今日は千葉県市川市の謎スポット「八幡(やわた)の藪(やぶ)知らず」を紹介します。
参拝記
八幡の藪知らずは千葉県市川市にあり、最寄り駅はJR本八幡(もとやわた)駅か、京成八幡(やわた)駅で、駅から徒歩5分の距離です。
私がここを訪れたのは2019年でした。(前回紹介した、東京都の【将門の首塚】の前に訪れた)
タイトルに書きましたが、八幡の藪知らずは、
「足を踏み入れると二度と出てこられなくなる」
という、神隠しの伝承をもつ禁足地です。
JR本八幡駅(または京成八幡駅)から千葉街道(国道14号線)に出て、テクテクと東へ歩くと、歩道橋と竹藪が見えてきます。
あの竹藪が、八幡の藪知らずです。
もっさりとした竹藪(八幡の藪知らず)の隣は駐輪場。
駐輪場を利用しているどのくらいの人が「神隠し伝説」を知っているのでしょうか・・・(私なら、夜、ちょっとコワイですね)
まずは道路の反対側から、八幡の藪知らずを観察。
千葉街道沿いなので、人通りはすごく多いです。
JR本八幡駅と京成八幡駅に挟まれた好立地なのに、商業開発も宅地開発もされずに、竹藪がある・・・。
なんだか奇妙な空間ですね。
歩道橋を渡って、八幡の藪知らず側へ移動。
藪の広さは奥行き・幅ともに18メートルほど。
八幡の藪知らずは禁足地で、柵で囲まれているため入れませんが、不知森神社( しらずもりじんじゃ )は参拝可能。
八幡の藪知らずの伝承が書籍に載ったのは江戸時代ですが、それ以前から「神隠し伝説」が存在したのか、どうしてここが禁足地になったかの理由についてはわからないそうです。
禁足地になった由来はいくつかあり、
- 日本武尊(ヤマトタケル)の陣屋説
- 葛飾八幡宮を最初に勧請した神聖な土地説
- 平良将の墓所説
- 平将門の墓所説
- 将門の家臣6人が泥人形になった説
- 昔の豪族・貴族の墓所(古墳)説
などだそうです。
安政4年(江戸時代。1857年)伊勢屋宇兵衛建立の石碑。
他にも石碑がありました。
まっすぐ伸びる竹。
かつては細竹、漆、松、杉、柏、栗などの樹木が生い茂る雑木林だったそうですが、竹に侵食されて、樹木は僅かに残るのみ。
また、藪の中央部が窪んでいるという地形的特徴があるそうですが、私にはよくわかりませんでした。
柵の向こうに切られた竹が積み上げられていたので、中に入って管理をしている方はいるようです。
江戸時代に書かれた地誌や紀行文に「藪知らず」が載っており、
- この藪知らずは入ってはならないところ
- 一度入ったら出てこられないところ
- 入れば必ず祟りがあると恐れられたところ
として記載され、「諸国に聞こえて名高きところなり」と言われ全国的に知られていたのだそうです。
有名なのが、1658~61年、水戸黄門(徳川光圀)が藪に入り、神様の怒りに触れたという話が錦絵になって広まったのだそうです。
水戸黄門の伝説は、茨城県の鹿島神宮にもあります。
現地の看板には、
古代から八幡宮の行事に「放生会(ほうじょうえ)」があり、生きた魚を離すための池や森が必要で、八幡の藪知らずの真ん中が凹んでいるのは放生池の跡地であったのではないか。市川市周辺地域は中世には千葉氏の支配下にありましたが、内紛で荒廃してしまい、八幡宮の放生池の「入ってはいけない」ということだけが伝えられてきたのではないか。
・・・と書かれていました。
関連のある葛飾八幡宮はここから徒歩5分もかからないところにあるので、あわせてお参りに行ってみてはいかがでしょうか。(また後日、参拝記を紹介します)
八幡の藪知らず・・・、神隠しに会うのかどうかわかりませんが、謎スポットでした。
江戸川乱歩の「孤島の鬼」や夏目漱石の「行人」等、さまざまな小説に「迷い込んで出られなくなることの喩え」として使われているようなので、読書好きな方もぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
(この参拝記は2019年のものです)
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交通アクセス
JR本八幡駅か、京成八幡駅から徒歩5分。
車で行く場合、付近の有料駐車場を利用。