【映画「サバイバルファミリー」感想】 もしも巨大太陽フレアや電磁パルス攻撃で、全ての電気製品がストップしたら?

皆さんは、2017年9月のはじめに比較的大きな太陽フレアが起こり、太陽風が直撃した際の停電が心配されていたのをご存知でしょうか?

巨大太陽フレアや、北朝鮮問題でも騒がれている電磁パルス攻撃などで、電気製品がすべてストップしてしまったらどうなるのか・・・、考えたことがありますか?

それをなんとなーく教えてくれる映画が、サバイバルファミリー

 

映画「サバイバルファミリー」は、よくある感じの家族がモデル

映画館での上映は終了し、現在、DVD販売&レンタルで見れます。2017年10月現在、新作レンタル扱い。

これは、標準的・・・といっても、なんだかダラけた感のある家族の物語です。

 

東京のマンション10階に住む鈴木家は4人家族。

ちょっとさえない会社員のお父さん、天然気味の専業主婦のお母さん、無口な大学生の息子、ちょっと生意気な高校生の娘。

時々、お母さんの故郷鹿児島から、無農薬野菜や獲れたての魚を送ってくれるけれども、魚をさばけないし虫が嫌いだし、家族も「キモイ」だの「いらない」だの文句たらたらな、ちょっと罰当たりな家族です。

 

大学生の息子は、母親が晩御飯を作っているのにファーストフードを部屋で孤食。
父親は「バカかおまえは」と軽く注意するものの、おならをして一人さっさと寝てしまう。
お母さんは、せっかく送ってくれた魚の内臓もとらずに、ラップをかけて冷蔵庫に仕舞う(もったいなーい! 刺身&あらだきは、とびっきりの御馳走なのに!)。

 

それは、ある日突然だった

そんなある朝、突然マンション中の電気がストップ。

照明、TV、冷蔵庫、スマホ、パソコン、全て使えない。

エレベーターも止まっているので、10階から階段を下りて街に出ると、マンションどころか町中が停電しており、車も電車も使えない。

 

・・・そう、車が使えないのです。普通の停電なら、車は使えるはずですよね。ここで「なんか普通の停電じゃないな」と気づきます。

でもみんな「しばらくしたら復旧するでしょ」とわりと楽観的。

 

お父さんの会社は2駅離れているので歩ける距離ですが、毎日歩くのは大変なので、たった一台残った普通の自転車を5万円ほどで買うことになります。(もともと1万円くらいだったけれども需要が増したので値上がりした)。

 

一方、食品の買い出しに出かけたお母さんはといいますと、スーパーは真っ暗。車が動かないのでお弁当やおにぎりは入ってこず、スーパーに残っていたすぐに食べられる食品や温めるだけのレトルト食品、水、ロウソクなどが売れ、早くも品薄状態になってしまいます。

町は、電気が使えないため、ソロバンで計算、カードは使えず現金支払いのみと、とても不便なことに・・・。

 

はじめは、ゆとりがあったものの・・・

でも悪いことばかりではなく、星空がやたらに奇麗なことに気づきます。高校生の娘は初めて天の川を見て感激し、お母さんは「たまには良いわねぇ~」とポツリ。

 

お父さんは、停電から数日は会社に行っていたけれども、電話もパソコンも使えず業務ができないということで、指示があるまで自宅待機することになりました。

会社の上司は別れ際に、
「このまま東京に居たら危ないぞ。とにかく水を確保できる山へ行く。知っているキャンプ場があるから、そこへ行く」
と言い、リュックを背負った妻子と共に去って行きました。

 

電気が使えなくなると、水とお金はこうなる

一方、お母さんは家電製品と水道が使えないことで、家事にグッタリ。

 

水道をひねっても水が出ないし、トイレの水も流れないので、風呂のため水(残り湯?)を湯桶ですくってトイレタンクに移して流し、洗濯物は風呂場で手洗い。

 

台所には使用済みの汚れた食器が山のようにたまり、料理はIHとガスコンロが使えないので、小さな卓上コンロですることになります。

ついには風呂のため水もなくなり、タンクを持って浄水場へ行きますが、「飲み水はありません。飲めなくてもいい水なら、自分でくんで持って行ってください」のようなことを言われ、水に困った人たちが苦情の嵐。

 

一方、銀行も大変なことに。

カード決済ができないので、みんな現金が必要なのですが、「引き落としには通帳、印鑑、身分証明書が必要で、一人10万円までの引き出しです」と制限がかけられます。

お父さんは銀行でもみくちゃにされて鼻血を出し、5万円で買った自転車を盗まれそうになりました。

もうダメだ、ここにはいられない・・・

星空を見上げて「たまにはいいわねぇ」と言ったり、「そのうち復旧するでしょ」と楽観視していたけれども、事態はどんどん酷い方向に。

 

マンション住民は集まり、会議を開きます。
・水とか食べ物を一か所に出して、みんなで分け合おう
・このままじゃ危ないから、移動した方が良い
・マンションから人がいなくなると、部屋が荒らされるから守らなきゃダメ

いろんな意見が出て、まとまりません。

 

 

鈴木家は一週間後、母の故郷鹿児島県へ行くことにしました。

早朝、音をたてないようにそろそろとマンションを出て、家中の現金をかき集めて(お母さんのへそくり大活躍)、自転車で羽田空港を目指します。

・・・が、飛行機も動いていませんでした。

鈴木家は、自転車でがんばる

町にはゴミがあふれ、道路のあちこちにはトラックが止まり、キャベツ一玉2000円、500ミリのミネラルウォーター1本1000~2500円という高値になり、公衆トイレは汚物がたまって恐ろしいことに!

 

お母さんは、「大阪は電気がついているらしい」という噂話を聞き、家族みんな、自転車で西へ西へ・・・と移動することになりました。

 

途中、米屋の前に行列ができているのを見て、鈴木家も中に入ります。

米屋の女将は、食べ物か水との交換しか受け付けず、現金もロレックスも高級車も、コメと交換をしてくれません。

鈴木家はペットボトル水とお酒二本を出して、コメ10kgと自転車に、交換してもらいます。

 

さあ、鈴木家は、残り少ない水と米10kgを持ち、自転車で鹿児島まで行けるのでしょうか!?
気になった方は、ぜひ「サバイバルファミリー 」を見てください。

 

ちょっと、ネタバレ

ここから先はちょっとネタバレを書きますが、この映画はコメディ要素が強いためとても楽観的な話です。

(ちょっとネタバレあり)

お父さんは東京で自転車盗難にあいかけ、家族は西へ向かう道中、水を一本盗まれますが、それ以外の品物は盗まれません。

行く先々は、道路がゴミだらけになっていますが、始終閑散としているだけです。

飲食物に飢えて、襲ってくる人間も出てきません。

死にかけてぐったりしている人も出てきません。(ただし停電初期にマンション上階のおばあさんが死ぬ)

家族は下の道は迷うので、高速道路を自転車で走行して西へ目指します。道はどこも封鎖されていません。

電気が使えないのでロウソクやたき火をすると、必ずどこかで火災が発生しますが、その描写はありません。

水が使えず、トイレなどが不衛生な状態となり、疫病が蔓延する心配もありますが、その描写もありません。

 

 

映画の途中、家族は徒歩で移動する自衛隊と遭遇します。
「福井の発電所がフリーズしているとの情報があったので、静岡に向かっています」
の一言だけ、情報を得ます。

 

映画もこれ以上、突っ込みません。ひたすら西へ西へと自転車で、比較的安全な旅をします。

 

「福井の発電所がフリーズしたのになんで静岡へ自衛隊が向かうのか」というと、原子力発電所の問題です。

昨日の記事で「2017年10月現在、稼働中の原発は、九州電力川内原発1・2号機と、プルサーマル発電の高浜原発3・4号機」と書きましたが、高浜原発は福井県にあります。

 

「福井県の高浜原発がフリーズしたので、自衛隊が静岡県の浜岡原発へ確認に向かう」という描写が、説明少なく10秒ほど出てきます。

 

 

映画「サバイバルファミリー」の停電は、2年126日続き、ある日突然目覚まし時計が直り、町の電気が回復します。

後に、この停電は日本だけではなく世界同時停電であったこと、サイバーテロが一時疑われていたけれども、大規模な太陽フレアか彗星の異常接近が原因であったのではないか・・・とTVでアナウンサーが読み上げます。

 

鈴木家は停電から二年半後には東京に戻ってきて、停電前よりは家族のきずなが深まり、食べ物を大事にする生活をします。

 

・・・まぁ、面白い話です。映画は

映画は面白いけれど、実際に起こると・・・

これが実際に起こるとしましょう。

 

巨大太陽フレアか、どこかの国の電磁パルス攻撃を食らい、電気が止まる、電気製品すべて使えないとなった時、どうなるのか。

 

稼働中の原発は電源を喪失して爆発。

 

放射性ヨウ素やキセノンなどを大量放出し、原発近くに住んでいる人間は即死。すこし離れたところの住民は放射線による急性障害でやがて死ぬでしょう。

 

稼働休止中の原発は爆発こそしないものの、使用済み燃料プールが徐々に干上がり、火災を起こし、セシウムなどを巻き散らかすでしょう。

 

空気、水、土地、食べ物も、汚染されるでしょう。

 

 

「この映画を見て、電気は必須だとわかった」

 

そりゃ、電気は必要でしょう。

電気がないと便利か不便か以前に、人工心肺装置をはじめとする医療機器が動かないと生命を保てない人も多数います。約33万人もいるとされる透析患者は、停電日数が長くなると透析治療が受けられず危険です。

 

けれども原発がなくても電気は足りている。

 

2017年の原発での発電割合はたったの2%。

 

 

原発の問題

原発に頼らなくても、波、風、地熱・・・日本には日本のエネルギーがある。

原発を稼働させていると出る、大量の放射性廃棄物。

日本には最終処分場が無いので「トイレなきマンション」とも言われています。
トイレを作る場所はどこにするか。

 

 

緑色のエリアが最終処分場に向いているのだそうです。

この地下に穴を掘って、そこに放射性廃棄物を大量に保管します。

 

その保管期間、なんと10万年

 

世界に唯一最終処分場があるのが、フィンランド。

 

フィンランドにはオンカロと呼ばれる核のゴミを埋める施設があります。
その岩板はヨーロッパ最古とも言われる、約18億年前にできたもので、安定した地層と言われているそうです。

 

 

1億3000年前の日本。

フィンランドのオンカロは18億年前の岩板。日本の1億3000年前、日本列島すら無い!

(1億5000年前の日本は、アジア大陸の端にあり、海洋底の堆積物の付加により少しずつ、海側に向けて成長し、分離していく)

 

 

そもそも北米プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートに押されてギチギチしている日本列島なんだから、安定した岩板なんてあるのだろうか?

 

 

 

本当にこんなに適地があるんですか??? 国土の三割ですよ?

10万年保存できるんですか?

 

電気は確かに大切だけれども、もっと大事なものがある

映画サバイバルファミリーは、電気の大切さを教えてくれてはいます。

でも、鈴木家は電気の無い2年半を平和に暮らしました。

 

それは奇麗な水と空気があり、地域の住民と協力して海で漁をし、畑で作物を育てたからです。

 

  1. 奇麗な空気を吸い
  2. 美味しくて安全な水を飲み
  3. 豊かな自然が恵んでくれる木の実や、自分たちで育てた作物を食べ
  4. そこで育った魚、鳥、獣、(時には虫)を食べる

 

これは、むか~~しむかしのご先祖様達の暮らしそのもので。

 

これらは地球と太陽の恵みから得られるものであり、当然、お金もかかっていませんでした。

 

けれども、私たちの今の社会はそうではなくて。

 

中でも、原発問題は大きな問題で、原始的な生活すらできなくなる恐れがある。

 

 

私達だけでは終わらず、子、孫、そのまたずっと先の子孫にまで、負の遺産を残すことになります。

 

人間が作るもので壊れないものなんて存在しないうえに、「壊れたら、修理の人すら近づけない」という致命的な問題を持つ原子力発電所。

 

あなたは、どう思われたでしょうか???

 

 

 

こちらは映画なので、気楽に見れます。

原発から生まれる放射性廃棄物の危険を描いた衝撃の話題作!!
圧倒的な映像美で放射性廃棄物の最終処分をめぐって未来の地球の安全を問いかける。

 

 

 

これからの戦争は武力攻撃ではなく、AIを使ったインフラ破壊や情報操作が行われるそうです。もしも原子力発電所がハッキングされ、爆発させられたら・・・・。恐ろしいですね。「2030未来への分岐点」の記事もご覧ください。

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