「モアナと伝説の海」感想とネタバレ。 葛藤だらけの大人に見てほしい作品

二つ前の記事で、「君の名は。」の感想を書きました。

 

次は、「モアナと伝説の海」の感想を書きます。

 

これはですねぇ・・・、見たほうが良いですよ。
「君の名は。」と同じく、スピリチュアル映画かも・・・と思いました。

 

 


予告編はこちら。

音楽が素敵で、映像も綺麗。

 

 

ネタバレしない程度に、あらすじをざっくり言います。

はじまりは海しかなく、そこへ母なる女神島が現れました。

女神の名前は、「テ・フィティ」。
命の女神。

テ・フィティの心は驚くべき力を秘めており、命を生み出すことが出来ました。

ある日、「マウイ」という半分人間で半分神様の男が、強力な力を持つテ・フィティの心を盗みます。

心を失ったテ・フィティは崩れ、闇が生まれました。

マウイは鳥に化け、テ・フィティの心を持って逃げますが、大地と炎の悪魔「テ・カァ」が現れ、叩き落されます。

テ・フィティの心は海の底へ沈みました。

それから千年たちますが、テ・カァと海の魔物達は、未だにテ・フィティの心を探しています。

女神の心が無いため、闇はどんどん広がり、魚達はいなくなり、ヤシの樹は枯れていきます。

幼い頃に海がめの子供を逃がしてあげた「モアナ」というモトゥヌイの村長の娘は、海に選ばれ、父親が反対する中、テ・フィティの心を元の場所へ戻す旅に出るのでした。

 

 

 

・・・と、こんな話です。

 

 

たまたま息子とNHK教育TVの「Rの法則」を見ていたら、モアナと伝説の海について放送しており、製作者が、

 

「今はみんな、流れに従うように生きている。けれども、自分のやりたいことを、勇気を持ってやりなさい、というメッセージを映画にこめた」

 

 

のようなことをおっしゃり、「おもしろそうだから、息子と見に行こう」と思ったのでした。

 

 

 

ちょうどこの数日前に、沖縄の天描画家大城清太さんの講演会を聞いており、
「みんなそれぞれ役割を持っている。好きなことが、その人の役割なんだよ」
ということを聞いていたので、「大多数の流れに従うのではなく、自分の個性のまま自由に生きる。勇気を持って行動する」というところに、ピンと来たのでした。

 

 

感想をザックリ言いますが、この映画は、泣ける・・・。

 

 

困難があっても立ち向かうモアナ、見守ってくれる優しいおばあちゃん、高慢ちきのようで繊細なマウイ。

 

登場人物が、とても愛しいです。

 

 

私の後ろに座っていた男性が、後半のほうで泣き、鑑賞後、彼女に「年をとると涙もろくなるね」と言っていましたが、これは子供よりも、大人が泣く話です。

 

  • あなたはどうしたいの
  • あなたはどれを選び、何をするの

それを問いかけるような映画でした。

 

 

本編の前に、「インナー・ワーキング」という短編映画も上映されるのですが、これも、

・あなたはどうしたいの
・あなたはどれを選び、なにをするの

と、問いかける話でした。

 

 


頭で生きる?

 


心で生きる?

 


どうする?

 

ホントは、どうしたいの?

 

 

 

短編も、本編も、そのように問いかけているようでした。

 

「大人のほうが泣ける」のは、子供よりも大人のほうが、葛藤が大きいからです。

 

 

子供はわりと素直に生きていますが、大人ほど自分を苦しめながら生きている生物はいないと思います。

 

 

 

「本当の、あなたになって」

 

 



優しい優しい映画でした。

 

で、ここからが、ネタバレ&私の勝手なアレヤコレを書いているので、話を知りたくない方は、ここから先は見ないほうが良いです。



(ここから、ネタバレあり)





海から「テ・フィティ」の心を託されたモアナは、さんご礁の向こう側へ旅立ち、テ・フィティの心を戻す旅に出ようとしますが、村長である父親が反対します。

父も若いころは、さんご礁の向こう側へ冒険しようと思ったのですが、波に襲われ船は沈没し、友達が死んでしまったのでした。

お父さんは、イジワルでモアナを止めていたのではなく、心底愛しており、心配しているからこそ、止めていたのです。

けれども旅立ちたいモアナ・・・。

 

そんな彼女の背中を押してくれたのは、祖母のタラおばあちゃんでした。

タラおばあちゃんは不思議な言動が多いため、島では変わり者と思われていますが、島の歴史や伝説に詳しく、モトゥヌイのご先祖様たちは遠い遠い昔、船に乗って、さんご礁の向こうからやってきたのだ、ということを教え、ご先祖様の船が保管されている場所へ、モアナを案内します。

 

(さんご礁の向こうには何があるの?)

 

モアナの興味は増すばかりでした。

モトゥヌイの島を出て冒険し、テ・フィティの心を戻したいのが本心ですが、モアナは村長の娘で次のリーダーであるため、村に残って人々を守らなくてはなりません。

モアナは葛藤で苦しみます。

島に残る?
海に出る?
どうする?

この葛藤が苦しいです。

 

島に残るのも、海に出るのも、大事な人を守るためです。

周りの人はみんな、海に出るのを反対しています。

理解者はおばあちゃんしかいません。

 

そんな時、タラおばあちゃんが倒れました。

モアナは決心します。

 

 

海に出て、テ・フィティの心を戻す!

 

誰にも告げずに、一人で夜の海に出ました。

 

 

さんご礁のあたりは波が荒く、行く手を阻みますが、タラおばあちゃんの魂が肉体を離れて輝くマンタとなり、モアナの船が外へ出るのを手伝います。(←このシーンがとっても感動的!)

モアナは、まず、テ・フィティの心を盗んだ「マウイ」を探しに行くことにしました。

彼は風と海をつかさどる半神半人。
神に与えられた釣り針で自然現象を操り、どんな生き物にも姿を変える変身の達人。
きっと、強力なパートナーになってくれることでしょう。

しかしマウイは、力の素である神の釣り針がないため、力を発揮できないでいました。
そこで、モアナとマウイは海底にいる光物大好きなヤドカリモンスター「タマトア」から、神の釣り針を取り返します。

半神半人「マウイ」・・・、テ・フィティの心を盗み、災いの元を作った男。

 

 

マウイはもともと人間の子供で、「要らない子」だと捨てられました。
そこを神様に拾われ、特別な力を与えられ、半神半人となったのでした。

人間は「与えられると喜ぶ生き物」なので、マウイは自分の力を使い、次々と人々に恩恵を与えます。

捨てられて寂しい思いをしたマウイは、人々に喜んでもらうことで、自分の心を満たしていたのでしょう。

テ・フィティの心を盗んだのも、その強力な恩恵を、「人間に与えるため」でした。

 

 

 

モアナとマウイは船を進め、テ・フィティの心を戻す女神の島へ向かいますが、それを阻むのが恐ろしい大地と炎の悪魔「テ・カァ」。

テ・カァの一撃を避けるため、マウイは神の釣り針を盾にし、二人ははじけ飛ばされました。

テ・カァから逃れたマウイとモアナ。

マウイの釣り針には、大きくヒビが入っていました。

「もう一撃食らうと、釣り針は壊れてしまう!」

神の釣り針を失いたくないマウイは、モアナと口論し、鳥に化けて飛び去ってしまいました。

 

 

一人残されたモアナは泣き、海に訴えます。

「どうして私を選んだの。きっと間違いよ。私じゃなかったんだわ」

 

 

するとおばあちゃんの魂が出てきて、

「おまえには、ちょっと荷が重すぎたんだね」

のようなことを言い、モアナの挫折をそのまま受け入れます。

海も、モアナの気持ちを尊重し、テ・フィティの心を受け取りました。

 

重い使命から解き放たれたモアナ。
これで仕事は無くなったのだから、島へ帰れます。

(本当にこれで良かったのか・・・)

モアナは、とっても強かった。

海へ飛び込み、沈んだテ・フィティの心を、自分の手でつかみ取ります。

「私が返しに行く」

 

 

それは、誰に頼まれたのでもなく、彼女が自分で選んだ道でした。

 

 

モアナは一人で、テ・カァに挑みます。

飛び去ったはずのマウイも戻ってきて、モアナに加勢してくれました。

あと一撃食らったら、神の釣り針は壊れてしまう、自分の強さが無くなる。
それを承知で、マウイはテ・カァの一撃を受け、大事な釣り針と引き換えにモアナを守りました。

 

テ・フィティの心を返したいモアナでしたが、不思議なことに女神の島はありませんでした。
戸惑うモアナ。

大地と炎の悪魔「テ・カァ」が、彼女を狙います。

その時、モアナは気づきました。
「テ・カァ」の胸元に、女神の刻印があることに。

女神の心を戻す場所は、大地と炎の悪魔「テ・カァ」だったのです。

モアナはテ・カァの元へ走り、女神の心を戻します。

「本当の、あなたになって」

女神の心を戻された大地と火の悪魔「テ・カァ」は、美しい命の女神「テ・フィティ」に戻りました。

マウイはテ・フィティから新しい神の釣り針を授けられ、モアナもまた島へ帰ります。

 

ここで、END。

 

 

・・・で、勝手な解釈をはさみますが、テ・フィティは海しかなかったところに現れた、母なる島の女神、命の女神です。
心を奪われ、大地と火の悪魔になりました。
心を元の場所に戻す手助けをしてくれたのは、「海=水」でした。

 

沖縄の天描画家の大城清太さんは講演会で、沖縄のカミンチュ(神人)と呼ばれていた祖母から聞いた話をしてくれましたが、
神 = カミ = 火水(カミ)
なのだそうです。

 

地球は内部にマントル(火)があり、表面の大半は海(水)です。

地球の構造はまさしく、「火水=神」なのです。

 

これは人間にも当てはまり、人間も内側に火があり、外を水が覆っているので、地球を小さくした姿が人間なのだそうです。

 

モアナの話に戻しますが、テ・カァ(火)の元へ、海(水)が導き、女神の心を戻して統合されることで、女神は元の姿にもどります。

火と水の統合、調和。

 

 

これはですねぇ、

火=赤
水=青

ですね。

 

私は心のバランスが崩れて、去年の5月に一人旅に出たのですが、ステンドグラス美術館で一目ぼれしたライトが、赤と青でした。

これを見て「バランスを表したようなランプだなー。私は赤(動)でいくべきか、青(静)でいくべきか・・・」と惹かれて購入しました。

 

 

みんな、火と水を持っているんだと思います。

 

 

火=赤=行動力=肉体
水=青=内観力=精神

 

 

自分の胸の内をしっかりと見つめ、行動に結びつける。

 

 

赤と青を混ぜると紫色になりますね。
紫色はスピリチュアルでは高貴な色で、高次元と繋がる第7チャクラの色でもあります。
まさしく、火水(カミ)の統合で、「本当の、自分になる」のではないでしょうか。

 

 

ところで、なんだか今の地球は、「火」の要素が強いんじゃないのかなぁと思いません?

 

地球・・・地震が増えて、火山活動が活発。(大地と火の悪魔、テ・カァ状態になろうとしている)

 

 

「人間は、地球を小さくした姿」と、沖縄の神人(カミンチュ)が言いましたが、人間も争いごとで心が揺れ、カッカと怒り、破壊しますね。(自分の周りの人間関係とか、どうですか。世界情勢なんかけっこうキツイですよね)

 

なんだか人間と地球がリンクしているように感じないでしょうか?

 

 

モアナと伝説の海は、「人間のために女神の心を盗んで、災いが増えた。心を、荒ぶるテ・カァに戻すことで調和が訪れた」話ですから、テ・カァ状態になろうとしている荒れる地球に、心を戻すのもまた、人間の役目なんでしょうね。

 

私の勝手な解釈ですが、女神テ・フィティはモアナと顔がそっくりです。

 

女神に心を戻す話は、私達一人一人が「本当の自分の心」を取り戻して行動し、統合・調和する話である、と解釈しました。

 

 

 

まず、人間一人一人が火水の統合・調和をし、自分にも、他人にも、地球にも、優しい生き方をする。

 

本当の、自分になる。

 

自分が「在る」ことの喜びに震える。

 

すると、何かしら変わるのでは・・・?

 

 

さあ、あなたはモアナと伝説の海を見て、どのようなことを思いますか?

 

興味を持った方は、ぜひ、見に行ってくださいね。

 

 

2017年9月23日追記・・・「地球を小さくしたのが人間」というのは、本当にそうかもしれません。

・人類の心臓のリズムが地球規模で同期している
・人間同士がお互い同期しているということだけでなく、人間は地球のエネルギーシステムと同期している
・太陽と地磁気活動の変化がヒトの神経系活動の変化と相関することを示す他の研究とも一致
・私たちは、太陽、地球、そして他のすべての人類といつも同期している

ということが、わかったそうです。

太陽と人間と地球の間に存在する永遠のシンクロ   In Deepさんより

 

 

 

 

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