【相田みつを美術館】 「いのちの詩人」相田みつをさん。ウルウルが止まらない美術館です

前回、古代オリエント博物館を書きましたので、同じ日に訪れた相田みつを美術館を書きたいと思います。

どちらもメトロ有楽町線が最寄り駅で、東京ミュージアムぐるっとパス対象施設です。

メトロの24時間乗車券は自動券売機で販売されており、600円です。

見学記

相田みつを美術館の最寄り駅は東京駅や有楽町駅。

東京国際フォーラムの地下一階にあり、ビルには飲食店やコンビニもあり便利です。

上のマップのようにすごく、皇居に近いです!

 

 

入館料は大人800円、中高生500円、小学生200円。

開館時間は10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日は月曜日(祝休日の場合は開館・振替休日なし)

東京ミュージアムぐるっとパス対象施設です。

 

 

美術館は、同じフロアに2部屋あります

第一ホール手前のチケット売り場でチケットを買い、第一ホールを見終わった後、半券を持って30m離れた第二ホールへ入ります。

 

第一ホールのミュージアムショップとカフェは、だれでも無料で利用できます。

 

美術館入り口には、相田みつを作品のガチャガチャがあったのですが、写真撮影禁止でした。
ガチャガチャも撮影禁止とは・・・・、けっこう厳しいです。

 

ミュージアム内の写真撮影は禁止されていますが、メモをとるのはOKです。

お客さんは、男女問わずいろんな年齢の方がいました。

 

 

ミュージアム内で写真撮影できるのは、ここだけです。


 私が持っている相田みつをさんの本で、二冊目に買った本のタイトルと似ています。

 

 

 

こちらの本はエッセイつきで読み応えあり。

犬の放し飼いで怨憎会苦が生じて散歩が楽しくなくなった・・・など、いろんな体験話が 書き綴られており、ウンウンそうなるそうなると、思わず頷いてしまった。
すごく親近感がわくのでオススメです。

 

 

 

初めて買った相田みつをさんの本「にんげんだもの」。

こちらは有名な作品が多数収められています。

 

 

 

 

相田みつをさんのことをウィキペディアで調べると、

旧制栃木県立足利中学校在学中に書や短歌、絵に親しんだが、喫煙の濡れ衣をきせられ軍事教練の教官に嫌われたために進学を断念。卒業後は歌人・山下陸奥に師事した。
1942年、歌会で生涯の師となる曹洞宗高福寺の武井哲応と出会い、在家しながら禅を学んだ。
1943年、書家を志して岩沢渓石に師事、本格的に書の修行を積んだ。

と、ありました。

 

多感な思春期に濡れ衣を着せられ、教官に嫌われて進学を断念したのは、さぞかし大きな挫折だったでしょうね。

 

 

人としてのあり方、生き方に悩まれたのか、若いころから座禅をし、道元禅師(曹洞宗開祖)を勉強していたそうです。

 

愛読していたのが、道元禅師の正法眼蔵という難しい本。

 

アマゾンで調べてみると、いくつかわかりやすい解説本が出ていました。
(スティーヴ・ジョブズも道元禅師の影響を受けていたそうです)

 

 

相田みつをさんは、創作の合間に、何時間も散歩をするのが大好きだったそうです。

というのも、「人間社会には必ず嘘、かけひきがあるけれども、自然にはそんなものがない」・・・と。

 

静かに自分の心を見つめる時間(内観)を、大切にしておられたんでしょうね。

 

 

ミュージアムに展示されているたくさんの詩は、
クスッと笑わせてくれたり、
ホッと安心させてくれたり、
ウンと納得したり、
キリッと気を引き締めてくれたり、
心の琴線が震えて涙が滲んだり・・・
いろんな感情が、内側からこみ上げてきます。

 

 

正法眼蔵は難解ですが、相田みつをさんの詩はシンプルです。

 

 

でも、「わかりやすい」というわけではなく、究極に言葉をそぎ落とした「エッセンス」です。

 

 

「にんげんだもの」

 

これは、とてもシンプルな作品ですが、人それぞれ受けとり方があると思います。

相田みつをさんが「にんげんだもの」の一言を書にするようになったのは、50歳を超えてからだそうです。

まだ30代半ばの私なんかには、まだまだ「にんげんだもの」の意の隅っこしか見えてないんだろうなぁ・・・。

これから歳を重ねていくにつれて、「にんげんだもの」が、どんなふうに見えてくるのか、齢を重ねるのが、少し不安で、大きな楽しみでもあります。

 

 

 

第二展示室には、相田みつをさんのビデオ「きょうが一番いい日」の上映がありました。

 

「いつでも、自分は新しく生まれ変わっている。今、ここ以外に、命は与えられていない。その命をどうするのか」

「求める世界が深くなると、悩みも深くなる。一生、これで終わりということはない」

「おもてさんではなく、おかげさんで生かせてもらっている。それは見えないから、なかなか気づかない」

書も優しい雰囲気ですが、声音もとても優しくて、丸い話し方をされるかただなぁ・・・と思いました。

 

 

展示を見終わって、最後にウルッときたのが売店。
相田みつをさんのポストカード売り場があるのですが、一番人気の作品が、

ただいるだけで
あなたがそこに ただいるだけで
その場の空気があかるくなる
あなたがそこに ただいるだけで
みんなのこころがやすらぐ
そんなあなたに
わたしもなりたい

という作品でした。

 

人気ナンバーワンのポストカードを見て、
「あぁ・・・みんな・・・、なんて優しいんだろう」
と、胸を打たれました。

 

 

雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにデクノボウと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい

宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ」ですが、これのどこがいいのかときかれると、「そういうものにわたしはなりたい」という最後の締めのところで、相田みつをさんの「ただいるだけで」の最後、「そんなあなたに 私もなりたい」と、似てるなぁ・・・。

 

 

「他人に求めていない。私自身がそうなりたいのだ」

 

 

優しいなぁ・・・。

強いなぁ・・・。

 

 

「わたしは なりたい」

「私も なりたい」

自分を高めて、役立てるようになりたいと思える心の、なんと素晴らしいことか。

 

 

これこそ、霊止(ヒト)の美しさ。

 

辛いことがあって泣いた日もあるけど、もう消えちゃいたいとヤケクソになった日もあるけど、やっぱり、人間って眩しいのだと、素晴らしいのだと思う。

 

 

NHKの番組だったか、何年か前に、海外の面白いテストを放送していた。
試験者が、AさんとBさんにお金を配るというもので、はじめはAさんばかりにお金をあげるのです。
Aさんは最初ウキウキしているけれども、全然もらえないBさんが気になって気になって・・・、自分のお金は増えていくのに、Bさん以上のストレスを感じるようになります。
おもしろいのがこの先で、試験者が、やっと、Bさんに初めてお金を渡した瞬間、脳の中に幸福感が大きく広がったのは、お金をもらったBさん本人ではなく、心配していたAさんのほうだった、という実験でした。

 

 

この実験を見て、涙が止まりませんでした・・・。

今まで流してきた涙の中で、一番温かい涙でした・・・。

 

 

これこそ、人間。

 

 

他人のことを自分のことのように心配し、自分のこと以上に他人の幸運を喜んでやれる。

時には、意地悪したり、勝手な言動で人を無神経に傷つけたりするけれど、これこそが、人間の、

 

 

「一人一人の中に神様が宿っている」というけれど、本当にそうだった・・・。

 

 

 

相田みつをさんは、詩人であり、書家です。

いくつか詩を載せましたが、お近くの方はミュージアムにお出かけになったり、遠くにお住まいの方は作品を手にとられて、人柄・気持ちがあふれ出てくるような筆文字で書かれた詩を、じていてください。

 

もっと早く記事を書きたかったのですが、どう表現したらいいのかわからなくて、4日間試行錯誤していましたが、こんな中途半端な記事になってしまいました。

 

未熟な私には、とても書けません。

 

表現できません・・・。

 

ただ、ウルウル・・・ウルウル・・・涙が溢れて溢れて・・・、心動かされる美術館でした。

 

 

 

それは、癒されているのでしょうか・・・。

いやいや、ただ癒されているだけじゃない・・・。

なんて表現したらいいのだろう・・・。

 

 

もっとたくさん経験をして、もっとたくさん心動かされて、御魂が磨かれたら、表現できるようになるのだろうか・・・。

 

 

たくさんの語彙を用いた文学テクニックではなく、人の心にスッと染みてくる相田みつをさんの詩のような表現が、私にも出来る日が来るのだろうか・・・。

 

もっともっと「人間勉強」を積まないといけないのでしょうね。

 

 

ひたすら精進せねば!

 

(この見学記は2016年です)

 

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交通アクセス

有楽町線「有楽町駅」より徒歩3分。地下1階コンコースにて連絡(D5出口)。
有楽町駅、東京駅、日比谷駅、二重橋前駅、銀座駅、日比谷駅からも徒歩5分くらいで行けます。
東京国際フォーラムの地下1階に美術館があります。

電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。

車で行く場合、東京国際フォーラム駐車場及び周辺の各駐車場を利用することになります。

料金について

大人800円、中高生500円、小学生200円。

開館時間は10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日は月曜日(祝休日の場合は開館・振替休日なし)

ぐるっとパス対象施設です。 ぐるっとパスは2ヶ月間有効のチケットブックです。

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