もっと記事を早く書きたかったのですが、今日になってしまいました。
次の週末が最後のチャンスになる方もいるかと思うので、古代オリエント博物館とクローズアップ展「化粧」について書きたいと思います。
クローズアップ展「化粧」は、2016年11月28日まで開催です。
見学記
古代オリエント博物館は、サンシャインシティ文化会館7階にあります。
サンシャインシティにはいろんな施設が集まっているのですが、古代オリエント博物館はあまり人がおらず空いていました。
入館料は大人600円、大学生高校生500円、小中学生200円。
東京ミュージアムぐるっとパス対象施設です。
入り口から先は写真撮影禁止なので、写真はここまでです。
展示室内ではメモ書き、スマートフォンなどの使用禁止で、結構厳しいです。
そんなに大きなフロアではないので、1時間もあれば見てまわれるでしょうか。
上映されているムービーを見るのでしたら、2~3時間くらい見ておけば十分かと思います。
常設展(コレクション展)は古代オリエントに関するものです。
オリエントとは、ラテン語で「東」を意味しており、古代ローマから見た東方を指すそうです。
古代オリエントを取り巻く世界として、
エジプト
レヴァント(シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ地域)
メソポタミア(イラク周辺)
ペルシア(イラン)
アナトリア(小アジアのことでトルコ全域)
バクトリア(アフガニスタン北部)
ガンダーラ(パキスタン北部)
があるそうです。
・・・よくニュースでも聞く地域ですね。
情勢が不安定な地域というイメージが強いでしょうか。
イスラエルのエルサレムは、ヤハウェ信仰(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教)の聖地としても有名ですね。
古代オリエント博物館の印象に残った展示は、猿人、原人、新人類の頭蓋骨模型があったこと。
これだけ頭蓋骨違えば、知能も違うよね、と子供にもわかりやすいと思います。
象形文字から楔形文字への移り変わりの展示もおもしろかったです。
象形文字のほうがわかりやすいのですが、楔形文字に変えたことにより、細かいことも伝えられるようになったそうです。
楔形文字はかなり小さいです。
爪楊枝の先で掘ったような細かさで、驚きました。
個人的に目を惹いたのは、メソポタミアの爬虫類人間の像があったこと。
手のひらにすっぽり入るくらいのサイズです。
デイビッド・アイクのレプティリアン説に興味のある方は反応するのかな~~と思ったり。
(私はあんまり信じていない)
まじまじと見てしまったのは、古代エジプトのミイラ製造方法。
パネル展示で詳しく書いてくれています。
脳みそをかきだす、内臓を左わき腹から取り出す、乾燥させた内臓をまた戻す・・・などなど。
近くにおいてあった古代エジプトのビーズ細工は綺麗でした。
常設展(コレクション展)も興味深かったのですが、面白かったのが「化粧展」。
これは期間限定で、11月28日までの開催です。
古代エジプトのアイライナーは眼病予防のためにしていたとか、縄文時代は魔よけの朱で化粧をしていた・・・とか、とても面白いです。
宮崎駿監督の「もののけ姫」で、サンが両頬に朱色の化粧をしていますが、あれは縄文時代の男性の化粧にそっくりです。
女性はおでこ、はなすじ、顎に化粧をしていました。
かわいかったのが奈良時代。日本的というよりは唐風化粧なのですが、額にオシャレな模様を描き、両方の口角に三つの点を描きます。
なかなかチャーミングだなぁと思いました。
平安時代になると、眉毛を抜いて、おでこに麻呂眉を書いて、おしろいで真っ白に。
鎌倉時代は、武家社会になるので化粧はやや薄くなり、引き眉もだんだんしなくなりました。
武士の中には、公家を真似たり、首をとられてもいいように・・・と化粧をして出陣する武士がいたそうです。
江戸時代になりますと、天下泰平で文化が花開き、女性はおしろい、まゆずみ、おはぐろ、口紅でお化粧をするようになりました。
中でも、おしろいは鉛を含んでいたので体に悪かったそうです。
一番高価だったのはおしろいではなく口紅。
墨汁を下唇に塗った後で紅をさした玉虫色の唇というのが流行ったそうです。
「美」も「おしゃれ」も、時代によって変わりますね~。
いつの時代でも女性はオシャレ、化粧を楽しんできましたが、一番彩りがなかったのが戦争時代。
やっぱり、幸せの根底は平和な世であることだなぁ・・・と思いました。
これらの化粧に関する映像は、ポーラの研究所のもので、DVDはオリエント博物館の売店で900円で販売していました。
ポーラ文化研究所HPに内容がありますので、興味のある方はご覧ください。
11月28日までに古代オリエント博物館へ訪れた方に、ぜひチャレンジしてほしいのが、おはぐろの匂い体験。
くっさいです!
これ罰ゲームだなー、と思わせるようなにおいがします。
おはぐろの材料は、こめぬか、酢、酒、鉄粉などを含んだ、発酵させた溶液。材料だけ見ると、変なものはないんですけどね。発酵させると臭くなるんでしょうかね?
明治時代に入ってすぐに廃止されたのは、おはぐろとおしろいだったそうです。
・・・というのも、外国人から奇異な目で見られていた習慣だったからだそうです。
イギリスの初代駐日総領事であるオールコックは、大君の都という本を書きましたが、「お歯黒は故意に女性を醜くすることで女性の貞節を守る役割がある」と推測しました(笑)。
本当は、口腔の美容と健康の維持のため欠かせないたしなみであったそうですよ。
ちなみにオールコックは、外国人で初めて【富士山】登頂を果たした人物です。
(オールコック著 大君の都より)
「このよく耕された谷間の土地で、人々が、幸せに満ちた良い暮らしをしているのを見ると、これが圧政に苦しみ過酷な税金を取り立てられて苦しんでいる場所だとはとても信じられない。ヨーロッパにはこんなに幸福で暮らし向きの良い農民はいないし、またこれほど穏やかで実りの多い土地もないと思う 」
災害の多い日本ですが、恵みもまた豊かなのですね。
2016年10月27日薨去された三笠宮崇仁親王(みかさのみや たかひとしんのう)は、戦後、古代オリエント学を専攻され、古代オリエント博物館の初代評議員、日本オリエント学会の会長も務められたそうです。
「古代オリエント史と私」・・・図書館で借りて読みました。戦争時の苦しい心境もお書きになられています。
天照大神を先祖とする皇族が、異国の宗教であるユダヤ教の聖典を研究されるというだけでも興味深いが、実は三笠宮殿下は、古代イスラエルと日本の皇室との関係、つまり日ユ同祖論的な学説について多大な関心を持たれ、調査されていた節があるのだ。もしも日本の天皇家と古代イスラエルにつながりがあるとすれば、日本の歴史がひっくり返る事態となる。
興味をもたれた方、お出かけしてみてはいかがでしょうか。
この後、相田みつを美術館へ行きました。
前回、古代オリエント博物館を書きましたので、同じ日に訪れた相田みつを美術館を書きたいと思います。 どちらもメトロ有楽町線が最寄り駅で、東京ミュージアムぐるっとパス対象施設です。 メトロの24時間乗車券は自動券売機で販売されており[…]
(この見学記は2016年です)
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交通アクセス
JR池袋駅 東口より 徒歩13分
東京メトロ有楽町線東池袋駅 6・7番出口より 徒歩6分
電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。
サンシャインシティ文化会館7階にあります。
車で行く場合、サンシャインシティ地下駐車場(乗用車1,800台収容可能) 有料(30分300円)があります。
料金について
大人600円、大学生高校生500円、小中学生200円。
コレクション展の会期中の土曜日・日曜日は、小(保護者同伴)・中・高校生は無料です。
開館時間は午前10:00~午後5:00(入館は午後4:30まで)
東京ミュージアムぐるっとパス対象施設です。・・・ぐるっとパスは2ヶ月間有効のチケットブックです。