岩手県の観光紹介の途中ですが、防災館(東京都立川市)の記事を挟ませてください。
先日、巨大な太陽フレアが発生した影響なのかどうかわかりませんが、地震が増えているようです。
9月7日にはメキシコ南部沖でM8.1の地震、さらに19日にはM7.1の地震が発生し多数の死傷者が出ました。その二日後の21日には、バヌアツでM6.4の地震が発生しました。
メキシコもバヌアツも日本も、環太平洋火山帯(Ring of Fire)に属しており、特にバヌアツで地震が起こった後は、日本でも地震が起こりやすく、「バヌアツの法則」と呼ばれているそうです。
この週末は、自宅の備えを見直して、「ちょっと足りないなー」と思ったら買い足しておきましょう。
防災館の職員さんが教えてくれた「負担の少ない備蓄」についても書きます。
見学記
立川防災館は、立川消防署の隣にあります。
入館料は無料。
「〇〇県 防災館」で調べると、住まいの近くの防災館が出てくると思うので、一度検索してみてください。
東京都内には、押上駅近くの「本所防災館」の他、池袋防災館と立川防災館の3か所があります。
一番大きいのは本所防災館。
私達は川崎市多摩区に住んでいるので、立川防災館に行きました。こちらの施設は、2016年春に一部リニューアルし、とても奇麗でしたし、子供が喜ぶゲームがいくつかあります。
顔出しパネルよりも豪華な、顔出しフィギュア。
入館したら、窓口で住所と人数を紙に書きます。
体験コーナーは、地震、煙、消火、救護、防災シアターの5つで、窓口で申し込まないと体験できません。
私たちは、家族みんなで地震、煙、防災シアターを申し込みました。
消火体験は小学4年生以上、救護は小学5年生(6年生以上だったかな?)じゃないとできないようです。
救護体験は自動車学校でやったので、申し込みませんでした。
個人で行く場合予約不要で行けますが、10人以上のグループや自治体・事業所などの団体は事前に申し込まないと見学できないようです。
私たちは9月半ばの土曜日、昼過ぎに訪れましたが、すべて体験することができました。外国人の団体(40人くらいいたかも)と、養護学校の生徒さんの他、個人で来られた様々な年代の方がいました。
各体験は、このような個室の中で行われます。
煙、地震、防災シアターは一階で、消火と救護は二階です。
まず最初に体験したのが煙体験。
初めにムービーを見て、説明を聞いてから、グループ(家族)単位で煙部屋に入ります。
本物の煙は黒くて熱くて有毒ですが、こちらは体に無害な白い煙で、バニラエッセンスのようなニオイがしました。
ハンカチやタオルを口に当てて、腰をかがめて進みます。
息子の隣の明かりが、火元。
これが本物の火なら、暑くて近寄れませんし、煙が黒いので何も見えないでしょうね・・・。
煙体験マップ。
いくつか扉があり、正解の扉を押してゴールを目指します。
私達家族の前に、お母さんと小学生の娘さんが入ったのですが、中で娘さんがパニックを起こしてしまったようで、泣いてしまいました。
子供と一緒に入る時は手をつないで、親が先頭を行くと良いでしょう。
建物火災での死因のトップは、火傷ではなく一酸化炭素中毒です。
煙に含まれる一酸化炭素(CO)は、体内に取り込まれると、 酸素が赤血球に結合しようとする力の約 200 倍以上の力で赤血球と結合してしまうため、体内が酸欠になり動けなくなります。
煙を吸わないようにとにかく低い姿勢で、口にタオルを当てて避難すること、エレベーターを使わないことが大切だそうです。
避難する時は「おかしも」を守りましょう。
かけない(走らない)
しゃべらない
もどらない
煙体験でドキドキした後は、地震体験。
こちらもグループごとでの体験でした。
子供と一緒に体験する場合は、震度6まで。
最後は中学生以上の大人だけで震度7を体験したのですが、とても怖かったです。
この地震が突然起こったら、「キャーッ!!!」って叫ぶだろうと思います・・・。
2016年の熊本地震では、震度7の地震が2回起こり、二回目の地震で建物が倒壊し、死傷者がたくさん出ました。
一度、震度7を体験してください。
「家具の固定は必須である」ということがよくわかりますし、建物が食らうダメージもなんとなくわかります。
揺れが収まったら、机の下から出て、コンロを切る→ブレーカーを落とす→避難経路を確保する、の順に動いて体験終了です。
ブレーカーを落とす理由は、通電火災を覚えましょう!の記事に書いたので、ご覧ください。
通電火災を始め、電気関係の出火を防ぐなど対策を徹底すれば、地震後の火災による死者は20分の1に減らせるそうです。
防災館二階にあったパネル展示。大正の関東大震災全地域の図絵です。
関東大震災では木造住宅が密集する地域での火災が被害を大きくしたため、死者は10万人を超え(主に焼死)、200万人の人々が家を失いました。
図絵をよく見てほしいのですが、東京都心部が燃えていますね。
首都直下地震も、おそらくこれと似たような状況になるのではないか・・・と思います。
昔に比べてコンクリートの建物が増えましたが、下町は木造家屋が密集していますし、東京湾は工業地帯です。
火災ですべてを失ってはどうしようもありませんから逃げることに集中するとして、ぜひ食品と水の備蓄をしておきましょう。
防災館の職員さんは「都心部は人口が多いので、みんなに物資が行きわたらない。最低でも3日、もしくはそれ以上の備蓄をしておく。備蓄食品は値段が高いので、いつものお米袋+もう一袋余分に買っておく。水のケースならいつもよりも2ケース、3ケース多めに買っておく。成人で一日2.5リットルほどの水を消費します」と、おっしゃっていました。
ローリングストックについては、以前書いたので、お米などの備蓄の仕方をご覧ください。
家から食料が無くなった時、同じように品不足で困っている人に、「ごめんね、分けてもらいたいんだけど・・・」と言えるでしょうか。分けてもらえるでしょうか。
少なくとも、「自分の分は、自分で保管」です。
そのように蓄えている家庭が多ければ多いほど、津波や火災で食料はもちろん家を丸ごと失った人にも分けてあげられます。
まずは、自分の分は自分で蓄える!
川崎市報に載っていましたが、川崎市が用意している食料などの備蓄は全市民の約9%分だそうです。
これは建物が全壊・焼失し、住む家が無くなってしまうと想定される人数分。
・・・つまり、「家が残っているのなら、自分で何とかしなさいよ」ということです。
ぜひ、備えましょう!
腹ペコでぐったりした子供を見たくないなら、お父さん、お母さん、がんばって備蓄してください!
同じようにぐったりした友人・知人・ご近所さんを見たくないなら、「自分の分+いくらか余分」に備蓄しておきましょう!
また、近くの防災井戸などを調べましょう。
川崎市報では「最低三日、できれば一週間の備蓄」を呼びかけています。(我が家は節約したら1か月程もつ。トイレットペーパーは半年分の備蓄あり)
次に消火体験。
スクリーンに火が映し出されるので、水消火器で消します。
小学生の時、いたずらっ子が消火器を発射させたもんだから、「ブボー!」の爆発音と共に、いきなり廊下が粉で真っ白になって驚きましたが(掃除が大変そうだった。誤発射させた男の子は泣いていた)、今は水消火器が主流だそうです。
なぜかしら、お年寄り(男性)がけっこう体験していました。
水消火器は7kgもあって、重かったです。
一度使っておくと、もしもの時に慌てずに済みます。
東京防災学習コーナー。
子供用の防災図書もあります。
二階の子供ルームでは、ミニ消防車に乗りながら防災ムービーを見れます。
アスレチックでは靴を脱ぎ、幼児から目を離さないでおきましょう。
防災クイズ。
二階の防火ゲーム。
火炎魔王vsケスゾウ。これはけっこうおもしろくて、息子が楽しそうにプレイしていました。
一階の防災サバイバルクイズ。自分の顔が映し出されます。
無料でいろいろ体験できて、勉強になったし楽しかったです。
また機会があったら、押上駅近くの本所防災館に行こうと思います。←立川にはない「暴風雨体験コーナー」がある。
「こわい」
「不安だ」
「どうにかなるさ」
「その時考える」
ではなく、後悔しないためにも、今から家具を固定し、一週間分の水と食料を備えましょう。
一人一人が、助けられる側から、助ける側へ。
備えあればうれいなし。
(この見学記は2017年です)
関連記事
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→→防災のためには「まずは知ること」が大事。見やすいサイトの紹介
→→表層地盤の調査結果が、年内にインターネットで公開されます。地震の被害想定が従来よりも詳しくなります。
→→お米の備蓄の仕方・・・まずは自分の分を備えましょう。
→→野島断層保存館・・・阪神淡路大震災の活断層を、ありのまま保存しています。
→→野島断層メモリアルハウス。震度7の地震に耐えた強い家・・・阪神淡路大震災の経験者が、震災から学んだことについて書いています。
交通アクセス
立川駅前から、箱根ヶ崎駅東口生きバスに乗り、立川消防署で下車。
電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。
車で行く場合、無料駐車場があります。
料金について
無料です。
開館は午前9時00分から午後5時00分まで。
できるだけ動きやすい服装で行きましょう。サンダルやかかとの高い靴は、体験には向いていません。
近くの宿泊施設
ホテルメッツ立川。立川駅出てすぐ。