前回からの続きで、奈良県の「奈良公園」の紹介です。
近鉄奈良駅からテクテク歩いて、
と紹介して、若草山(わかくさやま)が奈良公園最後の記事です。
旅行記
若草山は、奈良公園の東端にあります。
「奈良駅から若草山にすぐに行きたいわっ」という方には、駅から遠いのでちょっと不便。
若草山へ公共交通機関で行く方は、土日祝日と観光シーズンに出ている「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」に乗り、バス停「若草山麓」で下車しましょう。料金は片道100円です。
私達のように、奈良公園の各所を観光して若草山に登る場合、【春日大社】か、【東大寺二月堂】の近くから上がれます。
徒歩で、若草山麓から山頂へ上る場合、入り口は2つあります。
北ゲート、南ゲート、どちらから入っても良いです。途中で合流します。
私達は、【東大寺二月堂】の後で若草山へ向かったので、北ゲートから入りました。
入山ゲート~山頂間は有料で、中学生以上の大人150円、三歳以上80円です。
注意点として、若草山には「開山期間」があり、3月第3土曜日から12月第2日曜日まで、開山時間は9時から17時まで。
これ以外の期間、北・南ゲートから山頂へ上がれませんので、ご注意を。
一年中、若草山の山頂へ上れるのは「春日山遊歩道」です。
地図の水色の点々がついた灰色コースが、「春日山遊歩道」で、入山料なしで若草山山頂へ上れます。
車で若草山山頂に行く場合、有料の新若草山ドライブウェイ(2018年現在、往復520円)で一気に上がります。山頂の駐車場は45台停められ、無料です。
麓の北ゲート、南ゲートから徒歩で山頂に上がる場合、開山期間中・営業時間内に限りますが、春日山遊歩道経由で上る場合と、新若草山ドライブウェイで上る場合、時期に関係なくいつでも上がることができます。若草山山頂からの夜景は奇麗なのだそうです。(ドライブウェイの営業時間は8時から23時まで。12月1日から3月15日までは22時で営業終了)
では、北ゲートから徒歩で山頂へ向かいましょう。
ゲートから山頂までは、徒歩で30分~40分位かかります。
標高342mの小さい山ですが、近鉄奈良駅からテクテク歩いて各所を巡った最後にハイキング。
小さい山だから大丈夫でしょ、と思ったのですが、けっこう勾配がキツイ山でした。
若草山の勾配。
雰囲気が伝わるかな?
若草山は、一部にしか木が生えておらず、ほぼ芝だらけ。
この芝は、日本固有の芝「ノシバ」だそうで、近畿では若草山付近が唯一の自生地とされています。
ノシバは、鹿にモグモグ食べられることで、鹿の体内で堅い殻を溶かして発芽の準備を整え、糞と共に排出されることで各地に育つというサイクルをとっています。
若草山の芝には、鹿が必須!
レジャーシートを広げて休憩する人もいましたが、鹿が芝を食べて糞をするので、斜面はけっこう糞だらけです。
鹿の糞は、小さな球状。ぽろぽろうんこ。(あんまり臭わない)
若草山は、麓から見ると一つの山に見えますが、ポン・ポン・ポンと三つのコブ状になっており、一重目、二重目、三重目(山頂)となっています。
ちょっとだけ若草山を登ってみました。
少し上るだけで、奈良市街を見下ろせます。
中央右側にピョコリと頭を出している高いお堂は、東大寺大仏殿(奈良の大仏)です。
若草山をテクテク上り、一重目への途中に撮った写真。
この後、鹿が木の皮を食べ、「へー、鹿って木の皮を食べるんやぁ」と、驚きました。
鹿は、木の皮をはいで食べるだけではなく苗木も食べ、日本中の山で問題になっています。
若草山の南・東側には、1,000年以上伐採を禁じられてきた「春日山原始林」があります。ここは、【春日(かすが)大社】】の神域で、国の特別天然記念物、世界遺産に登録されているのですが、鹿が苗木を食べることで後継木が育たず、鹿が食べない外来種の木ばかり増えていくという問題が起こっているようです。
一重目へ向かう途中の林。木陰が涼しかったです。
春日山原始林にも行ってみたかったなぁ。(樹々を楽しみたい方は、春日山遊歩道が良いかも)
ちなみに南ゲートから入山した場合、このような林はなく、ずっと見晴らしが良いそうです。
若草山一重目に到着。
一重目からの眺め。
ここまでの傾斜がなかなかしんどかった。
麓からは15分くらいかかりました。
フーフー。けっこう疲れてきた。
これを上ると、二重目です。
二重目からの眺め。
【東大寺大仏殿(奈良の大仏)】が、あんなに下に見えます。
鹿発見。
尾根を歩く人たちが良く見える。
山頂までは、もう少しです。
ついに、若草山三重目(山頂)に到着!
山頂にも、たくさんの鹿がいました。
【春日大社】の記事にも書きましたが、奈良公園の鹿は、春日大社の神使であり、天然記念物に指定されています。
2023年1月末のニュース番組で放送していましたが、奈良公園の鹿は独自の遺伝子型を持つ特別な鹿だということがわかったそうです。
若草山山頂には、5世紀ごろに造られた、全長103mの鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)がありますので、ぜひご覧ください。
三重目からの眺め。(11月の夕方です)
「昔はどんな景色だったんだろう」と思う。
しばらく若草山山頂から古都奈良を眺めた後、下りました。
ススキの穂が輝いて、美しかった・・・。
秋の心地よい風に吹かれ、汗ばんだ肌もすぐに乾燥。
朝から夕方まで歩いて、足が疲れてきました・・・。
上りはしんどいけれども、下りはヒザにくる。
行きは北ゲートから入ったので、帰りは別ルートにしようということで、南ゲートから出ることにしました。
写真ではいまいち雰囲気が伝わりませんが、ものすごい下り坂でビビる。
「おおおおおぉぉ、なんじゃこりゃ~~! 転がったらおむすびコロリンやでぇぇぇ」
とかなんとか言って、夫と手をつなぎながら下りました。
とても楽しいハイキングだったので、ぜひ開山期間中の営業時間内に、若草山へ訪れてみてはいかがでしょうか♪
若草山は、毎年1月第4土曜日(点火不能な時は翌日へ順延)の午後6時頃に、伝統行事「山焼き」をします。
【春日大社】の聖火を野上神社で祈願して点火し、33haを20分くらいかけて焼く、奈良の風物詩です。
この日は、昼頃から鹿せんべい飛ばし大会などのイベントもあり、楽しめるようです。
いつか、若草山の山焼きを見たいなぁ・・・。
見所の多い奈良公園ですが、朝から夕方まで、一気に五か所くらい回れるので、お出かけしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
(この旅行記は2006年です)
関連記事
→→【東大寺二月堂】の記事はこちら・・・若草山北ゲートに近いです。お水取りで有名。
→→【春日大社】の記事はこちら・・・若草山南ゲートに近いです。奈良公園の鹿は、春日大社の神使です。
→→【東大寺大仏殿(奈良の大仏)】の記事はこちら・・・奈良観光の定番スポット! 国宝で世界遺産。奈良の大仏が作られたワケとは・・・
交通アクセス
公共交通機関、徒歩で上る場合
公共交通機関で行く場合、土日祝日と観光シーズンに限り、ぐるっとバス(奈良公園ルート)という、観光客向けの路線バスが出ます。片道100円で、「若草山麓」バス停で下車。
→→ぐるっとバスHP
若草山への入山は、二月堂の南にある北ゲートか、春日大社の北にある南ゲートからです。(入山期間は3月第3土曜日から12月第2日曜日。開山時間は9時から17時まで。有料です)
また、春日山遊歩道からも山頂へ上がれます。こちらは無料で、年中入山可能です。
車で上る場合
車で行く場合、有料の新若草山ドライブウェイで山頂の駐車場へ。(こちらも年中入山可能)
→奈良奥山ドライブウェイHP・・・2018年の料金では、若草山山頂へは往復520円。営業時間は8時から23時まで。12月1日から3月15日までは22時で営業終了。
若草山山頂駐車場は45台停められ、駐車料金は無料です。
料金
北ゲート・南ゲートから入山した場合、中学生以上の大人150円、三歳以上80円です。(入山期間は3月第3土曜日から12月第2日曜日。開山時間は9時から17時まで)
車で行く場合、有料道路料金代(2018年の料金では、往復520円)のみで山頂へ行けます。(二重目手前に料金所があるので、そこまでなら入山料金はかからない)
近くの宿泊施設
古都の宿 むさし野。若草山南ゲートのすぐ近くです。