今日は長野県南佐久郡南牧村にある「国立天文台 野辺山(のべやま)宇宙電波観測所」を紹介します。
ここは、現在上映中の「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」の舞台の一つになったところで、日本の電波天文学の「聖地」とも言われています。
旅行記
国立天文台野辺山宇宙電波観測所に公共交通機関で行く場合、野辺山駅から徒歩20分。時期により、天文台行き南牧村無料シャトルバスがあるそうです。また、野辺山駅にはレンタサイクルがあるので自転車を利用するのも便利でしょう。
車で行く場合、無料の駐車場があります。
「野辺山(のべやま)」はあまり聞かない駅ですが、 【清里(きよさと)高原】にけっこう近いです。
私たちは2022年の夏休みに、清里でキャンプをした翌日、野辺山宇宙電波観測所に寄りました。
標高1,350mに位置するので、真夏でもそんなに暑くなかったです。
国立天文台野辺山宇宙電波観測所のマップ。黄色いコースが見学コースです。
見学は、毎日午前8時30分から午後5時まで。
入場無料です!
赤い点々の円で囲まれたエリアは、携帯電話禁止エリアです。
たくさん並ぶアンテナ。
まずは守衛所へ。
私たちが訪れた時はコロナ対策で、代表者一名がタブレットを操作して受付をしました。
先にも書きましたが、携帯電話禁止エリアがありますので、電源を切るか機内モードにしましょう!
人工的な電波はノイズになり観測を妨げてしまうので、ルールはきちんと守りましょう。
なぜこの野辺山に電波観測所が作られたのかというと、山に囲まれて人工的な電波が遮られ、ノイズが少ないためなのだそうです。最近はさまざまな人工電波の登場で、電波天文の観測はだんだん難しくなっているのだそうです。
野辺山ミリ波干渉計。
ケーブルでつないだ6台のアンテナ(それぞれのアンテナは直径10m)で同時に観測し、各アンテナが受信した電波を合成することにより、直径600mの電波望遠鏡と同じ解像力のシャープな電波写真を作り出すことができるのだそうです!
お~~、すごいですね!
完成したのは1982年。
2010年には干渉計としての運用を終え、この技術と経験はチリのアルマ望遠鏡に受け継がれているようです。
直径10mのアンテナ!
子供と比較して、その巨大さがわかるでしょうか。
これは裏から見たところ。
正面もカッコいいですが、後ろ姿もカッコいい。
ちなみにミリ波干渉計のすぐ近くにはレールが敷かれてあります。
これは6台のアンテナを、観測の目的に応じていろいろな組み合わせで並び替えるためのもの。
レールは東西南北それぞれの方向に約600mの長さがあります。
アンテナを設置するステーションは、レールに沿って30か所あり、3点の基礎でアンテナを支えます。
電波は地下の特別なケーブルを通り、観測室に運ばれる仕組みになっているそうです。
「ミリ波干渉計」も素晴らしいのですが、「45m電波望遠鏡」もすごい!
この二つは、野辺山電波観測所の見所です!
「ミリ波」と呼ばれる電波を観測できる電波望遠鏡では、世界最大級の口径!
私たちが訪れた時、アンテナは真上を向いていました。
現地で見ると圧巻の迫力なのですが、写真で伝わりきらないのが残念!
階段がアンテナの巨大さのサイズ比較になるでしょうか。
45m電波望遠鏡は1982年に完成しました。建設期間は5年。
通称「ヨンゴー」と呼ばれ、日本で初めて建設された大型電波望遠鏡です。アンテナの直径は45m、地上からの高さは約50m、重さは700トン。
干渉計は複数のアンテナをつないで観測しますが、こちらは単一鏡といって、ひとつのパラボラ面で観測する望遠鏡です。パラボラの直径が大きいほど解像度が高くなります。
100GHz(ギガヘルツ)帯の望遠鏡として世界最大の座を34年間も守り抜き、国内外の研究者が世界トップレベルの研究をしました。
まだまだ現役で活躍している望遠鏡です。
建設費用は、1982年当時、「最も高額な科学プロジェクト」ともいわれ約50億円もかかったそうです。
この電波望遠鏡を動かすには、みんなの家の電力の約400倍必要なのだとか!
太陽、星、銀河だけでなく、漂うガスも電波を出しています。
光学望遠鏡だけでなく、電波望遠鏡で観測すると、何もないと思われていたところにガスがあることがわかったりするようです。
電波は宇宙からのメッセージ♪
観測棟に一般人は入れません。
中はどうなっているんだろう????
ヨンゴーの近くには「ミニアンテナで宇宙からの電波をキャッチしよう」という体験コーナーがあります。
直径80cmのアンテナが84台並んだ「電波へリオグラフ」。
乃木坂46の「新しい世界」のミュージックビデオロケ地です。
「パラボラでお話ししよう」は個人的にとても面白かったので、ぜひ挑戦してほしいです。
20mくらい離れているのですが、ばっちり聞こえます!
大きな声、普通の声、ささやき声などで実験すると楽しいです♪
ちょっと脱線しますが、パラボラアンテナのような顔のメンフクロウ。
さぞかし良く聞こえるでしょうね~~~。
続いて、近くにある「ベジタボール・ウィズ」に行きました。
八ヶ岳・野辺山高原のプラネタリウム、星と宇宙の体験アトラクション施設で、営業時間は8:30~17:00。
5月~9月は無休、10月~4月は毎週月曜日が休みです。
プラネタリウムは事前に公式HPで番組をチェックしましょう。
グローブシアター(ドーム型シアター)。
最大収容人数は125名で、大人700円、小・中学生350円の料金がかかります。
2025年6月現在、「名探偵コナン 閃光の宇宙船」と、「季節の星空めぐり・バーチャル宇宙旅行」を上映しています。
私たちが訪れた2022年は写真にあるように、野菜が登場して、何かをする話でした(・・・内容は忘れた)。
奇麗で広いドーム型シアターだったのですが、私たち家族の貸し切り上映でした。
フライトシミュレーター「MAP-S」。
航空会社が実際に使用しているフライトシミュレータで、野辺山周辺の地域をゲーム感覚で遊覧飛行できます。
大人500円、小・中学生300円の料金がかかります。
アンテナの展示もあります。
すごく美しいオーロラ!
まるでフェニックス!
この壁に、
「熊出没注意! 熊の目撃情報がありました。この裏に潜んでいるかも? そっとのぞいてください」
と張り紙があったので、裏をのぞくと体重175kgのツキノワグマの毛皮(頭部はく製付き)がありました。
昭和61年10月に畑でトウモロコシをあさっていた熊で、猟友会に仕留められ、寄贈されたそうです。
「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」の聖地巡りとしても、天体に興味のある方も、夏休みの自由研究にも、写真映えスポットとしても、とても素敵なところだったので、ぜひ訪れてください。
また、国立天文台の本部は東京都三鷹市にあります。こちらの記事もご覧ください。
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(この旅行記は2022年のものです)
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交通アクセス
国立天文台野辺山宇宙電波観測所に公共交通機関で行く場合、野辺山駅から徒歩20分。時期により、天文台行き南牧村無料シャトルバスがあるそうです。また、野辺山駅にはレンタサイクルがあるので自転車を利用するのも便利でしょう。
車で行く場合、無料の駐車場があります。
料金
無料。
見学は、毎日午前8時30分から午後5時まで。