二泊三日の愛知県・三重県旅行の二日目の紹介です。
【伊勢神宮外宮】を参拝した私達は、バスに乗り内宮へ向かいました。
参拝記
伊勢神宮内宮は、皇大神宮(こうたいじんぐう)とも言われ、皇室の御祖神の天照大神をおまつりする、日本で最も尊い御宮です。
中世の戦乱で、遷宮を行えないほど荒廃していたようですが、外宮に祀られている豊受大御神を広める御師の働きにより、徐々に庶民の巡礼が盛んになって行ったようです。
江戸時代からは「お陰参り」とも言われ、一生に一度でも良いからお伊勢様にお参りをしたい、という想いから特に盛んになりました。
内宮案内図。
宇治橋。
五十鈴川(いすずがわ)にかかるヒノキの橋で、聖俗界を分ける境界になっています。
長さ101.8mで、両端の鳥居は両正宮の旧正殿むなもち柱をリサイクルして作られています。
外宮よりも内宮のほうが人が多いような気がしました。
外宮は左側歩行ですが、内宮は右側歩行です。
宇治橋から見た五十鈴川の清流。
綺麗ですね。
杭のようなものは「木除杭(きよけぐい)」といって、流木を食い止め、橋に当たらないようにしているそうです。
こちらは2007年夏に訪れた時の写真。
ちょうど台風が来ていたため、五十鈴川は濁流に・・・。
宇治橋を渡ると、道が左右に分かれます。
左の道を進むと、大山祓(おおやまつみ)神社と、子安(こやす)神社があります。
たいていの人は、右の道を進み、五十鈴川御手洗場(いすずがわみたらし)に出ます。
綺麗な清流ですね。
天気の良い日は、五十鈴川御手洗場で口と手を清めることが推奨されているそうです。
この五十鈴川御手洗場のすぐ隣に、瀧祭神(たきまつりのかみ)があります。
社殿を持たない神社で、所管社でありながら別宮と同等の祭祀が捧げられる特別な神社だそうです。
御祭神は、瀧祭大神。
内宮鎮座地を象徴する五十鈴川の水神が祭神で、内宮の所管社30社のうち第1位。
訪れる人が少ないのですが、とても大切な神社なのです。
地域住民からは「おとりつぎさん」として親しまれており、内宮(正宮)に詣でる前に滝祭神を参拝すると、天照大神に願い事を取り次いでくれると言われているそうですよ。
柵の隙間から見たのですが、石がありました。
伊勢神宮外宮に「三つ石」というのがありましたが、それと同じようなものなのかもしれません。
正宮。中は撮影禁止です。
右隣に古殿地がありました。(柵が閉められており古殿地前には行けません)
内宮にお祀りされているのは、天照大神(あまてらすおおみかみ)で、ご神体は八咫鏡(ヤタノカガミ)。
天照大神は神々の中心の神様で、天に照り輝く太陽のように、全てのものに光を与え、全てのものを生かしてくださる神様です。
皇室の御祖神であり、日本人の総氏神と言われています。
「約二千年前の崇神天皇の御世に皇居をお出になり、各地を巡られた後に、五十鈴川のほとりに御鎮まりになりました」とありますね。
→→崇神天皇ウィキペディアにこの経緯が詳しく載ってありますので、興味のある方はご覧ください。
ご神体は元々、奈良の三輪山西麓にお祀りされていましたが、諸事情により移され、各地を転々とした後(これらの地は元伊勢と呼ばれる)に、第11代天皇である垂仁天皇の娘である倭姫命(ヤマトヒメノミコト)がこの地に御宮を創らせ、ご神体を祀ったのが始まりです。
ヤマトヒメノミコトは、初代斎宮となったと言われる方で、ヤマトタケルの叔母でもあります。
また、東征するヤマトタケルにクサナギノ剣(天叢雲剣ともいう)を与えたかたとしてでも、有名ですね。
さて、「天照大神が皇室の御祖神」とありますが、詳しく言うと、天照大神とスサノオノミコトが神生み比べの誓約(うけい)をしたさい、スサノオノミコトは天照大神の勾玉の髪飾りを噛み砕き、アメノオシホミミノミコトと、アメノホヒノミコトが生まれ、さらに三人男神が生まれます。
このうち、アメノオシホミミノミコトが、皇室の祖先とされている神だそうです。
天照大神は「私の勾玉から成った子だから男神は自分の子だ」と言ったことから、天照大神は皇室の祖先神である、ということになっているそうです。
アメノオシホミミノミコトは、後に天照大神から天降って葦原中国を治めるように言われ、天の浮き橋まで降りますが、そこから眺める下界は妙に騒がしかった(争いが多かった)ため、「こんな物騒なところへは降れない」と途中で引き返してしまいます。
そののち、この神様のかわりに派兵された建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)らが葦原中国平定したので、再び降臨の命令が降りますが、アメノオシホミミノミコトは、タカミムスヒノカミの娘であるヨロズハタトヨアキツシヒメとの間に生まれた御子を遣わし、高天原(たかまのはら)にとどまったそうです。
この代わりに降臨された御子が、ヒコホノニニギノミコトになります。
ニニギノミコトは天照大神から三種の神器を与えられ、サルタヒコに導かれて九州の高千穂に降臨します。
→→二見興玉神社の記事はこちら・・・三重県。伊勢神宮に詣でる前に、この神社で禊をするそうです。主祭神は猿田彦神。
→猿田彦神社・佐瑠女神社の記事はこちら・・・三重県。内宮から歩いて行けます。猿田彦神社の総社の一つとされています。(諸説あり)
ニニギノミコトが与えられた「三種の神器」は、八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あめのむらかみのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)ですね。
八咫鏡は、伊勢神宮内宮のご神体です。
天叢雲剣(草薙の剣ともいう)は、愛知県名古屋市の熱田神宮のご神体です。
八尺瓊勾玉は、皇居にあるそうです。
→→【熱田神宮(あつたじんぐう)】の記事はこちら・・・愛知県名古屋市。
→→【皇居参観の記事】の記事はこちら・・・東京。無料でガイドしてもらえます。
八咫鏡は、はじめは二つ作られたそうですが、最初のものは傷がついていたため、二つめに作ったものが伊勢神宮内宮の御神体となっているそうです。
では、最初に作られた鏡はどこかというと、和歌山県和歌山市の日前宮にあります。
荒祭宮(あらまつりのみや)。
天照大神の荒御霊をまつる別宮で、祭神の別名が瀬織津姫(せおりつひめ)とされているそうです。
内宮にも巨木がたくさんありました。
みんな巨木を見たら触りたくなるみたいで、一部の木肌がツルツルテカテカになっていました。
大木から何かのパワーをもらえそうな気持ちになりますよね。
うわぁ・・・すごい。なんだか筋肉、血管のように見えますね・・・。
風日祈宮(かざひのみのみや)橋から見た川。
古くはこの橋がかかる川が、五十鈴川本流とされており、この橋を五十鈴川橋と呼んでいたそうです。
その後、最も長い川が河川の本流と定義されたことにより、五十鈴川本流から島路川と呼ばれるようになりました。
橋も、五十鈴川橋から風日祈宮橋と呼ぶのが一般的となったそうです。
風日祈宮(かざひのみのみや)。右隣が古殿地。
祭神は、外宮(豊受大神宮)別宮の風宮と同じ、級長津彦命・級長戸辺命で、鎌倉時代に元寇が来たさい、神風を起こして日本を守ってくださりました。
江戸時代末期に欧米諸国が日本を訪れるようになり、1863年(文久3年)5月に、朝廷は風日祈宮(内宮境内にある)と風宮(外宮境内にある)で、攘夷の祈願を15日間行なったそうです。
祈願・・・祈り(意乗り)のパワー。
祈りや瞑想に効果があるというのは、科学的にも証明されているそうです。
興味のある方は、「祈り 効果」「瞑想 効果」などの検索ワードで調べてみてはいかがでしょうか。
「一生に一度はお伊勢参り」と言いますが、日本の神社は神様を祀りながらも偶像が無いため、目に見えない神様という存在を、自然と感じられる場所であり、私達は祖先からその習慣を脈々と受け継いでいるような気がします。
目に見えない世界に触れられる・・・それは、とてもありがたいことだと思うのです。
なぜなら、私達は目に見えない世界から来て、死後は目に見えない世界へ帰るからです。
あなたは、神社にお参りをして、どのようなことを感じますか。
ご先祖様から脈々と続いてきた血脈・肉体に、自分の魂が宿り生まれてきたこと、そしてやがては死んでいくこと、この世の存在理由・・・。
それは偶然ではなく、必然の塊であるようにさえ、思えるのです・・・。
生きることは悩みの連続。悩みを解決するために、私達は日々、選択を繰り返しています。
良い選択をして、良い生き方をし、良い社会を築く・・・。
その学びは、私達を生み出してくださった目に見えない大いなる存在(神様)から与えられた課題(というより贈り物)であり、先祖から子孫へ受け継ぐものであり、宇宙の法則であると思うのです。
私達、一人一人の中に、神様がいる。私達はみんな、神の御子である。
・・・そう思いました。
さて、長くなってしまいましたが、次はおかげ横丁について簡単に触れたいと思います。
二泊三日の愛知県・三重県旅行の二日目。 伊勢神宮外宮と内宮を参拝した後、おはらい町とおかげ横丁へ寄りました。 旅行記 おはらい町は、伊勢神宮の鳥居前町として栄えました。 江戸時代には参宮客が年間200~400万人も押し寄せ、[…]
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→→伊勢神宮外宮の記事はこちら・・・内宮の前に外宮からお参りしましょう。
→→猿田彦神社・佐瑠女神社の記事はこちら・・・内宮から徒歩で行けます。
→→伊雑宮(いざわのみや・いぞうぐう)の記事はこちら・・・志摩国一宮、伊勢神宮内宮の別宮。
→→【野宮神社(ののみやじんじゃ)】斎王(斎宮)とは何か・・・京都。嵯峨野の竹林の中にあるお宮です。伊勢神宮を創建したヤマトヒメは初代斎王(斎宮)とも言われています。
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交通アクセス
伊勢神宮のお参りは、まずは外宮からです。
外宮への参拝と、外宮から内宮へのバスについては、→→伊勢神宮外宮の記事はこちらからご覧下さい。
内宮へ遠方から行く場合、 名古屋駅で新幹線をおりて近鉄名古屋駅で近鉄名古屋線急行・宇治山田行に乗車し、伊勢市駅か、宇治山田駅か五十鈴川駅で下車し、内宮前行きのバスに乗ります。(五十鈴川駅から出るバスは本数が少ないので、伊勢市駅か宇治山田駅からバスに乗るのをオススメします)
内宮行きのバスは、三重交通 路線バス【51系統・55系統】と、周遊バス【CANばす】があります。
・三重交通路線バスHP
他にも、近鉄特急を使った行き方や、JR線を使った行き方もあるので、ヤフー路線でお調べください。
車で行く場合、内宮周辺には駐車場がたくさんあります。
・内宮駐車場
フリー切符
近鉄電車を利用していく場合、まわりゃんせ、伊勢神宮参拝切符、近鉄週末フリーパスがあります。
・近鉄電車のお得な切符
三重でたくさん遊びたい方にオススメなのは、まわりゃんせです。
まわりゃんせを利用した三重旅行はまた後日紹介します。
JR東海を利用していく場合、伊勢路フリーきっぷと南紀・熊野古道フリーきっぷがあります。
伊勢・鳥羽地方の観光をする場合、伊勢二見周遊バスCANバスがあります。
一日フリー切符(1000円)と、二日間有効のフリー切符(1600円)があります。1日(1DAY)と2日(2DAYS)で一部フリー区間が異なります。
・CANバス
フリー切符を利用する際は、注意事項をよく読み、どの切符がお得か比較検討してください。
料金について
参拝は無料です。
参拝時間1~4月5:00~18:00、5~8月5:00~19:00、9月5:00~18:00、10~12月5:00~17:00
12月31日~1月5日まで終日参拝。
近くの宿泊施設
伊勢シティホテルアネックス。伊勢市駅から徒歩3分。小学生以下添い寝無料。