今日は、千葉県、房総半島最南端の「野島崎(のじまざき)」を紹介します。
旅行記
野島崎(のじまざき)は房総半島最南端で、南房総国定公園に含まれる景勝地です。
実は私、端っこに行くのが好きで、「房総半島の最南端にもいつか行くぞ!」と思っていたので、訪れることができて大変うれしかったです!
本州最南端・紀伊半島最南端の【潮岬(しおのみさき)の記事はこちら】
三浦半島最南端の【城ヶ島(じょうがしま)の記事はこちら】
伊豆半島最南端の【石廊崎(いろうざき)の記事はこちら】
野島崎の近くの無料駐車場に停めて、散策開始。
後ろにあるのは野島崎灯台。
全国に16しかない「のぼれる灯台」の一つで、明治2年、日本で2番目に点灯した灯台です。ちなみに、最初に点灯した灯台は、房総半島の向かい側「三浦半島(みうらはんとう)」にある【観音崎灯台(かんのんざきとうだい)】です。
灯台の前に、まずは資料館の「きらりん館」に入ることに。
きらりん館と野島崎灯台の料金は共通で、中学生以上の大人は三百円。
入ってすぐにある「神島灯台副灯」は記念写真スポット。「神島灯台」は三重県の伊勢湾入り口の灯台。
副灯の後ろに立つと、体が大きく見えるのです!
この施設の目玉、フルネル式レンズ展示。野島崎灯台の初代レンズと同じサイズのもので、赤や緑に点灯します。
上皇上皇后陛下が過去に、野島崎灯台へ来られたようです。お二人の前を歩く、幼いころの天皇陛下がカワイイですね。
では、次は野島崎灯台へ。
八角形の美しい灯台で、船舶が安全に航行するために必要な施設です。
説明にある通り、【観音崎(かんのんざき)灯台】に次いで点灯された灯台ですが、関東大震災で壊れてしまったため、大正14年に鉄筋コンクリートで再建されました。
らせん階段をグルグルのぼります。子供たちは大喜び。
灯台からの眺め。
房総半島最南端!
やっぱり端っこは、気持ちが良いですね!
「もっと端っこへ行こう!」と灯台を降りて、海岸を目指しました。
その途中にあるのが「伝説の岩屋」。
1180年(治承4年)、伊豆国の石橋山の戦いに敗れた源頼朝が安房国に逃れてきて、武運再興の願掛けをした際に、突然の時雨に合い岩屋に身を寄せ、雨をしのいだそうです。
タコと半魚人が合体したような像があり、足元にはたくさんのお金が!!!
ウルトラマンと戦ってほしい。
先ほどの像は、オオタコの海神なのだそうです。
オオタコの周りにサザエやアワビがあり、中央の大アワビに小銭を投げ入れたら開運間違いなしとのことですが、小銭で埋まっていて確認できませんでした。
「タコに向かってコインを強く投げつけないで」との注意書き。
・・・なるほど、オオタコの足のうろこがはがれていたのは、そういうことね。
心の優しさと思いやりが必要です♡
後ろは広大な太平洋!
岬にベンチがあったので座りました。「朝日と夕陽の見える岬」。
野島崎は昔「野島」という島でしたが、1703年(元禄16年)の元禄大地震で隆起して地続きとなったという説があるそうです。(もともと一部が陸続きだったとする説もある)
どちらにせよ房総半島は、ユーラシアプレート下への「フィリピン海プレートと太平洋プレートの二重のプレート沈み込み」による隆起運動で形成されているため、地震による地殻変動と津波の影響がよく見られるところなので、地層見学が好きな方には良いスポットだと思います。
元禄大地震の後に起こった大正の関東大震災では、房総半島南端は最大2mも隆起し、津波の高さは1.3~3mだったそうです。
私は地質に詳しくないのですが、海岸のあちこちに開いている穴は見覚えあり。
神奈川県の三浦半島には国指定天然記念物の【諸磯隆起海岸(もろいそりゅうきかいがん)】があるのですが、そこと同じ。
岩にポコポコとたくさん開いている穴は、穿孔貝(せんこうがい)による無数の小穴なのです。
穿孔貝は波打ち際の地面や岩石に穴をあけて生息する二枚貝で、この貝が作った小穴が海面よりも上のポイントにたくさん見られるということは、「地震で地面が上がった証拠」なのです。
神奈川県三浦半島の【城ヶ島】には馬の背洞門という景勝地があり、大正の関東大震災前は船で穴を通行できたらしいのですが、現在は地震による地殻変動で陸が上がってしまったため、船は通れません。
うーーーーん、地球、動いているんだなぁ~~~。
スゴイなぁ。
これからも三浦半島や房総半島は、地殻変動で上昇するのかな・・・???
【諸磯隆起海岸(もろいそりゅうきかいがん)】は、現在海抜3m90cmだしなぁ・・・。
・・・といっても、【国立極地研究所 南極・北極科学館】の記事でも書きましたが、南極の氷が全部溶けたら海面は60m上がるので、地震による影響で地殻が上がろうとも、温暖化による海面上昇で沈む未来は十分あり得そうですが・・・。(こっちの方が怖いですね)
だれかが拾って集めた貝殻。色や形、一つ一つが奇麗ですね!
三峰神社。ご祭神はイザナギノミコト、イザナミノミコト。国生みをした神様ですね。(【おのころ島神社】の記事で日本神話について書きました)
ちなみに、野島崎にはもう一つ「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」があり、こちらは子宝祈願で、立派な男のシンボルと女のシンボルがあります(写真を貼るのはやめておきますが、興味のある方はお参りしてください)。
遊覧船にも乗れます。大人800円、子供400円。
すごく見晴らしの良いところだったので、ぜひ訪れてくださいね。
次は、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)で有名な、館山城跡・八犬伝博物館を紹介します。
今日は千葉県館山(たてやま)市の、館山城跡と八犬伝博物館を紹介します。 旅行記 館山(たてやま)城跡は、千葉県館山市にあります。 館山城は、1580年(天正8年)、里見義頼によって築城されました[…]
(この旅行記は、2020年です)
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交通アクセス
公共交通機関で行く場合、野島崎灯台口でバスを下車。
車で行く場合、無料駐車場があります。
料金
中学生以上の大人300円、子供は無料です。