今日紹介するのは、2022年2月4日から劇場公開されていた「鹿の王」。
春休み終了まで上映しているかと思いきや、春休み前にはもう上映終了してしまいました。
文庫本4冊を113分の映画にしたので、ちょっと端折っている感じがしましたし、登場人物も何人か登場しませんでしたが、映像は美しく、とても良かったです。
鹿の王は、「精霊の守り人」などで有名な上橋菜穂子さんが、2014年に発表したファンタジー小説です。
2015年度の本屋大賞と日本医療小説大賞をダブル受賞し、シリーズ累計230万部を突破した作品。
ファンタジー小説で本屋大賞を受賞したのは、今作が初だとのこと。
映画のタイトルになっている「鹿の王」とは何かというと、異変にいち早く気づき、命を懸けて警告を発する鹿のことです。
この作品には、主人公が二人います。
- 妻子を流行り病で亡くし戦士となったヴァン。
- 過去に流行り病で滅亡したオタワルの医師ホッサル。
声優は、ヴァンが堤真一さんで、ホッサルは竹内涼真さんでした。
監督はもののけ姫、千と千尋の神隠し、君の名は。の作画監督を担った安藤雅司さん。
物語は、ヴァンとユナの血のつながりのない親子関係、感染症問題、領土問題、民族問題と、いろんなことが複雑に絡み合っているので、大人は理解できるでしょうが、子供にはちょっと難しいかなと思います。
けれどもお話はテンポよく進んで中だるみがありませんし、登場人物は魅力的で、映像は美しかったです。
またネット配信、テレビ放送などがあると思いますので、ぜひご覧ください。
じっくりと「鹿の王」の世界を堪能したい方には、やはり原作本がオススメです。
本屋大賞と日本医療小説大賞を受賞した本ですので、体と病について、勉強になります。
「生き物はみな、病の種を身に潜ませて生きている。身に抱いているそいつに負けなければ生きていられるが、負ければ死ぬ」
「病と言うのは不思議なもので、同じ病素が身体に入ったのに、死ぬものもいれば、死なぬ者もいる、ということがございます」
「私達の身体には、様々な開口部がある。傷が出来ればもちろんのこと、口や鼻、目、耳、そういう外に開いてしまっている場所から、目に見えぬごくごく小さな病素が侵入して、身体の中で増えれば病になるわけだ。だけど、考えてみてくれよ。そんなの、いつでも起きているんだよ。私たちが食べている物、顔を洗う水、なにもかもに病素は潜んでいるんだ。それでも、私達は別に、ずっと病んでいるわけじゃないだろう? なぜ、病素がしょっちゅう入ってきていても、ほとんどの場合、病まないで済んでいるのか、そこにこそ、君たちの症状を解くカギがある。いいかい、私達の身体は、ひとつの国みたいなものなんだ」
「人の身体は国みたいなものだって。ほんとうにそう。ひとつの個体に見えるけど、実際にはびっくりするほどたくさんの小さな命がこの身体の中にいて、私たちを生かしながら、自分達も生きていて・・・私達の身体が病んだり、老いたりして死んでいくと土に還ったり、他の生き物の中に入ったりして命を繋いでいく。そう思うとね、身体の死って、変化でしかないような気がしてしちゃうんです。まとまっていた身体が、バラッと解散しただけ、のような」
人間が本来持っている「免疫力」、大事ですね・・・。
免疫力を上げるポイント
①適度な活動性と休養のバランス
②からだを温めること
③ストレスを減らすこと
④腸内環境を整えること
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ぜひ、原作をお読みください。