【名古屋港 南極観測船ふじ】 超大陸ゴンドワナと、謎に満ちた南極大陸

前回からの続きです。

二泊三日の愛知県・三重県旅行記。

最終日の三日目は雨で、名古屋港水族館を見学した後、向かい側の南極観測船ふじへ向かいました。

旅行記

日本の南極観測船ですが、
初代:宗谷(1957~1962)そうや、と読みます
2代:ふじ(1965~1983)
3代:初代しらせ(1983~2008)
4代:しらせ・2代目(2009~)
となるようです。

 

四番目の「2代目しらせ」は、神奈川県の横須賀港で見たことがあります。
横須賀港 2代目しらせと、戦艦三笠の記事はこちら
 

 

名古屋港でみれるのは、二番目の「ふじ」です。

ふじは、1965年(昭和40年)から18年間、南極観測のための砕氷船として活躍しました。

 

その後、1985年(昭和60年)からは南極の博物館として、名古屋のガーデンふとうに永久係留されています。

 

ふじが南極へ初めて出航したのは1965年(昭和40年)11月20日土曜日午後2時で、東京港晴海ふ頭から40人の観測隊員と、182人の乗組員を乗せていたそうです。

 

 

 

約4年ぶりの南極航行で、南極までは、途中オーストラリアによって、片道1ヶ月くらい。航路は片道1万4000キロメートルほど。

 

 

初代南極観測船である宗谷は、もともと第二次世界大戦前にソビエト連邦の発注により造られたもので、南極観測船として造られたものではありません。

「ふじ」が日本では初となる極地用の本格的な砕氷艦として建造された船、ということになります。

 

艦名は、日本の最高峰である富士山から名づけられました。

 

連続砕氷可能な氷の厚さは80~120cm、最大砕氷能力は6m。

艦後部にはヘリコプター格納庫及びヘリコプター甲板(自衛艦としては初のヘリコプター搭載艦)となっており、偵察及び輸送用にS-61A-1を2機、氷状調査用にベル47G2Aを1機搭載できるそうです。

 

 

現在は、ヘリコプター1機のみ展示されています。

 

 

ふじが航海中は、毎朝ここで朝礼や総員体操が行われていたそうです。

 

ふじは毎年11月下旬に出航し、4月下旬に帰る約5ヶ月の航海で、昭和基地に接岸できたのは18回の中で6回だけ。

 

氷上が悪く接岸できない時は、ヘリコプターで昭和基地に物資を空輸しました。

 

ちなみに「砕氷船」とありますが、どのように氷を割って進むかというと、薄い氷はそのまま進んでバキバキ割って進み、割れない分厚い氷は、船の大きな前進エネルギーで、ドガーンと体当たりして砕氷する「チャーチング」という方法をとります。

 

ドガーンと体当たりしても割れずに、船が氷の上に乗り上げてしまった時は、船を前後左右に揺さぶって氷を割り、後退するそうです。

 

ふじは、船首部分に45ミリの厚い鋼板を使っている他、1対のトリミングタンク(船を前後に傾ける装置)と、3対のヒーリングタンク(左右にゆする装置)を持っています。

 

南極の氷は手ごわいですね・・・。

 

ふじの連続砕氷可能な氷の厚さは80~120cmですが、しらせは氷厚約150cmまでの氷を時速約3ノット(時速5.6km)の速度で連続砕氷して進むことができます。

 

昭和基地周辺の海氷域が厳しい場所らしく、しらせは昭和基地の往復に4000回以上のチャージングを行った年があったそうです。

 

4000回もドガーン、ドガーン・・・て、イヤになっちゃいますね(汗)。

 

 

では、これから艦内の紹介です。

写真は第2居住区。幹部乗組員と船員海曹を除く一般乗組員105人分の居室。

約150平方メートルの空間に3段ベッド27台、2段ベッド14台がおかれています。

船首部にも第一居住区として同じように60人分の居室があります。

消灯時間は午後10時。

船が最大45度傾くため、寝るのも大変だったそうです・・・。

「うわぁ、これじゃぁ休めないよね・・・。ストレスたまりそうだな~」
と思いました。(南極まで一ヶ月ですからね・・・。途中、オーストラリアで下船したのはとてもうれしかったでしょうね)

 

 

上官は2人用の個室部屋が割り当てられ、二段ベッドで寝ることができました。

専用の机や洗面台があり、ドアも閉めることができるので、上官は比較的過ごしやすかったんじゃないでしょうか。

やっぱりプライベート空間は欲しいですよね。

 

船内での仕事は、それぞれ3~4時間ごとに交代で船の運航に当たっていたそうです。

 

 

館内は食堂、厨房、医務室の他に、床屋も入っています。床屋さんは、予約制で洗髪なし。料金は無料。

この散髪されているマネキンが、若いころの岸部一徳さんになんとなーく似てる。

 

 

 

こちら、食堂。

モヤシの栽培をしていたんですねぇ。

 

 

 

こちら、医務室。

 

 

 

左が南極の氷で、右が日本の氷。
ずいぶん違いますね。

南極の氷は降り積もった雪がその重さで押しつぶされ、氷となったため、中に空気が閉じ込められて白く見えるのです。

 

氷の中には、紀元の異なるさまざまな物質が含まれているので、当時の気候などを調べることができるそうです。

 

この氷は、2014年1月末ごろ、昭和基地の北部にあるオングル海峡の氷山から、「しらせ」が採取してきたものです。

 

 

 

氷を偏光写真で見ると、全然違うのがよくわかりますね。南極の氷は、なんだか複雑ですねぇ。

 

 

 

雪上車。

日本南極観測隊の第一号車で、第一次隊から第五次隊まで使われていたもの。

窓を覆う布から隙間風が入りそうですね・・・。

 

 

現在の雪上車は、電車の車両にキャタピラーをつけたようなものになっていて、ばっちり防寒・防風できます。

気温マイナス60度、高度4000mの環境でも稼動でき、運転席と4座席、2名分のベッドと炊事場があるそうです。

東京都立川市に「国立極地研究所 南極・北極科学館」というのがあり、こちらでも南極で活躍した雪上車を見ることができます。

 

雪上車の他にソリの展示もありました。
南極でソリと言えば、タロ・ジロが有名ですよね。(ふじの外にタロジロの像があります)

 

ジロの剥製は、東京上野の国立科学博物館に保存されています。犬と言うより、小さなクマみたいな姿です。

国立科学博物館の記事はこちら・・・このページで、ジロの剥製写真は掲載していません。

 

 

南極の石。
ザクロ石黒雲母(うんも)片麻岩で、しらせが採ってきたもの。

 

「砂岩が地価の深いところで高度の編成を受けてできたもので、細かいしゅう曲構造もみごとに見られます」・・・と書いていました。他にもいくつか、種類の異なる石の展示がありました。

 

ふじが採ってきた南極の石は、静岡県にある富士山本宮浅間大社の境内に奉納されています。

 

 

南極の隕石の複製。(本物ではない)

昭和52年にアランヒルズで採取されました。

 

南極で採集されたもののうち最大の隕石で、採集した時には33個の破片に分かれていました。

隕石には地球へ落下した時に溶けてできた黒褐色の皮殻が見えます。茶褐色は鉄がさびた色です。

 

この隕石は約46億年前にできたもので、地球も同じころ生まれたと考えられているそうです。

 

ああ、実物が見たい!!!

 

ひょっとしたら、東京都立川市の国立極地研究所にあるかも・・・。

 

いろんな新聞の展示もありました。

「超大陸ゴンドワナ」語る南極の石。

昔は、南アメリカ、アフリカ、インド・スリランカ、オーストラリア、南極大陸がくっついている「ゴンドワナ」という超大陸があったんじゃないか、と言われているんですね。

 

 

 

リストロサウルスの模型。
三畳紀前期(2億2500万年~1億9000万年前)にいたかもしれない生物。

リストロサウルスは哺乳類方爬虫類で、水陸両用の生活を送っていたと考えられ、南極大陸、南アフリカ、インド半島で発見されているそうです。

他の動植物分布も同じようなことが見られていることから、地続きの大きな大陸(ゴンドワナ大陸)があったことを示しているようです。

 

 

ワクワクしますね~!

大好きです、こういうの。

ゴンドワナとかパンゲアとか。

 

 

地球は生き物ですから、ずーっとずーっと昔は、私達が暮らしている世界とは全く違う様相を呈していたでしょうね。

 

アトランティス大陸、ムー大陸も、もちろん信じていますよ~。

超古代ミステリー、大好きー!

ワクワク((o(゚▽゚○)(○゚▽゚)o))ドキドキ

 

 

 

南極観測の歴史。

古い順から、開南丸、宗谷、ふじ、しらせです。

 

艦内には、ふじのエンジン音が流れているスピーカーや、クイズコーナー、オーロラの写真や解説、砕氷船が南極の分厚い氷を割って進む仕組みのムービーなどがあり、とても楽しいです。

 

 

パネル展示が豊富で勉強になります。

 

 

 

エレバス火山! 

南極に火山があるなんて知らなかった・・・。海抜3794mだから、富士山よりも高いですね。

 

 

 

主操舵コンソールでハンドルに手を当てて記念撮影したり、望遠鏡を覗き込んでいる格好をしたり、子供と一緒にキャイキャイはしゃぎました。(閉館ギリギリだったので、お客さんは私達だけでした)

 

 

じっくり見るなら、見学時間は2時間くらいあるほうが良いかと思います。

 

 

 

 

 

大陸の生い立ち。

すごく動いてますねぇ・・・。これからも動くんでしょうね。

 

 

南極大陸の95パーセントが氷で覆われており、地球上に存在する氷の約90%が南極にあるそうです。

 

現在、この氷がすごい速さで溶けているというから、海面上昇が心配ですね・・・。

 

 

以上で、2016年4月の愛知県・三重県旅行は終了です。

閲覧ありがとうございました。

 

関連記事

→→名古屋港水族館の記事はこちら・・・すぐ近くです。

→→トヨタ産業技術記念館の記事はこちら・・・名古屋旅行第一弾。

→→国立極地研究所「南極・北極科学館」。無料でオーロラシアターが見れます。・・・東京都立川市にあります。

→→横須賀軍港の記事はこちら・・・二代目しらせの母港です。アメリカ軍の潜水艦などもたくさん見れます。

交通アクセス

前回の名古屋港水族館の向かい側です。徒歩3分くらい。
名古屋駅から地下鉄東山線に乗り、「栄」駅で乗りかえ、名城線金山方面(左回り)「名古屋港」行き、終点「名古屋港」駅下車(3番出口)徒歩5分。
または、名鉄・JR「金山」駅下車、地下鉄乗りかえ、名港線「名古屋港」行き、終点「名古屋港」駅下車 (3番出口)徒歩5分。
乗り換えについてはヤフー路線などでお調べください。

車で行く場合、ガーデンふ頭駐車場に停めるそうです。
駐車料金 100円/30分(入庫から24時間までごとに1,000円)

料金について

大人・高校生300円です。小中学生200円。それ以下の子どもは無料です。

チケットをわたすと、あなたは○○人目の入館者です、みたいなカードをもらえます。

名古屋港には南極観測船ふじの他、展望室、海洋博物館があります。
それぞれ300円かかりますが、これらの三館共通券は大人700円、小中学生400円、幼児無料です。3施設共通券は、9:30より15:30までの販売です。

上記三館と、水族館がセットになったお得な4館セット券は、大人2400円、高校生2400円、小中学生1200円、四歳以上の小児500円です。4施設共通券は、9:30より13:00までの販売です。

営業時間は9時半から17時。入館は16:30まで。

休館日は、毎週月曜日。GW・7月~9月・年末年始・春休みは無休。また、月曜日が祝日の場合は翌日が休みです。

近くの宿泊施設

ハーバーロッジなごや。名古屋港駅2番出口より徒歩にて2分。

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