【小坂鉱山事務所】 鉱産額日本一、銀山日本一の栄華を誇った小坂鉱山の資料館

続いて秋田県小坂(こさか)町の観光です。

前回の【康楽館(こうらくかん)】の隣に、小坂鉱山事務所があります。

旅行記

小坂鉱山事務所は、前回の康楽館と同じく、国の重要文化財。明治期から大正期にかけて鉱産額日本一を誇った小坂町のシンボルです。

→→【康楽館(こうらくかん)】の記事はこちら・・・約100年前に建てられた、日本最古級の劇場。

 

 



明治38年(1905)に建設され、1997年までの92年間、使用されていたそうです。

 

前回の康楽館は移転復元されていない建物ですが、こちらは2001年に現在地に移転・復元された建物で、中は有料(大人330円、小中学生170円)の資料館になっています。

 

私たちは康楽館とのお得なセット券で入館しました。

レストランの利用のみならば、無料で入館できます。

 

 

入り口には小坂鉱山事務所を見上げる像。

小坂明治百年通りには、いろんな像があるので、探すと楽しいですよ~♪

 

 

入り口を入ってすぐのレトロな電話は、使用可能です!

 

 

 

時間に余裕のある方にオススメするのが「モダン衣装室」。


衣装レンタル30分720円。受け付けは9時から16時半まで。

私たちが訪れたのは夏休みの平日。夏休みと言っても、東北の夏休みは短いらしく、もう学校が始まっているようでした。

そのため、お客さんが少なく、衣装レンタルをして記念撮影をする方もおらず。

100着もの衣装の中から選べ、小物も貸してくれるそうですが、撮影は手持ちのカメラのみです。

 

 

 

こんなオシャレな廊下で、ドレスを着て記念撮影・・・楽しそうですよねぇ。

 

 

 

 

小坂鉱山事務所は三階建てですが、エレベーター完備。

 

 

 

ルネサンス様式で造られた外観の事務所の見どころは、美しいバルコニー。

 

 

上部の藤の花と田の文字を模した透かし彫りは、「藤田組」をあらわしているそうです。

 

 

 

窓から見た景色。

レンガの壁は記念に移設されたもので、その隣の白い小さな建物は、霊安室として使われていた施設です。

 

もともと小坂鉱山事務所はここにはなく、よそにあったものを現在地に移転復元したもので、ここには「小坂鉱山病院」がありました。

 

病院は火災で焼失、後に別の建物を建てて診療していましたが解体。

空き地に小坂鉱山事務所を移転復元し、現在に至ります。

 

 

小坂鉱山病院は、明治41年に建てられたルネッサンス風外観の病院で、小坂町民を89年間も診療しました。

焼失してしまった小坂鉱山病院は、小坂鉱山事務所に勝るとも劣らずといわれた華麗な病院本館であったそうです。

 

 

三階の所長室。

小坂鉱山は明治・大正期に「日本最大銅山」と称えられたそうです。

 

 

小坂駅を「こわい坂駅」にした、ちょっとホラーなムービーが見れます。
坊ちゃんの小坂行きの切符をこわい坂行きへ変えて差し上げましょう〜、ひっひっひっ〜〜。

 

 

 

 

現在の小坂町の人口は 5,200人くらいですが、最盛期には3万人も暮らしていたそうです。

 

その繁栄ぶりは、全国から集まってきた技術者とその家族が「東京のようだ」と目を見張る近代都市であったそうです。

都市から小坂へ移住する人達は、電車の中で「どんなところなのだろう・・・」と不安でしたが、電気が煌々と灯る近代的な街を見て安心したのだそうです。

小坂町民の約三分の一、8,000人近い人々が鉱山で働き、特に製錬夫は有毒ガスとの戦いであったようです。

 

 

鉱山開発による煙害で、周りがすっかり禿山になったというから、労働は過酷だったでしょうね。

 

 

 

息子が熱心に見ていた3D映像。

ちょっとふざけた話で、面白かったですよ~♪
全部見ると10分くらいだったかな?

 

 

ドイツ人技師クルト・ネットー。

滞在中に日本画などを描き、帰国後は広くヨーロッパに日本の文化を紹介したそうです。

日本のことを、好きになってくれたんでしょうね。

 

 

小坂鉄道お宝展。

鉄道好きな人は、ここだけでかなり楽しめるでしょうね。

 

 

最後はレストラン「あかしあ亭」で食事。
レストラン専用入り口から入った場合、入館料はかかりません。
写真はビフテキ風あかしあ丼、1350円。

 

 

 

小坂鉱山の始まりは、江戸時代。小林与作が銀鉱を発見したことから始まりました。
本格的な近代化は、大島高任とドイツ人のクルト・ネットーの二人の技術者が来た明治からで、明治14年には銀山日本一の生産量を達成、明治40年には鉱産額日本一となります。

当時の秋田県歳入決算額の八倍を超える額に相当するというから、かなりの生産量を誇ったのですねぇ・・・。

世界一の大溶鉱炉が作られ、「世界で最も進歩した熔鉱場」として海外にも報道されたそうです。

しかし平成二年に鉱石採掘の歴史に幕を閉じ、現在は「すべての産業廃棄物を資源に」のキャッチフレーズで、エコタウン計画を推進。

使われなくなったパソコンや携帯電話等から金属を取り出す「都市鉱山」による金属リサイクル産業に力を入れているそうです。

 

小坂町は鉱山から出る亜硫酸ガスを含む煙害によって、周りがハゲ山になってしまった歴史を持ちます。

そんなハゲ山をよみがえらせようと植樹されたのが、煙害に強いニセアカシアの木。

現在、約三百万本以上(五百万本ともいわれる)のニセアカシアが植えられており、六月にはいっせいに花開くそうです。

 

昔は金、銀、銅などの鉱物で栄えた小坂町は、現在リサイクル事業に力を入れ、アカシア蜂蜜、銅製品の他、エコタウンとして休耕田の利活用から生まれた菜種油、ひまわり油などを特産品としているそうです。

 

 

前回取り上げた康楽館は、小坂鉱山で働く人たちの厚生施設でした。

 

 

写真は康楽館で買った土産ですが、アカシヤ蜂蜜は小坂鉱山事務所売店でも買えます。

 

 

私たちは鉱山事務所の売店で、いぶりがっこを買いました。

これねー、めっちゃ美味しいの!

スモークチーズを嗅ぎながらタクアンを食べている感じ・・・といえばわかりやすいでしょうか。

 

 

 

お酒にもよく合う「大人タクアン」です。もっと買えばよかったなぁ。(ネットでも買えます)

 

 

次は、明治百年通りと、天使館についてサラリと書きます。
小坂町観光は次で終わりです。

次の記事はこちら

いくつか書いてきた秋田県小坂(こさか)町の観光記事は、今回で終わりです。 今日は「明治百年通り」と「天使館」を紹介します。 旅行記 明治百年通りは、明治の芝居小屋「康楽館(こうらくかん)」前の、500mの道です。 →→[…]

 

(この旅行記は2017年です)

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→→康楽館(こうらくかん)の記事はこちら・・・明治の芝居小屋。小坂鉱山で働く人たちの厚生施設でした。国の重要文化財。

 

鹿角市には尾去沢鉱山があり、長~~~い坑道内の見学ができます。
→→尾去沢鉱山の記事はこちら

交通アクセス

公共交通機関で行く場合、JR十和田南駅で秋北バス「小坂行き」に乗車し、小坂小学校前で下車。乗車時間約20分。
または、JR盛岡駅から高速バス「あすなろ号」に乗り小坂高校前で下車。乗車時間90分。

車で行く場合、120台収容可能な無料駐車場があります。

料金について

大人330円、小中学生170円。
衣装レンタルは30分720円。
康楽館とのお得なセット券もあります。

近くの宿泊施設

ホテル小坂ゴールドパレス。康楽館から徒歩6分。

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