【松代城跡、真田邸】 真田信之(真田幸村の兄)から約250年10代、真田(さなだ)の居城となった地

今日は長野県長野市の、松代(まつしろ)城跡と、真田(さなだ)邸を紹介します。

松代城は真田信之(さなだのぶゆき)の居城だったところで、現在は国指定史跡の城跡になっています。真田信之にピンとこない方には、真田信繁(真田幸村)のお兄さん、と言えばわかりやすいでしょうか。

 

真田父子犬伏密談図。右側が真田昌幸(まさゆき)、一番左と真ん中が、長男の信幸(後に信之と改名)と次男の信繁(幸村のこと)。 豊臣秀吉亡き後、因縁のある徳川家康につくのか、豊臣方(秀吉の妻と子)につくか話し合っているところです。

父・真田昌幸(まさゆき)と弟・信繁(幸村)は豊臣方につき、信幸は自分を可愛がってくれた徳川方につくことを決意し別れます。

 

NHK大河ドラマ真田丸でもおなじみ、真田幸村(本名は信繁)の甲冑。兜には六文銭に鹿の角。

豊臣方についた弟の信繁(幸村)は大阪夏の陣で死にましたが、可愛がってくれた徳川についた兄の信之は生き延び、明治維新までの約250年10代、松代城は真田氏の居城となりました。

以前、和歌山県の【九度山・真田ミュージアム】 真田親子が14年間蟄居した。真田幸村の本名は信繁なのですの記事で歴史について書いたので、併せてごらんください。

 

 

旅行記

先に地理的な説明をしますが、戦国時代から江戸時代初頭までこの地を支配した武田信玄や上杉景勝などにとって、松代は北信濃を支配する上で重要な拠点でした。

松代(まつしろ)城(築城当時は海津城といった)はもともと、武田信玄が上杉謙信の攻撃に備え築城したもので、川中島の戦いで重要な拠点でした。

 

 

松代城跡への公共交通機関でのアクセスは、JR長野駅から川中島バス「松代線」約30分、「松代駅」バス停下車、徒歩約5分です。車で行く場合、松代城北駐車場が近いです。

 

 

先ほど、武田氏が築城したのが松代城の始まりと書きましたが、武田氏滅亡後には織田氏家臣の森長可の居城となり、天正13年(1585年)には上杉氏の支配になりました。戦国時代なので城主の変遷が目まぐるしいですね。

真田(さなだ)が城主になったのは、元和8(1622)年。1615年に大坂夏の陣で、豊臣方についた弟の真田信繁(幸村)が死んだ7年後のことでした。

自分を可愛がってくれた徳川方についていた信之(幸村の兄)は、その功によって父・昌幸が築いた上田城とその領地を継ぐことを許されます。上田から松代へ移封されて(松代10万石、上州沼田3万石)、以降、明治維新までの約250年10代、真田氏の居城となりました。父と弟亡き後も、この地でしっかりと真田家を守った信幸(後に信之と改名)。どのような気持ちだったのでしょうか・・・。

 

 

 

こちらの漫画本は、祖父・幸綱、父・昌幸、長男・信幸と、次男・信繁(幸村として有名)のことが、それぞれの人物を主人公にして短編集として書かれているので、とてもわかりやすいです。お値段も1000円くらいでお手ごろ。

 

 

松代城跡(築城当時は海津城)の入場時間は、9:00~17:00(11月~3月は16:30まで) ※入場は閉場30分前まで。

無料で入れます。

 

 

 

松代城跡マップ。甲州流築城術の特徴を強く持った、武田氏築城の代表的な城の一つなのだそうです。

千曲川を背後に、本曲輪を三方から二の曲輪が囲み、甲州流築城術の特徴である丸馬出と三日月堀があります。

1872年(明治5年)、松代城は廃城となり、跡地は藩士に払い下げられて畑に変えられました。

 

 

松代城跡はそんなに広くないので、見学時間は20分もあれば十分です。ここから徒歩3分の所に、真田宝物館があるので、併せて行きましょう。

 

 

真田宝物館。一般600円、小・中学生100円。4月~10月は、9:00~17:00 (入館16:30まで)、11月~3月は9:00~16:30 (入館16:00まで)。

 

 

宝物館の敷地に、真田幸治氏の銅像。真田家第十二代当主で、真田家450年に渡って伝わる宝物をここに寄贈した方です。

 

また、この周辺にはたくさんの見所がありますので、

でご覧ください。

近くにある文武学校ではバーチャル砲術体験とか、最新鋭の機器が揃っていて楽しめるので、あわせて立ち寄られてはいかがでしょうか。

 

 

 

江戸時代、長野市松代町は松代城を中心として松代藩十万石の城下町として発展しました。雰囲気のある街並みは散歩が楽しいです。

 

 

長野オリンピックの聖火ランナー増がありました。

 

 

恩田木工民親(おんだもくたみちか)の像。江戸時代中期、松代藩の財政立て直しに成功した人です。

 

 

テクテクと歩いて、真田邸に到着。

城外御殿の真田邸(新御殿跡)。

九代藩主・幸教が、義母・貞松院(幸良の夫人)の住まいとして1864(元治元)年に建築したもので、明治期以降は伯爵となった真田家の私邸として利用されました。

松代城と一体のものとして、国の史跡に指定されています。

 

 

真田邸は、一般400円、小・中学生100円の入館料がかかります。

 

冥銭(三途の川の渡し賃は6文だといわれていた)を表している真田の家紋、六文銭。

 

 

松代城北駐車場に車を停めて、テクテクと歩き、松代城趾、真田屋敷、真田宝物館、文武学校、武家屋敷風の町並みを散策しました。

有料の施設に入らずに観光を終えましたが、じっくりと各施設を見たい方は半日くらいかかるのではないでしょうか。

10月初旬の連休、松代藩真田十万石まつりが毎年開かれるので、この時期に訪れるのも良いでしょうね。

ちなみに、松代城は松代藩の政治の中心となりましたが、商人たちは善光寺門前から動こうとしなかったため松代城下は商業の中心地にはならなかったのだそうです。

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戸隠、善光寺、松代をまわった二泊三日旅行で買ったお土産。

 

 

 

真田ファンの方は、こちらの記事もご覧ください。

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(この旅行記は2019年のものです)

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交通アクセス

松代城跡への公共交通機関でのアクセスは、JR長野駅から川中島バス「松代線」約30分、「松代駅」バス停下車、徒歩約5分です。

車で行く場合、松代城北駐車場が近いです。

料金

松代城跡は無料です。
真田宝物館。一般600円、小・中学生100円。4月~10月は、9:00~17:00 (入館16:30まで)、11月~3月は9:00~16:30 (入館16:00まで)。
真田邸は、一般400円、小・中学生100円の入館料がかかります。

この一帯には見どころがたくさんあるので、真田宝物館のページを参照。

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