【東京国立博物館 法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物)】 国有に移った宝物300余件を展示! 2024年1月28日(日)まで、デジタル法隆寺宝物館

今日は、東京都上野にある東京国立博物館の法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物)を紹介します。

私が訪れたのは2023年の夏休みで、東京国立博物館の平成館で行われていた【東京国立博物館 特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」】が目当てでした。

特別展チケットは常設展の料金込みだったので、特別展、本館、東洋館へとまわり、最後に入ったのが法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物)です。

見学記

上野駅から東京国立博物館までは、1km。徒歩13分ほどの距離です。車で行く場合、周辺の有料駐車場を利用しましょう。

 

 

広大な【上野恩賜公園】の北の端に位置する東京国立博物館に到着。

開場時間は9時30分~17時00分。

チケット料金は、一般1,000円、大学生500円。

私が訪れた時は特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」開催中だったので、一般 2,200円、大学生 1,400円、高校生 1,000円で、中学生以下は無料でした。入館の際に学生証が必要とのこと。

 

 

ちなみに、東京国立博物館はいろんな建物が建っていてめちゃくちゃ広いです!

 

 

 

今日紹介する法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物)は、正門入って左手にあります。

 

 

 

フロアマップ。

説明にあるように、奈良の法隆寺(また後日紹介します)が明治11年(1878年)に皇室に献納し、昭和24年(1949年)に国有に移った宝物300余件を展示しています。

 

 

 

奈良・法隆寺(ほうりゅうじ)は、聖徳太子の発願により7世紀初頭に建立された名刹で、世界遺産登録されています。

西院伽藍(さいいんがらん)のうち金堂(こんどう)・五重塔・中門・回廊などの建物は、現存する世界最古の木造建造物として知られ、境内にある八角形の建物「夢殿」は、聖徳太子の宮殿跡に建てられたもので、法隆寺は日本に仏教を根付かせた聖徳太子を偲ぶ場でもあります。

明治時代、廃仏毀釈の影響で寺の維持が困難となり、1878年(明治11年)に管長千早定朝の決断で、聖徳太子画像(唐本御影、いわゆる聖徳太子二王子像)をはじめとする300件余の宝物が当時の皇室に献納され、金一万円(明治時代の1円は現代の2万円に相当するので、2億円くらい??)を下賜されました。

これらの宝物は「法隆寺献納宝物」と呼ばれ、宝物すべてを収蔵・展示することを目的として、昭和39年(1964)、東京国立博物館に法隆寺宝物館が開館し、平成11年(1999)の建て替えを経て今に至るそうです。

 

 

 

 

では、何枚か展示物の写真を張ります。

重要文化財、7世紀(奈良時代)の、阿弥陀三尊および僧形像。

 

 

重要文化財の、金銅小幡(こんどうしょうばん)。7世紀(奈良時代)のもの。

美しい模様の大きな板ですが、これは、

このように吊るして使われていたようです。これは灌頂幡(かんじょうばん)と言い、寺院の堂の内外を飾るものです。写真は、製作当初の姿を復元したもの。

 

 

 

建物はそんなに大きくないのですが、造りや展示が洗練されていて見入ってしまいます。

 

 

後背(こうはい)。

 

 

重要文化財の法隆寺印。

 

 

国宝の海磯鏡(かいききょう)。西暦736年の2月22日に光明皇后によって奉納されたもの。2月22日は聖徳太子の命日にあたるため、初期の太子信仰に関わる遺品としても重要なのだそうです。

 

 

 

 

私達が行われたとき、「デジタル法隆寺宝物館」が行われていました。2023年1月31日(火) ~ 2024年1月28日(日)までです。

 

 

2023年1月31日から7月30日まで、8Kで文化財 国宝聖徳太子絵伝。

2023年8月1日から2024年1月28日まで、法隆寺金堂壁画写真ガラス原版デジタルビューア。

 

 


【デジタル法隆寺宝物館】法隆寺―よみがえる古代の至宝1。

 

 


【デジタル法隆寺宝物館】国宝 聖徳太子絵伝―よみがえる古代の至宝2。

 

 


【デジタル法隆寺宝物館】法隆寺金堂壁画―よみがえる古代の至宝3。

 

デジタル法隆寺宝物館は、常時展示がかなわない法隆寺ゆかりの名宝を、デジタルコンテンツや複製でくわしく鑑賞、体験する展示室です。

 

 

諸童子の言葉を一度に聞き取り、復唱する聖徳太子(11歳のころ)。

聖徳太子(574~622)は用明天皇の第二皇子。飛鳥時代、推古天皇のもと仏教の興隆や遣隋使の派遣、十七条憲法の制定などに力をつくしました。

国宝「聖徳太子絵伝」は、かつて法隆寺の絵殿(えでん)を飾っていた大画面の障子絵で、平安時代・延久元年(1069)、絵師・秦致貞(はたのちてい)によって描かれました。

10面からなる横長の大画面には、聖徳太子の生涯にわたる50以上もの事績、伝説が散りばめられています。

 

 

法隆寺献納宝物である国宝「聖徳太子絵伝」のグラフィックパネル(複製)。

 

 

大型8Kモニターで絵の詳細まで自在に鑑賞できるデジタルコンテンツ。

絵を拡大して観賞することができます!

 

 

 

こちらは伎楽面(ぎがくめん)の復元模型。写真の「呉女(ごじょ)」は伎楽面で唯一の女性の面。これともう一点「迦楼羅(かるら)」の、合計二点のみ復元されたそうです。

伎楽(ぎがく)は飛鳥時代に大陸(中国南部、西域、ギリシャ、インド、インドシナなどルーツが諸説あり)から日本に伝わった日本最古の渡来芸で、伎楽面は仮面としては世界最古のものなのだそうです。

金曜日と土曜日にだけ伎楽面が公開されるようなので、訪れてみてはいかがでしょうか。

聖徳太子は伎楽を奨励し、寺院楽として地位を高めたそうです。まず行道とよばれる一種のパレードが行われ、台詞の全くない無言劇へと続く上演様態だったようです。

 

 


【デジタル法隆寺宝物館】伎楽と法隆寺宝物館―よみがえる古代の至宝4。

 

 

奈良の法隆寺から、東京の国立博物館に来たたくさんの宝物も素晴らしいですが、聖徳太子が定めた十七条憲法(貴族や官僚など政治に関わる人々に道徳や心がけを説いたもの)は、現代に生きる私たちにも良き教えです。

  • 和を大切にし人といさかいをせぬようにせよ
  • 仏教はあらゆる生きものの最後に帰するところ、すべての国々の仰ぐ究極のよりどころである。
  • 天皇の命を受けたら、必ずそれに従え。
  • 悪しきを懲らし善きを勧めるということは、古からのよるべき教えである。
  • 人にはそれぞれの任務がある。おのおの職掌を守り、権限を濫用しないようにせよ。
  • 何事をなすにも真心をこめよ。
  • 心に憤りを抱いたり、それを顔に表したりすることをやめ、人が自分と違ったことをしても、それを怒らないようにせよ。
  • 国司や国造は、百姓から税をむさぼり取らぬようにせよ。
  • 物事は独断で行ってはならない。必ずみなと論じあうようにせよ。

聖徳太子「十七条憲法」を徹底解説。現代語訳を読んでみたい!

 

 

東京国立博物館は全部で四回にわたって紹介しましたが、今回でおしまいです。

とても充実した博物館だったので、一日かけてまわって下さいね。

 

 

 

(これは2023年の見学記です)

 

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交通アクセス

上野駅から徒歩10分。

車で行く場合、周囲の有料駐車場を利用。

料金

開場時間は9時30分~17時00分。チケット料金は、一般1,000円、大学生500円。

私が訪れた時は特別展「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」開催中だったので、一般 2,200円、大学生 1,400円、高校生 1,000円で、中学生以下は無料でした。入館の際に学生証が必要とのこと。

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