滋賀県の琵琶湖一周旅、二日目の行程の続きです。
今津港からクルーズ船に乗って竹生島観光をし、琵琶湖周航の歌資料館を見た後は、車で20分離れた「白髭神社」へ行きました。
参拝記
白髭(しらひげ)神社は、滋賀県高島市にある、近江最古とも言われているお宮で、全国の白髭神社の総本宮です。
創建は第11代天皇である垂仁天皇の頃で、皇女ヤマトヒメノミコトが社殿を創建(再建ともいわれる)しました。
ヤマトヒメノミコトは垂仁天皇の娘で、ヤマトタケルの叔母にあたります。元々、奈良の三輪山西麓に祀られていた天照大御神を、現在の伊勢神宮の場所に移した方で、伊勢神宮を創建した方としても有名です。
また、甥のヤマトタケルが東征する際、伊勢の神宮でクサナギノ剣(天叢雲剣ともいう)を与えた方です。
以前、ヤマトヒメノミコトについて記事を書きましたので、こちらもご覧ください。
→→伊勢神宮内宮・・・天照大御神を祀る。ご神体は三種の神器の一つ、ヤタノカガミ。ヤマトヒメノミコトが創建したお宮。
→→【伊雑宮(いざわのみや・いぞうぐう)】・・・志摩国一宮、伊勢神宮内宮の別宮。謎があるらしい。
→→【御師の家森新、倭姫命の旧跡地】 伊雑宮のすぐ近くで、謎らしい・・・ヤマトヒメノミコトのお墓? 他に、尾上御陵もお墓の候補地だそうです。
この白髭神社が有名なのは、なんといっても、「湖中鳥居」。
写真はウィキペディアから拝借。
この美しい鳥居から「近江の厳島」とも呼ばれているそうです。
私が撮った湖中鳥居の写真。
白鬚神社の駐車場は本殿横にあり、湖中鳥居と神社の間には交通量の多い道(西近江路)があるので、湖側に渡るのは大変です。
「横断禁止」の立札があるのですが、皆さん車の切れ目を狙って渡る渡る。
私たちは立札の注意書きに従って渡らずに、神社側から何枚か写真を撮りました。
横断して写真を撮る方、路肩にバイクを止めるライダーの他、湖中鳥居のすぐ足元を通過する、小型ボートやカヌー。
・・・といった具合に、とても賑やかでした(^_^;)
湖中鳥居は、湖岸から沖に58m、高さは湖面から約10m、柱間約8m。
1280年ごろの絵図では鳥居は陸上にあったようですが、後に琵琶湖の水位上昇が起こり、水中の鳥居となったようです。
この伝説や絵画を知った大阪の薬問屋である小西久兵衛さんが、昭和12年に湖中鳥居を復興寄進し、現在の鳥居は56年に琵琶湖総合開発の補償事業で再建されたものです。
横断歩道のない国道で、湖の鳥居見たさに、危険な横断をする人が多い。2021年12月に展望台を設置した翌日、無理な横断をした男性(お年寄り)が車にはねられ即死する痛ましい事故が起こった。
死亡事故への注意喚起と展望台設置で、横断する人は9割減ったものの、「ガードレールが写真に入る」などの理由から、湖側へ横断する人は無くならない。
無理な横断でまた死亡事故が起きないよう、白髭神社の神職が「わたらないで」と注意をしているものの、解決には至らないそうです。
「インスタ映えする写真」と「自分の命」のどちらが大切か、考えましょう!
生きていてこその楽しい旅行です。無理な横断で、死んでしまえば何にもならないです。
何事も、命あっての物種です!!
横断しないようにしましょう!!!
では、お参りへ。
白鬚神社の鳥居をくぐる。
手水舎。
拝殿の後ろにある本殿は重要文化財。
先にもふれましたが、第11第天皇である垂仁天皇の時代、その娘であるヤマトヒメノミコトにより社殿が建てられた(再建された?)のが始まりです。
その後、豊臣秀吉の息子である秀頼により境内の整備が行われ、1603年に片桐且元(かたぎりかつもと)を奉行として播州の大工により建てられました。
片桐且元は、以前の【竹生島観光】の記事でも名前が出てきましたね。豊臣秀吉vs柴田勝家の戦いで活躍した、「賤ケ岳の七本槍」の一人です。
現在の社殿は、江戸時代に造られたものだそうです。
白髭神社の御祭神は、猿田彦命(サルタヒコノミコト)。
アマテラスオオカミから「葦原中国を治めよ」と命令を下され、三種の神器を与えられて高天原から降臨した天孫「ニニギノミコト」を、高千穂に導いた「お導きの神様」です。
ニニギノミコトは初代天皇である神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)の、ひいじいさんに当たる方で、猿田彦大神はニニギを案内した後、伊勢の地にとどまり地主神となりました。手塚治虫さんの「火の鳥」のサルタのモデルともなった神様でもあります。→→猿田彦神社・佐瑠女神社の記事はこちら(伊勢神宮内宮の近く)
神社名ともなっている「白髭」は、この猿田彦神が、白髪で白いヒゲをたたえた老人の姿であったことから来ているようで、延命長寿の御加護が頂けるそうです。
境内の説明書きの通り「白髭神社」はもともと「比良明神」と呼ばれていたようで、元々の祭祀は比良山に対するものである説や、この地域に住み着いた渡来人が祖神を祀ったことに始まるとする説もあるそうです。
境内には、
高島町指定文化財の若宮神社本殿の他、外宮、内宮、
三社(八幡・加茂・高良)神社、他に、弁財天、寿老神、稲荷社、天満宮があり、山の上に岩戸社があります。
坂を上って岩戸社へ。
岩戸社の横に、注連縄(しめなわ)で囲んだ巨石。
まずは岩戸社へお参り。
「お賽銭や供え物を中へ投げ込まないでください」の注意書きを見て、驚きました。そんなことをする方、いるんですね・・・。
この白髭神社の背後の山中には横穴式石室(現・末社岩戸社)が残り、磐座(いわくら)と古墳群が残っているのだそうです。
岩戸社の隣の磐座(いわくら)。
息子の身長は130cm。
かなり大きな磐座でした。
磐座は神が降臨する依り代で、原始的な信仰です。
最近、ニシキトベの復活 ― 太古の記憶の解放、根源的な生への回帰という本を読んだのですが、どうやら磐座とは、大地のエネルギーをアンテナのように周囲に放射する役割も持っているようです。
私は神秘的なエネルギーも、心霊スポットでのイヤなエネルギーも、何も感じないので、磐座の前に立っても「わー、すごい大きい岩だなぁ。どんな人たちがここに住んで信仰していたんだろう」と、平凡な感想しか出てこないのですが、太古の昔に思いを馳せるというのは、旅の楽しさの一つでもあります。
皆様も、磐座には触らず、古代のロマンを感じてみてはいかがでしょうか。
湖中鳥居も美しくて良いですが、山の中の大きな磐座は神秘的で、大変良かったです。
湖側は大混雑でしたが、こちらはシーン・・・としており、静かなお参りができました。
お参りは以上で終わりなのですが、境内には、紫式部、与謝野鉄幹・晶子、松尾芭蕉らの歌碑がありました。
この後、再び車に乗り、30分離れた「琵琶湖大橋米プラザ」へ向かいました。
ここは、琵琶湖大橋の手前にある「道の駅」で、琵琶湖大橋と良い記念写真が撮れるのです。
ゴールデンウィークを挟みまして、久しぶりの更新です。 滋賀県琵琶湖一周+京都旅行の五泊六日の二日目は、【竹生島観光】、【琵琶湖周航の歌 資料館】、【白髭神社】とまわりまして、次は道の駅「琵琶湖大橋米プラザ」です。 →→2018年5泊[…]
(この旅行記は2018年です)
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→→2018年・春 滋賀県琵琶湖一周 5泊6日旅行の行程・・・この旅行の行程まとめ。
→→【竹生島観光】 竹生島への交通アクセス。つづらお、今津港、長浜港、彦根港からの4航路がある・・・琵琶湖最大のパワースポット。
→→猿田彦神社・佐瑠女神社。手塚治虫「火の鳥」登場人物、猿田のモデルとなった神様・・・伊勢神宮のすぐそば。猿田彦大神について書いてあります。
交通アクセス
湖西線 近江高島駅で下車し、徒歩約30分(3km)。
車で行く場合、無料駐車場があります。
近くの宿泊施設
比良招福温泉 ホリデーアフタヌーン。白髭神社から車で13分。
近江舞子駅から徒歩20分。