前回の続きです。
カーナビに「つつじ吊橋」と入力したのに通り過ぎて恋人の聖地まで行ってしまった私は、ユーターンして、那須高原駐車場に到着しました。
後ろに見える建物が、なす高原自然の家。
一緒に映っている青色のフィットが、今回の一人旅の相棒(もうすぐ夕方になるのに、まだ宿泊先を決めていなかった・・・。車中泊かな~と思っていた)
近くの地図を見ると、あれれ?
殺生石の近くに「つつじ吊橋駐車場」というのがあるではないですか。
どうしてカーナビはこっちになっちゃったんだろう。
まあ、いいや・・・。
プラッと見に行くだけだもんね、と思った私はズボンのポケットにアイフォンと財布だけ入れて、手ぶらでテクテク歩き出した。
旅行記
駐車場の端っこに、「つつじ吊橋入り口」の案内がたっていた。
ちょうど向こうから、60歳代のご夫婦がやってきたので、「つつじ吊橋までけっこう距離ありました?」とたずねると、「ええ、片道20分くらいかしらねぇ。でも、おねえさん若いから大丈夫よ~。私達はけっこう疲れちゃったけど・・・」とのこと。
若いと言っても、もう三十代半ばなんですけどね~アハハ~、だなんて笑いながら一人歩道へ下りた。
あ、綺麗な花。
つつじ♪
時刻は17時になろうとしていて、私はちょっと急いでいた。
今日中に藤城清治さんの美術館に行きたい! 最終入館時間は18時半までだから、あまりのんびりしていられないな・・・。
小走りしたいのに、この歩道が歩きにくい。
たくさんの砂利が敷き詰められた道で、一歩一歩進むごとに足がズリィ・・・ズリィ・・と滑る。
もうちょっと砂利減らしてくれませんかね・・・。
歩きにくい歩道をズリィ・・ズリィ・・・と微妙に滑りながら降りて行くと、道が二手に分かれました。
左に行くと、八幡南つつじ群落。
右に行くと、つつじ吊橋。
せっかく来たんだからつつじ群落を見て行きましょう、ということで左の道へ・・・。
おお、綺麗!
ちょっと見ごろを過ぎて、しおれてしまった花がたくさんついていましたが、大きなつつじの花に気分も明るくなりました。
やっぱりお花は良いですね~。
八幡南つつじ群落は、昔、牛馬が放牧されていた地区だそうです。
レンゲツツジやサラサドウダンが多く、見ごろは5月~6月。10月には紅葉も楽しめるそうです。
この南つつじ群落は一周20分程度です。
車を停めた那須高原駐車場から徒歩5分のところに、もう一つ「八幡つつじ群落」があるそうです。
八幡南つつじ群落は、一部がこんなふうに木の床になっています。
途中、いくつかのデッキとあずまや、展望台があるようでした。
一人手ぶらで、トコトコトコ・・・と木の道を歩くのですが、
ブゥーン、ブゥーン
と、私の周りをなにかの虫が飛んで、なかなか離れてくれないのです。
(ハエじゃないですよ!)
たぶん、ハチだと思うのですが、ブゥーン、ブゥーン・・・と、かなり執拗に私の頭の周りを飛ぶのです。
(ちょちょちょ、刺さないでよ・・・)
ハチ(?)から逃げるように、足早にトトトトトトトッと一人木の道を進む私。
その時、
ガサッ!
(クマッ!?)
つつじの茂みが大きく揺れた。
なぜかしら私はクマが居ると思って、ビクついてしまった・・・。(たぶん、数日前に川俣川東渓谷トレッキングでクマに注意と書いたので、その影響だと思う)
・・・・・・・足を止めて、キョロキョロ見回す。
な、な、な、何かいる・・・?
と、その時、またアイツがやってきた!
ブィ~~~~ン
(ああっ、もうイヤだっ。戻るっ!)
クルリと方向転換して、来た道をそそくさと戻った。
結局あの「ガサッ」が何だったのかわからないけれど(ひょっとしたら鳥だったんじゃないかと思う)、展望台を見ずにつつじ吊橋へ向かった。
つつじ吊橋に到着。
八幡南つつじ群落は人が居なかったのに、こちらは20人くらい人がいたのでちょっと安心。
つつじ吊橋は、八幡つつじ群落と殺生石とを結ぶ吊橋で、無補剛桁(むほごうけた)歩道吊橋として、那須県内で那須塩原市のもみじ谷大吊橋(320m)に次ぐ2番目に長い吊橋です。
川から橋の高さは38mで、栗山村の「瀬戸合峡わたらっしゃい吊橋」100mに次ぐ、二番目に高い吊橋なんだそうです。
昔はツル(かずら)で編みながら架けていたそうですが、現在は直径65mmのワイヤーケーブルで支え、体重70kgの人が560人乗っても耐えられる頑丈な作りになっているそうです。
吹流しで、風の強さを確認してから渡りましょう、と注意書きがありました。
風速5~10m/秒未満かな。
よし、渡ろう!
トコトコトコ・・・
真ん中に行くほど、揺れる揺れる揺れる・・・。
「わぁ~、けっこう揺れる~」
一人つぶやくけれど、相棒が誰も居ないので、返事が来ない。
ちょっと写真を撮ろう、と私はアイフォンをポケットから取り出して、下を撮影。
(お~、けっこう高いな~)
下をジーッと見ていたら、なぜかしらアイフォンを持っている手を、パーにしたくなった。
なぜだろう、両手をパーにしたくなったのです。
(あ、まずいまずい、なんだかアイフォン落としちゃいそ)
綱渡りをしているサーカス芸人の手が、パーになってフラフラ~とバランスをとるように、なぜかしら私も橋の上で両手をパーにしてフラフラ~とバランスをとりたくなってしまうのだから、不思議!
こんな風になるのは、私だけですかね???
とりあえず橋の真ん中まで渡ったし、もう良いや、てことでそのまま道を戻り、車に乗りこんだ私は藤城清治さんの美術館へ急いだのでした。
時刻は17時20分。
那須高原駐車場からつつじ吊橋まで、片道徒歩15分ほどとありましたが、早足でまわったせいか25分で終わりました。
関連記事
→→初めての女一人旅。私は疲れていたのだろうか・・・。思いつきで那須ステンドグラス美術館へ
交通アクセス
公共交通機関で行く場合、黒磯駅で電車を下車し、那須湯本行きのバスに乗車し、つつじ吊橋入り口で下車。
・那須線バス時刻表
那須・黒磯地区の2日間バス乗り放題券が、大人2600円で発売されているそうです。
・東野交通バスHP
前回から紹介している「きゅーびー号」は、恋人の聖地・つつじ吊橋には行きません。
那須湯本温泉で下車し、殺生石の脇にあるハイキングコースを通って徒歩で行くか、東野交通バスに乗ることになるかと思います。
・那須高原観光周遊バス「きゅーびー号」
一回乗車大人350円。一日フリーパス大人1000円。
車で行く場合、無料駐車場があります。
近くの宿泊施設
那須湯本温泉 雲海閣。那須湯本温泉バス停徒歩数分。
那須温泉 絶景一望閣。つつじ吊橋から2km。