玉置神社の帰り道、私達は道に迷った。マイカーなしの月1ドライバーが、酷道(国道)169号線と恐怖の田戸トンネルをゆく・・・。

前回の【玉置神社(世界遺産)】の(おまけ的な)続きです。

行きは、熊野本宮大社から168号線で十津川温泉を経由して、玉置神社へスイスイ行けたのですが、問題は帰りに起こったのでありました。

 

私達の、この日の宿泊地は「高田グリーンランド・雲取温泉」。
場所は、和歌山県新宮市。

 

翌日、新宮市にある神倉神社と熊野速玉大社へお参りに行く予定だったので、新宮に宿をとっていたのです。
(玉置神社に参拝する予定を最初から組んでいたら、十津川温泉に宿泊したんだけどな・・・)

 

玉置神社から、高田グリーンランドまでは車で1時間40分くらい離れています。

 


 

玉置神社を参拝したあと、カーナビに「高田グリーンランド」と入力して出発。


一番初めの「あれ?」ポイントは、玉置神社を出た後でした。

十津川温泉方面から来たのに、反対方向に案内されたのです。

それは、瀞峡・北山村方面の道でした。

(んー? ・・・まぁ、いいか)

一瞬ユーターンして戻ろうかなと思ったのですが、なにしろ道が狭いので切り替えしがそれなりに大変。

この先が「酷道(国道)169号線」であり、田戸トンネルがあるなんて知らなかった私は、そのまま進んだのでした。

 

 

対向車がきたらちょっとキツイなーと思うようなポイントが何度かあったのですが、運よく道の広いところですれ違えたので、「行きと同じくラッキー♪」と思っていました。

時刻は17時を過ぎており、暗くて細い道を、月1ドライバーの私が進む・・・。

 

 

私の運転歴

・21歳くらいで免許を取る。
・和歌山県を離れる27歳まで、月に1~10回ほどの頻度で運転する。
・結婚して関東住まいになってから6年間運転しなかった。
・父親に運転を教えなおしてもらい、6年ぶりに運転。以後、カーシェアリングの会員になり、月に1度~2度運転する。

 

 

広い道もあるけれど、こんな感じの狭い道もある国道169号線。


対向車との離合にはかなり厳しい・・・。

しかも、離合ポイントが車1台分しか入らない狭さなので、こちらから2台、あっちから2台車が来たら、どうするのだろう??

 

 

私は、細い山道を走りながら、子供のとき、「お父さん、よくこんな細い道走れるなー」と感心したことを思い出した。

私の母は有田郡清水町出身で、現在は広い道が整備されているけれども、小学生低学年のころまで、父はこんな細い道をスイスイ走って母の故郷へ帰っていた。

狭い道路の横は崖になっていて、落ちたら死ぬやろなー、と恐かった。

一度だけ、その細い道が霧で包まれてしまったことがあり、
「お父さん、大丈夫なん? 前見えへんやん」
と心配する私に、母が、
「大丈夫よ。お父さん、運転慣れてるから」
と、安心させてくれた。

 

 

まさか、三十代半ばを過ぎて、あの時みたいな細い道を、夜間走ることになろうとは・・・。

 

 

 

(神様、どうか無事に帰してください。新宮へ行かせてください。私の腕に、一家4人の命がかかってるんです。お願いですから、無事に帰してください・・・)
と、祈りながら運転しました。

 


 

普段、飴をなめたり、ミントのガムを噛んだりしながらリラックスして運転しているけれど、この時ばかりは、運転に全神経を集中させていた・・・。

だって、携帯電話が繋がりませんからね・・・。

脱輪したら?

落ちたら?

どんなふうに連絡するの???

 

そんなふうに、祈るような思いで細くて暗い山道をグネグネ走行していたのですが、突如行く手を阻んだのは通行止めのガードフェンス。

 

「うそ~。困る~」

 

車から降りて、ガードフェンスの向こうをうかがう。

 

真っ暗でよく見えない・・・。

広くて、走りやすそうな道なのになぁ。
通行止めかぁ。

 

近くには、迂回路の看板があった。
どうやら、隣のトンネルを抜けなくてはならないらしい・・・。

 

そのトンネルこそ「田戸トンネル」。

 

 

この時、周囲は真っ暗。
本当に、真っ暗。
私達だけで、だれも居ない・・・。

 

「・・・え・・・、このトンネル、通るの?」

 

車のライトが、なんだか不気味な小さいトンネルの中を照らす・・・。

 

道路幅は、車1台分しかない。

 

向こうから車が来たらどうすりゃいいの。
バックで戻らなきゃいけない。

(追記・・・ガスで曇っていたので全くわかりませんでしたが、田戸トンネル内部には、2箇所くらい幅の広いところがあり、対向車と離合できるようになっているそうです)

 

 

しかもなんだか、ガスが立ち込めて、中がモヤ~~~~っとしている。

 

 

(・・・あんまり通りたくないな~~~~~~~たらーっ(汗)

 

 

「ねぇねぇ、アイフォンでルート検索できない? これ、どこにつながってんの? 新宮へ行ける?」
と、夫に尋ねたら、
「無理。電波が入らないから調べられない」
とのお返事。

 

 

田戸トンネル前はわりと広くてユーターンできそうだったので、戻ろうかなぁ、どうしようかなぁと、真っ暗な中、しばし悩む。

けれども、玉置神社からすでに1時間くらい走行していたので、ここで戻ると子供達の寝る時間が遅くなるしなぁ・・・、どうしようかなぁ・・・。

カーナビのルートは、通行止めガードフェンスの向こうを指しているから、とりあえず迂回したら、新宮へ抜けられるはず。

 

 

「・・・よし、トンネルを抜けよう!」

 

 

気合を入れて運転席に乗り込んだ。

 

出発!
ぶるるるーーん

 

車1台しか通れない、ガスだらけの田戸トンネルに突入。
少し走ると、もうガスだらけで真っ白で何も見えない。

 

 

「ええええええ、これ、なんなん??? なんなん~~~? なんなん~~~!?」

 

 

なんなん=なんなの、の意味。

少しびびりながら走行していると、いきなりドダダダダダダッと水が小滝のように、トンネルの天井から落ちてきた。

 

ギャー、ナニナニナニナニ!? 神様、たすけてーーー!!!!

 

 

突然の水+立ち込めるガスで完全に前が見えなくて、私はクラクションを

 

ビ、ビ、ビ、ビ!!!

と鳴らした。

(存在を知らせておかないと、むこうから車が来たらあぶない)

 

シュン・・・とトンネルを抜け、視界が回復。

 

「はーーー、めっちゃ恐かった・・・。異次元に行くかと思った・・・」

 

私は安堵した。

 


 

 

恐れおののいた「田戸トンネル」はこのあたりにある。

(ずっと曇っているわけではないらしい。私達が通った日は、朝~昼過ぎにかけて、断続的に大雨が降っていたので、湿気ていたんだと思う。トンネル天井からの漏水も、雨の影響だと思う)

 

田戸トンネルを抜けると、大斎原と熊野川(世界遺産)の記事でも取り上げた、「かわせみ」という、瀞峡めぐりの船に乗れます。

 

 

ほかの方のブログを見ると、国道169号線はずっと細い道なのではなく、道の駅おくとろから玉置神社あたりが細いようです。

 

 

田戸トンネルを抜けて、そのままカーナビが示すまま、運転をしていたけれども、二度目のトラブル発生。

また通行止めガードフェンスに遭遇してしまった。

 

「え~~、またーーー??? もう、このカーナビ、なんなのよ~」

 

私達は、どこにいるんだろう???

グーグルマップが使えないので、カーナビで広域地図を見る。

どうやら北東の北山村に向かおうとしているらしい。

(なんで? 南の新宮へ行きたいんですけど!)

 

自分達がどの辺りに居るのか何となくわかったところで夫が言った。
「高田グリーンランドに設定しているからダメなんじゃない? 新宮方面だったら、新宮駅とかに設定したほうがいいのかも」

ハザードランプを点灯させて停車し、カーナビを「新宮駅」に設定。

すると、カーナビがピコンと、逆方向にルートを変えた。

 

(逆方向かい、なんじゃそりゃ!)

 

車2台通れる幅だったので、切り替えして逆方向へ出発。

そして、新宮市内に出れたのでした・・・。

 

 

もうね、あんなに「町が恋しい」と思ったことは、今までになかった。

私が現在住んでいるのは、神奈川県川崎市多摩区。
緑豊かな、ほのぼのとした地域である。

小さな川には、コイやサギがおり、春はホーホケキョとウグイスの泣き声が聞こえる。
高いビルがないから、空が広く見える。
自然に恵まれているけれども、しっかり「町」で5分歩けばコンビニが3つもある大変便利な地域。

 

けれども時々、
「自分の畑を持ちたいなー。田舎暮らししてみたいなー」
と、「ないものねだり」の心理で、自分の現在の環境とは反対の環境にあこがれる時がある。

 

この日のドライブは、「町のありがたさ、人のありがたさ」を教えてくれたような気がしました。

 

ホント、無駄なことは、何一つ起こりませんね。

 

全て、経験、学びになりますね~。

 

 

 

さてさて、私達が宿泊した高田グリーンランド・雲取温泉、リーズナブルでオススメです。

高田川のほとりに立つ宿泊施設で、お風呂はしっかりと温泉。
お肌がキュッキュッするお湯で、露天風呂もあります。
家族素泊まりで、合計1万円くらいでした。
(食事つきプランもあり)
あまり旅費をかけたくないな~、という節約さんにオススメします。

 

次回は、和歌山県新宮市の神倉(かみくら)神社を取り上げます。

ゴトビキ岩という、山の上の巨岩が御神体の神社で、熊野三山の熊野速玉神社の近くにあります。

 

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【おまけコーナー】

グーグルマップストリートビューの写真を貼っておきます。これらは明るい時間の写真ですが、私達が走行していた時は真っ暗で、本当に怖かった・・・。

 

離合困難な国道169号線。玉置神社~田戸トンネルへの道。

 

 

 

田戸トンネル突入前の道は、このように広いので、「方向転換して戻ろうかな…と」思った。右にダンプカーが止まっていますが、カーナビはそちらの道を指していたのですが、通行止めとなっていました。

 

その原因は、こちら。

台風による土砂崩れで、道が崩れていたため、通れなかったのです・・・。

田戸トンネルに突入するしか、道はありませんでした。

 

 

田戸トンネル。

周囲は真っ暗、トンネルも真っ暗。モヤ~~~っと湿気たガスが立ち込めていて、突入するのをためらった。

 

・・・トンネルの中は、怖かった・・・。

 

 

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→→濃霧の八幡平山頂ドライブは怖かった。 八幡平山頂レストハウス。・・・岩手県。恐怖の、初・濃霧運転。

→→【玉置神社(世界遺産)】の記事はこちら・・・この帰りに道に迷った。熊野三山の奥宮です。