崩されれば、それは私たちの人生の豊かさや社会の平和が犠牲となるばかりか、未来の世代にまで犠牲を強いることになるということを、心に留めておきましょう。
欲求や欲望には限度というものがありません。しかし、授かることのできる祝福には限りがあるということを、忘れずにいましょう。
東京ジャーミイ・トルコ文化センターでは、毎日の礼拝の他、講演会、世界平和を祈る集い、じゅうたんの展示会、チャリティ・バザーなども開催されているようです。
大変美しい所でしたので、ぜひ見学に行ってください。(事前に公式HPを読んで、見学時のマナーを守ってくださいね)
ああっ、トルコ、行きたいっ!
飛んでイスタンブ~~~ル~~♪ (*´Д`)θ~♪
(ちなみにトルコの首都はアンカラで、イスタンブールではない)
ちなみに、東京ジャーミィのすぐ隣には、ハラールマーケットがあります(写真の黄色で囲ったところから入れます。東京ジャーミィと中でくっついているので、館内から入ってもOK)。
トルコの雑貨や食品などが売られていました。
コースターは一枚100円でした。チューリップ型のスプーンは、金、銀、銅色の三色。
この後、トルコ料理を食べにわざわざ新宿まで出たのですが、なんと、「あー、ゴメンネ、平日ランチやってないヨ。土日だけネ」とお店の方に言われたので、同じビルにあったタイ料理屋さんで御飯を食べました。
・・・というわけで、トルコ料理屋さんに、平日ランチ目的で訪れる方は、「平日ランチ、やってますか?」と電話で確認したほうが良いです!
楽しいお出かけになりますように♪
(この見学記は2018年と2022年です)
関連記事
→→【トルコ記念館】の記事はこちら(和歌山県串本町)・・・「エルトゥールル号遭難事件」を伝える資料館。トルコが親日の理由について。
→→ 【トルコ軍艦遭難慰霊碑、樫野埼灯台と旧官舎】の記事はこちら(和歌山県串本町)・・・エルトゥールル号遭難事件で、海に投げ出されたトルコ人が崖を上り、助けを求めた建物です。未だに全ての遺骨は回収されていません。
→→【デリショップうちむら】 東京ジャーミイの近くで、おいしいエジプト料理・中近東料理が安く食べられる! ショワルマ、ホンモスが美味しい♪・・・すぐ近くです。エジプト・中近東の料理が食べられます。
交通アクセス
代々木上原駅で下車、徒歩5分。
駐車場はありません。
料金
無料です。
近くの宿泊施設
ホテルサンルートプラザ新宿。代々木上原駅にホテルが無いので、新宿か渋谷に出るのをオススメします。