【新海誠監督「星を追う子ども」を鑑賞】 死別はツライだろうと思う。それでも生きていくのだ・・・。

先日、DVDを借りに行った時、新海誠監督コーナーが出来ていたので、

・ほしのこえ
・雲のむこう、約束の場所
・秒速5センチメートル
・星を追う子ども
・言の葉の庭

を借りました。

 

 

「君の名は。」は映画館で観たので、これで新海誠監督の作品をとりあえず見たことになるのですが、なんというか、この方は、どうしようもない深い喪失感と孤独を抱えている方なのかなぁ・・・と思いました。(特に、ほしのこえと、秒速5センチメートル)

・ほしのこえ
・雲のむこう、約束の場所
・秒速5センチメートル
・星を追う子ども
・言の葉の庭

 

この中で、私が一番好きなのは、「星を追う子ども」でした。


→→あらすじはウィキペディアでご覧ください

 

 

この作品のキャッチコピーは、

それは「さよなら」をいうための旅

です。

 

 

人それぞれ、苦しみと悲しみがあるのでしょうが、いつの時代でも、どの国に生まれても、愛別離苦(親愛な人と別れるつらさ、苦しみ)はキツイ経験なのではないでしょうか。

中でも、突然訪れる「死別」はツライだろうと思います。

 

日本神話では、イザナミノミコトが死んでしまい、イザナギノミコトははるばる根の国(黄泉の国)へ行きましたし、その2神の子スサノオは「母に会いたい、根の国へ行きたい」と泣きます。

 

ギリシャ神話ではオルフェウスの物語が、これに似ているでしょうか。蛇に噛まれて死んだ妻エウリディケを取り戻しに、オルフェウスは冥界に行きます。

 

 

・・・まぁ、やっぱり、ツライでしょうね・・・。

 

 

これまで、たくさんの方が愛別離苦に耐えてきたように、私も耐えていくのでしょうけれど・・・。

 

 

作品のあらすじはウィキペディアで見て頂くとして、最後のセリフにグッときました。

 

シン「喪失を抱えて、なお生きろと聞こえた。それが人に与えられた呪いだ。」
アスナ「でもきっと、それは、祝福でもあるんだと思う。」

 

傷が癒えないうちは呪いだと思うだろうし、気持ちの整理がつくと祝福でもあると思うのでしょうね。

DVDにはオマケ映像が付いており、新海誠監督のメッセージを聞けました。

 

なにかの価値観を声高にさけぶのはやめようと思った。
善悪や、絆などのメッセージはなく、ただ「なにかを見せる」作品にしよう。
正しかろうが間違っていようが、わからなかろうが、必死に生きる姿を描こうと思った。
必死な姿を見て、観客が励まされれば良いと思った。
できるならば、だれかの一生の友達になるような作品になるようにしようと。
1人でも長くこの作品に付き合い、長く心に残ればうれしい。

 

 

 

私が心に残ったのは、森崎先生かなぁ。

彼は、外国で兵隊をしていた経歴の持ち主で、10年前に病弱だった妻「リサ」を亡くしました。
戦闘から帰ってきたら、妻が死んでいた・・・。

突然の別れはさぞかしショックだったでしょう。

それから彼は、アガルタのことを探る組織「アルカンジェリ」に所属します。

目的は唯一つ、妻をよみがえらせたい。

その執念は、もう恐ろしい~。

もう愛する妻のよみがえりしか見ていない。

 

・・・けどなぁ、森崎さん。
あなたは戦闘で、いろんな人の命を奪ったのでは・・・。
その人にも、大切な家族がいたのでは・・・。

 

 

なんというか、「人の業」を見たような気がしました。

 

正しかろうが間違っていようが、わからなかろうが、必死に生きる姿を描こうと思った。

 

ジブリに似てるなどの感想は置いといて、あなたは、どのキャラクターに魅力を感じましたか?

ちなみに、「アガルタ」はオカルト的伝説においてアジアのどこかにあるとされた地下都市だそうで、エドワード・スノーデンさんが「実在する」と言ったそうな。

 

 

 

星を追う子どもは、新海作品唯一の赤字作品なのだそうですが、私はとても面白いなーと思ったので、興味をもった方はぜひご覧ください。

 

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