前回からの続きで、二泊三日の栃木県日光市旅行の紹介です。
日光山輪王寺三仏堂(りんのうじ さんぶつどう)と、日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)を紹介したので、今回はその左隣の日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)を紹介します。
栃木県に「二荒山神社」は二つある
栃木県で「二荒山神社」は二つあります。
日光市の「日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)」と、宇都宮市の「宇都宮二荒山神社(うつのみやふたあらやまじんじゃ)」で、どちらも下野国一宮。車で50分ほど離れています。
宇都宮二荒山神社は以前紹介しましたが、宇都宮駅から徒歩で行けるところにあり、平将門を討つ霊剣を与えた神社で、 第10代崇神天皇の子ども「豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)」が御祭神。
今日紹介する、日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)は、御祭神は日光三山の神様です。(宇都宮二荒山神社とは御祭神が全然違う、別の神社。呼び方も違う)
日光二荒山神社は日光東照宮の左隣にあり、ここは御本社であり、男体山山頂には奥宮、中禅寺湖畔には中宮祠があります。
東照宮、輪王寺と同じく、「日光の社寺」として世界遺産登録されています。
前回貼った写真をもう一度。
日光二荒山神社から徒歩25分くらい離れたところに「神橋(しんきょう)」があり、この橋は日光二荒山神社(御本社)に属する建造物です。300円納めれば渡ることができます。
もともと日光二荒山神社は、神橋のすぐ近くにある「本宮神社」が発祥の地で、後に大谷川の氾濫から神社を守るために現在地に移したため、現在の日光二荒山神社は「新宮」とも呼ばれるそうです。
グーグルマップストリートビューから持ってきた、日光二荒山神社本宮神社の写真。ここと北隣にある四本龍寺が、767年に勝道上人(しょうどうしょうにん)により開山された日光山発祥の地です。
日光を開山した勝道上人の像は、前回紹介した「輪王寺三仏堂」の前にあります。
このお坊さまが、現在の神橋のすぐ近くにある本宮神社と四本龍寺の辺りから男体山に入って登頂し、【中禅寺湖や華厳の滝】を見つけ、その美しさと神聖さから修行の場として「日光山」を開きました。
徳川家康・家光の霊廟が日光に開かれ、さらに栄えたのは、約900年後のことなのです。
参拝記
では、ここから日光二荒山神社の参拝記です。
本宮神社にもお参りに行きたかったのですが、「日光発祥の地」とは知らなかったので、神橋から徒歩25分離れたところにある日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)御本社(新宮ともいう)へ参拝。写真は楼門です。
名前にある「二荒山」というのは勝道上人が登頂した男体山(なんたいさん)のことで、男体山、女峰山、太郎山の「日光三山」をご神体として祀っています。
日光二荒山神社のご神体「男体山(なんたいさん。古い呼び方で二荒山)」の写真(フリー素材)。赤い箱は、明智平ロープウェイです。
中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)と華厳の滝(けごんのたき)を作ったのは、男体山の噴火です。
日光東照宮・二荒山神社・輪王寺といった寺社参拝だけではなく、明智平や中禅寺湖・華厳の滝など付近の観光もしておくと、日光の自然と信仰がわかり楽しいのでオススメです。
さて、日光二荒山神社へ戻ります。私達は前回の日光東照宮から上新道(うわしんみち)を通って行きました。
重要文化財の銅の鳥居をくぐり、奥に見えるのが本殿。
ウィキペディアから借りた拝殿の写真。奥の本殿と共に重要文化財です。
御祭神は、二荒山大神(大己貴命、田心姫命、味耜高彦根命の総称)。
ご神体は日光三山。
先に有料(大人200円)の神苑にある「日光連山遥拝所」の写真を載せておきます。神体の日光三山を模した「ミニ日光三山」です。(現在は立札が増えて、もっと多くの山の名前が記されており、男体山の頂上に剣の刃がたてられている)
左から男体山(昔の呼び方は二荒山)、太郎山、女峰山。
- 男体山は標高2486m、祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)で、父。
- 女峰山は標高2464m、祭神は田心姫命(たごりひめのみこと)で、母。
- 太郎山は標高2368m、祭神は味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)で、子供。
先ほどの親子3神(父・母・子)にちなんだ家庭円満のご神木「親子杉」。
根っこが一つに繋がっているのだそうです。
以前、「絵本「ハグ タイム」と、マザーテレサの言葉。一般人が、世界平和のためにできることの記事」で書きましたが、記者がマザーテレサに「一般人が世界平和にできることはなんですか」と尋ねたところ、「あなたの家に帰って家族をハグしてください。愛してください。それが、あなたが世界平和のためにできることです。」と答えられたそうで、家庭円満(自分の周りの円満)は、やがて世界平和につながるのでしょう。
健全な家庭環境から、子供は思いやりや、道徳、忍耐、規律などを学ぶので、大変重要なことであると思います。(お天道様が見ている、自分がされて嫌なことは人にするな、人を思いやろう、などの親からの躾は大事! 日本が清潔で治安が良いのは、親からの躾が良いからだと思う)
もう一つのご神木。
杉の木に楢(なら)の宿り木で、こちらは縁結びの木なのだそうです。
良い家庭を作るには、良縁から!(容姿が良く、若く、地位、名誉、金のある人との縁ではなく、お互いを労り成長させられる愛情の結びつきが強い良縁)
ちなみに、この縁結びのご神木は高さが60mほどあり、境内で最も高い木だそうです。
二荒山神社の参拝は無料ですが、神苑に入る場合、大人200円かかります。
神苑には重要文化財の「銅灯籠(通称、化灯籠)」があり、さむらいが切り付けた刀傷が70数か所もあるのだそうです。
神苑の見どころは、化灯篭の他に、日枝神社(滋賀の【日吉大社】から勧請された)、神輿舎などがあります。
神輿舎と神輿。両方とも重要文化財です。
朋友神社(みともじんじゃ)、重要文化財です。
御祭神はスクナビコナノカミ。オオナムチ(大国主)と共に国土の形成にかかわった神様で、学問・知恵の神様でもあります。
隣には大黒殿がありました。
大国殿のそばには「 運だめし の輪投げ」。
3つの輪を投げ、一つでも入ったら「運がいい」とするもので、無料でできます(ただし神苑への入園料大人200円必要)。
二荒霊泉(ふたられいせん)。無料で飲めます。
持ち帰りたい方は、空のボトルを持参して行きましょう。ボトルを持っていない方は300円で買えます。
二荒霊泉の隣に、日光銭洗所。
この湧き水でお金を洗うと、幸運を授かれるそうです。
洗ったお金を収納するお守り袋が300円で買えます。
日光山の二社一寺(二荒山神社、東照宮、輪王寺)の中で、一番古いのに一番地味な日光二荒山神社ですが(後からできた【日光東照宮】が豪華すぎるのです・・・)、男体山山頂にある奥宮や、中禅寺湖のほとりにある中宮祠などを含めた、広大な神域を持っています。
以前取り上げた、【いろは坂】や【中禅寺湖、華厳の滝】も神域で、日光二荒山神社の神域総面積は3,400haにも及び、伊勢神宮の神域に次ぐ面積を誇るそうです。
次は、三代将軍の徳川家光(いえみつ)のお墓がある、輪王寺大猷院(りんのうじたいゆういん)を紹介します。
日光二荒山神社のすぐ隣です。(次が最後の記事です)
前回の【日光二荒山神社】からの続きで、栃木県日光市の二泊三日旅行の紹介です。 【鬼怒川温泉街散策】から始まった旅行も、これで最後です。 →→栃木県日光市旅行記の行程こちら・・・公共交通機関を利用して、二泊三日で9ヵ所まわりました。 […]
(この旅行記は2011年です)
関連記事
→→2011年・GW 栃木県日光市二泊三日旅行の行程・・・この旅行の行程まとめ。
●日光の観光記事です。
→→【明智平ロープウェイ】 中禅寺湖と華厳の滝を望む日光一の展望所! 日光駅から路線バスで、第二いろは坂を通る・・・明智平、いろは坂も、日光二荒山神社の神域。
→→【中禅寺湖、華厳の滝】 大昔に男体山の噴火により作られた湖と滝。中禅寺湖は日本一標高の高い自然湖・・・ここも日光二荒山神社の神域。
→→【日光山観光①】 輪王寺三仏堂、日光東照宮の陽明門や三猿など見どころたくさん。家康の墓の謎・・・日光二荒山神社の右隣は、家康が祭神の東照宮です。
●栃木県で有名なもう一つの二荒山神社。
→→【宇都宮二荒山神社(うつのみやふたあらやまじんじゃ)】 平将門を討つ霊剣を与えた神社・・・栃木県宇都宮市。宇都宮駅のすぐ近くにある二荒山神社です。
交通アクセス
私達は日光駅から路線バスに乗り、「神橋バス停」で下車して、日光山輪王寺、日光東照宮、日光二荒山神社、輪王寺大猷院と、徒歩で巡りました。日光駅(JRでも東武でもOK)から神橋バス停までは、1.7km、運賃は200円です。
→東武バスHPはこちら
公共交通機関で便利なのは、JR日光駅(1Aのりば)・東武日光駅(2Cのりば)から出ている「世界遺産バス」です。小判型のフリーパスで、1日に何回でも乗り降り自由、大人500円(小児半額)。一時間に三本ほど運行。
→世界遺産バスはこちらでご覧ください。
輪王寺の最寄りバス停は、勝道上人像前で下車、徒歩7分。
日光東照宮へは、表参道バス停で下車、徒歩8分。
日光二荒山神社へは、大猷院・二荒山神社前バス停で下車し、徒歩15分です。
あまり歩きたくない方は、世界遺産バスを利用して最寄りのバス停留所で下車すると良いと思います。
車で行く場合、200台停められる有料駐車場があり、普通車は一日600円。
料金
日光二荒山神社は無料です。
本社神苑入園は有料で、大人200円、子供100円です。
近くの宿泊施設
日光温泉 日光 星の宿。日光駅から車で1.8km、5分。神橋近く。