二泊三日の愛知県・三重県旅行の二日目。
名古屋で一泊した私達は、翌日、三重県伊勢市に向かいました。
参拝記
伊勢神宮へ詣でる前に、まずは二見輿玉神社で禊をしてから参拝するのが習わしだそうです。
伊勢神宮は日本人の心のふるさとといわれ、「お伊勢さん」「大神宮様」とも呼ばれています。
正式名称は神宮といい、宇治の五十鈴(いすず)川の川上にある皇大神宮(内宮)と、山田原にある豊受大神宮(外宮)の両大神宮を中心として、14箇所の別宮、43箇所の摂社、24所の末社、42所の所管社があります。
「神宮」は、これら125の宮社の総称です。
内宮は「おかげ横丁」などがあり、大変にぎわっていますが、外宮参道は割と静かです。
外宮域内案内図。
表参道火除橋を過ぎたところにある第一鳥居。
外宮は左側を歩き、内宮は右側を歩くそうです。
ちょっとここで、参拝について手順をまとめておきます。
①鳥居をくぐるときに礼をする
②参道の真ん中は歩かない(神様が通ります)。参拝者は参道の端(伊勢神宮外宮は左側)を歩きましょう。
③手水舎で手と口を清める。
・右手で柄杓を取って水を汲んで、左手に水をかけて清める。
・左手に柄杓を持ちかえて、右手を清める。
・また右手に柄杓を持ちかえて、左の手のひらに水を受けます。その水で口をすすぎます。
・左手のひらに、もう一度水をかけて清める。
・使った柄杓を立てて起こし、柄の部分にスルスルッと水を伝わらせて綺麗にします。
・柄杓を元の位置に戻します。
④拝殿に行き、一礼する。
⑤鈴を鳴らす
⑥お賽銭を静かに入れる
⑦二礼二拍手一礼(二拝二拍手一拝)する。90度の礼をペコ・ペコ、パンパン・ペコです。
「ありがとうございます」と、神様に感謝をしてください。
神拝詞「祓え給い 清め給え かむながら 守り給い さきわえ給え」を三唱します。
参拝の仕方は神社さんによって違うそうですので、また調べてくださいね。
有名なのは出雲大社ですね。二拝四拍手一拝です。
⑧最後に鳥居を出てからも、一礼です。
お賽銭は5円だったり15円だったり・・・。
長野県の諏訪大社にお参りに行った際、ガイドの方から聞いたのですが、お賽銭で10円は良くないそうです。
10円=とおえん=遠縁だそうです。神様から遠くなっちゃうそうです。
ご縁がある、で5円。十分にご縁で15円。良い、にあわせて11円、41円。
第二鳥居を過ぎると、古殿地(こでんち)が見えてきます。
古殿地は、2013年(平成25年)に、式年遷宮が行われるまで、20年間正宮があったところです。
式年遷宮とは「定まった年にお宮をうつすこと」です。
690年の持統天皇の御代に内宮で始められ、その二年後に外宮で行われましたが、安土桃山時代の第41回式年遷宮から、内宮と外宮の式年遷宮を同じ年に揃えられました。
20年ごとに行われるので、2013年の式年遷宮は第62回目の開催となり、次は2033年ですね。
大掛かりな行事なので8年かけて準備され、その間に30ものお祭りが行われます。
式年遷宮は1300年間も続いているそうです。
御宮だけではなく、社殿の装飾品や神様の装飾品、神様に捧げる調度品など714種類、1576点はすべて20年に一度新しく整えられます。
古殿地の左隣に、現在の正宮(しょうぐう)があります。
とばり(白い幕)の向こう側は撮影禁止です。
立て替えられて、3年経った頃にお参りに行きました。
外宮の御祭神は、豊受大神(とようけのおおかみ)です。
内宮の御祭神である天照大神(あまてらすおおみかみ)の、お食事をつかさどる神様です。
食事の他に、私達が生きていくのに必要な衣・住に事欠くことのないようにお守りしてくださっているそうです。
伊勢神道(度会神道)では、豊受大神は始源神である天之御中主神・国常立神と同神であり、内宮よりも立場が上であるとしているそうです。
国常立神は、天地開闢の際に出現した神様です。
外宮は、内宮創建から500年後に作られました。
というのも、第21代の雄略(ゆうりゃく)天皇の夢枕に、天照大神が現れ、「私は1人なので毎日の食事に不自由しています。丹波(京都)にいる御饌の神である等由気大神(とゆけのおおかみ)をつかわしてほしい」と言われたからだそうです。
これ以降、現在も外宮の御饌殿(みけでん)で、毎日朝夕の二度、御飯、御水、御塩などを天照大御神に奉り、「国安かれ、民安かれ」との祈りと感謝を捧げるお祭り「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」が行われ、天照大神に食物が供えられているのだそうです。
1500年続いており、全て昔からの手法で作られた食材を用いるそうです。
御饌殿(みけでん)は、正宮の右奥にあります。
正宮の全体を見ることはできませんが、全体模型なら「せんぐう館」(有料)で見ることができます。
神宮では稲が芽吹き、稔るという稲作の周期と共に、年間1500回に及ぶお祭りがあるそうです。
正殿・古殿地近くにある三つ石。
正式には川原祓所(かわらはらいしょ)と言い、伊勢神宮の式年遷宮の時に、神宮祭主や奉仕員を祓い清める場所だそうです。
手をかざすと温かさを感じるらしいのですが、私は何も感じませんでした。
近くには、亀石という石もありますので、ぜひ探してみてくださいね。
伊勢神宮外宮は、境内別宮(わけみやの意味で、正宮に次ぎ尊い)として、風宮(かぜのみや)、土宮(つちのみや)、多賀宮(たかのみや)の3つの社があります。
少し離れたところに、月夜見宮(つきよみのみや)もあります。
三つの別宮の参拝順序は、多賀宮、土宮、風宮だそうです。
こちら、多賀宮。石段を98段登った丘の上にあります。
多賀宮は別宮の中でもっとも古く、祭神が、外宮の祭神の「豊受大御神の荒魂である豊受大御神荒魂(とようけのおおみかみのあらみたま)」であることから、4つの別宮の中で最高位とされるそうです。
ブルガリアのベラ・コチェフスカさんという霊能力者が、ここを参拝し、涙し、こう言ったそうです。
「人類はみな聖なる場所へ行って祈らなくてはならない。自分の精神のエコロジーのために、そして世界の平和のために・・・・・・・」
くわしくは、淺川嘉富さんのHPでご覧ください。
→多賀宮について 伊勢白ペディア・・・こちらのHPには、多賀宮に祀られている神様は「ヤハウェ」であると載っています。
ヤハウェ・・・ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神様ですね。日本には古代イスラエルから渡来した人々(秦氏など)がいるそうで、ヤハウェを祀っていたとしても何ら不思議ではありません。
秦氏は、イエス・キリスト直系の原始キリスト教徒の末裔で、日本各地に散らばり神社を建てました。赤い鳥居がズラーッと並んでいる京都の伏見稲荷大社(全国の稲荷神社の総本宮)も、秦氏が建てた神社です。稲荷神社は、原始キリスト教と関わりがある、とおっしゃっている方もいるようです。
仮に、外宮の神様がヤハウェだとして、世界中で同じ神様を信仰しているのにも関わらず、宗教でもめ事が多いのは、とても悲しいことですね。
いっそのこと「~派」など分かれず、一人一人が大宇宙の神様(創造主)を意識し、宗教リーダーの言葉を妄信せず、それぞれが悪行をせず善行をすれば良い・・・、そう思う私は無邪気なのでしょうか?
神様はどんな思いで私達を見守っているのでしょうね。
ハイ、外宮の話を進めますが、土宮は多賀宮に次いで古く、多賀宮・月夜見宮に次ぎ3位だそうです。土宮の祭神は、外宮所在地・山田の原の地主の神である大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)です。
風宮の祭神は、風雨を司る神とされる級長津彦命と級長戸辺命(しなつひこのみこと、しなとべのみこと)で、元寇襲来のさい、神風を起こし、日本を守ったそうです。
内宮にも風宮があります。
風宮。
別宮も、全て隣に古殿地があります。
境内には、巨木がたくさんあります。
なんと幹の太いこと・・・!
私は、パワースポットに立っても、何かを感じとることはできませんが、巨木からは溢れるような生命が見てとれます。
なんという木かわかりませんが、境内には二股・三股にわかれている木が多いです。
お参りの後は、せんぐう館へ。
中は資料館になっており、有料。館内での撮影は禁止です。
遷宮シアターでは、三つのお祭りの映像が流されていました。
私達は、塩の作り方だけを見ました。映像は長いので、三本全て見ると1時間少しかかるかと思います。
他に、遷御(せんぎょ)の義を再現した、渡御御列模型(とぎょぎょれつもけい)や、御装束神宝調整工程品、外宮殿社配置模型も見ました。
圧倒的に迫力があるのが、地下一階に建てられた、外宮の正殿を原寸大で再現したもの。
大人300円、子ども100円の入館料金がかかりますが、これはぜひ見ておいたほうが良いです。
オススメです。
10時、11時、12時、13時、14時、15時から、10分間職員さんが解説をしてくださります。(私たちが訪れた時のスケジュールですので、行く前にチェックしてください)
解説を聞いていたのですが、途中で1歳の長女がぐずり始めたため、場を外し、最後まで聞けませんでした。
子連れ旅行・・・楽しいんですけれど、こういうところが不便(>_<)
でも、子どもはいつまでもホギャホギャ泣いているわけじゃありません。毎日少しずつ大きくなって、大きくなって・・・、もう戻らないのです。
二度と、小さく、戻らない。
大きくなるばっかり。
自立に向けて、離れていくばかりなのです。
そう思うと、この途中退席も、やがては懐かしい、かけがえのない思い出になるのでしょうね・・・。
遷宮館は、また数年後に再訪したいと思います。
子どもを連れて入館すると、「数字で見る! 式年遷宮テキストブック」という、小さなガイドブックを無料でもらえます。
せんぐう館で、式年遷宮に関する資料を買えるかな・・・と思っていたのですが、売店等一切ないので、子ども対象の資料を頂けて、うれしかったです。
せんぐう館の資料を見るのは有料ですが、勾玉池に面した休憩所は無料で利用できます。
勾玉池は、明治22年9月に造られた池で、初夏には花菖蒲が咲き乱れ、中秋の名月(旧暦8月15日)には神宮観月会が催されるそうです。
この舞台で、ソプラノ歌手 野々村彩乃さんが国家斉唱しました。
君が代・・・「天皇の治世」を奉祝している、「祝福を受ける人の寿命」を歌っているなどのほか、ヘブライ語で読み解ける、言霊・音霊で解き明かせる・・・など、いろんなナゾがともなう、日本国民全てがかならず歌う歌ですね。
ヘブライ語説も面白いんですが、私は野々村さんの君が代をきいて、言霊説が一番しっくりきます。
目には見えないけれども、確かに存在している世界が、この世にはあるのだと思います。
この後、私達は表参道近くにある赤福・外宮前特設店で赤福とお茶をいただき(290円)、休憩しました。
内宮近くの赤福本店は混み合いますが、こちらは比較的空いています。
疲れを癒した後は、表参道近くのバス停から、内宮方面行きのバスに乗りました。大通りのわかりやすいところにバス停があるため、迷いません。
バス料金は大人430円で、ICカード利用が可能です。
外宮前から内宮前行きのバスは15分に1本出ているので、時計を気にしなくても良いです。
始発は7時台、終発は19時13分(か14分)です。
内宮までは10分ほどの乗車で、途中、猿田彦神社を通ります。
私達は外宮→内宮→猿田彦神社の順にお参りをしたので、次は内宮について紹介します。
関連記事
→→二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)と、夫婦岩の記事はこちら・・・伊勢詣では、正式には二見興玉神社→外宮→内宮の順となるようです。
→→猿田彦神社・佐瑠女神社。手塚治虫「火の鳥」登場人物、猿田のモデルとなった神様・・・外宮と内宮の途中にあります。お導きの神様です。
→→おはらい町、おかげ横丁。赤福本店と伊勢うどん。・・・内宮の門前町。
交通アクセス
遠方から行く場合、 名古屋駅で新幹線をおりて近鉄名古屋駅で近鉄名古屋線急行・宇治山田行に乗車し、伊勢市駅下車、徒歩約7分です。乗車時間は1時間48分。料金は1450円。
外宮までは土産物や飲食店の立ち並ぶ参道になっており、道に迷うことはありません。
他にも、近鉄特急を使った行き方や、JR線を使った行き方もあるので、ヤフー路線でお調べください。
車で行く場合、外宮周辺には駐車場がたくさんあります。
・外宮駐車場
フリー切符
近鉄電車を利用していく場合、まわりゃんせ、伊勢神宮参拝切符、近鉄週末フリーパスがあります。
・近鉄電車のお得な切符
三重でたくさん遊びたい方にオススメなのは、まわりゃんせです。
まわりゃんせを利用した三重旅行はまた後日紹介します。
JR東海を利用していく場合、伊勢路フリーきっぷと南紀・熊野古道フリーきっぷがあります。
伊勢・鳥羽地方の観光をする場合、伊勢二見周遊バスCANバスがあります。
一日フリー切符(1000円)と、二日間有効のフリー切符(1600円)があります。1日(1DAY)と2日(2DAYS)で一部フリー区間が異なります。
・CANバス
フリー切符を利用する際は、注意事項をよく読み、どの切符がお得か比較検討してください。
料金について
参拝は無料です。
参拝時間1~4月5:00~18:00、5~8月5:00~19:00、9月5:00~18:00、10~12月5:00~17:00
12月31日~1月5日まで終日参拝。
外宮の勾玉池近くにある「せんぐう館」は、大人300円、小中学生100円です。
開館時間は9時から16:30で、毎月第4火曜日が休館日です。
近くの宿泊施設
伊勢シティホテルアネックス。伊勢市駅から徒歩三分。小学生以下添い寝無料。