【高松塚古墳】 国宝の壁画「飛鳥美人」で有名!  古墳前駐車場がめちゃ近い

前回の続きで、奈良県明日香村(あすかむら)の観光紹介です。
今日紹介するのは、高松塚(たかまつづか)古墳。

旅行記

高松塚(たかまつづか)古墳の最寄り駅は、飛鳥駅です。

 

前回のキトラ古墳からは、車で4分の距離。

 

車で行く場合、国営飛鳥歴史公園の駐車場(オレンジの四角で囲ったところ)が普通車33台停められ、無料です。

 

 

歩くのが嫌な人は、下のマップの「古墳前駐車場」に停めましょう。

古墳前駐車場は、田んぼの細いあぜ道を抜けた先にある、個人経営の小さな駐車場で、高松塚古墳にすごく近いです。

 

 

駐車料金は100円。駐車できる車の台数は5台くらい。

 

 

駐車場の脇に細道。(写真の右上に、高松塚古墳が映っている)

 

徒歩1分もかからない距離に、高松塚古墳があるので便利です。

 

 

 

高松塚(たかまつづか)古墳。

前回紹介した【キトラ古墳】よりも前に発見されました。

発掘が始まったきっかけは、1970年の10月ごろ、村人がショウガを貯蔵しようと穴を掘ったところ、穴の奥に古い切石が見つかったこと。

地元の人達が明日香村に働きかけて、明日香村が資金を捻出し、奈良県立橿原考古学研究所が発掘調査することになりました。

極彩色壁画の出現は考古学史上まれにみる大発見として、日本中でトップニュースとなったそうです。

1973(昭和48)年高松塚古墳は特別史跡に指定され、石室の極彩色壁画は翌年の1974年(昭和49年)4月に国宝に指定されました。

 

高松塚古墳の壁画は、石室の東壁・西壁・北壁(奥壁)・天井の4面に存在しています。(南壁は鎌倉時代の盗掘で失われたと推定)

 

壁画の題材は人物像、日月、四方四神(玄武、朱雀、白虎、青龍)、および星辰(星座)。

 

  • 北壁には、四神のうちの玄武が描かれ、天井には星辰。
  • 南壁には、四神のうち南方に位置する朱雀が描かれていた可能性が高いが、鎌倉時代の盗掘時に消失。
  • 天井画には、円形の金箔で星を表し、星と星の間を朱の線でつないで星座を表したものがある。古代中国の思想に基づいた美しい星図。
  • 東壁には、手前から男子群像、四神のうちの青龍とその上の日(太陽)、女子群像。
  • 西壁には、手前から男子群像、四神のうちの白虎とその上の月、女子群像。

男子・女子の群像はいずれも4人一組で、計16人の人物が描かれているのだそうです。

 

 

中でも西壁女子群像は色彩鮮やかで、歴史の教科書をはじめさまざまな場所でカラー写真が紹介され、「飛鳥美人」のニックネームで親しまれたのだそうです。

美しいですね!!!

 

このような極彩色の壁画を有する古墳は、今のところ、高松塚古墳とキトラ古墳のみのようです。

 

 

高松塚古墳は、直径23m(下段)及び18m(上段)、高さ5mの二段式の円墳。

古墳の年代は、盗掘を免れて残っていた銅鏡などから、7世紀末から8世紀初めの終末期と推定されていましたが、2005年の発掘調査により、藤原京期694年 – 710年の間(8世紀初頭)だと確定されました。

 

被葬者は、

  1. 天武天皇の皇子説(忍壁皇子、高市皇子、弓削皇子ら、天武天皇の皇子)
  2. 家臣の石上麻呂説
  3. 朝鮮半島系王族説

の、三つの説があるものの、よくわかっていないようです。

 

墳丘は2009年に築造当初の形状に仮整備され、一般に公開されています。

 

しかし、国宝の壁画はカビ問題や破損から、2007年に歴史公園内の修理施設に移されました。

 

 

平成18年(2006年)に撮られた壁画。カビ被害がすごかったようです。これじゃ、飛鳥美人が泣きますね・・・。

この「飛鳥美人」などの壁画は2020年3月、約13年に及んだ修理が終わり、今後は古墳外に新設される施設で管理される予定なのだそうです。

新しい施設の完成が待ち遠しいですね!

 

 

高松塚古墳から発掘された遺物は、重要文化財に指定されています。

出土品は漆塗り木棺の残片のほか、棺に使われていた金具類、銅釘、副葬品の大刀金具、海獣葡萄鏡、玉類(ガラス製、琥珀製)などで、中でも隋唐鏡の様式をもつ海獣葡萄鏡と、棺の装飾に使われていた金銅製透飾金具が有名なのだそうです。

 

前回取り上げた【キトラ古墳】と、高松塚古墳の違いの表を貼っておきます。

 

 

 

私達は時間の都合で入ることができませんでしたが、ぜひ「高松塚壁画館」へ行きましょう!

古墳を見学するのは無料でしたが、高松塚壁画間は、大人300円、高校生・大学生130円、小中学生70円の入場料がかかります。

ここでは、昭和47年に発見された当時のままの壁画を忠実に写し取った「現状模写」と、一部復元して見学しやすくなった「復元模写」、石室の大きさや形を体感できる原寸の「石室レプリカ」、石室から出土した副葬品などもレプリカで展示しているそうです。

高松塚古墳を外から眺めるだけではなく、高松塚壁画館とあわせてまわることで、より知識を深められます。

また、壁画館の近くでは、古墳から発見された被葬者の遺骨を納めた慰霊祠もあるようですよ。

 

国宝の壁画を展示する新しい施設の開館が待ち遠しいですね。

 

楽しいお出かけになりますように。

 

 

(この旅行記は2019年です)

 

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交通アクセス

近鉄飛鳥駅から徒歩12分 、又はバス停「高松塚」で下車。

車で行く場合、国営飛鳥歴史公園に無料駐車場があります。

あまり歩きたくない方は、100円かかりますが「古墳前駐車場」が便利。

料金

古墳を見学するのは無料。
高松塚壁画間は、大人300円、高校生・大学生130円、小中学生70円。

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