【富岳風穴(ふがくふうけつ)】 昭和初期まで、天然の冷蔵庫として利用されていた熔岩窟

前回からの続きで、山梨県旅行の紹介です。

【河口湖オルゴールの森】を見たあと、河口湖駅へ戻って西湖周遊(グリーンライン)のバスに乗り換え、富岳風穴(ふがくふうけつ)をめざしました。

富岳風穴は、【鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)】とともに、国の天然記念物に指定されています。

旅行記

訪れたのは2011年ですが、記事の後半に2019年に再訪した写真を追加したので、ご覧ください。

富岳風穴(ふがくふうけつ)は、【富士山】の北側にあります。

 

富岳風穴(ふがくふうけつ)も、隣にある鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)も、地面に穴があいているのですが、過去に誰かが一生懸命掘ったわけではありません。

これらの穴を作ったのは、富士山の噴火で、富士山麓一帯には無数の穴が存在しているそうです。

富岳風穴の成り立ち(富岳風穴HPより抜粋)

流れ出る溶岩流の上部が内部より先に冷えて固まるが、下部の溶岩流はそのまま流れ続け、その際に上部と内部との間に隙間ができ、固まった空洞が横穴式の洞窟です。富岳風穴はY字型の横穴形式の洞穴です。フィーディングパイプ型溶岩洞穴。

 

風穴入り口への途中にあった穴。

富士山が噴火して溶岩が流れ、表面が固まったあと、地中に含まれたガスが抜けて出来たガス孔の跡です。

まわりは土ではなく岩なので、木の根っこが這うように広がります。

神奈川の森とはぜんぜん違う景色に、びっくりしました。

 

 

押し寄せるマグマがそのまま固まって出来た溶岩棚。

 

 

風穴内部案内図。

富士山が噴火してダーーーッと流れてきた溶岩の上部が冷えて固まり、内部はアツアツのドロドロのまま通り過ぎていきました。

結果、中が空洞に。

溶岩の上には、青木ヶ原樹海が広がります。

富岳風穴の海抜は1,000m。けっこう高いところにあるんですね~。

 

 

富岳風穴の入り口。
風穴の中は真夏でも涼しく、年間平均気温は三度だそうです。
内外の気温差で水蒸気がモワァ~と出ていました。

 

 

穴へ下りていく階段。
風穴は横に広い穴なので小さな子供連れや、お年寄りでも入りやすいです。
鳴沢氷穴は縦に深い穴なので、小さな子連れは難しいです。足腰の弱いお年よりも危ないかもしれません)

 

風穴内部。総延長201m、高さは8.7m、横に広々としており、地面も平坦で歩きやすい。

音を吸収する玄武岩質のため、洞窟なのに音が反響しません

 

 

柵の向こう側には氷がありました。

 

 

2011年10月末の氷。
誰かが氷を持ってきて保管しているのではなく、洞窟内にたまった水が冬季に凍り、夏を過ぎても溶けることなく残ったものです。
天然の氷なので、時期により量は違うそうです。

 

 

富岳風穴天然冷蔵庫。

養蚕が盛んな大正の初期から昭和30年ごろまでは、長野、埼玉、群馬などからマユの中でも成育良好なマユ玉だけを収集し、箱に入れて富岳風穴まで運ばれてきたものを保管されていた場所。

 

目的は成虫にならないように、生きているマユ玉を冷暗貯蔵して、夏マユ、秋マユとして出荷するためだそうです。

 

ほかに、昭和30~40年ごろまで、杉、ヒノキ、ナラ、赤松、から松などの種を全国各地から集め、密封した缶の中に入れて、種子の一つ一つの発芽率を良くし、種の生命を永く維持する目的で一定保管されていました。

 

マユも、種も、窓のついた缶に保管され、中が確認できるようになっていたようです。

 

楽しく散策していたのですが暗かったため、息子がドタッと転倒。

うわーーんと泣いてしまいました。

 

「おー、よしよし、痛かったねぇ」と慰めながら富岳風穴を出た後、徒歩で近くの「鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)」へ移動したのですが、途中「東海自然歩道(青木ヶ原自然歩道)」の看板があるのを見つけ、青木ヶ原樹海の中を少しだけ歩きました。

 

次の記事はこちら

前回の続きで、山梨県旅行の紹介です。 【富岳風穴(ふがくふうけつ)】を見学した後、鳴沢氷穴へ向かったのですが、その途中で「東海自然歩道(青木ヶ原自然歩道)」の看板を見つけました。   近くに居る方に「この道、どこ[…]

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(2019年に再訪した写真を載せておきます)

案内にあるように、富岳風穴は広いので、お年寄りや子供でも見学しやすいです。

洞窟内の温度は、5度から6度くらい。

 

 

風穴への入り口は広々。ひんやりとした空気が下から上ってきます。

 

見学を終えて、地上へ戻ります。

 

 

駐車場近くの「森の駅 風穴」。

 

富士山まんじゅうと、塩トウモロコシソフトを食べました。あまじょっぱくて美味しかったです。

 

 

 

※隣の鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)、すぐ近くの西湖コウモリ穴の記事もご覧ください。

→→【鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)】 江の島と繋がっている?? 幅が狭く段差があるので、足腰の悪い方や、小さな子供は要注意!

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→→【西湖コウモリ穴】 入れるのは3月20日から11月末まで! コウモリが住んでいる洞窟を探検! クニマスも見れます・・・車で5分ほど離れたところにあります。

 

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交通アクセス

河口湖駅前からレトロバス(ブルーライン)に乗り、富岳風穴で下車です。(乗車時間30分)
ブルーラインは本数が少ないので、グリーンラインに乗車し、富岳風穴で下車しても良いです。グリーンラインは少し遠回りになり、乗車時間は50分です。
レトロバス時刻表

私達のように「河口湖周遊線/西湖・青木ヶ原周遊線2日間乗り放題(レッドライン、グリーンライン)1,200円」を購入した方は、追加で300円支払うとブルーラインも乗れるようになります

または、路線バス(富士五湖線)に乗車し、風穴で下車。乗車時間30分ほど。
路線バス富士五湖線

電車の乗り換えはヤフー路線などでお調べください。

車で行く場合、150台分の無料駐車場があります。

フリー切符

大月駅、河口湖駅、富士山駅からいろんなフリー切符が発売されています。
富士急行HP お得な切符
富士急行バスHP お得な切符

いろんな切符があるので、目的地にあわせて選んでください。

西湖周辺の観光には「レトロバス」が便利です。
河口湖周遊線/西湖・青木ヶ原周遊線2日間乗り放題(レッドライン、グリーンライン)1,200円。
富士五湖中、山中湖エリアを除く全線2日間乗り放題(レッドライン、グリーンライン、ブルーライン全線)1500円。
周遊バス路線図

料金について

大人350円、小学生200円。小学生未満無料。

富岳風穴オンラインクーポンで、50円引きのクーポンがあります。プリントアウトする必要あり。

近くの宿泊施設

レイクホテル西湖。西湖に面したホテルです。西湖周遊レトロバスの十二ヶ岳登山口バス停下車、徒歩数分。
富岳風穴から車で10分。

お得で便利な、旅の予約サイト

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