【皇居参観の見どころ】 一般参賀とは違うルートから入って宮内庁、長和殿等を見る

前回、皇居参観の申し込みや、当日の服装、受付までの流れを書いたので、その続きです。

散策記

 

皇居の桔梗門(ききょうもん)から入り、受け付けと持ち物検査をした後、参観開始まで窓明館(休所)で待ちます。

参観コースは2.2kmで、所要時間は1時間ほど。

お手洗いを済ませ、売店での買い物をしていると、「そろそろ出発します」と声がかかりました。

 

 

 

窓明館(休所)から出て、元枢密院庁舎前で、ガイドさんのお話を聞きます。

「本日は良い天気で良かったですね。前日は冷たい雨が降っていました」

と、まずはお天気から入りました。

次に、

「これから参観に行きます。途中、気が急いて先へ先へ行ってしまう方がいるんですけれども、私を追い越して、先を歩かないでください」

「集団で移動しますので、前の方に続いてお進みください。写真をゆっくり撮りたい方は、前列の方に来てください」

といった注意事項を聞きます。

 

前回も書きましたが、参観列の前後にガイドさんがいて見学者を誘導するので、コースから外れたり、遅れたり、戻ったり…といった自由行動はできません。

 

説明を近くで聞きたい方、写真を撮りながら進みたい方は、後列ではなく前列に集まりましょう。

 

では、参観スタート。

一番最初の解説は、桔梗門横の石垣のマークでした。

皇居は江戸城だったところなので、石垣には各藩が紋を刻んだ石があるようです。

「 丸に十」は島津家の刻印石です。島津と言えば、倒幕の中心ですね。

昭和天皇の皇后香淳皇后は島津忠義の七女の娘なので、平成の天皇陛下の母方の祖母は島津家の方。

さらに、平成の天皇陛下の妹の清宮貴子内親も島津家に降嫁しており、皇室と島津家は深い縁戚関係にあるそうです。

 

 

次は富士見櫓(ふじみやぐら)。

 

 

前回も貼りましたが、大手門と桔梗門の間にある「桔梗堀」から見た写真をもう一度下に貼ります。

奥に小さく見えるのが富士見櫓です。

富士見櫓は、旧江戸城の本丸では現存する唯一の櫓です。

普段は遠くから見るしかないですが、一般参観では、

こんなに近くから見れます!

江戸城にはもともと天守閣がありましたが、明暦の大火(振袖火事)で焼失。富士見櫓も焼け落ちましたが、その二年後に再建されました。(天守閣は再建されなかった) しかし、関東大震災で倒壊したため、主要部材に元々の材料を用いて再建されたそうです。

石垣の高さは15m、櫓の高さは16mほど。

 

 

石垣は「築城の名手」とも言われる加藤清正により作られたそうです。加藤清正は、江戸城の他、熊本城、名古屋城の築城にもかかわりました。

 

富士見櫓はどこから見ても美しいので「八方正面の櫓」と呼ばれ、再建されることのなかった天守閣の代わりをつとめたそうです。

隣の東御苑では、天守台(天守閣があった台)に上がれますので、旧・江戸城本丸跡の記事でご覧ください。

 

 

次は宮内庁庁舎。

昭和10年に再建された建物で、戦後、昭和27年から昭和44年まで、三階を仮の宮殿として使用していたそうです。

明仁様(後の平成の天皇陛下)と美智子様の挙式パレードは、ここからスタートしたそうです。

 

 

テクテク歩き、宮殿東庭(長和殿前)へ向かう。

 

「上り坂ですので、足元に気を付けてお進みください」と、優しい声かけ。

 

 

長和殿の端にある大きな塔は「松の塔」といい、夜は点灯するそうです。

ギザギザ(松の葉)の間から光が漏れている様子は、さぞかし美しいでしょうね!

 

 

こちら、長和殿(ちょうわでん)。手前の広場は宮殿東庭。

長和殿は長さ160mと、宮殿の中で一番長い建物です。

その前に広がる宮殿東庭は、約2万人収容でき、下は巨大な駐車場になっているそうです。

 

 

「あっ、ここ、TVで見た!」とピンと来た方も多いのではないでしょうか。

新年と天皇誕生日の一般参賀は、ここで行われます。

長和殿中央バルコニーに両陛下と皇族の方々が立たれ、お手ふりをなさいます。

TVで見るとずいぶん高いところに立っておられる印象を持ちますが、下からの高さは3.4mしかないそうです。

思ったよりも低くて驚きました・・・。

「やんごとなきお方」ですので、ずいぶん高いところにいらっしゃるように見えてしまうのでしょうか。

 

それにしても皇紀2,678年はスゴイですね・・・。(仏教が入ってきたり、渡来民が大集団で渡ってきたり、地方豪族や武士の台頭があったり、南北朝に分かれたり、西洋文化の波が来たり・・・でさぞかし大変だったことでしょう)

 

松の塔から、白い石のラインが伸びていますが、これが一般参賀の最前列者が並ぶ境界線です。

 

 

一般参賀の最前列者は、この白い石を超えてはいけません。

3時間も4時間も待たないと立てないところに、一般参観者(皇居見学者)は待ち時間ゼロで立てます。

長和殿のバルコニーには誰もいませんが、一般参賀の最前列者は、両陛下や皇族の方々にかなり近寄れることに驚きます。

 

 

長和殿の左端。

ここもTVで見て「あ、知ってる!」と気づく方も多いのではないでしょうか。

各国の大統領、大使などが利用する玄関です。

 

 

ガイドさんの後ろに、二つの丸い小山が見えるでしょうか。

あそこはつつじなどが奇麗に咲き、職人が手作業で手入れしているのだそうです。

その下には、小川が流れており、大変奇麗なのだそうです。

 

塀の向こうに、宮殿、宮中三殿、庭園、両陛下がお住まいの御所があります。

 

 

次は、正門鉄橋へ。

正月と天皇誕生日の一般参賀者は、正門石橋→正門→正門鉄橋をわたって、先ほどの長和殿前の宮殿東庭に入ります。

皇居一般参観(皇居見学)は、長和殿前から正門鉄橋へ出るルート。

 

 

正門鉄橋から見た、正門石橋。

 

 

正門石橋は二つの美しいアーチで、良い記念撮影スポットになっています。

以前書いた旧・江戸城本丸跡(東御苑)の記事に、正門石橋前で撮った写真があるのでご覧ください。

 

鉄橋を渡る際、両端の段差は歩かない、砂利の上は歩かない、お堀に物を落とさないことにご注意ください。

 

 

正門鉄橋のランプと、伏見櫓(ふしみやぐら)。

最初に見たのは「富士見櫓」で、こちらは「伏見櫓」です。

富士見櫓は三重の櫓でしたが、伏見櫓は二重の櫓。三代将軍家光の時に、京都の伏見城から移築したといわれており、別名を「月見櫓」というそうです。

お堀から高いところにあるので、宝物類の保管に最適だそうで、現在でも使用されているそうです。

富士見櫓は関東大震災で崩れて復元されましたが、こちらは崩れずに残ったそうです。

 

伏見櫓を見たら、再び正門鉄橋を渡って、長和殿前に戻ります。

橋は大混雑。

皇居参観の人気ぶりがわかる一枚。

 

 

次は、長和殿の隣にある豊明殿(ほうめいでん)へ。

 

 

豊明殿は宮殿の中で最も広い部屋で、宮中晩さん会、天皇誕生日宴会の義、勲章・褒章受章者の拝謁等の場に使われるそうです。

 

 

テクテクと歩き、次の見どころはこちら。

ハートの刈り込みになっているそうです!

 

 

ハートの刈込の次は、この石垣。

この向こうに、御養蚕所があるそうです。

明治天皇の妃である昭憲皇太后から、養蚕は「皇后の役割」として代々伝わっており、毎年春から夏にかけて手作業で養蚕をされるそうです。

 

 

この通りは「山下通り」といい、春は桜、秋は紅葉で奇麗なのだそうです。

 

山下通りを進むと、春と秋のみ一般公開される乾(いぬい)通りに出ます。平成26年に天皇陛下の傘寿を記念して初めて公開され、大変好評であったため、毎年春と秋の二回、一般公開されているそうです。

「こちらも奇麗なので、歩きやすい靴で、またお越しください」とガイドさんがおっしゃっていました。

 

 

蓮池掘り。

名前の通り、夏季は蓮が美しいそうです。

日本武道館の擬宝珠(てっぺんの飾り)が見えました。

 

 

戻ってきました。最初の富士見櫓です。

そろそろ一般参観の終わりです・・・。

 

 

 

セキレイ発見!

天皇の祖先であるイザナギノミコト、イザナミノミコトに国生み(男女の和合)を教えた鳥です。

→→おのころ島神社の記事はこちら・・・淡路島。夫婦神が国生みをした「日本発祥の地」といわれる丘にあります。国生み神話について書きました。

 

 

最後にもう一度、富士見櫓を記念撮影して終わりです。

富士見櫓の後ろに笑う龍のような雲。皇居はパワースポットだそうです。(江戸城は風水を用いて作られたパワースポット)

富士山五合目の記事に書きましたが、宇宙からのエネルギーは富士山に下りて、地下で二つに分かれて伊勢と東京に流れているそうです。

自然が豊かなせいか、なんらかのパワーがあるのかわかりませんが、とても気持ちの良い所でした。

 

 

何より、初めて皇居の見学をして、とっても楽しかったですし、勉強になりました。

場所が場所だけに、もっと堅苦しいのかなぁと思いきや、ガイドさんがとても気さくで良かったです。

 

はるばる外国から見学に来られている方も多いので、興味を持たれた方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

 

日本の皇室は、王家として世界最古、最長の歴史を有しています。その長さゆえ、複雑で謎めいていますが、一日に2回、無料で皇居参観を催されているのは、やはり平和な世の中だからできることだなぁと思いました。

 

 

2019年5月1日、皇太子様が第126代新天皇に即位され、新元号「令和(レイワ)」となりました。

 

当たり前のことではありますが、「歴史の中に生きているなぁ・・・」と改めて思います。

 

 

ぜひ、皇居の一般参観に参加されてみてはいかがでしょうか。

→→皇居見学①の記事はこちら・・・皇居見学申し込み、見学当日の服装、お土産などについて書きました。

 

 

次は、申し込みも手荷物検査も不要の「皇居外苑の散歩」について書きます。二つのアーチが美しい「正面石橋」が見どころです。

次の記事はこちら

前回の続きで東京都千代田区にある「皇居(こうきょ)」を取り上げます。 皇居の一般参観終了後、外苑(がいえん)を散策しました。 散策記 旧江戸城をざっくり4つに分けました。 東御苑・・・簡単な手荷物検査[…]

 

(この散策記は2018年です)

 

関連記事

→→【皇居見学】 皇居見学申し込み、見学当日の服装、お土産など

→→旧・江戸城本丸跡(皇居東御苑・江戸城天守跡)。 江戸は結界で守られていた。・・・大手門から入ります。事前予約不要、無料。

→→明治神宮、清正井、宝物殿の記事はこちら・・・明治神宮の宝物殿では、歴代天皇の肖像画が見れます。築城の名手である加藤清正の井戸(パワースポットとして有名)があります。

→→【橿原神宮(かしはらじんぐう)】 初代天皇である神武天皇が即位した「日本のはじまりの地」・・・奈良県橿原市。

→→【熱田神宮(あつたじんぐう)】 三種の神器の一つ「草薙剣」が祀られている御宮。・・・愛知県名古屋市。

→→【伊勢神宮内宮】 私達は宇宙の法則の中で生きており、一人一人の中に神様がいる・・・三重県伊勢市。

→→【伊勢神宮外宮】 お伊勢参りは外宮から。外宮から内宮へのバスについて・・・三重県伊勢市。

料金

無料。
事前予約と、当日予約がありますので、詳細は皇居 参観案内をご覧下さい。

交通アクセス

参観受け付けは「桔梗門」です。
最寄駅は、東京駅、または大手町駅。

近くの宿泊施設

東京ステーションホテル。東京駅舎内のホテルです。

お得で便利な、旅の予約サイト

【必見書籍! 迫り来る大薬害の内部告発】