前回からの続きで、奈良県吉野町の観光紹介です。
今日紹介するのは、世界遺産の「吉野水分(よしのみくまり)神社」です。別名を子守宮、子守明神とも言い、子授けの御利益があるそうです。
参拝記
吉野水分(よしのみくまり)神社は、吉野山奥部の上千本(かみせんぼん)にあります。
吉野水分神社辺りは道が結構細いですし、桜の時期~ゴールデンウィーク、紅葉の時期は交通規制されるので、訪れる前に交通情報などを調べて行きましょう。
公共交通機関で行く場合、近鉄吉野線吉野駅より吉野ロープウェイ乗り換え「吉野山」で下車し、吉野山駅からバスで二十数分の「【高城山(たかぎやま)展望台】」下車、徒歩15分。
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2022年春の交通規制図を貼っておきます。
交通規制時の吉野水分神社周辺マップ。
吉野山は桜の名所で有名ですが、大峯信仰登山の根拠地で修験道の霊場です。
霊場「吉野・大峯」と「【熊野三山】」を結ぶ修行の道は「大峯奥駈道(おおみねくがけみち)」と呼ばれ、今も修行が行われているそうです。
2004年7月、吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、ユネスコの世界遺産に認定されました。吉野山で世界遺産登録されているのは四か所です。
吉野水分(よしのみくまり)神社のすぐ横に、車が2台くらい停められそうな場所がありました。
拝観時間8時から16時で、4月のみ8時から17時まで。
吉野水分神社の創建年代は不詳。
楼門は重要文化財です。桃山時代の再建。
楼門を裏側から見たところ。
木彫りのフクロウ。
西行の像。
近くにある【金峯(きんぷ)神社】には西行庵がありましたし、吉野は西行が何度も足を運んだ地です。西行庵では3年暮らし、吉野の地を詠んだ歌は58首にもなるのだそう。
(かつて吉野山で、散った花の木の下で、その儚さに心を奪われたことがあったが、あの木が今年も美しい花をつけて、私を待っている気がする)
楼門をくぐって写真左に見えるのが回廊と拝殿、正面に幣殿。中庭を挟み、右のやや高い所に見えているのが三殿一棟造りの本殿。全て重要文化財です。
吉野水分神社の名前になっている水分(みくまり)とは「水配」の意味で、水を程よく田畑に配分する神様です。
吉野水分神社は、葛城水分神社・都祁水分神社・宇太水分神社と共に大和国四所水分社の一つとして水の神を祀り古くから信仰されてきましたが、「みくまり」が「みこもり」と訛り、「御子守り」として平安時代中期頃から「子守明神」「子守宮」と呼ばれるようになり、子授けの御利益があるそうです。
豊臣秀吉が文禄3年(1594年)に吉野の花見で【吉水院(現・吉水神社)】を本陣とし5日間滞在した際、ここを訪れて子授けを祈願したところ、霊験により淀殿(茶々)との間に男児(豊臣秀頼)を授かりました。秀吉の子どもについては以前、【豊国神社】の記事に書きましたのでご覧ください。秀頼は秀吉亡き後、徳川家康と大坂の陣で争い、母親の淀殿と共に【大阪城】で自刃した人物です。
吉野水分神社の社殿や楼門を再建したのは豊臣秀頼で、再建年は1604年~1605年とのこと。
三殿一棟造りの本殿。
主祭神は天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)。伊邪那岐神(イザナギノミコト)と伊邪那美神(イザナミノミコト)が産んだ河口や港の神である「速秋津日子命」と「速秋津比売命」の間に生まれた、農業用水を司る神です。
他に、天萬栲幡千幡比咩命、玉依姫命、天津彦火瓊瓊杵命、高皇産靈神、少名彦神、御子神も祀られています。
社宝として、鎌倉時代につくられた木造の玉依姫命(タマヨリヒメ)坐像あります。「日本第一の美女神像」で国宝ですが、非公開とのこと。タマヨリヒメは初代天皇である【神武天皇】の母親です。
以上で、奈良県吉野山の観光記事は終わりです。
私が訪れたのはゴールデンウィーク中で、交通規制がかけられていましたが、桜の見頃は終わっていたので、スムーズに回ることが出来ました。
桜の時期、紅葉の時期は混雑しますし、冬季は凍結する日もあるようなので、交通に注意してご参拝ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(この参拝記は2022年のものです)
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交通アクセス
吉野水分神社辺りは道が結構細いですし、桜の時期~ゴールデンウィーク、紅葉の時期は交通規制されるので、訪れる前に交通情報などを調べて行きましょう。
公共交通機関で行く場合、近鉄吉野線吉野駅より吉野ロープウェイ乗り換え「吉野山」で下車し、吉野山駅からバスで二十数分の「【高城山(たかぎやま)展望台】」下車、徒歩15分。