【肥料価格が高騰】 当たり前の話ですが、養分が無いと野菜は大きく育たない・・・

以前、【これから食糧難が深刻化】 ウクライナ侵攻問題で、小麦、トウモロコシ、食肉が値上げするので、食料を備蓄しましょうの記事を書きましたが、今日は「肥料」の話です。

 

 

肥料の前に、まずは私のベランダ菜園の話から。

4月、ホームセンターで「菜園セット ガーデンレタスミックス(547円)」と、ダイソーで「栽培セット リーフミックス(110円)」を購入。

 

 

収穫まで30日。

 

 

育て方。

 

 

キット内容。種、土、肥料付きです。

 

 

説明書。

 

 

こちらはダイソーで買った「栽培セット リーフミックス」。

 

 

種とココピートのみで肥料無しです。

ココピートは、ココヤシの実(ココナッツ)の殻である「ヤシ殻」を発酵・粉砕して作られる有機培土で、水につけると驚くほど増えます。

 

 

ダイソーの栽培セット説明書。

 

 

 

 

この二種類を、同じ日に種まきをし、ベランダで育てることにしました。

 

 

4月5日に種まきをして(両方とも種は同じ)、一週間後が上の写真です。

ココピートに種まきをしたもの(写真左)が、土に植えたもの(写真右)よりも芽を出すのが早く、双葉が大きいです。

 

 

「おや? 土よりもココピートが良いのかしら???」と思ったのですが、

さらに15日経過すると、育ち方が全然違う。

ココピートよりも土の方が、養分が豊富なんですね。(ココピートは保水力も排水性も優秀ですが、養分はほとんど無いのだそうです

 

ホームセンターで買った「菜園セット ガーデンレタスミックス(写真右)」は、葉っぱが4枚くらいになってから付属している肥料を追加。ダイソーで買った「栽培セット リーフミックス(写真左)」は、芽を出してから液体肥料を週に一度か、化成肥料を三週間に一度あげるとのこと。

これから肥料を追加して育てていくのですが、どうなるか楽しみです。

 

 

(2022年5月16日追記・・・ココピート植えの育ちの悪いレタスに、即効性のある化成肥料を施したら、大きく育ちました! やっぱり肥料って大事ですね)

 

 

「種まきから発芽まで」は、適切な温度、水、少しの土でもOKですが、そこから食べられるくらいまで育てようとすると、土や肥料は大事なんだなぁと、改めて思いました。

 

 

 

大きくなったリーフレタスを収穫。

外側から葉っぱをかき取ると、またニョキニョキと葉っぱが伸びてきて、ボウル一杯分のレタスを週に一度くらい収穫できます。

新鮮無農薬♪

 

 

 

 

次は、ネギの栽培。

スーパーでネギを二束買い、同じ長さで切断。

 

片方は水のみ、片方は牛乳パックの底に穴を空けて、土に移植。

毎日水換え・水やりをし、ベランダで17日間育てました。

 

 

こちら、17日後のネギ。中央の赤い線から右側が水栽培で、左側が土栽培のもの。色も太さも変わらないですね。

 

 

ただ、長さが全然違う。

上が水栽培のもので、下が土栽培のもの。5~10cmほどの差がでました。

 

いや~~、やっぱり、養分って大事なんだなぁ。

 

と、感心。

 

 

 

野菜を生育させるためにはチッソリン酸カリの3要素が必須で、ほかに鉄分やホウ素などの微量要素も必要なのだそうです。

それらを補うのが「肥料」なのですが、今、この肥料が世界中で高騰しているのだそうです。

 

日本の肥料は輸入頼み。

化学肥料がないと作物の収穫は半分以下!

 

 


2022年1月10日にアップされたアスパラ屋仁左衛門さんの動画。
燃料や資材が爆上がりしている。肥料も昨年末の時点で30%値上がりになったし、これからも値上げする。「肥料は、まだ高くても手に入ればいい方で、手に入らないこともあるかもしれない」とおっしゃっています。

 

 

 


2022年2月にアップされた塚原農園さんの動画。
化成肥料20kg 1袋が2年間で約2,000円アップ。このため、塚原農家さんは経費が100万円増なのだそうです。「ここまで値上がりしたのは初めてだ」とおっしゃっています。

 

 

 

食料品の値上がりの要因となっている小麦などの穀物価格の高値が長期化する懸念が強まっている。ウクライナ侵攻などの影響でロシアや中国が主要輸出国の肥料原料の供給不安が広がり、国際価格が昨年1月比で3・2~4・8倍に高騰する事態が起きているためだ。
国内肥料の原料調達で5割超のシェアを持つJA全農は毎年6月と11月の年2回、農協や販売店向けの肥料価格を改定している。昨年6月からは値上げせざるを得ず、11月には前年比2割超の引き上げとなった。JA全農の担当者は「今年6月の値上げも避けられない情勢だ」と話す。

農産物を効率的に生産するために使う肥料はカリウム、窒素とリンが「肥料の3要素」と呼ばれ、塩化カリウム、尿素、リン酸アンモニウム(りん安)の形で利用する。

日本は肥料原料をほぼすべて輸入しており、令和2年7月~3年6月の調達国別シェアでは、りん安の90%、尿素の37%を中国、塩化カリウムはロシアが16%、ベラルーシが10%を占める。

原料価格は以前から、世界的な食料需要の増加や燃料高騰などにより上昇傾向にあったが、昨年10月、電力不足に陥った中国が自国内の肥料価格安定のため輸出検査強化を打ち出し、流通が停滞したことで需給が逼迫(ひっぱく)。さらにウクライナ侵攻と対露経済制裁による供給懸念が重なり、市場価格の上昇圧力が一段と高まる形となっている。
ただ、ウクライナ危機を受けた国際的な肥料原料確保の動きは争奪戦の様相を呈し始めており、肥料高は長引く可能性がある。

肥料価格が高騰 食品価格に波及も  産経新聞 (2022年4月22日)より抜粋。

 

 

 

アメリカでこの数ヶ月、「食品関係の施設の火災、事故、爆発が相次いでいる」ことが複数で伝えられています。

報じられていた分だけでも、以下のようになるようです。

2021年10月-2022年4月までのアメリカの食品関係施設の事故等

・2021年10月 アイダホ州の乾燥乳工場で火災
・2021年12月 テキサス州サンアントニオの食品加工工場で火災
・2021年12月 多国籍食品企業JBSのネブラスカ州の牛肉工場で火災
・2021年12月 ミシシッピ州の家禽飼料工場でボイラー爆発
・2022年01月 ニューヨーク州ハミルトンマウンテンの家禽加工工場で火災
・2022年01月 ルイジアナ州レコンプトの飼料工場で火災
・2022年02月 テキサス州エルパソのボナンザ食肉会社で火災
・2022年02月 オレゴン州のシアラーズフード工場で火災
・2022年02月 ウィスコンシン州マウストンの肉加工工場で火災
・2022年03月 アリゾナ州マリコパ郡のフードバンクが火災で焼失
・2022年03月 アーカンソー州のネスレで火災
・2022年03月 ウォルマートの流通センターで火災
・2022年03月 メイン州ペノブスコットのジャガイモ加工工場で火災
・2022年04月 カナダのシャーブルック食品加工工場で火災
・2022年04月 カンザス州の穀物工場で火災
・2022年04月 肥料工場で火災
・2022年04月 カリフォルニア州サリナス食品加工工場で火災

アメリカの鉄道大手「ユニオン・パシフィック鉄道」は貨物を運んでおり、そこには「肥料」も含まれているのですが、肥料の運搬を鉄道会社側から「拒否」されたのです。ユニオン・パシフィック鉄道は、4,930台のディーゼル機関車と、50,189台の貨車を持ちますが、「それによる肥料の運搬が、作物の植え付け時期である現在おこなわれていない」のです。

CF インダストリーズ社のニュースリリースには以下のような記述があり、他にも多くの肥料企業が、「肥料の運搬を拒否されている」ようです。

肥料価格自体も過去最高値に上昇している中で、たとえば、以下の記事のように、南米などのコメ生産者たちは、「今期は農作をしない」という農家の人たちが増加していることをブルームバーグなどが伝えています。

アメリカの食料危機は「意図的」である様相。過去数ヶ月で十数カ所の食品関連施設が火災や爆発で消失し、全米への肥料の運搬が強制的に止められている   In Deep (2022年4月23日)より抜粋

 

 

 

肥料・資材・石油などの値上がりで、生産コストが上がると、農家さんは「農業をやめる」という流れにもなってしまうようで(日本の農業従事者は平均で70歳を超えている)、これからの日本の「食事情」が心配です・・・。

 

 

 


おすすめ本。
探検家・関野吉晴が行った、武蔵野美術大学のゼミを追った映画「カレーライスを一から作る」を書籍化。お米、野菜、スパイスを育て、塩を採り、器とスプーンも作り、最後にヒナから育てた鳥を絞め、肉にする。みんなが、あたりまえのように食べている「カレーライス」。その材料の野菜、スパイス、お肉、お米、塩、そして器とスプーンをすべてを「一(いち)」から作った、9か月間の記録です。

個人的に「カレーのお肉をどうするか」のところがすごく面白かったのですが、生徒が困ったのは「野菜の肥料」問題でした。

肥料が無いと、野菜は大きく美味しく育たないのです。生徒は「すべてを一からつくる」ことを徹底し、売られている化成肥料ではなく、自分で肥料も作ることにし、生ごみと米ぬかから肥料を作り、野菜を育てました。

 

 化学肥料は大量に手に入るうえに即効性があり、ついつい過剰に施肥してしまうことがあります。しかし、化学肥料は土中の微生物を減らし、作物が肥料を吸収しやすいので根の張りが悪くなることもあります。
一方で土壌が不健康になると、有害な菌は繁殖しやすくなってしまい、病害の原因となります。しかしそこで農薬を使用してしまうと微生物をさらに殺してしまい、悪循環に陥ってしまうことも。
こうなってしまうといわゆる「土が死んだ」状態になってしまい、作物が育たなくなってしまいます。

これらを避けるためには、化学肥料と有機肥料を組み合わせが効果的です。
たとえば地方農業では一般的ですが、元肥として堆肥を使用して、化学肥料を追肥として与えるのが無難であり最も始めやすいのではないでしょうか。

肥料を見直して、野菜だけでなく土づくりも意識した農業にチャレンジしてみましょう。

化学肥料とは?メリット・デメリットや有機肥料との違いを徹底解説!から抜粋。

 

 

 化学肥料を多用すれば、作物が軟弱になったり、土壌の団粒構造を破壊してしまったり、重金属や硝酸態窒素による食毒の危険性にさらされます。また、水産物への影響も深刻です。何より、今後は今までのように多用できなくなってきます。このような状況でも生産性を落とさずに食料を生産するためには、土づくりが必須になってきます。

(→化学肥料を多用することで生じる各種障害についてから抜粋)

 

 

 

生ごみと米ぬかから作る肥料の作り方を載せておきます。

 

私達は、「あって当たり前」とばかりに、モノを買い、食べ、時には捨てていますが、「当たり前は、当たり前ではない」のですね。

値上げの波で生活困窮者が増えそうで心配ですし、これから物不足になるんじゃないかと気がかりです。

 

 

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